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ホラポス点の記。
ホラポスパーティは全員登頂成功、無事下山しました。

昨年の剱岳に続き、2回目の今年は北アルプス前穂高・奥穂高への挑戦です。
僕は極度の高所恐怖症のため、昨年の剱岳への参加ははっきり断りました。
しかし、剱岳登山に参加した皆さんのお話を聞いたり、ブログを見たりしていると、少しずつ山への憧れが大きくなっていったのでした。
山頂から見下ろす絶景、何と素晴らしいのでしょう。
そして今回、無謀にも北アルプスへの初めての本格登山に挑戦する事を決めたのでした。

8月5日金曜日夜7時、京阪守口市駅集合
今回のホラポス点の記は
・青ちゃん隊長
・ryuji監督
・末松さん
・和尚さん
・ぐっさん
・oc
という6人パーティ。

和尚さんカーで出発。
運転を交代しながら、東海北陸道を経て高山市に向かいます。
雨は降ったり止んだり。
運転の順番が終わった人から、プシュプシュと開き始めるビールの缶。
高山市でコンビニ休憩、山を登って平湯温泉に到着。
車内仮眠を経て、深夜2時半オープンのアカンダナ駐車場に入ります。
ここは上高地行きバスの始発。
クルマを留めて、着替えや装備準備の開始。
バス停留施設にて朝食を取ったりしながら、5時出発の上高地行きバスをゆっくり待ちます。

「oc、レース前のようやな」
と青ちゃんから指摘。
あまりに緊張が高まり、口数が全く無くなり咳き込んだりえずいたりしている僕。

今日の予定ルートは、
上高地スタート
岳沢
重太郎新道
紀美子平
前穂高岳(3090m)
紀美子平
吊尾根
奥穂高岳(3190m)
穂高岳山荘
ザイテングラード
涸沢ヒュッテ
横尾
徳沢
上高地ゴール
という、時計回りの約22k。

事前に奥穂高や前穂高、それを繋ぐ吊尾根などの写真をネットで見て予習をしました。
そして、それらの写真に、恐怖を感じました。
手のひらに汗をかき、足が震えました。
3000メートルの上空に広がるアルプスの稜線、岩壁、ロッククライミング風景、鎖場やハシゴもある。
ゴジラの皮膚のような山肌に取り付く小さな登山者たち。
壁をよじ登る彼らの必死の形相。
これはトレッキングではない、本格登攀です。
無理だろこれ?!
大丈夫か?

日が近付くにつれ、僕は脚の不調を言い訳に欠席する事も視野に入れつつ、一方で一つの調べものをしていました。
「高所恐怖症克服法」
ネットなどの情報によると、高所恐怖症を治す最善の方法は、恐怖をごまかしたり跳ね返したりするのではなく、「恐怖に浸ること」らしいです。
つまり、高所において脳が感じる恐怖と、それに伴い身体が固まるなどの反応は、全て緊急事態から身を守るための正常な脳反応である。
緊急事態への反応であるため、その持続エネルギーは非常に短い。
高所に身を置き恐怖を感じつつ、約10分間ほど「緊急事態は起こらないよ」ということを脳に分からせれば、恐怖は薄らぐ。
つまり「慣れ」ですね。
高山病を防ぐための高度順応と同じようなしくみですね。

さて、上高地行きバスがやってきました。
物凄い急勾配のトンネルを登りながら、ついに上高地のターミナルに到着です。
雲が多い。
見上げる山々の上の方は、白いガスに包まれている。
クルマで高速道路で移動してくる途中、雨も降ったりしたが、登山中せめて雨だけは勘弁してほしい。
できれば北アルプスの雄大な稜線を眺め下ろしたい。
天候が良ければ、槍ヶ岳や遠く富士山まで拝めるらしい。

DSC_02695:30 上高地バスターミナル

入山届けを出す。
氏名と自宅住所、電話番号を書く。
ハセツネでの怪我以来、妻子は僕の山行きを心配している。
上高地に行くことは言っているが、3000mの山を登る事はもちろん言っていない。
ここに書いた電話番号が使われない事を祈る。

軽くストレッチしていざ出発。
DSC_0270爽やかな林間の小道を歩き、観光名所で有名な河童橋を渡る。
透明できれいな清流、緊張した心が安らぎます。
何とか雲の切れ間に、これから登るルートが山肌に見える。
前穂高らしいピークが見えていると末松さんが教えてくれた。
恐るべき高さ。
あまりの高さに、あそこまで登るのだという実感が全く無い。

DSC_0271青ちゃんをリーダーに、末松さん、僕の順。
その後に和尚さんとぐっさんが続き、まるでその役割のためのような鮮やかな新調ジャケットを着た監督がスィーパーを務める。
緩やかな森の中のトレイルをゆっくり登る。
徐々に上がる高度。





DSC_02736:15 風穴

振り返ると上高地の全景が眺められるはず、が、真っ白い空間が見下ろせるだけ・・・。
頭上には、これから登る穂高の雄大な山姿が聳えているが、稜線はガスが掛かって全く見えない。
アルプスとは言え、ここまでは炭山や大文字と変わらない普通の山登りだ。



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DSC_02767:10 岳沢小屋

小屋でのトイレ休憩を経て、今田重太郎さんが開いた道、重太郎新道を行く。
どんなに切り立った厳しい岩壁でも、ふと手を伸ばせば、そこに鋭角に切り取られた岩の取っ掛かりがあり、足を引っ張り上げれば、そこに足場がある。
重太郎さんが昭和20年代に切り開いて作った道。
何人もの歴史的登山家が踏んだ足場であることを実感し、改めて感動。
柔らかい雨、そして霧、しっとり濡れる。

DSC_02777:45 最初のハシゴ

いよいよハシゴの登場。
しびれます。
ネットではよく見ていたので、心の準備は万全。
末松さんに続いて登りながら
「だいじょうぶーしたみないー」
と声に出して叫ぶ。
自分に言い聞かせるように。
最上段まで登り切り、ハシゴを跨いで岩に乗り移る最後の瞬間が怖い。

DSC_02788:05 カモシカ立場

小休止。
オニギリを口に入れます。
切り立った崖のギリギリの足場に立ってみる。
緑の木々に覆われ、下の方は見えない。
思わず脚がすくむ。
背中がゾクゾク。
お尻の辺りがムズガユイ。
「恐怖に浸れ」
さらに数センチ、前方ににじり出てみます。
「恐怖に浸れ」
これから先の道、こんな恐怖ではすまねえぞ。






DSC_0279下の方から、ぐっさんの明るい声が響いてくる。
「なんか楽しくなってきたー!ヒュー!」









DSC_02809:00 雷鳥広場










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DSC_02839:20 紀美子平

重太郎さんのお嬢さん、若くして亡くなった紀美子さんのお名前がついた合流点。
平(たいら)とは名ばかりで、岩壁の途中にある僅かな広さの棚。
そこに密集して、休憩や写真撮影を楽しむ登山者たち。
ここまでしんどかったが、想像していた時間よりも短く到着した印象。
たまに白いガスが晴れる。
晴れそうになって、また霞む。
残念ながら麓の上高地までは見えないが、緑に覆われた美しい山肌が遥か下まで見える瞬間がある。
感動とともに、背筋を走るこの上ない恐怖感にぞっとする。

前穂高までの短い距離はピストン。
ザックをデポし、直登で前穂高に挑む。
距離は短く感じたし、コースガイドの想定タイムも短かったので、たいしたこと無いと思ったが、見上げれば壁。
これまで見たことがない角度の壁。
ほぼ垂直の壁にしか見えない。
難所、これは難所。
青ちゃんにそっと聞く。
「前穂って・・行く?」
「もちろん」
と青鬼。
「・・・だよねー」

ピストン開始。
最初は緩やか勾配から、一気に見上げる壁に変わる。
下山者との擦れ違い。
自分の頭の上に何人も連なって待っている。
降りる方も必死だ。
先に登らせて頂くときに
「あと3人登ります」
など声を掛ける。
譲るときは、精一杯身を端に寄せて譲る。
自分が谷側に譲るときの恐怖、足元に迫る空間・・・、いや、譲り合いの精神は恐怖に克つのだ。

遅々として進まない距離。
そう簡単に前穂は身体を許してくれない。
雨と霧。

ピーク直前は本当にきつかった。
「3点支持やでー」
と登攀テクニックを伝える監督の言葉。
3点支持がクライミングの基本だが、片手は岩の切れ目に刺した指2本だけだったり、気付けば2点支持だけになっていたりする。
手の数本の指と、片足の爪先数センチのみで全身を支え、体重の大部分が3000mの中空に浮いている状態。
下は奈落の崖、今指1本外せばまず助からない。
恐怖感はあるが、下さえ見なければその恐怖も実感が無い。

DSC_02859:45 前穂高岳山頂

3090m到達。
写真撮影。
小休止の後、下り作業の開始。
下りの方が、下が見える分恐怖感は増すと言われていた。
初めて気付いたが、僕は下りは意外と大丈夫だった。
仰向けで両手も使い、滑るように崖を下っていく。
両手両足でまるで蜘蛛が這うように。
身体を反転させる時は、後ろ足を進行方向に向けて突き出して岩にぶつけ、ブレーキを掛ける。
何かに似ていると思ったら、スノーボードの急斜面のスライドターンに似ている。

再び紀美子平に降り立った。
ザックを背負い、オニギリなど補給しながら、いよいよ次の難所、恐怖のトラバース・吊尾根へ。
吊尾根、名前が怖い・・・。吊橋かって。

進行方向左が谷側。
ゆっくり進む。
なぜか思わず谷の方に吸い寄せられてしまう。
吸い寄せられるのが怖くて、右の山側に身を寄せて歩くが、たまに踝や肘を岩壁にぶつけてしまう。
思わず屈み込んでしまうような痛み。

DSC_0287本来なら北アルプスの稜線が左方向に見えるが、今日は真っ白、マッシロ。

立ちくらみのときのような、空腹時にビールをイッキしたときのような、ふらふら浮つく気持ちがする。
これが高山病か。
やや気持ち良いわね〜ン。
痛みや吐き気までは無い。



DSC_0288細い踏み跡は非常に狭く、登山者と擦れ違うときの恐怖が格別。
踏み跡は途切れ、崖の上に迫り出した巨大な岩塊を回り込んで進む。
岩に付けられた○印に沿ってクライミング。
ここでも崖の下に吸い寄せられるような錯覚がして、非常に怖い。
今ここで手を離したら、左の崖の下に墜落するのだろうなぁ。

岩を超えても超えても、視界の向こうに新たなトラバースが続いている。
どこまで続くの?
奥穂はまだ?





DSC_029111:20 雷鳥に出会う

ツガイの雷鳥。
見知らぬ登山者も一緒になって、即席の撮影会。
雷鳥さんは、やや恥ずかしそうに岩の陰に隠れるが、そっとこちらを覗いてくれている。
逃げないの。
かわいい〜ン。

右側の壁が途切れ、遥か下まで続く崖が現れる。
右も左も切り立った鋭い尾根筋の上を歩く。
勾配がますますきつくなってきた。

道が無くなっている。
ふと壁の方を見上げると、鎖。
奥穂高の直前の最後の大難所として、鎖場があることを思い出した。

今日の全行程の中で、この鎖場が最強最悪の恐怖だった。

切り立った壁は頭上遥かに続き、霞の中に消えて見えなくなっている。
鎖を掴んでも揺れるので、体重を預けるのが怖い。
鎖はあくまで補助で、主軸はやはり3点支持で、岩壁のクライミングに置く。
雨に濡れた黒い岩は滑るので、そこに体重を預けるのがひたすら怖い。
体重を預けたところが、不測に滑ったらそこで一巻の終わり。
3000mの空中の垂直の壁にへばり付いている、小さな存在の僕。
フーン、意識しない、意識しないよ。
足を掛ける時にジャンプするように身体を浮かせ、1点に体重を集中しないように気をつける。
地上3000mのジャンピング。
全く足場が見当たらない箇所もある。
斜めになった一枚岩の滑る表面に、ただの摩擦だけに頼って体重を乗せる。
大丈夫か。
正念場。
指を離したら終わり、そこで終わり。
最大の緊張に身が震える。
自分の呼吸の音が、共鳴するように聞こえる。
脚だけでなく、身体を支えている手の指が限界に近い。
痙攣しそうになる。

下を見ると、和尚さんが僕と同様に岩場と格闘しているところ。
もし今、僕が力尽きて滑落したら、和尚さんも巻き添えで一緒に落ちてしまうかな?
和尚さんにぶつかる前に、自分で壁を蹴って空中に飛び出してみよう。
そうすれば巻き添えを防げるかな?
・・・などと、あり得ない夢想をしたりする。

DSC_02922本ほどの長い鎖場を苦しみつつクリアすると、急に視界が広がった。
南稜の頭。
やや先に見えるのは、奥穂のピーク。
神社の祠が見える。
「頂上だー!」
先の方で誰かが叫んでいる。
先頭の青ちゃんが指を差している。
もうすぐだ!


DSC_029411:45 奥穂高岳山頂

山頂にさらに岩が積み上げられ、祠が建てられている。
もちろんそこにも登る。
向かい側に積み上げられた足場から撮影。
見知らぬ登山者とも変わりばんこにカメラを交換しながら楽しい撮影会。

ついに来た。
こんなところまで来た。
国内標高3位の3190m、奥穂高岳。

眺望はゼロ。
真っ白の世界。
北アルプスの主稜線は見えず、槍ヶ岳も見えない。
ジャンダルムも見たかった。



DSC_0296青ちゃん、末松さんとがっちり握手。
他のパーティのカメラマンに徹していたぐっさんとも感動の握手。
晴れたときにまた来よう。
絶対に、また来たい。

さぁ、
「ここまで来れば終わったようなもの」
下ります。
たまにスピードも上げつつ、かつ慎重に岩場を下る。
緩やかな傾斜のところでは、思い切って走ってみたりする。
一度やってみたかった3000mのスカイレース。
心肺も鍛える高地トレーニングですね。DSC_0297











DSC_0298穂高岳山荘の真上に位置するハシゴ。
真下に山荘の屋根が見えており、高度感は抜群で恐怖が湧いてくる。
前方のパーティが難航しており、やや渋滞。
霧が掛かっているので、視界がイマイチだが、晴れていればもっと怖いのでしょうね。





DSC_029912:30 穂高岳山荘

若干休憩をする。
雨が強くなり、ジャケットを羽織る。下には巨大な雪渓が連なっている。
浮石もある険しい岩場を降りる。
下りとは言え、気は抜けない。
相当の傾斜がある岩場。

たまにガスが晴れ、涸沢カールの全景が見えるときも。
思わず声を出しそうな光景。
白い雪と高山植物、緑。
アリの様に転々とした登山者たちの列。

DSC_030013:00 ザイテングラード

前を進んでいた末松さんが激しくぐらつくのが視界の下の方に見えた。
咄嗟に目を上げる。
末松さんの両脚が空中に投げ出され、奇妙な角度で回転しながら視界から消えていくのが分かった。

あっ!
落ちた?!

その瞬間血管が沸くような感触。
落ちた?(救助?ヘリ?)

視界の先に
「いってぇ〜」
と呟いている末松さん。
転んだ場所がやや面積のある平地だった。
大丈夫だった。
ホッと安心。DSC_0301











DSC_030213:50 雪渓

雨が激しくなる。
ザーザーからドウドウと変わる。
滝のような雨。

猿と挨拶。
雪の上で和尚さんとはしゃぐ。
このまま滑って行ったら速く帰れるかな?


DSC_0303高山植物がキレイ。
雄大なカールの光景に、緑と白のコントラストが映える。
とても美しい景色、幸せな気分になる。

しかしその気分もつかの間、さらに雨は強くなる。
後ろの様子を見ようと振り返った瞬間、雪で滑って転んでしまう。
雨は弱まらない。


DSC_030414:30 涸沢ヒュッテ

テラスでのおでんが楽しみだったが、この酷い雨の中ではどうしようもない。
屋根の下で雨宿りしながら、立っておでんをほお張る監督とぐっさん。
寒くなってきた。
着替えたいが、動くのが面倒くさい。
速く帰りたい。
ここからバスは無いか?

DSC_0305ヒュッテを出発し、横尾キャンプ場へ向かって下る。
下りが長い。
登りは勾配がきつい分、距離は短いのだが、下りは緩やかなので距離が長い。
疲れもあり、下りに掛かる時間が異様に長く感じる。

擦れ違う登りのハイカーから声を掛けられる。
「どこからですか?」
上高地から前穂奥穂を回って帰るところと言うと、みんな一様に驚く。
僕らのルートは、普通日帰りの時間では辿れないルートなのだそうだ。
「何かのトレーニングですか?」
とも聞かれる。
ははは。

最初は快調に走っていたが、下り勾配がきつくなり、岩も多くなって走れなくなる。
ゆっくり歩いて下るが、前を行く青ちゃんと末松さんにはどんどん距離を開けられてしまう。
さすが、青鬼と鉄人。

DSC_030615:30 梓川に掛かる吊橋

2人が待っててくれる。
6時の最終バスに乗るには、ここからかなり走らないといけない。
ギリギリだ。
あと3人はまだ来ない。

しばらく休憩して待つと、和尚さん、ぐっさん、監督が降りて来るのが見えた。
「急いでー」
万一の時は乗れる人だけでもバスに乗る事に決める。
もし乗り遅れてもタクシーがあるし。
念のため青ちゃんが和尚さんからクルマのキーを借りておく。

そこからはほぼ平坦な道だった。
迫真のトレイルランニングの始まり。
末松さんの後について、スピードをぐいぐい上げ走る。
すでに全身ずぶ濡れなので、水溜りも気にせずバシャバシャと。

16:20 横尾キャンプ場

青ちゃん、末松さん、僕が走って到着。
ここから最終バスまであと11k、1時間40分。
できればギリギリではなく、上高地でゆっくりビールで乾杯したい。
そう3人で打合せ、さらにランニングを続ける。
梓川沿い、上高地の観光地ど真ん中の遊歩道で、キャンプ客を掻き分けながらのトレランは進む。

DSC_0308さすがにしんどい。
遊歩道とは言え、アップダウンもある。
景色を見るフリをして、サボって歩く。
そんなに急がなくても間に合うでしょ。
青ちゃんと末松さんの小さくなっていく姿を見ながら、ゆっくり森の空気を吸う。
雨はすっかり晴れ、青空が広がっている。
黄昏の優しい黄色い光。
光る木洩れ日、河のさざめきが疲れ切った身体を癒してくれる。
上高地ラン、素敵ヤン。

DSC_030917:30 河童橋

出発からジャスト12時間でゴール。
青ちゃん、末松さん、僕の3人でハイタッチ。
そしてお待ちかね、ビールで乾杯!
お疲れ様!

河童橋から振り返る穂高連峰は相変わらず美しい。
今になって、前穂のピークに太陽の光が当たっている。
オレンジ色に優しく光る岩壁。
天候は残念だったが、しかたない、また来れば良いさ!

本日の走行歩行登攀距離22k。

監督から電話が入る。
最後の走りで足を痛めてしまったらしい。
僕ら先行3人だけで最終バスに乗る。
監督ら3人は残念ながらバスには間に合いなさそう。
念のため運転手に、少しだけ待ってくれるようお願いするが、もちろん断られました。

クルマに戻り、着替える。
雨と汗ですっかり身体が冷え切った。
しかもここは上高地、気温も低い。
クルマの暖房をMAXつけ、車内に閉じこもる。
寒い!

監督たちはタクシーで帰ってきた。
監督は足を引きずっている。
明日から少し休足ですね。

高山市へ帰還。
市内ではお祭りをやっていた。
幸せな光景。

DSC_0312ホテルでシャワーを浴びて居酒屋に出かけ、名物高山ラーメンを食べる。
せっかくのホテル大浴場にも行かないまま、部屋の電気とテレビをつけっぱなしで眠りに落ちてしまった。







DSC_0313


















DSC_0314










DSC_0315翌日は早起きして市内ランニング、のつもりだったが、疲れていたのと、シューズが濡れて使い物にならなかったので、1人でサンダルのままウォーキング5k。
高山の古い街並みの中を散策、高山城址にも登りました。






DSC_0316










DSC_0317昼からはみんなで新穂高ロープウェイで西穂高の山を観に。
天気は良かったが、山のピークは相変わらずガスに包まれていました。







DSC_0319










DSC_0321










DSC_0322










さて、僕たちが登った翌日の8月7日、ザイテングラードで落石事故が発生、男子小学生を含む2人が亡くなりました。
非常に残念です。
彼らの行程は5日に入山、上で2泊して事故当時は小屋から涸沢カールへの下山途中。
ということは、おそらく僕たちと稜線上のどこかで擦れ違っているかもしれません。
奥穂高の山頂直下では、2組ほど小学生がいるパーティと擦れ違いました。
こんなところに登ってくる小学生が珍しくて、「すごいねー」と声を掛けた記憶があります。
もちろん彼らが当事者であったのかどうか分かりませんが、山では常に死の危険と隣り合わせである事を改めて実感しました。
ザイテンのあの鋭い岩場を50m滑落、情景を知っているだけに、そのニュースを聞いたとき、背筋が凍る思いでした。

お2人のご冥福をお祈り致します。