この本はぜひ堀江貴文を嫌いで嫌いで仕方がない、という人に読んでもらいたい本です。
 メディアを騒がせ、ニュースを騒がせた堀江貴文さんの自伝です。あの事件で刑務所生活を送ることになり、そしてまたこちら側に戻ってきた彼が何を考えているのか。面白おかしく金の亡者のように描かれてしまいがちな彼が、どう考えてどう生きてきたのか。そういうものが染み渡るように伝わってきます。


相手を説得・納得させるには文句も言えないくらいの成果を見せつけることが大切であるという考えが生き方の大前提であるようです。変わり者の両親。家庭 環境が決して恵まれていなかった子供時代。自分の意見を通すためには、そんな良心ですら文句のつけようのないくらいの勉強をし、結果を出した。閉鎖的な田 舎から逃げたくて都会に行きたい時には「東京大学」という大義名分を手に入れた。失敗したり格好悪い事も書かれているのですが、基本的にそのスタンスは ずっと持ち続けているようです。その確固たる姿勢には心を打たれます。

人は何か新しい事を始めるとき(私も含めてなのですが)、とても恐怖を感 じることって少なからずあると思います。でもその考えを改めてくれる言葉が本書には書かれていました。サブタイトルにもありますが「ゼロに小さな1を足す だけ」でいいんだと。毎回毎回小さな1を足していくことによって大きな成果を得ることができる、確かにそうなんですよね。そう思えば大きなことも少しずつ チャレンジしていきたいなと思えてきます。非常にシンプルだけれど、とてつもなく合理的な考え方です。

本書全体はとても簡易でソフトな文で語ら れています。マスコミ買収やプロ野球参入の時の攻撃的な彼とは全く違う(当時は、敢えて計算してあのような態度を取っていたようですが)。飾らない言葉の 数々が逆に心に響いてくるのかもしれないですね。彼についてはあまり良い印象を抱いておりませんでしたが、本書を読み終えて印象がガラッと変わりました。

ゼロ なにもない自分に小さなイチを足していく 堀江貴文 | みんなの書評を知る