2月7日(火)に明治図書さんから刊行された雑誌「数学教育」3月号に、私が執筆した記事が掲載されています。

明治図書さんのホームページで目次の閲覧や雑誌の購入をしていただけます。

この雑誌は主に中学生に数学を教える先生方を対象とした雑誌で、オムニバス形式で様々な数学の話題が紹介されています。各記事の執筆者は大学教授や有名国立・私立高校の教諭の方々などが多く、どの方も機知と賢慮に富んだ内容を大変わかりやすく解説してくださっています。私の好きな算額の話題もありました!「深い内容をわかりやすく」というのは正に当ブログが目指そうとしている形ですので、私も一読者として大変参考になりました。

さて、その中で私が執筆しているのは40頁目から43頁目の【頭にいっぱい汗をかく「パラドクス」ネタ】の部分です。

タイトルから明らかな通り「パラドクス」をいくつかご紹介しているのですが、できるだけ身の周りにある内容を選んで書きました。

パラドクスというと、狭義には「論理的に矛盾しているもの」を指しますが、巷でよくパラドクスと呼ばれるものの中には「論理的には何ら問題ないが、感覚と乖離しているもの」も含まれており(「擬似パラドクス」とも呼ばれるようです)、今回の記事では特に片方に拘ることなく、両方を満遍なくご紹介しました。

記事のうちの数行を少し膨らませたものを、少しだけご紹介させていただきます。↓

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先生「1,2,3,4,5,6と来たら次に来る数字は何でしょう?」

A君「7です!」
B君「8です!」
C君「10です!」

先生「みなさん理由を言ってください。」

A君「え?いや普通に…正の整数を1から順に数えたら次は7ですよね。」

B君「この数列は120の正の約数を小さなものから順に挙げていっている数列だと僕は考えます。従って1,2,3,4,5,6の次は8です。」

C君「僕は60の正の約数を小さな方から挙げている数列だと考えて、1,2,3,4,5,6の次は10と言いました。」

先生「誰が正しいんでしょうね?」

A君「いやいや常識的に考えてこれ単に正の整数を小さな方から並べただけって考えるのが自然でしょう?」

B君&C君「A君はさっきから『普通』『常識』『自然』とか言ってますが、それらは僕たちの答えを論理的に排除してA君の方が正当だということを裏付けるだけの根拠たり得るものなのですか?」

A君「…」

理屈ですけど、屁理屈です。
屁理屈ですけど、理屈です。
何が正解なのでしょうね。
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私個人の意見としては、3者とも正解ということで良いと思います。

入試などで出されたら、そこは7と答えるべきところなのだと思いますが、数学はもっと自由で良いというのが私の意見であり、また、主観抜きでは決められないものに対しては「決められない」という暫定的結論を出すことが論理的なものの見方というものだと思います。(もちろん「等差数列とする」などの縛りがあればまた話は変わってきますが)

雑誌の記事内では、こういう類の問題に対するある哲学者の考えをご紹介しています。またこれ以外にも3つほど、パラドキシカルな話題を扱っていますので、興味を持たれた方は是非ご覧ください。


普段はひたすら自分の研究をしているだけの私が「教育」をテーマとする書籍に携わらせていただくのは恐縮しましたが、普段ブログで書く際に気をつけていることとはまた違ったことを考えながら文章を推敲したりして楽しく書かせていただきました。

インターネット以外のメディアで数学の楽しみを発信すると毎回思うことですが、今回当ブログが編集者の方の目に留まったのも、こうしてオファーをいただけたのも、元を辿れば今ご覧になっている皆さま一人一人のアクセスや、応援のコメント、気付きを与えてくれるメールなどの賜物だと思います。本当にありがとうございます。

今後もできるだけ楽しんでいただけるような記事作りをしようと改めて感じています。そしてまた他のメディアで数学を発信できた際は、その情報・結果をまたこちらで報告させていただきます!今後とも当ブログをどうぞよろしくお願いします。


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