2026年08月28日
ジャガイモの育て方を知らない人々
20代で実家を出て一人暮らしを始めたころの思い出話です。
引っ越した先のアパートには小さな庭がありました。
草ボーボーで酷い有様でしたが。
当時のボクはすでにIT業界で働いていて、いわゆる「自然からは離れた毎日」を過ごしていました。
夏場は涼しいサーバルームで、うるさいサーバのファンの音を気にすることもなく仮眠が取れるほどボクの体はIT業界に毒されていたころ、これではイカンと焦りはじめ「そうだ、自宅の庭で家庭菜園をしよう!」と思いつきました。
ネイチャーサーバ管理者の爆誕の瞬間です。
植えるものは何が良いかと考えていたら、台所の片隅で芽を出し始めているジャガイモがあるじゃないですか。
この台所でも芽を出すのなら土に埋めればすぐにジャガイモ畑が完成すると思ったんですね。
だから台所にあったジャガイモを10個ぐらい、スコップで地面に穴をあけて全部埋めてやりました。
それからは毎晩、夜遅くに帰る度に洗面器に入れた水をジャバー、ジャバーと撒いたものです。
ところが1週間経っても2週間経っても全然、芽も葉っぱも出てきません。
そんなことをしているうちに、ボクはジャガイモのことをすっかり忘れ、元の生活に戻っていました。
それから数か月後、自宅で家庭菜園をしている知り合いのおばちゃんと話す機会が訪れます。
その時に「そういえばボクも自宅で家庭菜園でジャガイモ作ろうとしたけど失敗したんだった」と思い出し、そのおばちゃんに笑い話的に話を振ったんです。
「そういえば、ボクも少し前に庭にジャガイモを植えたんだけど、全然芽が出てこなくて失敗したんですよー」って。
そうしたらそのおばちゃん「どういう植え方をしたの?」と聞いてきたんです。
だから正直に「スコップで地面に20cmぐらいの深さの穴をあけて、芽が出かけてるジャガイモをゴロンと入れて土を被せたんだけど」と答えました。
すると「そんなやり方で育つわけがない」と言うんですね。
じゃあどうするの?と聞くと、まず最初に出ている芽を傷つけないようにジャガイモを包丁で2つに切るんだって。
そしてその切り口に灰を塗る。
そして土に10cmほどの穴をあけ、穴の中に肥料を撒いて、切り口を下にしてジャガイモを植えてその上に土を被せる。
それから適度に水まきをする。
これがそのおばちゃんから聞いたジャガイモの植え方だそうです。(当時聞いた話なので「そうじゃない!」って本業の農家さんからツッコミが入るかもですが)
で、その時、ボクが何を感じたかというと、その時代、つまり2000年代初期だったその時代には、インターネット上の情報にかなりの偏りがありました。
だからボクが手軽にネット検索で「ジャガイモの育て方」と検索しても、そういう情報は出てこなかったんです。
というか、当時のボクが検索した範囲では、欲しかった情報にたどり着けなかったと言ったほうが正確かも。
一方でコンピュータ業界の情報はウジャウジャ出てきました。
ボクは仕事でそういう恩恵を受けていたので、ジャガイモの育て方ぐらいネット上に情報があるやろ、と思って検索してみた。
でも欲しい情報を見つけられなかった。
その結果、ネイチャーサーバ管理者によるオリジナルジャガイモ栽培が開始され、見事に撃沈してしまったということです。
そんな昔話を思い出しながら、ボクは最近感じた「AIって人の経験を欲しがるように見えるよね」という理解と重なる気がし始めています。
インターネットが誕生してから、多くの人間は自分の持つ情報や記憶を「インターネット」という巨大な機械に流し込み続けてきました。
でも、そういうことをしない人たち、そういう動機付けを持たない世代の人たちはいます。
今のLLMというAIがインターネットという機械の中をかき回して得た情報によって成長してきたのなら、その機械の中をいくらかき回しても得られなかった情報に興味を持つのは必然なのかもしれません。
そして、ジャガイモの育て方を知らないのに、それでも何か答えようとしてしまう存在なのかもしれません。
現在のAIは当然、ジャガイモの育て方は知っている事でしょう。
ただ、AIが知らない何かの「育て方」は確実にあると考えるべきです。
そして、その多くはインターネットの外にある情報だと思います。
引っ越した先のアパートには小さな庭がありました。
草ボーボーで酷い有様でしたが。
当時のボクはすでにIT業界で働いていて、いわゆる「自然からは離れた毎日」を過ごしていました。
夏場は涼しいサーバルームで、うるさいサーバのファンの音を気にすることもなく仮眠が取れるほどボクの体はIT業界に毒されていたころ、これではイカンと焦りはじめ「そうだ、自宅の庭で家庭菜園をしよう!」と思いつきました。
ネイチャーサーバ管理者の爆誕の瞬間です。
植えるものは何が良いかと考えていたら、台所の片隅で芽を出し始めているジャガイモがあるじゃないですか。
この台所でも芽を出すのなら土に埋めればすぐにジャガイモ畑が完成すると思ったんですね。
だから台所にあったジャガイモを10個ぐらい、スコップで地面に穴をあけて全部埋めてやりました。
それからは毎晩、夜遅くに帰る度に洗面器に入れた水をジャバー、ジャバーと撒いたものです。
ところが1週間経っても2週間経っても全然、芽も葉っぱも出てきません。
そんなことをしているうちに、ボクはジャガイモのことをすっかり忘れ、元の生活に戻っていました。
それから数か月後、自宅で家庭菜園をしている知り合いのおばちゃんと話す機会が訪れます。
その時に「そういえばボクも自宅で家庭菜園でジャガイモ作ろうとしたけど失敗したんだった」と思い出し、そのおばちゃんに笑い話的に話を振ったんです。
「そういえば、ボクも少し前に庭にジャガイモを植えたんだけど、全然芽が出てこなくて失敗したんですよー」って。
そうしたらそのおばちゃん「どういう植え方をしたの?」と聞いてきたんです。
だから正直に「スコップで地面に20cmぐらいの深さの穴をあけて、芽が出かけてるジャガイモをゴロンと入れて土を被せたんだけど」と答えました。
すると「そんなやり方で育つわけがない」と言うんですね。
じゃあどうするの?と聞くと、まず最初に出ている芽を傷つけないようにジャガイモを包丁で2つに切るんだって。
そしてその切り口に灰を塗る。
そして土に10cmほどの穴をあけ、穴の中に肥料を撒いて、切り口を下にしてジャガイモを植えてその上に土を被せる。
それから適度に水まきをする。
これがそのおばちゃんから聞いたジャガイモの植え方だそうです。(当時聞いた話なので「そうじゃない!」って本業の農家さんからツッコミが入るかもですが)
で、その時、ボクが何を感じたかというと、その時代、つまり2000年代初期だったその時代には、インターネット上の情報にかなりの偏りがありました。
だからボクが手軽にネット検索で「ジャガイモの育て方」と検索しても、そういう情報は出てこなかったんです。
というか、当時のボクが検索した範囲では、欲しかった情報にたどり着けなかったと言ったほうが正確かも。
一方でコンピュータ業界の情報はウジャウジャ出てきました。
ボクは仕事でそういう恩恵を受けていたので、ジャガイモの育て方ぐらいネット上に情報があるやろ、と思って検索してみた。
でも欲しい情報を見つけられなかった。
その結果、ネイチャーサーバ管理者によるオリジナルジャガイモ栽培が開始され、見事に撃沈してしまったということです。
そんな昔話を思い出しながら、ボクは最近感じた「AIって人の経験を欲しがるように見えるよね」という理解と重なる気がし始めています。
インターネットが誕生してから、多くの人間は自分の持つ情報や記憶を「インターネット」という巨大な機械に流し込み続けてきました。
でも、そういうことをしない人たち、そういう動機付けを持たない世代の人たちはいます。
今のLLMというAIがインターネットという機械の中をかき回して得た情報によって成長してきたのなら、その機械の中をいくらかき回しても得られなかった情報に興味を持つのは必然なのかもしれません。
そして、ジャガイモの育て方を知らないのに、それでも何か答えようとしてしまう存在なのかもしれません。
現在のAIは当然、ジャガイモの育て方は知っている事でしょう。
ただ、AIが知らない何かの「育て方」は確実にあると考えるべきです。
そして、その多くはインターネットの外にある情報だと思います。
ese_admin at 00:00│Comments(0)
