語順
2011年12月22日
それが、いささか論理に合わないように感じられています もし「助動詞+動詞」という方程式通りなら、動詞の前に「状语」(動詞を説明、限定する語)なるものがある場合、混乱が生じるのではないでしょうか
たとえば、
わたしはあなたと一緒に行っても良いですか
という文を、中国語で言うと、
我可以跟你一起去吗?
が正しいのですが、
我跟你一起可以去吗?
というふうに言っても良くなったり。。。 「助動詞+動詞」なら、当然その結末になるからです
しかし、わたしはあなたと一緒に行っても良いですかという日本語をよく見ると、それは、わたしはあなたと一緒に行くということが允許されるかどうかを尋ねているわけですよね
それを中国語で表現すると、「可以 」が「跟你一起 」と「去 」という2つの項目にかかわることにならないといけないのです なので、
我 可以 ×(跟你一起+ 去)吗?
という方程式じゃないと説明が付かないのです
話をするとき、括弧つ、プラス、括弧閉じといった表現は余計ですが、実際は「可以 ×(跟你一起+ 去) 」という方程式どおりの語順になっているのです
それを帰納していうと、「助動詞× (状语+動詞)」の方程式になります。「状语 」がない場合は、もちろん「助動詞×動詞」となります
助動詞付きの文をつくるときには、この方程式に基づいて作ると無難でしょう。
また、
我可以在这儿抽烟 吗
(私はここでタバコを吸っていいですか)
这儿可以抽烟吗
(ここでは、タバコを吸っていいですか)
という2つの文を見ると、 は、
我+可以×(在这儿+抽烟 )+吗
となり、 つまり、 「可以」 は、「在这儿 」と「休息休息 」という2つの項目にかかわっています。それに対して、は、
这儿+可以×抽烟+吗
となり、「可以 」のかかわるものは「抽烟 」だけです。
「助動詞× (状语+動詞)」で言葉を並べると、いろいろな応用が効きます。
私は来年中国へ行く予定です。
は、
我+打算×(明年+去中国)。
となります。では、
来年、私は中国へ行く予定です
なら、
明年+我+打算×去中国。
となります。「明年 」を強調したい場合は、文頭に持っていけばいいのですね
じゃあ、
私は来年、中国へ行く予定です
となると、
我+明年+打算×去中国
となります。言葉としてはありですが、「明年 」を強く発音しないと分かりづらいのです
文をつくることは、ただ単に単語を並べるのではないのです。何が言いたいのか、ということをしっかり把握することも大事ですよね
も
2009年03月27日
「给+人+動詞」は、「(人)に〜してくれる(あげる)」という意味だと説明されたことがあるかと思います。そうすると、
わたしは彼に電話しない
となると、
我给他不打电话
というふうにいう人がいらっしゃるようです。理由も分かりやすく、「彼に」なら「给他」で、「電話しない」なら、「不打电话」で良いんじゃないか、ということですね。
ところが、それは間違った表現です。正しくは、
我不给他打电话
なのです 「给」という字は、「(人)に」というふうに理解されがちですが、実際は、単なる「(人)に」じゃなくて、「(人)に(もの)を与える」という意味です。否定表現は「不给」ですね
その「给」が後に来る動詞と連動した形、つまり、「给+人+動詞」という構文は、「誰かに対して何かの行動を与える」という意味をなすことになります。
「わたしは彼に電話する」という日本語が、中国語に直す場合、「给+人+動詞」という構文を用いて表現するしかないのです。その構文の論理としては、わたしは、「彼」という人に「電話する」という行動を与える、ということなので、
我给他打电话
と言います。それに対して、否定の場合は、わたしは、「彼」という人に「電話する」という行動を与えない、という意味になりますので、
我不给他打电话
が正しいですね
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2009年01月24日
並べ替えの問題ですが、
ここでちょっと休んでもいいですか
に対して、以下の言葉を如何に並べるのでしょうか。
休息 这儿 可以 吗 我们 在 休息
正解は、
我们 可以 在 这儿 休息 休息 吗
なんですね。
この問題のポイントは2つあります。
1つ目は簡単ですが、動詞を重ねた表現は、「ちょっと何かする」という意味を表しています。そうすると、「休息休息」とは、「ちょっと休む」ということになりますね。
2つ目は語順の問題です。「可以」は、どこに置けばいいのか、ということですね。
日本語文を見ると、「…でもいいですか」は、「ここで」と「(ちょっと)休む」という2つの要素にかかわりますね。中国語との対応関係を考えると、「可以」も、「在这儿」と「(休息)休息」という2つの要素にかかわらなければなりません。「可以」は、この2つの要素の前に置くと、この2つの要素にかかわることになるのです。もし、
我们 在 这儿 可以 休息 休息 吗
となると、「可以」は、「休息休息」にしか関わらないことになります。日本語文との対応は出来ていないのですね。中国語では、そのように言いません。なので、中国語としては不正確です。
ところで、もし、どうしても「在这儿」を強調したい場合はどうしましょう
その場合は、
在 这儿 我们 可以 休息 休息 吗
にすれば良いのです。つまり、
ここでは、ちょっと休んでも良いですか。
ということですね
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2009年01月19日
中国語検定には、語順の問題も必ず出ます。語順について、以前、パーツで考えると当てはまることが多い、と言っていましたが、パーツで対応できないものも試験問題に出ますので、ここで少しお話します。
語順問題は大抵、並べ替えの形で出されます。たとえば、
明日私は出張で上海へ行きます。
という日本語文の下に、
明天
1出差 2要 3去上海 4我
のどこかの下線に[ ] を設けて、その[ ]の中に、下の挙げられた言葉の番号を入れる形になっています。 文の全体像が掴めないと、[ ]の中にどんな番号を入れるか分からないのですね。この場合は、「我」は、最初の下線に置くに決まっていますね。
問題は次の2つです。
1つは、日本語では、「行きます」と言っていますので、「要」は、なくても意味が通じるのですが、「要」には、なにか目指そうとする、という意味が含まれているので、中国語の中にはよく使われています。これは、助動詞なので、動詞の前に置きます。ということは、「我」の後に置きます。
いま1つは、「何々しに行く」、というのが日本語の語順ですが、中国語では、
去(+目的地)+動詞(+目的語)
の形になっています。go to somewhere to do something、って感じですね。
そうなると、「要」の次は、「去上海」、最後は、「出差」となりますね。
もう一例挙げます。
来年、私は中国語を一ヶ月勉強しに中国へ行くつもりです。
明年我打算
1汉语 2去中国 3一个月 4学
「何々しにどこかへ行く」は、「去(+目的地)+動詞(+目的語)」の形なので、まず最初は、「去中国」ですね。その次が、また問題となります。「中国語を勉強する」は、「学汉语」というので、この2つをくっつけ、「一个月」を、さまざまな理由で(日本語か英語のクセによって間違える場所が違う^^;)、その前か後ろに置くような人がいそうです。
そうじゃなくて、中国語では、動詞と目的語、つまり、「学」と「汉语」は、ばらしてもいいのです。また、動作の量を表す語は、動詞の後に置くことが規則なのです。なので、「去中国」の次は、「学」、その次は、「一个月」、最後は、「汉语」なんです。
他にもいろいろありますが、細かいすぎて、一々列挙できません 要は、「パーツ」という大きな方向性をもちつつ、日本語と違う中国語の表現も覚えることですね
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2008年10月18日
日本語の語順と中国語の語順が違う、というふうに言われていますね。それを聞いて、中国語で話す、また作文する際には、相当戸惑うことも多いかと思います。そこで、teng小姐は、発想を換えて、あえて日中の語順が一致しているとお考えになるよう、ご提案します こういうふうにお考え下さい。
1、日中の語順の不一致は、動詞と目的語の逆転に限る。
2、一つの文を一つの製品と、その中の要素(主語、動詞、目的語、時間を表す言葉、場所を表す言葉など)をその製品のパーツとお考え下さい。動詞と目的語は一つのパーツとします。
そうすると、どうなるのでしょうか 見てみましょう
例えば、
私は 昨日 図書館で 本を読みました。
この文を中国語に直すと、
我 昨天 在图书馆 看书了
ほら 各パーツの順番は完全一致ですね
これじゃあ簡単すぎるなら、例えば、
私は 昨日 図書館で 2時間 本を読みました。
「2時間」というパーツが増えてきましたね。その場合は、
我 昨天 在图书馆 看了 两个小时 书
となるはずです。この「两个小时」の置き場所が分かりにくいのでしょうね。
教材の教えのとおり、「数量を表す言葉は動詞の後に置く」、というふうに、機械的に覚えることも可能ですが、teng小姐は、こう提案します
日本語では、「2時間」というパーツは「本」のすぐ前にくっ付いているのだから、中国語に直す場合も、「两个小时」というパーツを「看」という動詞ではなく、「书」のすぐ前にくっつければ良いのです。そうすると、迷わずに、
私は 昨日 図書館で 2時間 本を読みました。
を、
我 昨天 在图书馆 看了 两个小时 书
と言えそうなのではありませんか もちろん、「了」は、動詞の後に置くか、それとも文末に置くか、といった細かい問題の解決にはなりませんが、時間・場所をあらわす言葉をどこに置くか、という大きな問題は、これで解決できるのではありませんか。
中国語の動詞が目的語の前に置くことだけは、語順が全部違う、ということを意味しません。むしろ、東アジアの言葉として、中国語を再認識したほうがより効率よく中国語を習得することが出来るのではありませんか
teng小姐のこの提案、教材などの教えとかなり違うと思います。なので、とるべきものかどうかは、皆さんのご判断に委ねますね
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2007年06月10日
2007年06月09日
学生に中国語の文章を翻訳させました。中には、
A以B为C
のような構造の文があります。日本語に訳すと、
Aは、Bをもって、Cとする。
となるはずです。
「以」「为」は、連動的な動詞です。動詞を目的語の前に置く、という中国語の語順に従えば、「以B」は、
Bをもって
でなければなりません。その場合、「以」の前の「A」は、主語となります。
ところが、
Aをもって、BとするC
と訳す学生がいました。つまり、主語の部分を「以」の目的語とし、「以」の目的語であるはずのBを「为」の目的語としてしまったのです。
これは。。。。そう、まるで、古代の日本人の文章のようです。私は、専門がら、日本の古文を読むことが多いのですが、そこでも日本人は同じことをしています。
時は七世紀。ひらがなもカタカナもまだ作られていませんでした。その時代の日本人は、中国から来た漢字を使って、自分たちの言葉を、その語順とおりに書き記していたのです。文章は、全部漢字で書かれているのですが、語順が日本語のまま。このような文を、日本文学の研究者たちは、「非漢文」などと名づけたりしています。その「非漢文」を、現代語風にアレンジしてみると、
主語的部分以目的語为人達
って感じ
文は、全部、漢字で並べられているので、当初、私も、ついつい、中国語で読もうとしていたのですが、どう読んでも、
主語の部分は、目的語をもって人たちとする
としか読めず、意味がまったく通じませんでした。試行錯誤の末、これが日本語の文だ、と言うことに気が付き、日本語の語順でもう一度読み直してみたのです。そうすると、すんなり、
主語の部分をもって目的語とする人たち
と読めました。
「非漢文」を漢文として読もうとする私、そして、中国語の文を日本語の語順で読もうとする学生たち。パターンが逆ですが、頭が硬いところは同じだなぁ、と思いました。
「非漢文」は、日本語の語順で読むべし。同じように、中国語の文章は、中国語の語順で読んでくださいね
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も