2006年04月26日

ソリッドインクカラープリンタがイケてない理由

fdeed8bc.jpgそのソリッドインクのカラープリンタっつーのは、現在もきちんと売られているの?

そう尋ねたくなったあなた!
いい質問である。

現在、ソリッドインクカラープリンタを販売しているのは、国内では富士ゼロックスプリンティングシステムズ社である。
もともと、ソリッドインクという概念でプリンタを開発したのは、米国テクトロニクスだった。
テクトロニクスといえば、計測機器を開発、販売しているメーカーで有名だが、そのテクトロニクスが持っていたプリンタ部門が開発したものだった。

国内では、テクトロニクスの国内代理店(国内法人?)だった、ソニー・テクトロニクス社がこれらのソリッドインクプリンタを販売していた。
プリンタのブランドは、Phaser(フェイザー)と呼ばれ、緩やかではあるが世代交代と進化を遂げた。

その後、米国ゼロックス社は米国テクトロニクス社のプリンタ部門を買収する。
それに伴い、日本国内の販売チャネルはソニー・テクトロニクスから、フェイザープリンティングジャパンという会社に移管する。
その後、フェイザープリンティングジャパンは、いろいろな大人の事情で富士ゼロックスプリンティングシステムズになり現在に至っている。

では、なぜソリッドインクのカラープリンタがメジャーになれないのか?

それには色々理由がある。
単純に考えられる点としては、まずマーケティングのマズさだと思う。
もともと、テクトロニクス社は計測器を作っているメーカーらしく、業務用プリンタという位置づけでこのソリッドインクプリンタを販売していた。
そのため、Phaserシリーズのプリンタのユーザーは、ポストスクリプト機能を求める印刷業界、UNIXワークステーションから印刷する必要のあるエンジニア系ユーザーに集中しているように思う。

もし、コストのかかるポストスクリプト機能をなくしたり、印刷速度を抑えた廉価版を用意したり、LANインタフェースを省いたモデルを安価にリリースしていたら、コンシューマー市場にも受け入れられていたかもしれない。

ソリッドインクプリンタが流行らないもうひとつの理由、それはプリンタ内のソリッドインクの取り扱いにくさだ。
ソリッドインクは印刷時には約60度の温度で液体化して用紙に転写される。
そのため、プリンタの電源が入っているときは、常にこの温度を保つ必要がある。

プリンタの電源を一度切って、再び入れなおすと、一度固体化したインクは再度温められて、ウォームアップの際に一定量捨てられる。
これはソリッドインクの印字品質を保つためにどうしても必要なのだが、残念ながらこの捨てられるインクの量が馬鹿にならない。

10回も電源の入り切りを繰り返すと、機種によっては固形インクがなくなってしまう。
つまり、インクコストが跳ね上がるわけだ。

そのため、ソリッドインクプリンタのユーザーは誰もプリンタの電源を切りたがらない。
ずっと入れっ放しという環境で使っている。ということは、ひっきりなしに印刷業務をこなすユーザーじゃないと、待機電力分のコストをペイできないわけだ。


それともうひとつ。
利用できる用紙がA4までのモデルしか用意されていないのも、問題と言える。もし、より多くのユーザーを取り込みたいなら、A3モデルを用意すべきだろう。

ただ、これらの問題を考えても、実際にソリッドインクカラープリンタの印字品質を見ると、ファンになってしまうと思う。それぐらいきれいなのだ。
ソリッドインクプリンタを応援したい私としては、上記の問題を早く克服して、一般に受け入れられる、少なくともカラーレーザープリンタの対抗馬になれる実力をソリッドインクカラープリンタに持って欲しいものだ。


ese_admin at 23:43│Comments(0)TrackBack(0)

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