この映画、ジャンルで言うとループものです。映画によってはループものとわかることが致命的なネタバレにつながりますが、この話の場合、面白さのポイントはそこではないので知った上で見ても大丈夫です。
田舎町での毎年恒例の行事をTV中継するためにやってきた、人気気象予報士のフィルが主人公。ウッドチャックの行動で1年の天気を占う、という日本でもどこかでやってそうな退屈なイベントです。当然仕事に身が入らず、適当にやっつけた後帰ろうとするフィル。しかし天候悪化のためやむなく街に戻り、もう1日宿泊することに。次の朝フィルが起きるとなぜか日付が変わっていない。そして、延々と同じ1日を繰り返すはめに陥ってしまう。周りの人間は誰そのことに気づいておらず、フィルはどうしたらこの1日から抜けだすことができるのか。
ストーリーをひと通り見てみると、フィルの行動は有名な「死を受け入れる5段階のプロセス」を思い起こさせます。すなわち、否認、怒り、取引、抑うつ、受 容。ちょっと違うのは、お調子者のフィルは最初は自分だけが知っている情報を活かしてうまく立ちまわるところ。金や女を手に入れて遊びまわります。ところ が、同行している女性ディレクターを口説き出すことで状況が変わります。彼女は俗なフィルとは正反対の教養ある洗練された人間。何度やり直してもうまくい かないことに次第に苛立ち、絶望し、自殺すら出来ないと分かった辺りから、フィルの人間性が変わり始めます。人を人とも思わない傲慢な人間だったフィル が、ループできることを利用して、他人を救い、自分の内面を磨くことに傾注するようになるのです。
この辺りのフィルの変化は実に感動的で、かつループものの醍醐味とでも言うべき面白さが詰まっています。小道具もいろいろと活用し、実にきめ細かくフィルの内面や行動が描かれていて引きこまれます。フィル役のビル・マーレイの演技も実に見事。
私は何度もこの作品を見ていますが、一連の話の流れがわかっていても毎回楽しめるのが凄いところ。SFでもあり、ラブロマンスでもあり、ヒューマンドラマでもある。一本に何本分もの面白さが詰まっている、上質な映画だと思います。

恋はデジャヴ - おすすめ映画日記

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2014-12-03