ぼちぼち更新するブログ

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カテゴリ: 新書

<40男>はなぜ嫌われるか (イースト新書)
田中 俊之
イースト・プレス
2015-08-09



こないだ、クオカードで本買える本屋で新書をまとめ買いしました。そのなかの一冊がこれです。
40代男性って何か嫌だよねー、と思い買ったのですが、読んでみると私のようなおじさんだかおばさんだかわからない女性にもあてはまる内容でした。
30代後半になると中年になるという現実と向き合わざるを得ません。もう若者のように生きることはできないと思い知らされます。

・私は、勤め先に着ていく服から確保するので、休日の服装は適当です。少し前まではジャージ着て歩いてました。しかも服を捨てる基準が「穴があく」なので、家族から服を買い替えてくれと非難されるぐらい古い服を着て外に出ます。少し前までジーンズ屋の服がおしゃれだと思ってましたが、いつのまにか洋服の流行が変わっていた事に気づき、今ではスーパーの婦人服売り場でヤングミセス向けの服を買って着ています。
・私は学生時代のような友達付き合いをしていません。出かけるのも基本的に一人だし、飲み会や女子会とも無縁です。たまに職場の仲間とご飯食べに行くぐらいです。休日に家族以外に話をする相手は行きつけの店の人ぐらいです。
・私は、働いて年金税金納めてれば文句言われる筋合いはないと思ってます。
・私は若い頃に抱いていた夢が叶えられなかった事に対して罪悪感を抱いてました。努力が足りない、考えが浅はか、計画性が無い、すぐ諦める・・・。けれども若い頃に抱いてた夢というものは中二病みたいなもんだと思うようになってから楽になりました。夢が叶わないどころか普通の人生すら歩めて無い事にも落胆しています。
・私は右翼は天皇を崇拝する人達で、左翼はデモをする人達だと思ってました。

そうです。怠惰で無知なのです。それなのに、自分はまだまだいけると思ってたり、青少年を上から目線で見たりしてたら、醜悪な中年まっしぐらです。そうして、若者から「ああいうおばさんになったら終わり」と思われるのです。そして同年代の男性からも「ああいうおばさんは嫌だ」と思われてしまうのです。

あと、もう死語になったロストジェネレーションという世代についてきちんと述べられた本だと思います。中年入門というよりは、ロスジェネが中年になったので、っていう本です。




ツイッターで気になって買いました。
傍から見れば奇人変人の奇行のような事が書き連ねてあります。
読んでて気になったのが、六本木ヒルズにあるクモの彫刻を作った作家の物語です。
六本木ヒルズの大きなクモの彫刻に「父親への怒り」や「母親への軽蔑」といった背景があるという事に驚きました。人々が行き来する場所に置かれてる作品が両親に対する憎しみが動機になってるって怖いです。

アートは人を幸せにするだの、癒すだの言われてます。自治体や企業は幸せにするアートだの癒しのアートだのをピックアップします。幸福感を感じる作風の作家は注目されます。負の要素がある作品を発表する作家は非難されます。
しかし奇人変人の奇行のような行いには相当なエネルギーが注ぎ込まれます。誰だって絵や彫刻を作れますが、その制作に並大抵ではない労力を注ぐことができる人はあまりいません。しかもお金になるとは限らないし、褒められるとも限りません。そういった事に寝食をも惜しみ取り組むことができる人がどれぐらいいるでしょうか?

そして、相当なエネルギーが注ぎ込まれた奇人変人の奇行のような行いには、大きな不幸が関わっているとこの本には記されています。投獄、迫害、いじめ、飢え、家族の死・・・。第二次世界大戦が現代美術に影響してると言われるように、大きな不幸は作家に影響を与えます。
こないだ、宮城県美術館で見た企画展は、戦後の日本の美術作品が展示されていました。第二次世界大戦の影響が作品からにじみ出てていて、気が重くなりました。
芸術には気が重くなる要素もあり、そういった負の面をきっちり書いた本でした。




最近出版された『ブラック企業2』を買って読みました。
カルト宗教とかマルチ商法とかの恐怖と重なって怖かったです。

入り口は、どこにでもある求人票や求人広告です。給料が良かったり、やりがいを感じたり、応募したくなるような求人票や求人広告です。そして応募して採用された時から地獄が始まるという、この本の内容は本当に怖かったです。

話飛びますが私は20代の頃、しょっちゅうキャッチセールスにつかまってました。
無視して逃げられればいい方で、逃げられず空きテナントのような部屋に連れていかれたらもう地獄です。
まずアンケートを書かされます。本当はアンケートなんてどうでもいいのでしょう。アンケートを記入した後の「勧誘」がメインなのですから。
キャッチするのはお兄さん、勧誘するのはお姉さんて感じで、話し上手なお姉さんが言葉巧みに化粧品の勧誘をしていきます。要りません興味ありませんで脱出できればいい方です。それでも引き下がらない場合には「用事があるので帰ります」と嘘をついて強引に帰ります。
あと、電話勧誘にもよくつかまってました。懸賞に当たっただの出張で仙台来たからおすすめのご飯屋教えてとか言って「販売会場」に誘導します。私は「販売会場」まで言ったことがありません。興味ありませんと言い続けて相手があきらめるのを待つか、どうしても無理なら電話を切りました。
無視すればいい、電話を一方的に切ればいい、とお思いでしょうが、それが出来ない人がいます。

たぶん、そういう人が、ブラック企業のカモにされるのです。そうじゃない人は面接の時や勤務初日で、嘘をついて逃げます。非常識でも卑怯でも自分の命や健康には代えられないと思う人はそうするでしょう。
あとは、自分の能力を過信してる人がブラック企業のカモにされます。その事については本に書いてあります。

『貧困大国アメリカ』を読んだ時の怖さにも似てます。奨学金で学生を釣って若者を戦場に送り込むしくみ。

自発的に戦争に行きたい人も、自発的に過労死やうつ病になりたい人もあまりいないと思うんですが、働いてお金を稼いで生活しなければならない以上、そういう道に行かざるを得ない人が出ます。

辞めればいい、就職しなければいい、で片付く話ではありません。
ブラック経営者を全員逮捕すればいい、って話でもありません。
そういうところが怖いなと思いました。

ルポ 中年童貞 (幻冬舎新書)
中村 淳彦
幻冬舎
2015-01-29



最近『ルポ 中年童貞』を読んで一体何が問題なのかわからず悶々としました。

雑に要約しますと、家庭や学校で虐待されて世の中や自分に対する認識が歪んでしまった少年は、成人になっても歪みを修正する事が出来ず、今後の人生に支障をきたすだけでなく周囲にも悪影響を及ぼしてしまう、という事です。何で修正出来ないかというと虐待された事に対する周囲の助けが無い上、世の中の娯楽が歪んだ認識を強化してしまうからです。その結果歪みはいつまでも修正されず、自分や周囲に暴力をふるうことになる。

童貞から抜け出せない事が諸悪の根源みたいに解釈されるような本ですが、本当にそこが諸悪の根源なのでしょうか?

私の読解力不足で勝手に悶々としてるだけかもしれません。でも、ある程度の年になったら恋人ができて家庭を設けて子孫をのこして・・・という生き方以外はまずいって方向にいくほうが、世の中息苦しくなるんじゃないですかね。なんというか、世の中変化してるのに、昭和の景気のいい時代の価値観が一番いいって言われてもどうしようもないです。昭和の人と比べられても困ります。

ただ一つ共感できるのは、世の中の構造のどっかに問題があってヤバい事態になっていると述べてる事です。




日本人の99.9%はバカ (コア新書)
ロマン 優光
コアマガジン
2015-02-03


こないだ立ち読みして面白そうなので買いました。
ああこういうバカいるいると思いながら読んでる内に、私も結構バカだよなと思って凹みました。
勉強しないからバカだし、勉強しても頭入らないからバカだし、その時の状況で人にキツくあたるバカだし、キャンディクラッシュで時間浪費するバカだし・・・。
あとがきでは自分の中のバカをみつめなさいと言ってるぐらいだから、バカとの戦いは自分との戦いなんだろうなと思いました。

あと、自分がサブカルだと思ってたものはオシャブカル(オシャレ+サブカル)と呼ばれるものだったという事を知りました。ああいうサブカル系と一緒にされたくないと思ってたものはオシャブカルだったと初めて知りました。渋谷系も90年代Cutieも(いまはモテガーリーっぽい感じでしたっけ?)ロキノン系も森ガールもオシャブカルなのでしょう。邪道モテという本に書かれてたサブカル系男子対策もサブカル系男子じゃなくオシャブカル男子なのでしょう。
だから何だというわけではありませんが、自分の中でのサブカルの認識とサブカルそのもののズレというものを知ったのはよかったと思います。

かなり前に読んだ本のことも書きます。
バカになったか、日本人
橋本 治
集英社
2014-12-15

かなり前に読んだので内容ほとんど忘れてるんですが、民衆が思考力を失うと権力者にいいようにされてしまう、、みたいな事が書いてあったと思います。

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