小泉元首相の2者択一の劇場型選挙からだろうか?
マスコミでの2者択一型のテーマの扱いが気になる。

最近では、TPP参加の是非。農業と製造業どちらを守るのかとか、消費者にとってどちらが得かとか。どうしても突き詰めて考えると2者択一になってくる。
私たちは、それぞれの立場に応じて、それぞれの価値尺度で判断する。
ただ、意思決定に於いては、各論の二者択一だけでは判断できない。

当然といえば当然。

バラエティ番組でも、私的年金と貯蓄、持ち家と賃貸など、金銭を基準として損得を論じてる。

意思決定者は、様々な立場を考慮し、様々な物差し(価値基準)で問題を把握し、結論を出す必要がある。

例えば、身近な例だと、「持ち家と賃貸」。

検討すべき事項はたくさんある。

・持ち家と賃貸のキャッシュフロー
・転勤ややむを得ず転居しなければならない場合の対応
・万が一の場合の対応
・収入が減った場合の対応
・家族が増えたあるいは減った場合の対応
・維持や修繕に掛かる費用
・自分も含め家族の満足度
・立地や間取りによる満足度の差異
・通勤通学の利便性
・買い物や公園、病院、役所など生活環境
・老後生活

これら様々な要因を、お金という価値基準で整理してどちらが得か、判断することは出来るだろう。
しかしながら、気持ちや満足度、利便性を正しくお金と言う価値基準に正しく置き換えられるだろうか?正直難しい。

もちろん、“お金”と言う誰にでも分かりやすい価値基準で物事を論じることは非常に有効だと思う。

もしかしたら、満足度や利便性、気持ちをそのまま数値化して、証券投資論で言うところのマルチファクター(要因)モデルのような公式で、どちらかいいのか決めることが出来るかもしれない。
しかしながら、学者でもない個人がそこまで考えて計算することは非現実的だ。

そこで役に立つのが、“直感”だと思う。

直感は、悩んで考えて、考え抜いた末に生まれてくる。

きっと一般的な物差し(価値基準)に置き換えられない要因を、本能的に何か別の基準に置き換え、判断して結論を出しているのが、直感なんだと思う。


取りとめもないことを書いているが、最近、俯瞰的な視野と直感の重要性を感じる。
性格のせいか、どうしても考え始めると、各論を深く掘り下げ過ぎてしまう癖がある。
一歩引いて、一つの可能性、各論にこだわりすぎず、俯瞰的に物事を考え、直感で判断する。これが大切だと思う。