8086786383_c4dd168aba[1]

初日の新宿Motionのヘッドライナーを務めるのは、高田馬場発の3ピースバンド・SuiseiNoboAz。轟音ベースの振動、高いシンバルの響き、ファズギターの濁り……骨太なロックサウンドを鳴らしつつも、サイケデリックの中毒性が漂っている。そこにスパイスを加えるのが石原正晴(G/Vo)の渋く味わい深い歌声。テクニカルで近未来的/知的なサウンドが新進気鋭なバンドだ。

8086787828_324545ea8d[1]ライブがスタートするなりギターの弦が切れるというハプニングが発生。「弦が切れたのでもう1回やります。すみません、すみません……」といきなり謝罪を連発するハメになった石原に対し、客席は「もう1回やってー!」と温かく返す。そして仕切り直すと、何事もなかったかのように会場全体が楽曲に集中した。2曲目には彼らの名刺のような楽曲「水星より愛をこめて」を披露。“水星のボアズより地球のみなさまへ発信された大事なメッセージ”と歌い出し、結局“メッセージは特にない”という、なんともひねくれた一曲だ。信号のように発信されるボーカルとメロディが、一聴すれば耳にこびりつく。その後も“海賊が出たぞー!!”と叫び“ピザでも喰ってろ豚野郎”と連呼する「T.D.B.B. PIRATES LANGUAGE」、“マザーファッカー”という単語が引っかかる「64」など、思わず目を見開いてしまうような言葉が飛び交うナンバーが続き、どんな事件が起こるかわからない緊張感がひたすら続いた。“くたばれ世界”、そんなことを声を大にして言い放つ「E.O.W.」にて本編が終了する。

熱気を帯びたアンコールで再びメンバーが登場すると、「Motionは昔よく出てた小屋なんで……ツジくん(ETERNAL ROCK CITY.2012・主催者)の粋な計らいでしょうか」と、石原からライブハウスとのゆかりが語られた。落ち着いたトーンで話していたが、自分たちのホームであった場所でフェスのヘッドライナーを務められることは、バンドにとって大きな喜びだろう。1曲を盛大に弾き終えると、石原のギターはステージ前方のミラーボールに引っかけたまま残されていった。“ストラトキャスター殺人事件”――「プールサイド殺人事件」にて最後に歌われるこの歌詞が、まるで現実に起こったようだった。(松井恵梨菜)

■SET LIST
01. ultra
02. 水星より愛をこめて
03. T.D.B.B PIRATES LANGUAGE
04. Ask For Tiger
05. my disco
06. shoegazer
07. kingdom come
08. 64
09. E.O.W.
~EN~
01. プールサイド殺人事件

『水星より愛をこめて』


Photographer:長谷川 レミ(ハセガワレミ)
Contact: r.hasegawa.0@gmail.com