2018年10月20日

「これだけ高齢者が増えているのに、なぜ高齢者ビジネスで成功する企業が少ないのか?」

昨日、あい・ライフサポートシステムズさんの勉強会に参加してきました。

テーマは、「これだけ高齢者が増えているのに、
      なぜ高齢者ビジネスで成功する企業が少ないのか?」。
講師は、高齢者住宅新聞社の西岡一紀さん。
数多くの取材から得られた事例などをお聞かせいただきました。

高齢者ビジネスが難しい理由の一つが、対象者の広さ。

’齢面
日本人の最高齢記録は117歳ですから、65歳以上が高齢者なら年齢幅は52歳。
10歳の子と62歳の方に同じものが売れるわけない。(^^;

経済面
「新人OL」だったらある程度年収を推定できますが、
高齢者は、生活保護受給者から資産数100億円の富裕層までいらっしゃる。

7鮃面
80歳でエベレストに登る人から、70歳で寝たきりの人まで。

ターゲットをどこに絞るかで、商品企画から販売戦略までまるで違うわけです。

あと、「高齢者」に対するイメージ。
和食が好き、演歌が好き、時代劇が好き、カタカナが苦手・・・

でもね、
・ビートルズ来日から52年 → 今の80代はビートルズ世代
・マクドナルド1号店から47年 → 今の70代はファストフード世代
・Windows95発売から23年 → 今の60代は仕事でPCを使用

われわれ自身が「高齢者」のイメージを変えていかないと、
このギャップは埋まらないですよね。


土地家屋調査士 大阪 和田清人

2018年10月19日

「たかつき・いばらき歴史遺産カード」

高槻市と茨木市の教育委員会が連携して、
たかつき・いばらき歴史遺産カード」の配布をはじめたそうです。

カードは8種類。
そして、期間限定が2種類とコンプリートカードの計11種類。

これ、見たらアカンやつね。

男ってのは、この手のものはコンプリートしないと気が済まない
厄介な生き物ですので・・・(^^;

期間限定カードは12月2日まで。
忙しくなるぞ。(^^;


【マニアくすぐる遺跡カード 高槻、茨木市共同作製】

 ◇城跡など11種 全て回ると特別カードも

 高槻、茨木両市が、双方の地域にある古墳や遺跡などをあしらった「たかつき・いばらき歴史遺産カード」を作製した。カードは全11種類あり、遺跡などを巡るともらえる。自治体の枠組みを超えた取り組みで、両市は「歴史に市の境界はない。カードを集めながら、大人も子どもも歴史を楽しんで学んでほしい」と期待している。(畑本明義)

 大小約500基の三島古墳群は高槻、茨木両市内に主に集中している。戦国時代には、キリシタン大名・高山右近も城主を務めた高槻城や、茨木城などがあり、政治や文化で影響し合ってきた。こうした歴史に着目し、歴史ファンらに二つの市を周遊してもらおうと、企画。今月6日から配布を始めた。

 カードをもらうには、高槻と茨木の遺跡や史跡、博物館など計8か所を見学。遺跡や史跡の写真を撮影し、高槻市の「しろあと歴史館」、茨木市の「文化財資料館」など4施設で写真を見せると受け取ることができる。カードの表面に写真が印刷され、裏面には歴史などの説明が記されている。

 高槻市の新池埴輪はにわ製作遺跡は指定場所の一つで、5世紀半ばから6世紀半ばまで埴輪が作られていた。髷まげやまわしが特徴の「力士の埴輪」が出土した今城塚古墳近くにある今城塚古代歴史館や、高槻城跡も対象となっている。茨木市では、江戸期のキリシタン墓などが発見された「千提寺菱ヶ谷せんだいじひしがたに遺跡」などが指定されている。

 すべての場所を回るとスペシャルカードがもらえる。しろあと歴史館と今城塚古代歴史館の特別展、茨木市立文化財資料館のテーマ展「総持寺」を観覧すれば、さらにカードが手に入る。

 西本幸嗣・しろあと歴史館長は「歴史的に高槻と茨木両市の結びつきは深い。現地を巡ってカードを集め、二つの市の歴史への理解を深めてほしい」と話す。

 両市は第2弾、第3弾ではデザインなどを変更し、2020年度まで続ける。

 問い合わせは、高槻市立しろあと歴史館(072・673・3987)、茨木市立文化財資料館(072・634・3433)へ。

 ◇マンホールやダム 自治体などPRに

 全国各地で、マンホールやダムなどインフラ(社会基盤)の写真や解説を掲載したカードが発行されている。現場に足を運ばないと手に入らないという仕組みが人気を高め、公的機関や自治体などのPRにもつながっている。

 内閣府沖縄総合事務局では、沖縄観光インフラカード、宇宙航空研究開発機構(JAXAジャクサ)は巨大なアンテナの写真を掲載したアンテナカードを発行した。

 下水道広報プラットホームはマンホールカードを作製。2016年4月に岡山市など28自治体で始まったが、18年8月には全国47都道府県の364自治体まで広がった。

 こうしたカードの元祖は07年に国土交通省などが作ったダムカードとされる。府内では、茨木市の安威川ダムでも配布している。

 ダムカードを発行する国交省の担当者は「カードは、パンフレットより持って帰りやすく、親しみを感じやすい。旅行会社がカードを集めるツアーを企画するなど、地域でダムを観光資源として活用する動きも出てきた」と話している。
(10月16日 読売新聞)


土地家屋調査士 大阪 和田清人

2018年10月17日

「法的障害による処理困難不動産の処理方法」

昨日、大阪府不動産コンサルティング協会の研修会に参加しました。

テーマは、「法的障害による処理困難不動産の処理方法」。
講師は、ほなみ法律事務所の中川澄弁護士。

弁護士が関与することによって「塩漬け」が回避できた事例について、
深いところまで実務的にお話しいただきました。

不動産売買が前に進まない典型例として、所有者死亡が挙げられます。
所有者が死亡することで行き詰まるパターンは、次の3つ。
 〜蠡柿茲
 ∩蠡蛙揺毀
 そもそも相続人がいない

こんなのに当たると、売買をあきらめちゃうのが普通なんですが、
弁護士を入れて動かす手もあるってことですね。

,砲弔い討蓮∩阿愎覆泙覆韻譴弌∪儷謀に遺産分割調停を使うんだとか。

話し合いで解決しそうな雰囲気があれば、1年以上続くこともあるそうですが、
無理と判断されれば調停は打ち切られて審判(裁判所が決める)に移行します。

決着が早い可能性もあるわけですね。

△砲弔い董戸籍等を調べても相続人がつかまらない場合、
「不在者財産管理人」の選任を申し立てて、不在者に代わって売却してもらいます。

ここで重要なのは、「不在者」であることの証明。
徹底的に調べた上でないと裁判所は申し立てを受理しないんだとか。

あと、不在者財産管理人には知人の弁護士を推薦して、
安価に受けてもらえる場合もあるんだって。
このあたりの経験値も重要な要素ですね。

は、明らかに相続人がいない場合(全員が相続放棄した場合も含む)。
「相続財産管理人」の選任を申し立てて、売却してもらいます。

長期戦になるため予納金が高額ですが、
高く売れれば返ってくるので、使わない手はないですね。

△鉢は利害関係人から申し立てができますので、
町内会やマンション管理組合などがマイナス排除のために使うだけでなく、
有効活用や開発などプラスの使い方もできる可能性があります。

心強いブレーンをゲットしました。(^^;


土地家屋調査士 大阪 和田清人

2018年10月16日

神奈川の土地家屋調査士たちの偉業

一度取り上げさせていただいた、「外国人遊歩規程」。
神奈川新聞の記事になったようですよ。

スゲー!

熱意をもって取り組んでらっしゃいましたからねぇ。
感動のフィナーレ」はyoutubeでご覧ください。

ホント、調査士ってバカですよね。
だから大好きなんですけど、何か?(^^;


【明治期の測量標石に光を 小田原などで有志らが調査 保存検討へ】

 明治時代に外国人の行動範囲を定めるために設置された測量標石に光が当てられようとしている。在野で進む調査をもとに、県教育委員会が文化財としての保存を検討。他の開港地に先駆けた取り組みで、関係者は近代化の歩みを伝える歴史資源にすると同時に、関東大震災の影響など多角的な研究の一歩にと期待を寄せている。

 標石は、19世紀末まで横浜近郊で効力を発していた「外国人遊歩規程」にまつわる。外国人が自由に往来できる範囲として定められた開港場からの10里(約40キロ)を正確に測るため、内務省地理寮(現在の国土地理院)が1876(明治9)年3月から約10カ月かけて測量を実施。その際、各測点に約30センチ四方の標石が設置された。

 現在の横浜市保土ケ谷区藤塚町にあった1号点から小田原市早川の60号点までの本点60カ所と補助点8カ所の計68カ所。1辺2〜3キロの三角をつくりながら東西を帯状につないでいる。

 測量史研究家で、英国王立地理学会フェローの上西勝也さん(京都市)によると、特定位置間の距離計測を目的とした三角測量は日本の測量史上初めての試みだったとされる。多くが見通しの良い山頂付近にあり、後の植林で根の下に埋もれたものも少なくない。だが、1世紀以上の時を経て黎明(れいめい)期の足跡を掘り起こしたのは現代の測量士たちだった。

 業務の中で標石を知った県土地家屋調査士会の田村佳章さん(45)ら有志が上西さんと協力。衛星利用測位システム(GPS)など現代の測量技術を活用し、本点27カ所が現存していることを確認した。良好な状態が保たれているものも多いという。

 「当時の技術の高さに驚いた。ほぼ正確に測量されており、ピンポイントで探し当てたときはロマンを感じた」。田村さんは先人の技に感嘆の声を上げる。

 ただ、100年余りの間に、測量技術の進歩だけでは語れない差異も見られた。田村さんは、さらなる研究の必要があるとした上で「西と東でひずみが起きている。関東大震災で、震源に近い方に引っ張られているのではないか」と推察。未発掘の標石が日の目を見ることで、全容解明に近づくと使命感を燃やす。

 県教委は今後、地元市町、専門家と連携し歴史的経緯や文化財的価値を調査する方針。上西さんは「遊歩規程測量では地図は作製されず、証拠として標石が残っているため、現場から移動させずに保存することに意義がある」としている。
(10月15日 カナロコ)


土地家屋調査士 大阪 和田清人

2018年10月15日

大阪府住宅供給公社が食堂を

大阪府住宅供給公社が、団地内で食堂を運営したそうです。

ここのスタッフは障害者。
自立支援と、高齢者の「孤食」防止の一石二鳥。

面識のなかったほかの階の人との会話が増えたり、
スタッフの成長を見守ったりできると好評のようです。

ちゃんと収益を上げて、永続する仕組みになればいいですね。


【孤食防ぐお昼の食堂 府住宅公社とNPO】

 ◇障害者が調理、配膳 自立と交流後押し

 家族のいない昼も、ごはんはみんなで――。入居者の「孤食」を減らそうと、府住宅供給公社がNPO法人と、団地内での食堂運営に乗り出している。調理や配膳を担うのは障害を持つスタッフで、住民同士の交流や、障害者の自立を後押ししたいという。

 「食堂に来るつもりで予定を組むと、家事も朝からはかどるのよ」

 12日午後、大阪市住吉区の公社管理住宅「OPH杉本町」(71戸)。入居する主婦京田百合子さん(71)は、1階の「杉本町みんな食堂」でインゲンのゴマあえやみそ汁を食べ、笑顔を見せた。

 食堂は8月に営業を開始。NPO法人「チュラキューブ」(大阪市中央区)の障害者スタッフ2人が配膳や後片づけ、食器洗いなどを行っている。

 京田さんは運送業を営む夫(70)と2人暮らし。夫が日中、仕事で外出するため、昼食は一人で済ませることが多かったといい、「面識のなかったほかの階の人との会話が増え、ここのスタッフの成長を見ることもできるのがうれしい」と話す。

 公社によると、入居する49世帯のうち、単身高齢者(65歳以上)は19世帯(6月末)で約4割を占める。食堂は月、水、金曜の正午から午後2時まで営業し、1食450円(税込み)。メニューは、NPO法人のキッチンでスタッフが調理して持ち込んでいる。

 チュラキューブの中川悠さん(40)は「調理から配膳、食器洗いまで一貫して行うことで、障害者スタッフの生活力を高めることができる。食堂でのお年寄りとの会話も、自立に向けた訓練になっている」と手応えを語る。

 公社では今後、食堂の夜の営業も目指す考えで、人手を確保するため周辺の大学との連携を模索している。住宅経営課の豊嶋洋子さん(30)は「利用者を、さらに増やしていきたい。入居する人たちがスタッフと支え合い、日常生活を楽しむ場になれば」と話している。

 ◇孤食 政府の食育白書では「1日の全ての食事を1人でとること」と定義されている。農林水産省の調査によると、孤食が多い人は食生活が乱れがちな傾向があったという。家族らと一緒に食事をする頻度が高い人は主食、主菜、副菜をきちんととっている割合も高いといい、農水省は家族だけでなく、地域の人らとの「共食」も推進している。
(10月14日 読売新聞)


土地家屋調査士 大阪 和田清人

2018年10月09日

銭湯がレンタルスペースに

京都地下鉄九条駅近くの銭湯「九条湯」が、
レンタルスペースとしてよみがえったそうです。

昭和初期の建物で、唐破風屋根や格天井があったけど、
10年前に廃業して空き家のままだったんだって。

路地裏という立地のハンデは、「人々が目的を持って訪れる場所」という
コンセプトでクリアしたってわけですね。

昭和のアイテムも残っているようですよ。
京都でイベントを行う際に使ってみたいですね。


【昭和の銭湯、レンタルスペースに改装 京都・九条湯】

 京都市南区東九条中御霊町にあった銭湯「九条湯」が、廃業から10年を経て今秋、レンタルスペースに生まれ変わった。特徴的な外観や内装、浴場など昔懐かしい銭湯の雰囲気をほぼ残して改装した。関係者は「かつて地域の社交場だった場所。地元住民や観光客など誰でも気軽に訪れてもらえる施設にしたい」と話している。
 九条湯は昭和初期に開業。唐破風屋根や格(ごう)天井が目を引く木造建築で、地域住民に長く親しまれたが、2008年に廃業した。
 15年に現在の大家が建物を父親から相続。しかし、銭湯として再オープンするには体力、費用の両面で厳しく途方に暮れていたところ、知人を通じて、空き家の再活用を手掛ける「猪(いの)べーしょんハウス」(伏見区)に話が伝わった。
 京都駅に近いものの路地裏にある立地が課題だったが、同社代表の猪飼直之さん(46)は「人々が目的を持って訪れる場所にしたら面白そう」と可能性を感じ、イベントスペースとしてよみがえらせることにした。
 17年末から本格的に改修工事を開始。男湯は意匠をほぼそのまま残した一方、女湯にはバーカウンターや厨房(ちゅうぼう)、カフェテーブルなどを設け飲食のイベントに使いやすいようにするなど、目的に合わせて用途分けした。貫表記の体重計やお釜形のヘアドライヤーなど哀愁感を漂わせる物品も残っており、和の雰囲気を堪能できる空間になっている。
 猪飼さんは「貴重な建物なのでさまざまな人に見てもらいたい。誰もが参加できる開かれたイベントを行う人に借りてもらえたら」と呼び掛ける。男湯と女湯、2階の和室4部屋も借りられる。
(10月8日 京都新聞)
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181008-00000016-kyt-l26


土地家屋調査士 大阪 和田清人
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2018年10月06日

徘徊の理由・・・

家族信託をお手伝いするようになってから、介護のお話を聞く機会が増えました。

アンテナが立ったんでしょうか。
週刊東洋経済の少し古い記事が、目に留まりました。

認知症になったお母様が、毎日16時になると家を出ていくんだって。
徘徊ですね。

息子さんが叱っても、お母様は聞かない。
介護離職も視野に入りつつ、毎日、地獄の16時を過ごしていたんだとか。

でも、お母様が16時に家を出ていく理由は・・・

ウルっときた・・・(^^;

私自身、あとどれくらい成長すれば、
記事中のベテラン介護士さんのような対応ができるだろうか。

しみじみと考えさせられました。


【毎日16時に「認知症の親」が徘徊する深い理由
 「親になる前」の人生を含めた理解が重要だ】

あなたは、自分の父親の元カノ(昔付き合っていた女性)を知っているでしょうか。母親の元カレ(昔付き合っていた男性)を知っているでしょうか。父親や母親には、あなたを授かる以前にも人生があり、そのときの人生もまた、あなたの現在の親を形作っているのです。

特に親が認知症になった場合の介護では、そうした過去も含めて、親の人生そのものに対する理解が重要になります。なぜなら、認知症になると、今日のことは忘れてしまうのですが、昔の記憶はしっかりと残っていたりするからです。

16時になると家からいなくなってしまう認知症の母

たとえば、認知症になった母親が、毎日、夕方の16時になると自宅からいなくなってしまうという事例がありました(実話ですが、プライバシーに配慮して、一部事実とは異なる脚色がなされています)。いわゆる徘徊です。

こうしていなくなった母親は、数時間後に自分で帰ってくることもあるのですが、行方不明になってしまい、後になって警察から連絡が入ることもありました。この母親と同居して介護をしていた息子は、毎日、16時までに自宅に帰る必要に迫られ、介護離職をすべきかどうか、とても悩んでいました。

息子は、16時になると自宅を出ていこうとする母親を毎日叱っていました。「出てはだめだ! また警察のお世話になるのか!」という具合です。すると母親は、この息子に暴力をふるい、わめくようになりました。息子は、暴力をふるう母親のことを、介護職に任せることはできないと考えました。息子は、そうして地獄の16時を、毎日、自宅で過ごしていたのです。

認知症になると、意思の疎通は困難になります。ですから「どうして、毎日16時に外出しようとするの?」と母親に聞いても、答えは返ってはきません。

悩んだ末に、息子は、ベテランの介護職に相談しました。

その介護職は、息子の伯父(母親の兄)に連絡をとりました。そして、16時という時間についてのヒントをもらったのです。息子の伯父によれば、その時間は、まだ幼かったころの息子が、幼稚園のバスに乗せられて帰ってくる時間ではないかとのことでした。

そこで、このベテランの介護職は、16時になって自宅から出ていこうとする母親に対して「今日は、息子さんは幼稚園のお泊まり会で、帰ってきませんよ。バスも今日は来ませんよ」と伝えました。このとき、幼稚園のお泊まり会に関する通知(の偽物)まで作ってありました。母親は、通知を見ながら「そうだったかね?」と言い、部屋に戻っていったのです。

幼い息子を迎えに行っていた

母親は、昔の鮮明な記憶の世界において、毎日16時に、幼い息子を迎えに行っていたのです。それは、他人から見たら徘徊にすぎないのでしょう。しかし、この母親にとっては、愛する息子に寂しい思いをさせないための当然の行動だったのです。それを止めようとする存在は悪であり、暴力をふるってでも戦うべき敵に見えていたとしても、当然のことです。

これ以降は、16時には介護職が自宅に来て、毎日、同じ(偽の)説明を繰り返すだけで、母親は勝手に自宅から出なくなりました(その代わり介護職に付き添われての買い物などを楽しんでいます)。息子は、仕事を早退する必要がなくなり、地獄の16時は綺麗さっぱり終わったのです。それどころか、この息子は、16時になると、自分は母親に深く愛されていたことを思い出すようにもなりました。ネガティブな介護が、ポジティブな何かに変化した瞬間でもあります。

認知症という中核症状は、治ってはいません。しかし、決まって16時に徘徊しようとし、それを止めると暴力をふるわれるという周辺症状は消えています。この母親からは、息子が寂しい思いをするという不安もなくなっているでしょう。息子の仕事と介護の両立も進んでいます。

この実話において、もし、伯父が16時の意味に気づかなかったらどうなったでしょう。認知症の周辺症状としての徘徊や暴力は、おそらく、消すことができなかったと思われます。優れた介護を実施するには、親の人生について、この細かさでの情報が必要になるわけです。可能であれば、認知症になる前に、そうしたことを親から直接聞けていると理想的です。

悲しいのは…

最も悲しいのは、親が死んでから、葬儀場で、親族から、知らなかった親の一面についての話を聞くことです。

自分という人間が生まれた背景には、どのような親の人生があったのか、できるだけ親が元気なうちに、聞いておくべきだと思います。

そこにはきっと、自分と同じことに悩み苦しんだり、また、同じことに喜んだ人生があるはずです。

これは単なる感情論ではなくて、介護離職を避け、周辺症状を上手におさえた、より優れた介護を実現するためにも必要なことなのです。
(2月2日 東洋経済オンライン)


土地家屋調査士 大阪 和田清人

2018年10月04日

「空家問題」

昨日、大阪土地家屋調査士会北支部と大阪司法書士会北支部・西支部合同の
研修会に参加してきました。

テーマは、「空家問題」。
講師は、大阪司法書士会 空家問題対策検討委員長の河田真一さん。
遺産分割や長屋や借地など、多岐にわたって問題点を示唆いただきました。

私自身、今まで意識していなかった視点が、
換価分割と代償分割の税金・社会保険料の違い。

たとえば、4人きょうだいで空き家を相続したとします。
誰か1人が窓口となって売却し、そのお金を分けようとする場合、
遺産分割協議書の文言は下記のようになります。

ヾ慌訴割
 「代表者Aが空き家を相続。
  速やかに売却し、売却代金から費用を控除した残金を全相続人に配分。」

代償分割
 「代表者Aが空き家を相続。
  相続の代償として、売却代金から費用を控除した金額を算出し、
  その金額を基にした法定相続割合分を他の相続人に交付する。」

微妙な違いですが、換価分割では相続人全員が譲渡所得税の申告をし、
代償分割では代表者Aだけが譲渡所得税を申告します。

ここで、たとえば相続税の取得費加算が使えるかとか、
小規模宅地の特例が使えるかとか、
各相続人の国民健康保険料や介護保険料のアップはどれくらいかなど、
相続税・譲渡税トータルで有利不利を比較する余地があるってこと。

税理士にシュミレーションを依頼するにしても少し時間がかかりますから、
やはり早い段階からご相談いただく方がいいですね。


土地家屋調査士 大阪 和田清人

2018年10月03日

「特別寄与料」

週刊東洋経済の特集は民法改正です。

法改正があると、今までできなかったことができるようになったり、
逆にできたことができなくなったりするので注意が必要です。

今回の記事で取り上げているのは「特別寄与料」。
介護をしたお嫁さんに報いようとするものですね。

この制度が紛争を生むのかどうかはそれぞれのご家庭次第でしょうけど、
個人的には「無償奉仕が当たり前」に風穴があいたのはいいと思います。

「タダじゃない」ことが浸透すれば、費用を払って外部に委託することも
選択肢に入りますからねぇ。

でも、この記事でそれ以上に気になったのは・・・

「○○家族信託法律事務所」とか「法律事務所おかげさま」とかいう名称。
弁護士事務所もイメチェンを図ってますね。

「和田清人測量登記事務所」じゃ乗り遅れますね・・・(^^;


【義父母を介護した嫁が相続で得る権利の中身】

 「ウチは資産家ではないから遺産が少なく、相続で争うことはない」
 「わが家は家族が少ないから、相続は話し合いできちんと解決できる」

 そう考える家庭も多いだろう。だが、司法統計によると、相続をめぐって遺族で争う、いわゆる「争族」の75%は5000万円以下の遺産をめぐって起きている。また家庭裁判所の調べによると、争いの半分は相続人3人以下だ。

■遺産や家族が少なくても「争族」は起こりうる

 「遺産が少ない」「家族が少ない」からといって起こらないとはいえないのが、争族の現実だ。

 今年7月の民法改正で相続に関する法律が変わった。改正は1980年以来、約40年ぶりで、来年1月から順次施行される。争族の新たな火種にもなりかねない。

10月1日発売の『週刊東洋経済』は、「相続が変わる 40年ぶりの大改正」を特集。多くの人にとって、相続はいつか来るもの。改正法の8つのポイントをとことん解説した。

 義理の父、母を介護しても相続で報われない──。そんな事例を解消するのが、今回の法改正における目玉の一つである「特別の寄与」だ。

 今回の法改正では、目玉が大きく3つある。

 1つ目が、「配偶者の権利を拡大したこと」(染井さくら法律事務所の岩田修一弁護士)だ。残された妻などが自宅に終身住み続けられる「配偶者居住権」という権利を導入。さらに婚姻期間が20年以上の夫婦なら、相続人(遺産を受け取る人)で分ける遺産の対象から自宅を外せるようにし「配偶者は生活の基盤を保ちやすくなる」(同)。

 2つ目は、自筆の遺言書だ。「不動産や預貯金の一覧である財産目録を、パソコンで作れるようになる。従来は手書きでないといけないので高齢者には負担だった」(遠藤家族信託法律事務所の遠藤英嗣弁護士)。法務局で遺言を預かる制度も始まり、改ざんや紛失のおそれがなくなる。

 そして3つ目が、義理の両親を介護した際、金銭で報われる点だ。長男の妻などが義父母の介護に尽くしても、相続人ではないため「遺産の取り分を請求する権利がこれまでなかった」(法律事務所おかげさまの外岡潤弁護士)。だが今後は、貢献度に応じて「相続人に『特別寄与料』として請求できるようになる」(Y&P法律事務所の平良明久弁護士)。
これらの中身について一般的に疑問を覚えそうなポイントをQ&A方式でまとめてみた。

Q)「特別寄与料」とはどういった制度ですか。
 A) これまでも相続人に限って「寄与」という考えはあった。介護の貢献度合いに応じ、寄与分という形で相続額を増やすという場合だ。

 たとえば、相続人が長男と長女だと仮定する。長女が母の介護に貢献したならば、貢献分を考慮し、長男よりも相続額を多くするという考えだ。

 だが、相続人でない長男の妻は、寄与料を請求できなかった。

 今回の法改正では、「特別寄与料」を請求できるのは「被相続人の相続人でない親族」と定められている。「親族」とは6親等内の血族、配偶者、3親等内の姻族を指す。

■嫁は介護の貢献分の請求可能に

 したがって、子の配偶者である「嫁」は「相続人でない親族」となり、介護の貢献分を請求できるようになる。

 たとえば夫である長男の父を介護した妻のケースだ。改正前は長男の妻がどれだけ義父の介護に貢献しても、相続人ではないため、遺産を受け取ることはできなかった。しかし「特別の寄与」という仕組みができた法改正後は、介護の貢献分を相続人に請求できる。

 特別寄与料を200万円と仮定した場合、相続人である夫(長男)と長女に対し、計200万円を請求できる。法定相続分で割った100万円ずつが夫(長男)と長女の相続額から減る。

 また、長男である夫がすでに故人となっていた場合も、残された妻はどれだけ義父母への介護で尽くしても、相続人でないため遺産を受け取ることができなかった。しかし法改正をきっかけに、夫(故人)の妹など、相続人から特別寄与料を受け取り、介護への貢献が報われる可能性がある。

Q)「特別寄与料」を請求するための注意点は? 
 A)まずは介護日記などの記録を残すこと。介護事業者との連絡ノート、電子メールなどでのやり取りを保存しておくのも有効だ。

 また介護を受ける被相続人と近い関係にある介護者は、相続開始時に「使い込み疑惑」などぬれぎぬを着せられ、家族から追及される可能性もある。自分のために出してもらった金品があれば、その記録を取るのも大切だ。

 おむつ代や交通費など実費については寄与分とは別に請求できる可能性がある。こちらもレシートなどの記録を極力残すことだ。

Q)介護で貢献すれば、寄与分は必ずもらえる? 
 A)そうでもない。実際には、特別寄与料という制度ができても、請求すれば金銭を受け取れるとは限らない。法改正前の寄与の認定も、ハードルは高かった。

 なぜなら相続人は「一定程度の扶養義務」を負っているからだ。法律上、ある程度の貢献はしてしかるべきとされている。

 寄与分が認められるためには、「被相続人の財産の増加、維持に貢献した」かが重要。しかし財産の増加、維持にどれだけ貢献したかを証明することは困難だ。

 また「無償で労務を提供する」という条件も必要になる。お見舞いに行ったり、介護の手配をしたり、付き添いをしたりという程度では難しいと判断されてしまう。

 デイサービスや訪問介護を利用しているにもかかわらず、特別に寄与したと主張できるかは難しい。ほかにも被相続人が「要介護2以上の状態」、妻が「1年以上」介護に携わるなども目安になる。

 一方で被相続人が施設に入れず、自宅での介護を望んだ結果、介護者が仕事を辞めざるをえなくなったという場合なら認められる可能性がある。金額としては、療養介護の日当分に日数をかけた数字が一つの目安だ。過去には数百万円が認められた例がある。

 今回の法改正で対象は広がったとはいえ、ハードルが低くなったわけではない。依然として残る高いハードルが課題だ。

■配偶者への権利発生で逆に「争族」は増えるかも

 これまで相続人ではない妻は、家族の中で外野の位置づけで、相続の話し合いに入ることができなかった。夫である長男が家族と話し合い、妻の貢献分の見返りとして自身の相続額を増やしてもらうよう交渉する必要があった。

 しかし、法改正により特別寄与料という制度ができたことで、配偶者の貢献について話し合うきっかけになる可能性が高まる。配偶者による介護に報いる方向へと進んだ点は評価できる。

 ただし配偶者が相続の話し合いに参加しやすくなったことで、今まで以上に「争族」が増えるかもしれない。また相続紛争が長期化する可能性があるのも、法改正に伴う注意点として相続にかかわる人々は認識する必要があるだろう。

週刊東洋経済』2018年10月6日号(10月1日発売)の特集は「相続が変わる 40年ぶりの大改正」です。
(10月2日 東洋経済オンライン)
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20181002-00240514-toyo-soci&p=1


土地家屋調査士 大阪 和田清人

2018年10月01日

任意後見契約公正証書が倍増

任意後見契約公正証書の作成件数が、10年間で倍増したそうです。
平成19年には6489件だったのが、29年は12025件に。

これは、先日触れた、認知症になった後の資産管理に関する話。

何も手を打っていなければ、裁判所が後見人を選びます。

今は、親族後見人はほとんど認められませんから、
見ず知らずの弁護士や司法書士に報酬を払うことになります。

月5万として年60万。10年生きれば累計600万円!

それだったら、お元気なうちから後見人を選んでおけばいいわけです。
それが任意後見契約。

ただ、これも単品で全てをカバーできるわけではありません。

任意後見、死後事務委任、遺言、信託をうまく組み合わせるようにしてくださいね。


【“終活”でニーズ高まる 認知症などに備え「任意後見」が急増 証書作成が10年で倍増】

 認知症などで判断能力が衰えたときに備え、財産管理などをしてもらう人を事前に決めておく「任意後見契約公正証書」の作成件数が10年間で倍増したことが30日、日本公証人連合会(日公連)のまとめで分かった。「公正証書遺言」の作成件数も年々増加。日公連は人生の最期に向けて準備する「終活」の一環として公正証書のニーズが高まっているとみている。(山本浩輔)

 任意後見契約は、財産管理や医療契約などをしてもらう後見人を当事者間で事前に決めるために交わすもので、元裁判官や元検察官が務める公証人が公正証書を作成する。判断能力が衰えた後に、家族らの申請で裁判所が後見人を選ぶ「法定後見」に対し、自分の意思で信頼できる人を後見人に選ぶことができる。

 日公連の統計によると、平成19年の任意後見契約公正証書の作成件数は6489件だったが、29年は1万2025件と倍増し過去最多を更新した。

 死後の相続トラブルなどを回避しようと遺言の普及も進んでいる。公証人に作ってもらう「公正証書遺言」の登録件数は堅調に伸び、26年以降、毎年10万件を超え、昨年は11万191件だった。

 遺言には、自ら作成する「自筆証書遺言」もあるが、財産目録も含め全文を手書きする必要があるため作成負担が大きいとの指摘があった。このため今年の法改正で、来年1月以降はパソコンで作成した財産目録や銀行通帳のコピーなどの添付が可能となるなど大幅に作成しやすくなる。

 2年以内に、各地の法務局で保管できるようになることも決まっており、相続人による改竄(かいざん)や隠匿がされにくくなる。

 東京公証人会の大野重国会長は「手軽に遺言を作成したい人は自筆証書遺言、財産が多い人や複雑な遺言を残したい人は公正証書遺言が利用しやすく、ニーズに応じた使い分けをしてほしい」と話す。

 日公連は10月1日から7日までの公証週間に、無料で電話相談((電)03・3502・8239)を受け付ける。時間は午前9時半〜正午、午後1時〜4時半。
(9月30日 産経新聞)
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180930-00000560-san-soci


土地家屋調査士 大阪 和田清人