2018年02月16日

「すみこおばあさんのおやま」

佐賀市で昨年亡くなった女性が、市に遺産を寄付したそうです。

女性はその一部を子どもたちのために使うことを希望。
遺志を汲んだ市は、こども園の「山」に人工芝を敷設したみたい。

「子どもたちのためにといただいたお金なので、直接触れられるものに」って。
心が温まりますね。

自分のお金の行き先を自分で決めておく。
一番生きたお金の使い方ですね。


【「すみこおばあさんのおやま」に歓声 遺産寄付、園庭に遊び場】

 佐賀市久保田町の認定こども園くぼたに、園児たちの遊び場となっている「山」が新たに整備された。久保田町出身で昨年8月に亡くなった中尾澄子さん=当時(91)=の遺志で、寄付された遺産の一部を活用した。「すみこおばあさんのおやま」と名付けられ、子どもたちの元気な笑い声が響きわたっている。

 園庭にある山は高さ約1・6メートル。これまでも子どもたちが遊び場にしていたが土だったのを人工芝で覆い、丸太の階段やステップ、トンネルなどを整備した。9日に園児たちがテープカットで完成を祝った後、次々に山を登り、勢いよく滑り降りて楽しんでいた。

 「お世話になった町のために。福祉に役立ててほしい」。中尾さんは生前に法的な遺産相続の手続きを行い、一部を子どもたちのために使ってもらうことを望んでいたという。14年前に亡くなった中尾さんの姉の明子さん=当時(81)=も同じ理由で久保田町役場(当時)に多額の遺産を寄付しており、それに続いた。

 ともに独身で姉妹2人きりだった。生前は佐賀市内にあったたばこ屋で働いていた。澄子さんを知る人は「ぜいたくせず、こつこつと働いてお金を貯めていたのだろう」と振り返る。

 こども園の石丸公大園長(36)は「子どもたちのためにといただいたお金なので、直接触れられるものにしようと考えた。中尾さんの思いが伝われば」と話している。

 中尾さんの遺産は他にも、久保田保育園などにも寄贈されており、同園では門扉やランチルームの改装を行った。
(2月16日 佐賀新聞)
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180216-03182173-saga-l41


土地家屋調査士 大阪 和田清人

2018年02月14日

長屋の合体登記

昨日、ようやく一つの登記が完了しました。
延々と登記官と協議を続けてきて、ようやく・・・(涙)

私にとっては、気を失いそうになったくらい複雑な案件。
せっかくなのでシェアしますね。

しばらくマニアックな世界にお付き合いくださいませ。(^^;

建物の経緯は以下の通り。
なお、地番や家屋番号は変更してあります。

‖臉11年 地主が4戸長屋を建築
長屋の合体登記1
この当時、家屋番号は地番と一致させるのではなく通し番号だったんです。

建物を増築(時期不明)

昭和28年 各戸を分割、売却
長屋の合体登記2
当時はまだ区分所有法がなかったので、登記は普通建物のまま。
ちなみに、左端の建物登記は、所在:101 家屋番号:156

ぞ赦37年 区分所有法施行
原則論としては、ここで区分建物に変更登記されるべき。

ナ神11年 地主が底地を分筆、各建物所有者へ売却。
長屋の合体登記3
本来ならここで、所在と家屋番号の変更登記がされるべきだったのに、
左端の建物は、所在:101 家屋番号:156の普通建物のまま。

κ神12年 156-4を切り離し、建替え
長屋の合体登記4
建物は3戸長屋に

平成14年 依頼者の父が156建物、156-2建物、101-5土地を購入

平成25年 依頼者の父が156と156-2の壁を抜いて一体化
長屋の合体登記5

平成29年 相続を機に、合体登記のご依頼

「区分登記をどうする?」「お隣(156-3)も登記してもらわなければ」
「増築部分の所有権証明は?」「そもそも合体の事例が少ないし」・・・とドタバタ。

登記官とも協議を重ねた結果、数多くの押印書類を揃えた上で
次のような手順で登記することになりました。

1)所在:101-5,101-6 家屋番号:101-5-1、
 所在:101-5,101-6 家屋番号:101-5-2にそれぞれ更正登記を申請
 (お隣の建物も同様に更正登記申請)

2)登記官が職権で区分建物に変更

3)床面積更正登記申請(お隣も)

4)合体登記申請
 正確には「合体による建物の表題登記及び合体前の建物の表題部登記の抹消」
 という長い名前になります。(^^;

で、無事に登記と現況とが一致しましたとさ。めでたしめでたし。
長屋の合体登記6
一棟の所在:101-5,101-6 専有部分の家屋番号:101-5-3

でも、改めて思うに、普通建物のままの長屋ってそこらじゅうにありますよね。

今のところ、解体する方が多いから、滅失登記をして終わりなんですけど、
今後、長屋再生が増えてくれば、区分+増築・合体は避けて通れませんよね。

貴重な経験を積ませていただきました。
長屋の登記、ドンと来い!です。(^^;


土地家屋調査士 大阪 和田清人

2018年02月13日

介護にかかる費用・年数

介護に関するコラム。
現実から目を背けたいジャンルですが・・・

記事中のデータでは、介護保険でカバーされない自己負担分として、
・初期費用(バリアフリー化や介護ベッドなど):平均80万〜90万円程度。
・毎月の費用:平均7万〜8万円 × 平均169.4ヵ月(=14年1ヵ月)

十分な経済基盤がなければ、介護離職は難しいですね。

さらに、親御さんと同居する場合の注意点としては、
・介護保険で生活援助系のサービスが使えなくなる
・特別養護老人ホームに入りにくくなる
などが挙げられています。

田舎の家を完全に引き払ってしまうのはとってもリスキーだとも。

 生活のリズムが合わずに喧嘩ばかりになる
→家事などの生活援助系の介護サービスが使えなくなり負担が増える
→同居していると特別養護老人ホームへの入所の優先順位が下げられる
→住み慣れない環境で親の心身の状態が悪化する
→親が田舎に帰ると言いはじめても田舎の家はすでにない・・・_| ̄|○

親御さんとご家族とが、より自分らしく、より充実した生活を送るために、
お元気なうちにケアプランを考えておく方がいいですね。

絶対に譲れないことと妥協できることの線引きをしておくだけでも
周囲の方々はずいぶん楽になります。

実は私たち、「ケアプラン自己作成講座」を企画中です。

ケアマネに任せきるのではなく、
ご自分の生き方はご自分で決めましょうってこと。

詳細が決まれば、改めてご案内しますね。


【親にいくら貯金があれば介護離職して良いか】

 介護離職をした場合、再就職までにかかる期間は、どれくらいだと見積もっていますか?  この期間として統計的に最多となっているのは1年以上です(男性の38.5%、女性の52.2%)。1年以上も仕事から離れていて、条件のよい就職先が見つかると思いますか?  現実として、介護離職をしてから運よくあらたな職場を得たとしても、収入は男性で4割減、女性で半減するというデータがあります。

 介護離職をするなら、まず、1年以上収入が途絶え、再就職できたとしても今の半分程度の年収になっても生きていけるだけの貯金が必要です。貯金が足りないまま介護離職をすれば、親が資産家でもない限り、あなたは生活保護を受給することになります。仮に自宅ローンが残っていれば、自宅を手放すことになり、一家離散という可能性も出てくるのです。

■介護は終わりが見えないもの

 介護は、いちどはじまると、いつ終わりになるか予想ができません。目安となるのは、平均寿命から健康寿命(心身健康でいられる年数)を引いた年数です。日本でこれは、10年以上になります。ですから介護生活は、少なくとも10年程度は続くことを想定しておく必要があります。

 しかも、この期間のうちには、親の健康状態は悪化していくことも多いのです。はじめは半身不随などの身体的な問題だったところに、認知症(重度化すると意思の疎通ができなくなる)も重なってきたりします。

 介護離職をして年収が半分になって10年も経つと、介護離職をしなかった場合からは想像もできないほど貧困になります。いつ終わるとも知れない介護に悩まされながら、金銭的にも厳しくなると介護離婚(介護を理由とした離婚)が発生することも多いようです。あなたの親は、自分の愛する子供が、自分の介護のせいで、そうした状態になることを本当に望んでいるでしょうか。

 金銭的に厳しくなると、家賃の負担を下げるために、親と同居しての介護を検討するようになるかもしれません。しかし特に、介護が必要になった親を自宅に迎え入れて同居した場合は、介護離婚のリスクはかなり高くなります。実際に、介護職(介護のプロ)たちは、そうして介護離婚に至ったケースを多数見ています。

 親と同居しての介護の終着駅としては

\験茲離螢坤爐合わずに喧嘩ばかりになる
家事などの生活援助系の介護サービスが使えなくなり負担が増える
F欝錣靴討い襪汎段麺楔醢型優曄璽爐悗瞭所の優先順位が下げられる
そ擦澳靴譴覆ご超で親の心身の状態が悪化する
タ討田舎に帰ると言いはじめても田舎の家はすでにない

 というところです。そうしてギスギスした状態が続くと、義理の両親と同居することになったパートナーは、結婚生活そのものに疑問を持つようになります。パートナーにも両親がいる場合、介護離婚をして、年老いた自分の両親と同居したほうがよいという気持ちにもなるでしょう。

 そうしたリスクを理解した上で、それでも同居する場合は、生活援助系の介護サービスが介護保険では使えなくなること(原則として同居家族がいると使えない)、特別養護老人ホームに入りにくくなること(同居家族がいると優先順位が極端に落ちる)を覚悟した上で、折り合いが悪ければ親が田舎に帰ることもできるというオプションを残しておくことが大事です。

 そもそも同居を決めるのは、まず数カ月一緒に暮らしてみて、同居がどういうものかお互いにその現実を理解してからでも遅くはないでしょう。一番まずいのは、田舎の家を完全に引き払って退路を断ち、その上で「とても一緒に住めない」ということになり、それでも特別養護老人ホームには入れずに、かつ、田舎には実家もすでにないという状況です。

■地元を離れると認知症のリスクが高まる

 さらに、高齢者にとって、住み慣れた環境を離れることは、認知症のリスクを高めてしまうという事実についても理解しておく必要があります。また、田舎にはあった人間関係のネットワークがすべてなくなってしまうことの影響は、本人が想像している以上に大きなものだったりもします。

 ずっと一緒に暮らしていなかった親にとって、実は、子供以上に重要な人間関係が田舎にあったということを、それを失ってから知るのは厳しいものです。介護職(介護のプロ)の多くは「看取り」というタイミング以外で、親と同居するのはかなり難しいという本音を持っていることは、ここで知っておいてもよいでしょう。

 ここまでの話で「うちの親にはそれなりに資産があるから大丈夫」と考える人もいるかもしれません。しかしそれは、本当でしょうか。

 そもそも、介護にかかるお金(介護保険でカバーされない自己負担部分)がいくらくらいになるのか、誰もが不安に思っています。これを実際のデータで見ると、バリアフリー化や介護ベッド、緊急対応の交通費や宿泊費といった初期費用(一時費用/自己負担)としてかかっているのは、平均で80万〜90万円程度でした(この数字はバラツキが大きいため注意も必要です)。また、毎月かかっている費用(自己負担)は、平均で7万〜8万円でした。

■配偶者の介護期間は平均14年

 ここで、世帯主や配偶者に介護が必要になった場合、それが継続する期間の見積もり(想定される介護期間)平均は169.4カ月(14年1カ月)でした。先に10年は想定しておくべきであることを述べましたが、多くの人は、それ以上の期間を想定して準備しているのです。もちろん、実際にこれだけの期間がかかるかどうかは、それぞれに事情が異なるため、なんとも言えないところではあります。ただ、平均的には、それだけの期間の見積もりをしているという点には意味があります。

 毎月の実質的な費用(自己負担)となる平均7万〜8万円が、169.4カ月間かかり続けることを想定する必要があるということです。これは、単純計算で約1186万〜1355万円になります。ここに初期費用が乗ってきますから、1266万〜1445万円を準備(貯金+期待される年金)しておきたいということになります。これは、かなりの大金です。しかもこれは平均であって、運が悪ければもっとかかることも考えておかなくてはなりません。

 さらにこの想定では、介護が必要になる人が1人という計算になっていることにも注意してください。両親同時に介護が必要になるケースも多数あり、その場合は、単純に2倍とはならないものの、2000万円以上の準備が必要になると考えられます。

 しかも、ここまでの話は、あくまでも介護にかかる費用に関することに限定されています。このほかにも家賃や住宅ローン、生活費や各種税金などのためのお金も必要になることを忘れないでください。

 日本の高齢者の貯蓄額は、世帯平均で1268万円です。この数字だけを見ると、意外と貯蓄があるように感じられるかもしれません。しかし現実には、富裕層がこの平均の貯蓄額を押し上げています。実際に、貯蓄額が1000万円以下の世帯は、全体の過半数(57・9%)になっています。

■ここまでの話を総括すると…

/討2000万円を超える預貯金があって年金もしっかりもらえている
⇔梢討同時ではなく、どちらか一方の介護だけが必要

 という条件が成立するときだけ、ギリギリではあるものの、親の介護のために子供がお金を持ち出す必要はない可能性もあります。

 ただ、この2つの条件が当てはまる人は少数のはずで、現実には、親の介護のために子供がお金を持ち出すことになるケースのほうが多くなるでしょう。しかし、自分が介護離職をしており、収入が途絶えていたら、これは不可能なことになります。

 さらに将来、いざ自分や自分の配偶者に介護が必要になった場合のために、自分のための貯蓄もしていかなくてはなりません。親の介護にお金を使いながら、介護離職をして、さらに自分のためにも十分な貯蓄をしていくことが、果たして可能なのでしょうか。
(2月12日 東洋経済オンライン)
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180212-00208298-toyo-soci&p=1


土地家屋調査士 大阪 和田清人

2018年02月10日

マンションの「ゴミ屋敷」化

分譲マンションの「ゴミ屋敷」化のコラム。

そうなんですよね。
空き家もゴミ屋敷も、戸建だけがクローズアップされていますが、
水面下では分譲マンションも問題が拡大しているんですよね。

戸建の場合、所有者がバンザイすると行政が税金で対応するしかないのに対して、
分譲マンションの場合は、「区分所有」(=共有)ですから、
他の区分所有者全員にお鉢が回ってくるわけです。

今のところ税金が投入されないから表面化しないだけ・・・_| ̄|○

でも、このあたりのことは、ある意味「約束された未来」。

分譲マンションのリスクの一つとして、
しっかり認識しておくべきですね。


【ゴキブリ異常増殖も…マンションの「ゴミ屋敷」化が深刻な理由】

 テレビのワイドショーでもたびたび取り上げられる「ゴミ屋敷トラブル」だが、ゴミ屋敷の出現は戸建て住宅だけの現象ではない。同じことがマンションでも起こっている。そして実はマンションの場合、戸建て住宅以上に深刻なトラブルになることが多いのだ。そこで、実際に問題となったケースを紹介し、そのようなゴミ屋敷トラブルが起こってしまった場合の対処法と、それ以前にゴミ屋敷を出現させない予防法を紹介していきたい。(株式会社シーアイピー代表取締役・一級建築士 須藤桂一)

● 今やゴミ屋敷は マンションでも増殖中

 私は仕事柄、大規模修繕工事など、さまざまな場面で専有部分に入れていただく機会が多い。インテリア雑誌に出てくるような素敵なお宅や、「本当にここで人が暮らしているのか」と疑問になる程ミニマルな生活感のないお宅もあれば、小さなお子さんが主人公で散らかし放題でも微笑ましさを感じるお宅など、いろいろなお宅がある。

 しかし、中には、色々なマンションや住居を見てきた私でも入るのをためらってしまうお宅に遭遇することもある。ゴミはなくても常識を超える数の犬や猫を室内飼いしていて、ペット好きでもギョッとする匂いがドアを開けた途端に鼻につく家もあった。典型的な「ゴミ屋敷」の様相で、足の踏み場もない家も結構あった。

 住民が自宅マンション内にゴミ屋敷が出現したことを知るきっかけは、「異臭」や「ゴキブリ、ハエなどの害虫の異常発生」などだ。中には、上の階からの汚水の浸み出しなどという恐ろしい事態も起こる。

 ある元マンション管理組合理事長は、「二度とあんな目に遭いたくはない」と言って、その体験を話してくれた。

● マンションに異臭が漂い ゴキブリが異常に増え始めた

 そのマンションでは数年前、夏になり異臭が漂い始めるとともに、ゴキブリが異常に増え始めて、理事会に住民からの苦情が来たという。

 しかし、所有者は理事長の再三の勧告にも応じないため、やむなく裁判所に提訴。長時間かけて改善命令を勝ち取ったものの、本人は全く動かず、結局、管理組合が強制執行を依頼して、4トントラック3台分のゴミを管理組合負担で処分したそうだ。

 ただでさえ、大規模修繕計画やそれに伴う資金繰り、日常の管理や小修理の依頼など解決すべき問題の多いマンション管理組合活動だ。たまたま輪番で役が回って来た理事長が、裁判にまで発展するゴミ屋敷問題を抱え込むことになったのには同情を禁じ得ない。

 しかし、あなたがマンションにお住まいなら、決して他人ごとでは済まないと知ってほしい。

 ゴミはなくても同じような被害が起こる場合がある。所有者が賃貸しようとするも、借り手が何ヵ月もつかない場合、トイレや洗面所の排水トラップの水が干上がってしまい、臭気がその部屋を満たすだけでなく隣家にも及ぶということが起こる。

 中には臭気だけにとどまらず、虫が湧いてくることさえある。 「ゴミ屋敷化」は、マンションのグレード、規模、立地、築年数にかかわらず、起こっても不思議ではない、増加傾向にある問題なのだ。

● なぜマンションゴミ屋敷は 一軒家よりも厄介なのか?

 問題が戸建て住宅以上に複雑で困難な理由はいくつかある。隣家が壁、天井、床を隔てて隣接しているので、被害を受けやすいこと。専有部分やバルコニー・専用庭のような専用使用権が認められている共用部分があって、管理組合や管理会社が口を出しにくいこと。しかも、一度ゴミ屋敷の発生を許せば連鎖反応の恐れもあり、マンション全体の資産価値は下がってしまう。

 共有物や専用使用権が認められている共用部分は、各区分所有者の意識が異なるのでトラブルになりやすい。自宅ドア付近の共用廊下に植木鉢や子ども用自転車を置くこと、ベランダに自転車、物置、プランターを置くことは、そのくらいならいいのでは、と思う人も多い。

 しかしこれらは、法的には全部アウトなのだ。廊下もバルコニーも消防法上、避難経路に指定されていて、所有物を置くことは禁じられている。このような共有部分でさえ我が物顔で所有物を置いてしまうのだから、専有部分をどう使おうと所有者の勝手、と考える人がいても不思議ではない。

 最近、マンション住人の中で増えている単身高齢者の中には、「なんとかしたい」という思いはあっても体がきかず、掃除もままならないという方もいる。こうなると、一軒解決してもまた一軒「ゴミ屋敷」が出現するということになりかねない。

● 手間はかかるが 法律は管理組合の味方

 自宅マンションにゴミ屋敷が出現して、実害が出ていなかったとしても、放置すれば、全体が「ゴミマンション」の評判を得ることになる。不幸なことに、自宅マンションにこのようなゴミ屋敷が存在することがわかったら、管理組合が最初にすべきことは何だろうか。

 まずは管理会社、管理人さんに相談して対応してもらうことが第一歩だ。力量ある管理会社なら、そのノウハウを発揮して大きな問題になる前に解決してくれるかもしれない。ここで解決を見られれば、かなり優秀な管理会社と契約している事になる。

 しかしながら、共同住宅に住んでいるのに、周りの迷惑を顧みずゴミ屋敷にしてしまう人は、そう簡単に応じてくれないことが多い。管理会社、管理人、清掃員、理事、区分所有者、みんな総出で、マンション管理組合総会レベルの問題として、根気よく問題解決の糸口を探らなければならない。

 しかし、私の印象では、ゴミ屋敷の所有者は、相手が大きくなればなるほど話し合いには応じない傾向がある。管理会社の説得に応じないなら、管理組合に耳を傾けることはまずないのだ。それゆえ管理組合としての方策は、最終的には「法に訴える」という方向にならざるを得ない。

 時間がかかっても根気強く取り組めば、解決することができるのは、法律が次のような権利を管理組合に与えているからだ。

 区分所有法(正式には「建物の区分所有等に関する法律」)の57条には「区分所有者の共同の利益のため、その行為を停止し、その行為の結果を除去し、またその行為を予防するために必要な処置を執ることを請求することが出来る」とあり、続く58条では「訴えをもって、相当の期間の当該行為に係る区分所有者による専有部分の使用の禁止を請求することが出来る」とあり、59条では「競売請求の権利」も管理組合に与えられている。

 そんなカードをチラつかせながら対応してゆけば、裁判に至る前に解決を見ることもできるだろう。

● ゴミ屋敷の発生を許さない コミュニティー作り

 このように、いったん発生してしまったゴミ屋敷をもとに戻すためのエネルギーは計り知れない。それよりゴミ屋敷が発生するのを「予防」する方がずっと効率がいい。

 何をしたらいいのか?それは、マンションを生きたコミュニティーにすることだ。互いに干渉しない気楽さを求めてマンション住まいを選ぶ向きもあろうが、それではゴミ屋敷の発生は防げない。同じマンションを新築で購入した区分所有者は、経済的にも、年齢層、家族構成などにも大きな差がないことが多い。積極的に交流していけば、家族よりは広く、自治会よりは親密な、信頼できるコミュニティーになれる可能性が大きい。

 そうなれば、マンション内の孤独死やゴミ屋敷化を未然に防ぐことができる。コミュニティー作りは管理組合にとって、建物の保守、管理と同等、あるいはそれ以上に力を入れて取り組む価値のある課題だ。

 肩が凝るような会議だけではなく、何かにかこつけてパーティーやバーベキュー、親子を巻き込んでの季節ごとのイベントなどで、住民同士が親しくなれる機会を作ることに取り組んでみてはどうだろうか。
(2月9日 ダイヤモンド・オンライン)
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180209-00159125-diamond-bus_all&p=1


土地家屋調査士 大阪 和田清人

2018年02月09日

空き家オーナーリスト

ナビットという会社が、「空き家オーナーリスト」サービスを開始したそうです。

希望エリアに調査員を派遣して、空き家をリスト化するというもの。
写真とレポートで1件1700円、登記事項(所有者情報)はプラス500円だって。

同社は、全国5.8万人の主婦ネットワークを擁して、
地域密着型情報収集→データ提供を行ってらっしゃる会社。

現地調査という最も手間ひまのかかる部分を動員できるのが強い。
既存商品×新市場の典型例ですね。


【ナビット、「空き家オーナーリスト」をリリース】

 ナビット(東京都千代田区)は2月8日、「空き家オーナーリスト」の提供を開始したと発表した。

 「空き家オーナーリスト」は、全国5万8100人の地域特派員が空き家情報や物件の持ち主の情報などを収集したものをリスト化して販売するサービス。

 希望のエリアに調査員を派遣して空き家を捜索してリスト化したり、「〇〇年以降の新しい物件だけ」と言った個別の要望にも対応可能。公開されている空き家の建物登記情報(所有者事項)を取得し、所有者名と所有者住所のデータ化まで一括で行う。また、自治体ごとの「空き家」に関する助成金情報も提供する。
(2月8日 新建ハウジング)


土地家屋調査士 大阪 和田清人
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2018年02月08日

近大の学生団体が長屋を改修

近畿大学建築学部の学生が中心となる団体が、
2棟目の長屋改修を行ったそうです。

築86年の4戸長屋を、ファミリー層や学生向けの賃貸物件としてリノベーション。
2戸が完成、残り2戸は2月中旬ごろに完成する予定。

当初、高齢者と学生が住むシェアハウスを提案したそうですが、
「運営や不動産流通の知識が足りず」に却下されたんだって。

今が良ければOKではなく、50年後も続けられる仕組みを作る方が大切だ
ということを肌で感じれたのは大きな財産ですね。

今後のご活躍を期待しています。


【近大の学生団体「あきばこ家」、4軒長屋を改修 若いファミリー層意識 /大阪】

 近畿大学の建築会学生部会 建築研究会「あきばこ家」が改修を手掛けた、東大阪・小若江商店街近くの4軒長屋(東大阪市小若江2)の一部が完成し2月4日、内覧会が開かれた。(東大阪経済新聞)

 同大学公認の学生団体「あきばこ家」は、建築学部の学生により2014年に発足した。補修・改修工事を通じ、再利用化することで空き家問題の解決を目指す。2016年6月には近鉄大阪線・長瀬駅近くにある築86年の長屋をリノベーションし、イベントスペース付きの地域交流サロンと学生用住宅の機能を併せ持つ「ながせのながや」が完成。オーナーへの提案・設計などを担当したほか、サロンの運営もしている。

 今回の改修プロジェクトは、4軒長屋の大家が2016年12月、「ながせのながや」を見学したことから改修を依頼。同プロジェクトでは35人の学生が主体となり、現況調査・改修案の作成・提案・工事の手伝いを担当した。以前から若い人にも住んでもらえるようにしたいという要望があったことから、高齢者と学生が住むシェアハウスを提案したが、運営や不動産流通の知識が足りず、1回目の提案は破棄された。その後、若いファミリー層や学生向けの賃貸物件としてリノベーション案を提出。11月に着工し、学生も工事に加わって4軒のうち2軒を完成させた。

 改修案は、「長屋の形を残しながら外にあった風呂を家の中に造り、床を上げる代わりに天井を取って空間が感じられるようにした。壁紙や床材はシンプルなものを選び、キッチンの建具やサッシは黒で統一して締まりが出るようにデザインした」と、副代表の永田大樹さん。築50年の長屋のうち1軒は20年以上空き家の状態で、4軒とも改修前の状態はさまざま。「床が腐っていたり、トイレが水洗でなかったりするため、別の業者を入れなければならないなど想定外のことがあり、来年度に入居できるよう短期間で工事を終えなければならず、大変だった」と話す。

 2月中旬ごろには4軒全てが完成する予定。
(2月7日 みんなの経済新聞ネットワーク)
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180207-00000077-minkei-l27


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2018年02月07日

「中古物件購入に関する調査」

株式会社ホームステージング・ジャパンが、
中古物件購入に関する調査」を行ったようです。

全国の20歳代から60歳代で中古物件を購入したことがある人が対象。

内覧前に参考とする場所の写真は、
 ・キッチン・・・55.7%
 ・リビング・・・52.4%
 ・風呂・・・45.5%

中古物件の購入の決め手は、
 ・リビング・・・54.1%
 ・キッチン・・・43.1%
 ・ダイニング・・・39.8%
 ・風呂・・・33.5%

家族が集まる場所と水回りが重要ってことね。
ここの見せ方を間違えれば、内覧にすら来てもらえないかもしれない・・・

この「演出」について、4月のSGお初天神でお話しいただく予定です。
詳細が決まればお知らせしますね。お楽しみに。


【一生涯に中古物件を購入する回数、2回が最多で32.1%】

(株)ホームステージング・ジャパン(東京都品川区)は、このたび、「中古物件購入に関する調査」をインターネットで実施した。調査期間は2018年1月15日(月)から1月27日(土)。全国の20歳代から60歳代(以上)の男女で中古物件を購入したことがある532人を対象に行った。
中古物件を初めて購入したきっかけでは、「家賃がもったいないと思った」(27.4%)という回答が最も多く、「希望エリアに良い物件が出た」(17.1%)、「特にきっかけはなかった」(12.2%)が続いた。年齢別では、若い世代の多くは「賃貸の更新のタイミング」を理由にあげ、年齢が高くなるにつれて「希望エリアに良い物件が出た」「特にきっかけはなかった」と回答する人が多くなる傾向。

内覧前に参考とする場所の写真については、「キッチン」(55.7%)に最も注目しているようだ。「キッチン」とほぼ差がなく「リビング」(52.4%)が続き、「風呂」(45.5%)も多くの人が注目していることが判明した。全体の約8割(78.8%)が写真を気にする中、年齢によって気にする傾向に違いがあることもわかった。20歳代の99.0%が何かしら写真を気にする一方で、50歳以上では約4割程度が写真を気にしていないと回答している。

内覧後に良い印象として残ったものについては、全体では「明るさ」(49.6%)、「広さ」(48.4%)、「周辺環境」(35.7%)が上位。年齢別では、「におい・香り」「室内ディスプレイ」で顕著な差がつき、20歳代と30歳代が印象として残っているのに対して、40歳以上はあまり気にしていないことがわかった。

一生涯に中古物件を購入する回数は2回が最多で32.1%。次いで1回が26.9%。年代別では20代では1回(13.6%)よりも2回(40.9%)、3回(19.1%)と答えた割合が高く、他の年代よりも購入を予定している回数が多い結果になった。

中古物件を購入する際、家具の配置やインテリアコーディネートまで考えた上で検討する人の割合は約6割(60.5%)。20歳代に至っては約8割(80.0%)が検討すると回答。一方、イメージ通りにインテリアコーディネートができず、家具の購入に後悔した人も約6割(65.5%)で、20歳代では8割近く(83.0%)だった。中古物件を購入する際、家具付き物件を希望する割合は約4割弱だったが、20歳代が約7割(69.1%)という結果で、年齢層によって好みが別れるようだ。
(2月7日 SUUMOジャーナル)
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180207-00148904-suumoj-life


土地家屋調査士 大阪 和田清人

2018年02月06日

「特定都市農地貸付け」

農水省が、生産緑地が借りやすくなる法案を提出するようです。

「特定都市農地貸付け」という新たな仕組み。

市民農園を解説する場合、地方公共団体やJAは所有者から直接借りれたけど、
NPOや企業は市や農地中間管理機構などを通す必要があったんですね。

これを、生産緑地に限って、所有者から直接借りれるようにするってこと。

生産緑地の2022年問題に向けて、
「宅地化しない」インセンティブが少しずつ形になってきましたね。


【生産緑地の民間活用 貸借手続き簡素化 市民農園開設しやすく】

 農水省はNPO法人や企業を対象に、生産緑地を市民農園の用地として借りやすくする。従来は市町村などを介して農地を借りる必要があったが、手続きを簡素化。生産緑地に限り、所有者から直接借りて運営できるようにする。市民農園の開設を促し、生産緑地の有効利用につなげる。

適正利用で協定

 「特定都市農地貸付け」という新たな仕組みで、通常国会に提出する都市農地の貸借を円滑化する法案に盛り込んだ。

 近年、都市部、住宅地でも農産物を作りたいと考える住民が増え、民間団体・企業の中にも市民農園開設を目指す動きが広がっていることに対応した。

 市民農園を開設する場合、地方公共団体やJAは所有者から直接借りて運営することができる。NPO法人や企業の場合、市町村や農地中間管理機構などが所有者から農地の利用権を取得。法人はそこから農地を借りるという二重の手続きが必要となっている。

 新たな仕組みでは、その手続きを簡素化し、生産緑地に限り、所有者から直接借りて市民農園を開設できるようにする。企業の農地利用には、農業以外に利用されてしまうのではないかとの懸念も少なくないため、開設者と所有者、市町村で適切な利用を約束する協定を結ぶ。

 一方、生産緑地の所有者に対しても税制優遇措置を設け、貸し出しを促す。これまで相続税の納税猶予は、所有者本人が耕作することが条件だった。これを市民農園向けも含めて、地方公共団体やJA、NPO法人、企業といった他人に貸した場合は納税猶予が適用されるようにする。

 政府・与党が昨年末に決めた2018年度の税制改正では、都市農地の貸借を円滑化する法案が成立した場合、こうした税制優遇措置が可能になることになっている。
(2月6日 日本農業新聞)
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180206-00010001-agrinews-bus_all


土地家屋調査士 大阪 和田清人

2018年02月05日

新聞販売所が御用聞きサービス

宮崎日日新聞 日向中央販売所が、御用聞きサービスを始めるそうです。

電球交換や草抜きなどを、作業スタッフ1人につき30分500円で提供。
毎日訪問する業種ならではの付加価値の付け方ですね。

曰く「地域に根差す新聞販売店として、地元の人が困っていることを解決したい」。

高齢者が住みやすい地域になればいいですね。


【日向の新聞販売所が「まごころサポート」 高齢者が孤立しない地域づくりを /宮崎】

 宮崎の県紙「宮崎日日新聞」の日向中央販売所(日向市永江町、TEL 0982-66-5555)が2月5日、御用聞きサービス「まごころサポート」をスタートする。(日向経済新聞)

 同販売所所長の小野秀一さんは近年、集金などで配達先に立ち寄った際に「足が痛くて買い物に行くのが面倒になった」「高いところの電球の交換ができずに困っている」「腰が痛いので庭の草抜きができない」などの声をあちこちで聞くようになった。

 「地域に根差す新聞販売店として、地元の人が困っていることを解決したい」と考えた小野さんは、ちょっとした困り事を無料で手伝うようになった。その後、「無料サービスだとお願いしづらい」との声が数多く寄せられたことから今回、30分500円(購読者以外は30分750円)で有料サービスとして始めることを決めた。

 「電球交換や灯油入れ、落ち葉掃除や草抜きなどのちょっとしたことは、昔は近所の人に気軽に頼んでいた。それが最近は、空き家が増え、高齢化が進み、なかなか他人に頼みづらくなった」と小野さん。「作業スタッフ1人につきワンコイン500円という手頃な金額で請け負うことで、高齢者が孤立しない地域づくりに貢献したい」とも。

 利用したい人は店頭または電話で申し込み。サービスを提供する「まごころサポーター」も募集している。
(2月5日 みんなの経済新聞ネットワーク)
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180205-00000020-minkei-l45


土地家屋調査士 大阪 和田清人

2018年02月02日

公用・・・_| ̄|○

茨城県農林事務所の係長が、登記事項証明書を不正に取得したそうです。
自分の土地の枝刈りのために、境界情報を確認しようとしたみたい。

私用目的のものを「公用」扱いで取得したってことね。
セコすぎる・・・と言いたいところですが、数万円分だって!@@

時々、境界協議を申請すると、当該自治体所有地の登記事項証明書も
求められることがあります。

「そっちで取れよ。」って言うんですが、
こんなのが続くと、本当に必要な「公用」取得に腰が引けちゃいますよね。

結局、市民にツケが回るんです。
アホくさ・・・(^^;


【登記簿を不正取得 茨城県職員、公務と偽り請求】

県県北農林事務所の40代の男性係長が、自ら所有する土地に関する登記簿書類を不正に取得していたことが31日、分かった。私的な内容の請求だったが、発行手数料(1通600円)がかからない公務扱いとしていた。県は手数料で換算すると、数万円分を請求したとみている。詳細を調査した上で、係長の処分を検討する。

県によると、係長は昨年10月、所有敷地に隣接する土地の「登記事項証明書」などを職務に利用するとして請求した。手続きを担当した職員が登記簿に係長の名前が入っているのに気付き、不正が発覚した。

係長は、土地改良関係の業務に必要だとして書類を請求したが、実際は敷地の枝刈りなどに必要な土地境界の情報を確認するためだったという。

登記事項証明書の発行には、法務局で1通ごとに手数料がかかるが、国や自治体の職員が職務上請求する場合は納めずに済むと法令で定められている。
(2月1日 茨城新聞クロスアイ)
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180201-00000007-ibaraki-l08


土地家屋調査士 大阪 和田清人