November 29, 2005

【books】杉浦日向子『一日江戸人』

edojin 先日「北斎展」に行き、江戸文化への興味が湧いてきたこともあり、本棚の奥から杉浦日向子の『一日江戸人』を引っ張り出してきて再読。むかーし昔に読んだのだけれどだいぶ内容は忘れてしまっておりました…。やっぱりすごく面白い!

 杉浦日向子さんは江戸風俗研究科であり、漫画家であり、エッセイストでもあった才女(荒俣宏と結婚してたこともあると知ったときには本当に驚いた…)。NHKの「お江戸でござる」の解説コーナーの解説者としても活躍されていらっしゃいましたが、残念ながら今年7月に逝去されました。「お江戸でござる」は、肝心の舞台よりもこの解説が楽しみで、たまに見てました。私の江戸文化に関する本当に少ない知識は、中高生の頃の日本史の教科書(でも全然内容覚えてないよ…)と杉浦さんの著書から得たものです。よって大変貧困です。もっと勉強するべきだなぁ…。

 この『一日江戸人』は、江戸風俗に関するトリビアの泉。「へぇ〜っ」と唸っちゃうようなうんちくがわんさか。杉浦さんによる楽しいイラスト解説と非常にわかりやすい文章なので、本当にスイスイ読めてしまう。江戸文化初級者にはお薦めの一冊です。江戸時代の色男に美女について、大奥の秘密や知られざる将軍様の暮らし、食、酒、相撲に年中行事、粋なデザインや“歌舞伎もの”のお洒落などなど、内容は多岐にわたります。
 これ読むと本当にタイムスリップして「江戸っ子」の庶民の暮らしを体験してみたくなってしまいます。アクセク働く現代日本人からは程遠い、その日暮らしのお気楽極楽生活。夏は働かずにバカンス、季節ごとの楽しみを満喫、江ノ島や大山なんかに旅し、お洒落も楽しみ……と、この本だけで判断してしまうと「江戸っ子って、すっごい楽しそう」と思ってしまう。(実際は楽しいばっかりじゃなかったんでしょうけど。)ひたすら明るく楽しい風俗話ばかり。

 そういえば北斎展でのコメントで春画について話題になりましたけど、北斎が春画を描いたいたときの変名は“鉄棒ぬらぬら”だったそうだ…。卑猥を通り越して滑稽。春画については「勝ち絵」と称して戦場に持って行ったり、火事除けにしたりなどの利用法もあったという。うーん、面白いなぁ。

 浮世絵および江戸文化については、本当に薄っぺらな知識しか持ち合わせておりませんので、これからいろいろ読んでみようかなという気でおります。

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