2008年06月30日

【読書日記】クライマーズ・ハイ

横山秀夫 クライマーズ・ハイ

クライマーズ・ハイ (文春文庫)



出版社:文春文庫
価格:¥660(税込)
発売日:2006年6月


内容
1985年、御巣鷹山に未曾有の航空機事故発生。
衝立岩登攀を予定していた地元紙の遊軍記者、悠木和雅が全権デスクに任命される。
一方、共に登る予定だった同僚は病院に搬送されていた。
組織の相剋、親子の葛藤、同僚の謎めいた言葉、報道とは―。
あらゆる場面で己を試され篩に掛けられる、著者渾身の傑作長編。


かりめろ的感想

同じ場面が与えられることは二度とない。
その一瞬一瞬に、人の生きざまは決まるのだ。



以前、かりブロ♪で重たくて一気に読めない!と言っていた本です♪
ある意味、「おじさん」の小説なんですがw


決して格好いいもんじゃなく、
決断できなかったり、負けてしまったり…葛藤しても答えがなかったり。
そして、それは実は自らの弱さのため、だったり。
理想はあっても、それを実現するには何かが足りなくて、
いつもいつも現実との狭間でのた打ち回ってる。
―何かね、そういう「重たさ」っていうのもあったし。


あと。
日航機墜落事故っていう実際にあったコトを題材にしていて。
あの事故自体がとっても重たいものではあったのだけれど。
『あの事故を伝える』という仕事や使命の中に
こんなにも壮絶な葛藤があったことを実は想像すらしていなくて。


いつも新聞って何気なく読んでいるですよね。
朝起きて、とりあえずテレビ欄とか見て。
で、そのまま後ろから捲っていって、真ん中まで来たら、
そこから、一面に返って、また真ん中まで行く、
とまぁ妙なルートで読んでいたりするのですが^^;
でも、くまなく読む、というよりは
気になったものを拾い読みしていく感じで。

でも一つ一つの記事は勝手にできあがったものではなく
『誰か』が書いたもの、なんですよね。
取材して、どのコトバで切り取るか、何を伝えるか。
そやって、人が一つ一つ葛藤してできあがっているんですよね。

も少し考えてみれば。
新聞の情報量って、ものっそいモノがあって。
びっくりするほどたくさんの人が記事を書いて、
紙面に配置して、校正して、印刷して、配達して。
―たくさんの人がいればいるほど、立場とかしがらみとかが膨れ上がって。


何ていうんだろ、
そういう一人一人の立場とか、矜持とか。
組織の論理とか、妬みとか、、、
そういったものが小説の中に全部入っていて。
端から見れば、ものっそい自己中な論理であっても
その人自身にとっては何よりもたいせつなことだったり。
もちろん主人公が中心なんですけれど
喧騒と怒号の中で、『組織』が動的に生きている感じがすっごくあって。


実は、事故発生からの一週間を描いたモノなんですが。
(もっと言えば、17年後の視点からでもあるのですが)
『一週間』と、きちんと言われなければわからないくらい濃密な時間が描かれているです。
時折やってくる、何というか、、、
『ものすっごい荒波』がね、
それがやってくると、読んでくときのスピードまで一気にあがって!
一緒に呼吸している感じになるです、よね^^


こういう小説を違和感なく読めるようになったということは
それだけ自分が『組織』ってものを理解し始めたということだろうし。
―それに従っているかどうかは別の話として(自爆)
それだけ自分が年齢を重ねたってことなのかなぁとか思ったりして。



うん、一つの『新聞』を創りあげる人々の
アツい想いをダイレクトに感じられる小説だと思います☆
ずっしりくるものを読みたいときにはおススメです^^

erita555 at 23:57│Comments(0)TrackBack(0)clip!book 

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