2016年12月09日

平成29年度税制改正大綱

与党が、平成29年度税制改正大綱をまとめました。

今年度のコンセプトは、「一億総活躍社会」実現のための「働き方改革」と「イノベーション」。

とは言え、ご承知の通り、私の関心事は相続税関連のみ。(^^;
そこだけに着目すると、タワマン節税と海外資産くらいですか。

タワマンに関しては、40階建てで±5%の差。
評価減の威力に比べると、微々たる誤差の範囲なので影響なし。

海外移住も、5年が10年になってブチ当たる人はそんなに多くないはず。
ま、当たった方にはお気の毒ですが・・・(^^;

慌てて余計なモノに手を出すことなく、
従来通りの長期的な相続対策を着実に実践していけばいいんですよ。


【タワーマンション、海外移住、タックスヘイブン 過度な節税に「包囲網」】

タワーマンションの固定資産税は高層階は増税、低層階は減税へ

 平成29年度税制改正大綱は、富裕層や多国籍企業の過度な節税を防止する対策を盛り込んだ。租税回避地での節税実態を暴露した「パナマ文書」問題で納税者の不信感が浮き彫りになっており、政府は課税逃れへの包囲網強化を急ぐ。

 今回の改正では、30年以降に引き渡される20階建て以上の新築のタワーマンション(タワマン)の固定資産税を見直す。中層階から上のフロアの税額は1階上がるごとに約0・25%ずつ増税、下のフロアは1階ごとに同じだけ減税とする。

 27年1月の相続税増税前後から高層マンションの評価額と時価の差をついた「タワマン節税」が広がっていたが、今回の見直しで節税のうま味は薄まる。

 また富裕層の税逃れ対策では海外移住に伴う相続税の「5年ルール」を「10年ルール」に見直す。現在は相続人と被相続人が海外に5年超住んでいれば、海外資産に日本の相続税がかからない。29年4月からは10年超の居住者を除き、日本の相続税を課す。

 企業向けでは「タックスヘイブン対策税制」を見直す。現在は法人税率20%未満の国・地域にある事業実体のないペーパー会社は、親会社と所得を合算して日本で課税している。今回は20%未満の税率基準をなくし、ペーパー会社の配当や知的財産などに日本の税率で課税する。

 多国籍企業の課税逃れをめぐっては国際協調に沿って今後も順次、法整備を進める見通しだ。
(12月8日 産経ニュース)


土地家屋調査士 大阪 和田清人

2016年12月08日

戸籍ミス・・・_| ̄|○

転入してきた男性の新住所が、転出元の市役所に通知されないミスがあったようです。

この男性、親族と音信不通だったみたい。
失踪宣告を申し立てられて、お母様の遺産分割に参加できなくなっちゃった。

きょうだいに返還を求めて勝訴したものの、
すでに使い果たされていて回収不能・・・_| ̄|○

「何ら落ち度がないのに死亡したものとみなされた。」として、
経済的・精神的な損害賠償を、転入先の市に求めたってわけ。

いや〜、怖いですね。

音信不通などの不運が重なったとはいえ、
「ミス」では片づけられない額ですからねぇ。


【戸籍ミス 死亡扱い、遺産相続できず…西東京市を男性提訴】

 西東京市に転居した男性が、市の手続きミスで失踪者とされ、戸籍上死亡したとみなされたため母の遺産を相続できなかったとして、市に1170万円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁立川支部に起こしたことが分かった。6日、第1回口頭弁論が開かれ、市側は「しかるべき通知をしていた」として棄却を求めた。

 訴状によると、男性は2001年に東京都小平市から転居。住民票を異動したが、西東京市は戸籍がある小平市に新住所を通知する義務を怠り、戸籍に新住所が記載されない状態になった。

 06年に母が死亡。男性はきょうだいらと音信不通で、母の死も知らなかった。相続のため戸籍を調べた財産管理人は、所在不明として失踪宣告を申し立て、認められた。08年6月には死亡とみなされた。きょうだいは遺産を相続した。

 男性は13年、自分が死亡したことにされ遺産も受け取れなかったことを知り、きょうだいに遺産の返還を求め提訴し、勝訴。しかし、きょうだいは医療費などで遺産を使い果たし、一部しか回収できなかったとしている。

 原告側代理人によると、小平市は「西東京市から通知を受けていない」としているという。(共同)
(12月6日 毎日新聞)


土地家屋調査士 大阪 和田清人

2016年12月07日

「遺品整理のプロが見た!賃貸住宅の原状回復のウラ側」

昨日、SGお初天神の勉強会を開催しました。

テーマは、「遺品整理のプロが見た!賃貸住宅の原状回復のウラ側」。
講師は、一般社団法人心結の屋宜明彦さん。
遺品整理16年(?)のご経験から、現場の生々しいお話をお聞かせいただきました。

東京都監察医務院によると、東京都23区における年間孤独死者数は、
H15年の1441人に対して、H24年では2727人。
なんと、10年で2倍になってるんですね。

その内訳で目を引くのは、
 ・60〜69歳男性が突出
 ・発見までの平均日数は、女性6日に対して男性12日
自宅住居で亡くなった単身世帯の者の統計(東京都監察医務院)

男性は、定年で生活リズムが狂ったり、日頃のご近所付き合いが少なかったりしますもんね。

別の角度で、厚生労働省の人口動態統計によると、
H20年の交通事故死7499人に対して、家庭内死亡は13240人。

内訳は、
 1位:溺死 4079人 (これからの季節、ヒートショックにご用心くださいね。)
 2位:窒息 3995人 (お正月のお餅にご用心くださいね。)

ここまではイメージ通りですが、
 3位:転倒・転落 2560人 (家庭内事故の2割を占めます)

屋宜さんによると、孤独死の部屋には共通点があるんだとか。

それは、
「乱雑」・・・_| ̄|○

・階段にモノが積んであり、よけながら登ろうとして足を踏み外す。
・トイレから出た時に、廊下に置いてあったモノに躓いて頭を打つ。
・掃除機のコードに足を取られて転倒。(←そもそも掃除機があるべきじゃない場所ね)

「滑る」「躓く」要素を排除すれば、家庭内事故の2割は防げるわけです。

孤独死なんてイヤだ!という方は、少しずつでも身の回りの片付けを開始しましょうね。
・・・と自分に言い聞かせました。(^^;


土地家屋調査士 大阪 和田清人

2016年12月06日

障害者支援施設が特別縁故者に

障害者支援施設に入所していた身寄りのない男性の遺産を、
施設を運営する社会福祉法人が相続することになったそうです。

この男性、施設に35年間お世話になったみたい。
名古屋高裁は、遺産2200万円の形成には、施設利用料の安さが大きく影響したと認定。

さらに、専用リフト購入や、葬儀・永代供養サービスが「通常期待されるレベルを超える」とし、
「近親者に匹敵、あるいはそれ以上」と評価したわけですね。

お見事なお裁き。

ただ、今なら、入所の段階で信託しておくことで、
控訴審まで争う必要がなくなります。

信託の威力をもっと知ってくださいね。


【入所者の遺産、施設が相続 特別縁故者に認定】

 福井県の障害者支援施設に35年間入所し、68歳で亡くなった身寄りのない男性の遺産を巡り、施設を運営する社会福祉法人が特別縁故者への認定を求めた即時抗告審で、名古屋高裁金沢支部(内藤正之裁判長)は訴えを却下した福井家裁の決定を取り消し、施設に全ての相続を認める決定を出したことが分かった。

 相続財産管理人の佐藤辰弥弁護士によると、施設側が特別縁故者に認定されるのは全国でも珍しい。「入所年数や施設のきめ細かなサービスが認定につながった。親身な介護を高裁が認めたことは、重労働の介護職の人の希望になる」と話した。

 男性には相続人がいないため、遺産の約2200万円は通常、国庫に収納される。佐藤弁護士の助言もあり、社会福祉法人「九頭竜厚生事業団」が申し立てていた。

 決定は、男性の財産形成は施設利用料の安さが大きく影響したと指摘。さらに、専用リフト購入や、葬儀や永代供養などのサービスが「人間としての尊厳を保ち、快適に暮らせるよう配慮されており、通常期待されるレベルを超えていた。近親者に匹敵、あるいはそれ以上」だとした。

 男性は施設に1980年に入所。知的障害があり、歩行困難な状態だった。数年前からは寝たきりで、2015年2月に施設で死亡した。

 施設の牧野敏孝副所長は「利用者に質の高い生活を提供するために使いたい」と話している。

 福井家裁への申し立てでは「施設と利用者の関係を超える特別なものではなかった」と却下されていた。
(12月5日 日本経済新聞)


土地家屋調査士 大阪 和田清人

2016年12月05日

「正確な地図をつくり、資産を守ろう!」

土曜日、大阪土地家屋調査士会三島支部主催の地籍シンポジウムに参加してきました。

サブタイトルが、「正確な地図をつくり、資産を守ろう!」。

法務局備付け地図の成り立ちからその重要性について、
登記官、大学教授、司法書士、土地家屋調査士らによる
パネルディスカッションが行われました。

土地家屋調査士としてご登壇いただいたのは、
吹田で最も古地図に関する造詣が深い重鎮の先生と、
阪神大震災で被災と復興の修羅場をくぐってきた元・兵庫会会長のお二方。

一般市民の方々にも、ビンビン響いたんでしょうね。
終了後の相談会は大盛況でした。

私にとって、初耳のキーワードが、
「事前復興」。

その意味は、
〆匈家生を想定し、被害の最小化につながる都市計画やまちづくりの取り組み。
 (土木工学的な意味合い・・・ハード面)

発災後、速やかに復興に関する意思決定や組織の立ち上げなどを行うために、
 事前に手順の明確化や基礎データの収集などを進めておくこと。
 (知恵や教訓の伝承・集積・・・ソフト面)

法務局の資料は、まさに△隆霑奪如璽拭

パネラーの登記官も、しばらく東北の応援に行っていたそうですが、
地図が整備されている地域はどんどん復興が進むのに、
整備されていない地域は手つかずという現実を目の当たりにしてきたんだとか。

ちゃんと境界を決めて、その図面を法務局に提出しておくことが、
回り回って、ご自身の土地の復興を早めることに繋がるんですよね。

境界確認の依頼があれば、
快く応じてあげてくださいね。(^^;


土地家屋調査士 大阪 和田清人

2016年12月02日

笑顔相続シンポジウム

昨日、相続診断協会さんの笑顔相続シンポジウムに参加させていただきました。

会場のお客様の意識を聞くコーナーがあったんですが、
一般参加者のナマの反応は、結構衝撃的でした。

きょうだいに遺留分を侵害された場合、
減殺請求をすると答えた方が、全体の約半数。

みなさん、自分の権利が侵害されると、
全力で戦闘モードに入るんですね。(^^;

ところが、親の想いを綴った附言事項の一例を読み聞かされた後で、
それでも減殺請求をすると答えた方は・・・

なんと、1割ちょっとに減っちゃった。

つまり、いくら遺言を書いても、遺留分を侵害していれば半数がモメる。
けど、親の想いをちゃんと伝えれば、モメる可能性は1割くらいまで下がります。

それでも1割の方は権利を主張するので、
生保などを使って代償金を手当しておけば、モメる要素をゼロにできますね。

遺言だけなら50%、
想いを伝えて15%、
遺留分にも配慮してはじめて争いがゼロに。

心の「感情」と、お金の「勘定」。
両方揃って円満相続が実現できるんですね。


土地家屋調査士 大阪 和田清人

2016年12月01日

「相続における心の動きと心の仕組み」

昨日、相続トータルコンサルタント勉強会を開催しました。

テーマは、「相続における心の動きと心の仕組み〜顧客との信頼関係の気づき方を学ぼう〜」。
講師は、心財育成株式会社の安達美由紀さん。
スムーズなコミュニケーションのヒントをお教えいただきました。

ある出来事に対して人が取る行動は、次のようなメカニズムだそうです。
出来事→各自特有のフィルターを通して意味づけ→過去の体験に基づいた行動

フィルターと言うのは、各自の価値観や信念。
たとえば、責任感が強い人と自由奔放な人とでは、
同じ「Aさんが時間通りに来た」という出来事に対する受け止め方が異なるんですね。

また、攻撃的な物言いをしがちな人は、
過去に攻撃的になることでうまくいった体験が脳にプログラムされているとのこと。
これも価値観ですね。

厄介なことに、この価値観は無意識の領域なので、本人も自覚していない・・・_| ̄|○

このまま、相手と自分の価値観のズレに気付かず会話や商談を続けても、
うまくいくはずがないですね。

まずは、相手の価値観を知るために「聴く」しかないのですが、
安心して話してもらうために重要なのは、相手との違いを減らすこと。

その第一歩が「ペーシング」。
早口で話す相手とならこちらも早く、ゆっくり話す相手とならこちらもゆっくりと・・・

早速試してみますね。(^^;


土地家屋調査士 大阪 和田清人

2016年11月30日

上場株式の物納順位が

2017年度の税制改正で、上場株式の相続税評価の引き下げは見送られるようです。

その代わりと言っちゃぁなんですが・・・
上場株式の物納順位が繰り上げられるみたい。

ご承知の通り相続税は、10ヶ月以内の現金一括納付が原則。

払えない方は、分割払い(延納)を選択することができ、
それでも払えない方は、現物納付(物納)できるという順番です。

この物納も、取ってくれる順番があって、
 第1順位:国債、地方債、不動産、船舶
 第2順位:社債、株式、証券投資信託又は貸付信託の受益証券
となっています。

つまり、国債や不動産を持っていれば、株式は物納できないんですね。

それが、来年からは、株式も第1順位になるんだって。
しかも株価評価は相続日の時価でもやれる・・・

物納戦略の持ち駒が増えますね。


【相続株式の評価減見送り 政府・与党方針、納税はしやすく 】

 政府・与党は上場株式の相続税の評価を90%まで引き下げる金融庁の要望を2017年度税制改正で見送る方針だ。現在の評価は100%で、金融庁は株価下落リスクを考慮し評価減を求めていた。株価は上昇する可能性もあることなどを理由に見送る。一方、相続時に株式を時価で物納できる順位は引き上げ、株式で納税しやすくする。

 相続した株式は相続日の時価で評価する。10カ月以内の納付期限が来た時に、実際の株価が相続日より下落すると、相続人の税負担が実勢以上に重くなるとの指摘がある。だが、株式を時価から減額できる特例を作ると「亡くなる直前に株式を購入するといった租税回避を生む可能性がある」(財務省幹部)という。

 一方、相続税を支払う時に、上場株式を相続時点の時価で物納できる順位は見直す。現在の順位は国債や土地、船舶などが優先され、株式はその次になっている。株式の順位を繰り上げて、国債などと同等の扱いにする。相続時に柔軟に納税できる資産として計上できるようにし、株式を保有しやすくする。

 物納の場合は納税する時の株価が相続日時点より下落していても、相続日の時価で評価できる。
(11月30日 日本経済新聞)


土地家屋調査士 大阪 和田清人

2016年11月29日

受益者連続信託

このたび、またひとつ家族信託を組成させていただきましたので、
その概要をご報告しますね。

以前にご紹介した認知症対策としての活用法に対して、
今回は、言わば、「家督相続信託」。

不動産を細分化させない使い方です。

少しデフォルメしていますが、だいたい次のような関係。

受益者連続信託

 1.兄弟が、先祖伝来の収益不動産を各1/2ずつ共有。

 2.お兄様には、離婚した妻との間に子がいるが、
  将来、この子に不動産の持分が渡ることは避けたい。

 3.さらにお兄様には内縁の妻がいて、自分の死後の生活は安定させてやりたいが、
  同じく不動産の持分が渡ることは避けたい。

 4.内縁の妻の死後、不動産は弟に集約させたい。

これ、実は、遺言では実現不可能なんですよね。

遺言でできるのは、不動産を内縁の妻に渡すところまで。
内縁の妻が弟に渡してくれるかどうかは、内縁の妻の胸三寸ってワケ。(^^;

そこで登場するのが、家族信託。

お兄様ご健在の間は賃料はお兄様に。
お兄様亡き後は、賃料は内縁の妻に。
内縁の妻も亡き後は、お兄様持分は弟に帰属して、信託終了。

所有権を渡すことなく、
人物を限定して賃料だけを渡すところがポイント。

ちなみに、登記事項はこちら。
登記事項

遺言ではできなかったことがいとも簡単にできてしまうのが家族信託。
もっと知ってくださいね。

 ※「家族信託」は、一般社団法人家族信託普及協会の登録商標です。


土地家屋調査士 大阪 和田清人

2016年11月26日

3月8日は「町家の日」

昨日、国交省主催の、不動産ストックビジネスセミナーに参加してきました。

空き家・空き店舗などを再生・活用していく「不動産ストックビジネス」において、
国交省はクラウドファウンディングなどの活用を検討しているわけです。
不動産特定共同事業法改正に関する記事はこちら

ここで、先進的な取り組み事例を発表なさったのが、株式会社八清の西村さん。

京都市の、平成20〜21年京町家町づくり調査によると、
京都市内に存在する京町家の数は、47,735軒。

この当時、都心部においては、12年間で20.5%の町家が消失したんだって。

おまけに、上記47,735軒のうち、空き家は約5,000軒・・・
これらを何とかしようと、いろいろ展開してこられたわけです。

 峙貸家」ブランドの戸建賃貸
 再建築不可の建物を改修して貸家に。

◆峙宿屋」ブランドの宿泊施設
 旅館業を取得して、町家を1棟貸切の宿泊施設に。

「京だんらん」ブランドのシェアハウス
 規模が大きすぎる町家は、5割以上を共用部分にしてシェアハウスに。

ぁ峙別邸」ブランドのマンスリーマンション
 第一種低層住居専用地域には旅館が建てられないことへの対応。

ァ峙創舎」ブランドのシェアオフィス
 路地奥の長屋を2棟つなげてリノベーション。

極めつけは、3月8日を「町家の日」に制定しちゃった。
3月8日 → MARCHの8 → マーチ、ヤ → 町家 ・・・バンザーイ!(^^;

京町家への愛が溢れていますね。


土地家屋調査士 大阪 和田清人