2017年05月26日

2017年版土地白書

2017年版土地白書が閣議決定されたようです。
まだ、土地総合情報ライブラリーに反映されていないので、詳細は不明ですが・・・

「土地が有利な資産ではない」と考える人が42%もいるんだって。
1993年度の調査開始以来、最高なんだとか。

土地を保有しているだけで資産だったのは昭和で終わり。
今は、自分の税金は自分で稼いでもらわないと、「負」動産ですからねぇ・・・


【「有利な資産」4割が否定的=空き地放置、問題に―土地白書】

 政府は26日の閣議で、2017年版の土地白書を決定した。

 預貯金や株式と比べて土地が有利な資産ではないと考える人が42.1%に上り、1993年度の調査開始以来、最高となった。特に地方では空き地の相続登記がなされず、所有者が分からなくなる問題が顕在化していることを紹介した。

 土地に対する意識は、90年代前半のバブル崩壊後に大きく変化。16年度に土地を有利な資産だと回答した人は31.1%にとどまった。資産性の低下などを背景に放置される土地は増えているとみられ、所有者不明の土地が災害後の復旧・復興事業の妨げになっていると指摘した。 
(5月26日 時事通信)
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170526-00000025-jij-pol


土地家屋調査士 大阪 和田清人

2017年05月25日

通帳残高を改竄・・・_| ̄|○

福岡県新宮町の町議会副議長が逮捕されたようです。
相続財産管理人だった時、通帳残高を改竄して地裁に報告したんだとか。

この町議、25年以上のキャリアを持つ行政書士でもあるんですね。
で、町議になった後で、この虚偽報告をしたみたい。

地検は、遺産の着服がなかったかどうかを調べるんだって。

国民にすれば、誰を信頼していいかわからなくなりますよね。
福岡県行政書士会HPの「おまかせください」が空しい・・・(^^;


【遺産管理巡り町議逮捕 福岡、虚偽通帳提出疑い】

 福岡地検は24日、管理を任されていた死亡男性の遺産に絡み、虚偽の銀行口座の記録を福岡家裁に提出したとして、偽造有印私文書行使の疑いで、福岡県新宮町の町議、※※容疑者(65)を逮捕した。

 逮捕容疑は、男性の遺産を管理する「相続財産管理人」だった平成24年10月〜27年6月、6回にわたり、預金残高が改ざんされた通帳を提出したとしている。

 地検は今後、男性の遺産が着服されていなかったか調べるとみられる。

 相続財産管理制度では相続人が不明な場合、家裁が選任した管理人が遺産の保存や処分をする。
(5月24日 産経WEST)


土地家屋調査士 大阪 和田清人

2017年05月24日

神戸市の空き家対策

昨年度、神戸市の指導によって改善された空き家は、
前年度の2倍以上の269件に上ったようです。

報道では、外壁崩落防止用ネットがかぶせられた空き家もあるみたい。
きちんと対応が進んでいる感じですね。

また具体的にはなっていませんが、
神戸市も「立地適正化計画」の取組をスタートさせています。

空き家が朽ち果てる前に、再利用を促進できればいいですね。


【空き家の改善件数 16年度は前年2倍超 神戸】

 周囲に危険が及ぶ恐れがあり、環境的にも有害な空き家・空き地のうち、神戸市の指導で2016年度に改善された数は269件に上り、前年度の115件から2倍以上に増えたことが分かった。自治体による空き家の改善指導や強制撤去などを定めた「空き家対策特別措置法」が15年度に施行され、市も条例を制定して空き地を含めた対策を強化。従来の制度では難しかった雑草の生い茂っている空き家などへの対応も進んでいる。

 市によると、適切に管理されていない空き家など建物の把握数は16年度541件と前年度の105件から大幅に増えた。法整備で対策の対象が広がったことが要因で、うち156件が市の指導後に所有者が建物の撤去や改修を済ませた。235件が指導に応じていなかったり、改善途中だったりするという。

 所有者の分からない建物も多く、541件中150件が調査中。外壁が落下する危険のある建物もあり、応急措置として市が落下防止用のネットをかけた例もあった。

 一方、空き地の把握数は282件で、前年度比で33件増えた。市が所有者に指導した後、立ち木や雑草の伐採、ごみの撤去など改善につながったのは113件で、前年度比53件増えた。

 特措法では、倒壊の恐れがある空き家などの所有者に対し、自治体が改善を指導、勧告できるように規定している。16年10月には「市空家空地対策の推進に関する条例」も施行され、勧告に従わない場合の氏名公表や特措法の規定外になる共同住宅なども同様の対応ができるようにした。

 近隣に悪影響の恐れがある空き家・空き地に関する相談は各区役所のまちづくり課か、まちづくり推進課で受け付けている。
(5月22日 神戸新聞NEXT)


土地家屋調査士 大阪 和田清人

2017年05月23日

「福井県唯一の相続専門行政書士が、3年で235回の講演について語る 」

昨日、相続トータルコンサルタント勉強会を開催しました。

テーマは、「相続セミナー戦略」
    〜福井県唯一の相続専門行政書士が、3年で235回の講演について語る〜。
講師は、相続手続支援センター福井の青木克博さん。

「相続専門」の根底にあったのが、ランチェスター戦略。
なるほど、それで納得できました。

相続に特化することで、
 (^羝下では、「相続と言えば青木さん」というブランド確立。
 ∩蠡海鮗螻櫃韻襪海箸如⊆動的に行政書士業務が入る。
 5佞法△笋蠅燭ない仕事は入ってこない。

やはり、専門特化は大切。
私もより一層、尖がらなきゃいけませんね。


土地家屋調査士 大阪 和田清人

2017年05月22日

「相続に関するアンケート調査」

日本法規情報さんが、「相続に関するアンケート調査」の結果を発表しました。
結果が興味深いですよ。

相続手続きの際に、専門家に依頼しなかった方が約半数。
その理由は、
 「相続する財産がほとんどない」37%
 「自力で手続きできると感じた」14%
 「相続に手続きが必要だと知らなかった」7%
 「依頼料がもったいない」2%・・・_| ̄|○

他方、残り半数の依頼した方の理由は、
 「本人が亡くなる前に相談していた専門家がいた」16%
 「相続税などの税務申告が必要だった」14%
 「親族間で相続争いが生じた(予防も含む)」7%
 「専門家に相談したときに依頼する意志を持った」3%

ご承知の通り、家庭裁判所に持ち込まれる遺産分割事件の1/3が
遺産総額1000万円以下。

「相続する財産がほとんどない」と答えた37%の方々を、
「専門家に相談して依頼を決めた」3%に変えてあげれるよう
私たちも発信していかないといけませんね。


【遺産相続手続きを専門家に依頼しなかった理由は?】

日本法規情報は5月18日、「相続に関するアンケート調査」の結果を発表した。調査期間は4月7日〜30日、対象は相続経験者で有効回答数は885人。

「相続手続きを行う際に専門家に依頼したか、また最初に相談した専門家は誰か」を尋ねたところ、「専門家に依頼した」という人は51%。専門家の資格別としては、「司法書士」が17%、「税理士」が15%、「弁護士」が10%、「行政書士」が7%、「その他の専門家」が2%という結果になった。
相続手続きを行う際に専門家に依頼したか
「相続手続きを行う際に専門家に依頼したか、また最初に相談した専門家は誰か」

「専門家に相続手続きを依頼した理由」では「どのように手続きをするべきか分からなかった」が29%、「本人が亡くなる前に相談していた専門家がいた」が16%、「相続税などの税務申告が必要だった」が14%、「専門家に相談するものだと思っていた」が12%、「友人や知人に専門家がいた」が7%、「親族間で相続争いが生じた(「争いの予防」も含む)」が7%、「ミスや不備が怖かった」が7%、「専門家に相談したときに依頼する意志を持った」が3%だった。
専門家に相続手続きを依頼した理由
「専門家に相続手続きを依頼した理由」

「専門家に相続手続きを依頼しなかった理由」では、「相続する財産がほとんどなく、手続きが面倒だった」が37%、「調べながら自力で手続きできると感じた」が14%、「相続に手続きが必要だと知らなかった」が7%、「難しい手続きだと考えていなかった」が7%、「遺産分割協議書や登記などの必要性を感じていなかった」が4%、「依頼料がもったいないと感じた」が2%となった。
専門家に相続手続きを依頼しなかった理由
「専門家に相続手続きを依頼しなかった理由」
(5月19日 マイナビニュース)


土地家屋調査士 大阪 和田清人

2017年05月20日

「激変する不動産市場の未来を展望する」

昨日、大阪府不動産コンサルティング協会の総会が開催されました。

その記念講演にお越しいただいたのが、あの長嶋修氏。
「激変する不動産市場の未来を展望する」というテーマで、
日本の不動産の現状と未来をお話しいただきました。

氏が受ける相談で、最も多いのが「今は買い時か?」。
実はこれ、リーマン前の20年前からずっと一緒だって・・・(^^;

で、それに対するお返事が、「条件によっては」。

曰く、不動産は三極化。
不動産の三極化

価格維持または上昇するのが1/6・・・
ダラダラ下落するのが4/6・・・
無価値またはマイナス価値が1/6・・・
(マイナスと言うのは、お金を付けて引き取ってもらうしかないってことね)

,適正価格なら「買い」ってこと。

首都圏で、駅から1分離れることによる物件価格の下落幅は、
2008年に9000円/屬世辰燭里、
2016年は16000円/・・・_| ̄|○

これはレインズの成約データで、
売れない物件は入ってませんから。

このあたりの分析が、著書「不動産格差」の
「駅7分以内しか買うな!」につながるわけですね。

これから買う方は立地の見極めが重要。

すでに駅から遠い物件をお持ちの方は、相続後の買い替えも視野に入れて、
すぐに売れる状態(=境界確定済)にしておいてあげてくださいね。


土地家屋調査士 大阪 和田清人

2017年05月18日

「たまる・まざる・にぎわう」

宅都ホールディングスが、近畿大学生によるマンション設計コンペを行ったようです。

最優秀賞のテーマは、「たまる・まざる・にぎわう」。
人が集まりやすく、新しいコミュニティーが形成されるというコンセプト。

このマンション、実際に近大から徒歩10分の場所に建築予定なんだって。

来年2月竣工予定。
ぜひ見てみたいですね。


【近畿大学で学生マンション設計コンペ 受賞学生が建設プロジェクトに参画】

 近畿大学(東大阪市小若江3)と不動産仲介・管理・開発などを手掛ける宅都ホールディングス(大阪市中央区)が5月18日、同大学の学生向けマンション設計コンペティション授賞式を行った。

 宅都ホールディングスでは現在、学生事業として府内に学生マンション3棟を展開。「たのしいくらしをとどける」をスローガンとし、マンション内のコミュニティー形成のため、ウエルカムパーティーや花火大会、バーベキューなどを企画し開催。学生マンションはすべて、食事、家具家電、管理人付きで、入居者にヒアリングする機会を設けサービスに反映しているという。

 同大学の近くには学生マンションは多いが食事付きはなく、設計段階から学生の意見を取り入れたいと同大学学生向けの学生マンション設計コンペを実施。建築学部・大学院の学生を対象に4月初旬に募集をかけ、共用部の活用法などソフト面も含め10組の応募があり、審査の結果、大学院 総合理工学研究科 建築デザイン専攻1年の岡本幸さんの作品「たまる・まざる・にぎわう」が最優秀賞に決まった。

 受賞した岡本さんは「ほかの女子学生はオートロックや部屋の階数などを気にしていたが、そこは気にならず、同じフロアに同じ学部の子が住んでくれていたらという気持ちがあり、ちょっと話してみたいという気持ちをどうしたら仲良くなるところに結び付けられるかに重きを置いた」と話す。

 「インスピレーションを受けたのは長瀬に多くある長屋。家の前に植栽を置き、洗濯物を干しながらコミュニケーションを取る。部屋の壁の位置をずらして雁行(がんこう)させ、私物を置いて物も人もたまる空間を作るのが一番アピールしたかったポイント」とも。

「食堂とテラス、庭の境界も雁行(がんこう)させ、いつの間にかテラスや庭に出てきたしまったというようにすれば各ゾーンに集まりやすくなり、新しいコミュニティーが形成されるのでは。設計は勉強してきたが施工過程は勉強不足。プロジェクトに参加して学んでいきたい」と意気込む。

 同プロジェクトでは、学生と同社のさまざまな部署からメンバーを集めプロジェクトチームを組成。同大学から徒歩約10分の友井2丁目に当該学生マンションを建設予定で、外国人留学生とのシェアルームやシェアリングエコノミー、IoTスマートハウスなどの要素を取り入れる学生マンションにするという。来年2月の完成を目指す。
(5月18日 東大阪経済新聞)


土地家屋調査士 大阪 和田清人

2017年05月17日

空き家でも欠かせない火災保険

空き家と火災保険に関するコラム。
見落としがちな点ですが、実はとっても怖い話なんですよ。

民法第717条に、「工作物責任」という規定があります。
土地の工作物の設置又は保存に瑕疵があることによって他人に損害を生じたときは、その工作物の占有者は、被害者に対してその損害を賠償する責任を負う。
ただし、占有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしたときは、所有者がその損害を賠償しなければならない。

たとえば、家の瓦が落ちて通行人がけがをした場合、
その責任を負うのは住んでいる人(占有者)。

でも、住んでいる人はちゃんとメンテしてて不可抗力だった場合、
その責任は所有者(例えば大家さんなど)に回ってくるってワケ。

逆に言うと、空き家の場合は、所有者(または相続人)に全ての責任が。
しかも、これ、無過失責任ですから・・・

火災? 倒壊? 怖いですね〜
おまけに、空き家に対する火災保険等は割高。

やっぱり、「とりあえず空き家」は百害あって一利なし。
一刻も早く青写真を描くようにしてくださいね。


【放置すればリスク大 空き家でも欠かせぬ火災保険】

 契約はしたものの、細かな内容はよく知らない――。生命保険や損害保険の契約者の中には、こんな人も少なくないだろう。だが、保険は契約条項ひとつで受けられる補償が大きく変わる上、新たなサービスも続々と登場している。本コラムでは、生命保険と損害保険を交互に取り上げ、保険選びの上で知っておきたい知識を解説する。
◇  ◇  ◇
 親の死亡や施設入居などで空き家になった実家。その管理の手間やコスト負担に頭を悩ます人は少なくない。自分の住まいを既に得ていたり、遠方に住んでいたりする子世代には、まさに重荷だ。処分したくても買い手がないという状況もある。持て余し、結果として放置するケースも耳にする。

 だが、放置された空き家は時間がたつにつれて防災上・防犯上の危険が増す。不審者が入り込み放火するかもしれないし、管理不備で傷んだ家は台風や地震などで被災しやすくもなる。こうしたトラブルが一度発生すれば、建物の取り壊しや残存物の片付けが必要となり、数百万円レベルの費用負担を強いられることもあり得る。

 それだけではない。空き家トラブルで他人を死傷させたり、ものに損害を与えたりして法律上の損害賠償責任を問われる可能性もある。その賠償額は予測もつかない。

 好むと好まざるにかかわらず、空き家を所有する限り管理や費用負担は必須。怠れば、子世代が自らの生活設計を犠牲にせざるを得ない事態も起こるのである。

 空き家がもたらす偶発的なトラブルへの経済的備えとして、火災保険は欠かせない。「住まないから不要」ではなく、「住んでいないから増すリスク」にこそ、十分な対応が必要なのだ。

 実家が空き家になると、親が住んでいた頃にかけていた住宅向け火災保険は継続できず、事務所や店舗向けの事業物件用の火災保険に入り直すことになる。補償内容は、火災をはじめ風・水害やその他偶然の事故について、ほぼ住宅同様にカバーが可能だ。ただし、事業物件扱いとなるため地震保険はかけられない。空き家では地震被害に対する補償手段がないことは知っておきたい。

 加えて、空き家が原因で生じた他人への損害賠償に備えるため、施設賠償責任保険の契約も必要だ。

 補償内容をほぼ同条件とした場合の、使用中の住宅と空き家との年間保険料を比較したのが下の表。賠償責任保険を含めた年間保険料は、空き家の方が約1万2000円高い。住まない家の方が、維持コストは高くなるわけだ。

 国内の空き家総数は現在約820万戸。団塊世代の高齢化に伴い今後さらに増加するとみられており、実家の取り扱いに悩む子世代も一段と増えることだろう。

 住宅の所有には、言うまでもなく相応のコストが必要とされる。住宅の取得理由の多くは「家族のため」。だが、時間の経過に伴い家族の形態は変わっていく。今だけではなく、自らが高齢者になり、そしてこの世からいなくなった時のことも考え、子世代に“負の資産”を残さない住まい方を考えるべき時代が来ている。
(5月17日 NIKKEI STYLE)
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20170517-00000006-nikkeisty-bus_all


土地家屋調査士 大阪 和田清人

2017年05月15日

固定資産税あれこれ

固定資産税に関するコラム。
「市町村への家賃」とは、言い得て妙ですね。

相続登記を70年以上放置したため、相続人が38人に。
隣人に引き取ってもらう前提の相続登記に38人中3人が協力してくれない・・・

やむを得ず訴訟に踏み切って、ようやく土地を譲渡できたけど、
弁護士費用や登記費用などの合計が130万円・・・_| ̄|○

これ、固定資産税の100年分だって。
徒労感がのしかかってきますね。

価値のない不動産を押し付け合って、遺産分割協議がまとまらないのが今風。
先送りは誰も得しないということをしっかり認識してくださいね。


【固定資産税に翻弄される人たちの悲痛な叫び】

 5月は「マイホーム」という言葉が幻想であることを確認させられる。固定資産税という「市町村への家賃」を求められる月だからだ。すでに納税通知が来て、高額の負担に閉口している人も多いだろう。

住んでいればまだいい。少子高齢化で過疎化に拍車がかかる地方では、買い手も借り手もつかないのに、固定資産税のおかげで「マイナス」の土地や建物が増えている。朝日新聞経済部が紙面連載をベースにまとめ、筆者も執筆者の1人として名を連ねる『ルポ 税金地獄』で指摘している問題点の1つが、市町村税収の半分を占める不動産への課税だ。

■子々孫々まで続く「死亡者課税」

 ある日突然、地方の役場から、見たこともない土地の固定資産税を払うよう求められるケースがある。土地の持ち主が死亡し、登記を変えずに放置していると、その子孫係累にまで固定資産税の請求書が届くのだ。これを「死亡者課税」という。

 2013年、大阪府の男性会社員(当時59歳)の元に、まったく身に覚えのない土地の固定資産税を支払うよう求める通知書が届いた。差出人は愛媛県内のある自治体で、横書きの納税通知書の宛名には、男性の名前の下に「(亡○○○○様分)」と、彼が生まれるより16年も前の1938(昭和13)年に亡くなった祖父の弟の名前が書いてある。

 通知は、次のように始まっている。

 「この通知書は、下記固定資産の所有者として登記簿等に登録又は登記されている方がお亡くなりになっているため、相続人に対し、地方税法第364条の規定により課税内容及び課税明細をお知らせするものです」

 要するに、祖父の弟の名義のまま放置されてきた土地の固定資産税を支払うよう求める通知である。

 その土地は、祖父の弟が32歳の若さで亡くなった後、誰も相続していなかった。誰が相続したかをはっきりさせなくても、「放棄」の手続きを取らないかぎり、自治体は一方的に相続権のある者を探し出して課税してくる。

利用価値を見いだせない土地

 そこで長男だった祖父が「相続人代表者」に指定され、固定資産税を納めていた。祖父の死後は父がその指定を受け、所有者の死後も70年以上、固定資産税を納めてきた。そして父の死によって、新たに代表者として男性が指定されたというわけだ。現地を見に行くと、起伏の大きな山林や荒れ地で、利用価値は乏しかった。

 相続による登記の変更をしなくても、自治体は戸籍をたどって固定資産税の課税対象者を探し出す。役所からの通知書には「相続財産は相続人全員の共有財産となるため、全員に固定資産税の連帯納税義務が生じます」などと書いてある。この土地には94万4000円の固定資産評価がついた。固定資産税は評価額の1.4%だ。年に1万3200円の税金を払うよう求められた。

 「このまま自分の子孫にこの負担を残すわけにはいかない」そう考えた男性が自治体に相談すると、隣の農家が引き取ってくれるという。しかし、農家に土地を譲るためには、男性がいったん所有者にならないと契約ができない。

 ところが、誰も相続をせずに70年以上放置してきたことで、相続権がある子孫は38人にも増えていた。男性名義にするためには38人全員の同意が必要だ。親戚といっても、会ったことさえない人もたくさんいた。2013年12月に全員に手紙を送り、半年で35人の同意は得られたが、3人からは返事さえ来なかった。

 残された手段は裁判しかない。やむをえず男性は親戚38人を相手に、土地の名義を変えるための訴訟を松山地裁で起こした。裁判の結果、名義変更はようやく認められた。こうして土地を譲渡できたのは2016年6月だった。この間、弁護士費用や登記費用などで計130万円もかかった。固定資産税の100年分だ。

■増える持ち主不明の不動産

 亡くなった親族の土地に利用価値を見いだせず、相続の手続きをしない人や相続放棄をする人は後を絶たない。相続人がわからなくなった不動産には、家庭裁判所が相続財産管理人をつける。その数は、2005年度の約1万1000件から2015年度には約1万9000件と、ほぼ倍増した。

 乗用車がようやく1台通れる細い道を抜けて、広島県の山奥のある集落に着いた。その集落を見渡す丘の中腹にある農家の土壁は崩れ、縁側の障子が破れて風に揺れていた。ここに1人で暮らしていた男性は10年ほど前に88歳で亡くなったが、相続する人はいない。

 相続する人がいない財産を管理する相続財産管理人は、家庭裁判所が弁護士や司法書士を指定することが多い。不動産が売れれば、管理人は報酬を取ったうえで国庫に納めるのが通常の流れだ。しかし「売るに売れない不動産」は、管理人の手にも余る。

 この空き家の管理人になった司法書士によると、土地に約100万円、家に約7万円の固定資産評価額がついており、ほかに田畑や山林もある。司法書士は、男性が残した約150万円の預金の中から年約1万円の固定資産税を払い、草を刈るなどの管理をして、売れるのを待っている状態だ。

自治体の課税ミスが表面化

 司法書士はこう嘆く。

 「ただでもいらないと言われます。最低限、雑草取りはしなければいけません。それでも固定資産税は払わないといけない。公示地価は大きく下がっていますが、利用価値を見いだす人がいないので時価はもっと下がっており、固定資産評価額が時価を逆転した状態です。税金を払うために『管理費』名目のおカネを積めば、ようやく引き取ってくれる人が現れるかどうかです」

 要するに「マイナス価格」での土地取引だ。だが、そんな取引の仲介を頼める不動産業者はまずいないという。宅地建物取引業法で、不動産売買の仲介手数料は「200万円以下は5%が上限」と定められている。取引価格がマイナスになることは想定していないかもしれないが、仲介手数料を取ることが違法になる可能性が高い。

 司法書士が担当した別の物件で、約100平方メートルの土地に立つ木造2階建ての家は、固定資産評価額が約250万円だった。相続人が買い手を見つけたが、実際に売れた価格は10万円。もし不動産業者が仲介しても、手数料は消費税抜きで最大5000円にしかならない。

 地元の不動産業者は、こう話す。

 「物件の仲介をして売るためには調査が必要です。登記簿で権利関係を確認したり、敷地の境界を確認したりします。境界がはっきりしなくて測量が必要だと何十万円もかかります。ダニがいれば駆除しなければいけないし、雨漏りがあれば直さなければいけない。5000円では話になりません」

■課税額の計算ミスが頻発

 固定資産税は納税者が自ら算出して申告する所得税と違い、各自治体が税額を計算して納税通知書を送ってくる「賦課課税方式」である。ところが、課税する自治体の計算ミスが、各地で表面化している。

 茨城県つくばみらい市は2015年1月、住宅用地での課税のミスが123件あったと公表した。住宅用の土地は、固定資産税を計算する際、200平方メートルまでは評価額が6分の1になり、それを超えても3分の1に下がる特例がある。それが適用されていなかった。

 市は10年間さかのぼって取りすぎた税金と利子にあたる還付加算金を合わせて、計約7300万円を返した。固定資産税は、税額が国民健康保険料の計算の一部にも使われるため、保険料の取りすぎにもつながった。市は国保に入っていたことがある55人に、過去10年分の計400万円余りを返した。

 市税務課によると、住宅と土地の担当者が別で、家が建ったことを確認した住宅の担当者が土地の担当者に伝えることを忘れたり、伝えても土地の担当者が固定資産税に反映することを忘れたりしたという。住宅の担当者が土地への反映にも責任を持つようにすればミスは減るはずだが、「つくばエクスプレス沿線の住宅開発が続いているため住宅の担当者は忙しく、土地まではできない」(税務課)と、いまの体制は変えないという。

ミスをミスと認めない自治体も…

 埼玉県本庄市は同年3月、1342件の課税ミスを公表した。2006年に合併した旧児玉町の地区で旧町の担当者が住宅用地の特例を誤解していたと言い、取りすぎで税金が戻るケースが970件、逆に追徴課税したケースが372件あった。

 住宅用地は、1つの区画として使われていても、登記上は2つ以上に分かれていることがある。その際、一部の用地にしか特例を適用しなかったり、逆に、住宅用地ではないのに特例を適用したりする誤りがあった。旧本庄市の地区では見つかっていないミスだという。

 埼玉県新座市では2014年6月、27年間にわたって住宅用地の特例を適用せずに過大な固定資産税を払わされていた老夫婦の家を、市がほかの税金も含めた滞納を理由に公売で売却してしまう深刻なミスも発覚した。こうした事態を受けて、総務省は2014年9月、全国の市町村に向けて間違いの具体例を示しつつ、固定資産税評価の信頼を確保するよう通知を出した。

■取りすぎたのに返さない自治体

 ところが、ミスをミスと認めない自治体がある。取材をしていると、ミスがわかったときに謝罪して、取りすぎた税金を返すという当然のことができる自治体は、まだマシなほうであることがわかってきた。背景には、固定資産税などの資産課税が自治体税収の約半分を占めているため、ミスを認めて返還すると財政に影響するという意識があるようだ。

 新潟市の主婦、楠原富美子さん(57)は2012年、自宅の庭に対する課税の誤りに気づき、2013年度から納税額が年3万円余り下がった。ところが、新潟市は過去に納めすぎた税金を返さないままだ。

 楠原家は1995年、自宅に隣接する約250平方メートルの土地を買った。1997年、その一部を駐車場として整備し、倉庫を置いたり畑や花壇を造ったりして庭として使ってきた。自宅の庭なのに、固定資産税額が大きく下がる「住宅用地の特例」が適用されず、2012年度まで17年間にわたり、誤った割高な税金を払わされていた。

 朝日新聞の記事を読んで、過去に払いすぎた税金を戻す自治体があると知った楠原さんは市のホームページから市長宛に質問をした。

 すると、市の税務を取り仕切る田村敏郎税務監の名前で、返せないことを告げる手紙がきた。それは、「外見上、確認できず、届け出や申告もない場合のすべての土地や家屋の利用状況を把握することは困難」として、市側に重大な過失がないので返さないという内容だった。要するに、外見だけで判断しているので、間違いを認めて返しているとキリがないというわけだ。

「市役所の内規なので開示はできない」

 しかし、地方税法は自治体に少なくとも年1回の実地調査を義務づけている。固定資産税に詳しい神野吉弘税理士は「固定資産税は自治体が一方的に課税する税金だ。本人の申告がなくても、自治体は気づかなかったでは済まない」と指摘する。楠原さんは「ちょっと聞けば、私たちの庭であることはわかることなのに、聞かれたこともない」と怒る。

 土地の用途や形、条件によって固定資産税額は変わってくる。評価を決めるのは自治体だが、疑問を抱く所有者も少なくない。

■土地評価変更、開示せぬ内規

 東京都府中市の商業環境デザイナー宮尾舜三さん(71)も、父から相続した新潟県妙高市の土地を2009年に確認したところ、敷地の周りの土地に敷地並みの固定資産税がかかっていることがわかった。

 周囲の土地は家の敷地より一段低く、ぬかるんでいる。敷地と同じ課税はおかしいと、市役所に確かめると、周囲の土地は「宅地」から「雑種地」に変更された。税金も年間約1万円下がって2000円程度になったが、過去の分は戻らなかった。雑種地とは主な地目に分類されない土地のこと。自治体が課税の基準を決めている。

 朝日新聞を読んだ宮尾さんが市役所に問い合わせると、市民税務課から手紙が届いた。「(2010年度に)宅地から雑種地への地目変更ができるよう『雑種地比準表』を定めたことから、評価地目の見直しが可能となりました」などと書かれている。

 その意味について、筆者が同課に取材すると、市側は、宮尾さんの指摘をきっかけに「土地評価事務取扱マニュアル」を見直した、と説明した。宮尾さんが指摘した年までは宅地で評価をして、翌年から新しく作った基準を適用したので「間違い」ではなく、さかのぼって税金を戻すことができないという。

 宮尾さんは「新たな基準を文書で示してほしいと求めたが回答がない。税額を決めるルールも示さずに課税する姿勢は信用できない」と不信感をあらわにする。筆者も新たな基準について市に尋ねたが、同課は「市役所の内規なので開示はできない。今後、検討したい」と答えるのみだった。

 このように、自治体の貴重な収入源である固定資産税は、時代に合わなくなっても、役所が扱いきれないことがわかっていても、一方的に税額を決めて納めさせることを変えようとしない。少子高齢化で地方の衰退がはっきりしている今、硬直的な制度が国民生活の足かせにならないよう、見直す時期に来ている。
(5月13日 東洋経済オンライン)
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20170513-00171135-toyo-bus_all&p=1


土地家屋調査士 大阪 和田清人

2017年05月12日

「目黒山形資料」

5月14日、「目黒山形」の記念講演会と古文書の展示が行われるそうです。

目黒山形というのは、江戸時代に作成された鬼ヶ城山系の立体模型と絵図面。
宇和島藩と吉田藩との間の「目黒村山境争い」の裁判過程で作られたんだとか。

目黒山の争いアニメを見ちゃったから、ものすごく行きたいんですけど、
14日は先約があるんですよね・・・_| ̄|○

場所は、愛媛県の目黒ふるさと館です。
お近くの方は、ぜひ!


【松野・目黒山形資料修復完了 14日に一挙公開】

 愛媛県宇和島、吉田両藩の境界争いの裁判で使われた国重要文化財(重文)「目黒山形関係資料」(松野町目黒の建徳寺所有)の修復がこのほど完了。松野町教育委員会は14日、重文指定10周年の記念講演会を開き、主要な古文書を公開展示する。町教委の担当者は「主な資料が一度に見られる機会。講演会と合わせ見識を深めてほしい」と話している。
(5月11日 愛媛新聞ONLINE)
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170511-11845101-ehime-l38


土地家屋調査士 大阪 和田清人