スポーツやトレーニングに携わっていると、結果が出たのかどうか。あるいは、このやり方で結果が出るのかどうか、どうしても「結果」というワードに敏感にならざるを得ない状況がかなり多くあります。それは仕事でも恋愛でも基本的には同じで、成功するビジネスなのかどうか、結婚に結び付く恋愛なのかどうか、「結果をだすことを前提に」過程を精査、考察することは皆様も多いと思います。
 先日トレーニングのお客様からご相談を受けました。皆様も同じような経験がもしかしたらあるのかもしれません。トレーニングの効果が出ず、モヤモヤしてしまう。今やっていることが正しいのかどうか不安になってしまう。そんな経験は無いでしょうか?

お客様からのQ
 (週に一回の加圧トレーニングを続けています。現在4か月目になりますが効果が出ません。今以上にかなりストイックな筋トレと食事内容もすごく気を付けなければならないですか?私のトレーニングの量や、食事内容で大丈夫なんだろうか?本当はもっとストイックにやらないといけないんじゃないか?)

 実はこのようなご相談はかなり多いです。トレーニングにおける結果が出るかどうかは「運動」「栄養」「休養」「メンタルヘルス」などの要素が必須であり、それらの水準は人によって全く異なるので、それは個別に考えていく必要があるためとりあえずおいて置きます。今回のQに対するAは物事の捉え方的な観点からの回答となります。

著者のA
 (何か絶対に達成が必要な目標や明確な目標がある場合、(例えば糖尿病などでどうしても痩せなければいけない理由がある、コンテストがある等)短期・中期・長期的に期限を設け、達成のためにできることは何でもやる必要があります。結果を最優先させ、かなりの集中力をトレーニングと食事に捧げなければいけません。一日中体のことを考えるくらいのことは必要になります。これは、かなりストレスが溜まりますが、即効性はかなり高まります。
 一方、期限を設けない体作りは、自分との対話によってゆるやかに自分を変えていく忍耐と継続性が必要不可欠となります。どちらかというとヨガ的な発想に近いです。効果が出ない時にはモヤモヤしてしまうかもしれません。しかしモヤモヤしてしまうのであれば、「なぜモヤモヤしてしまうのか」を徹底的に考え、モヤモヤを払拭するためにできる具体的な行動を起こしていくことが必須です。モヤモヤを起こしている原因を浮かび上がらせ、成功を阻害する要素を徹底的に排除していくわけですね。それはお菓子をやめることかもしれませんし、トレーニングを増やすことかもしれません。それは自分との対話であるべきなので、私には断定できることではなく、自分自身を見つめなおし、ご自身で感じ取っていって頂きたいと思っています。
 ただ最も大切なことは、自分の努力を肯定的に捉えてあげることだと思います。そういった姿勢は「モヤモヤしないクセ」をつけるために有効です。人の目、人の脳は肯定的でいるか否定的でいるかによって物事の見方、捉え方が変化します。どんなささいな変化でも否定的に見るか、肯定的に見るかによって、その価値は変化します。例えば「自分の日々の頑張り」「家庭での気づき」「例え週一回だとしても忙しい中毎回スタジオへ脚を運ぶこと」、生活の中のどんなことでも肯定的に捉えて欲しいと思います。自分を肯定的に捉えていくクセをつけることで、自己満足度が高まり、心身のバランスが高まり、最終的に外見の変化へと繋がっていく可能性がグンと上がります。
 私もどうしてもモヤモヤしてしまう時があります。しかし、モヤモヤしたり迷走してしまうという状態は、自己満足度を高めていく上で好ましいコンディションではありません。私はどうしてもモヤモヤしてしまう時は、いっそトレーニングを全てお休みしています。2~3週間程お休みすると今までどれだけ良いコンディションでいられたのかを実感できるからです。
 頑張れない時期があっても良いんです。頑張る時期と頑張らない時期を何度も何度も繰り返し、それでも継続していって、それでもなお理想と現実のギャップにモヤモヤしてしまうのであれば、「目標設定の仕方」か「現状の生活習慣」のどちらかに問題があると考えられます。その場合は、自分自身との対話をさらに深め、徹底的に自分自身を見直すことが絶対的に必要だと思います。
 自分の満足度は常に自分の潜在意識によって決められています。自己満足度を高めるためには、自分の無意識の部分をよく理解し、日々の自分を肯定し、自分をコントロールしていくことが、とても大切です。その上で、高い目標を達成するために努力度を高めていくか、無理のない努力度で追いつける目標設定に調整していくのかを、自分が納得できるバランスで調整していく必要がありますね。

まとめ
 私は上記のような質疑応答の中で、再度考える機会を頂きました。人がなぜ「結果」を出したがるか?と考えていくと、必ず「満足」というワードに直面します。それは「自己満足」であり、「顧客満足」であり、「従業員満足」「パートナーの満足」などであるかもしれません。トレーニングも仕事も恋愛も、どれも人の行いです。その全てに共通すること、そして多くの人が求めようとするものは、どれも「人の満足」なんだと思います。
 
 満足をしたいから、人は結果を出したがるんだ。
 
 そう考えてみると、以外と結果が出やすい法則のようなものが見えてきませんか?例えば、「食欲を満たすためだけ」にわざわざ一流の超高級レストランに一人で通い続ける人はあまりいないと思います。一流のレストランへは、「大切な人」と「最高のおもてなしを体感するために」年に何回か予約をして訪れたりするものです。そこでは食欲を満たすことよりむしろ、その場での「語らい」だったり、そこでの「おもてなし」や「思い出」が大切で、全てが脳裏にやきついて、「ああ来てよかったな、また来たいな」という満足が生まれます。その時、その人の中では「自己満足できた」という成功体験が生まれるわけですね。

 指導者である以上、結果にはこだわらなければなりません。それがプロフェッショナルだと思うからです。しかし、最高の料理や、おもてなしを提供することはできても、お客様一人一人が大切な人と共有する「語らい」や「思い出」にまで私は介入することはできません。

 私には「祈る」ことしかできません。最高の努力の元、最高の料理とおもてなしによって最高の語らいや思い出という「結果」が生まれることを。時には、百回のうちの何回かは、(曲りなりにも指導者として結果を出せていて、ごはんを食べれるようになってきたので弁明をするとして)結果が出ない時もあります。その時はいつも自分を見つめ直す機会と捉え、違った努力さらなる努力を積み重ねるのみ。つまり、私にできることは、お客様一人一人の努力が無駄にならないよう、横について並走したり、時にはちょっと前に出て背中を見せたり、たまにはちょっと後ろに下がって背中を見る。努力の方向性の微調整程度のことです。それが、トレーニング指導であり、メンタルコーチングであり、プロフェッショナルとして最も大切なことなのだと捉えています。

 結果を前提とした計画や行動はとても大切なことです。しかしそのことに縛られて本来の自分を見失ったり、気持ちが落ちてしまうこともたくさんあります。人間だもの。時には今の自分を俯瞰的に捉え、結果がでなくなってしまうであろう要因を浮き彫りにしていったり、結果がでやすくなる法則を自分なりに見つけてみる。その努力の積み重ねを楽しむ工夫をしてみる。そうすることによって、心身のバランスが整い、自己満足度が高くなって、最終的に目に見える結果に結び付く。目に見えない部分の変化→目に見える部分への変化という経過をたどっていくことができるのではないかと思っています。

 より多くの方が、大切な人との語らいを楽しむように、自分との対話を楽しんで、トレーニングを楽しんで結果を感じていってほしいなと考えております。


トレーニングスタジオ ナヴィーオ
http://nsk-capoeira.net/
代表 : 山崎
tel : 080-5062-1716
mail : enter-the-yama@hotmail.com