2014年02月

2014年02月28日

任天堂前社長の相続税

昨年お亡くなりになった、任天堂の前社長。
お持ちだった任天堂株1416万株は、お子様4人が相続なさったようです。

死亡日の株価は11,090円。
株式だけで1570億円の相続税評価だって。

パナソニック松下幸之助氏の2450億円や
ブリヂストン石橋幹一郎氏の1646億円に匹敵する額。

ビジネスを大きく育てる醍醐味ですね。

ちなみに、株価の最高値は2007年の73,200円。
この時点なら1兆円超。怖っ〜(^^;

ま、それでも上場株だから、いくらでも換金・納税できますよね。

やっぱり困るのは、未上場株や不動産。
売りづらいから、納税資金が確保できないワケです。

私たちは、そんな方々の円満相続・納税のお役に立つべく、
日々情報収集に努めておりまする。(^^;


【1千億以上...任天堂を悩ます、創業者・山内氏の巨額遺産問題〜一部株式を親族から買い取り】

 2013年9月19日、85歳で死去した任天堂の山内溥・前社長の保有株式が4人の遺族によって相続された。任天堂が12月25日、近畿財務局に提出した変更報告書で判明した。溥氏は任天堂株の1416万5000株、発行済み株式の10.00%を保有する筆頭株主だったが、それを市場外取引で溥氏の家族4人が相続した。

※以下、相続人・所有株式数・所有株式数の割合
長男・山内克仁・429万1200株・3.03%
二男・山内万丈・429万1200株・3.03%
長女・荒川陽子・279万1300株・1.97%
二女・田中富二子・279万1300株・1.97%

 溥氏の長男・克仁氏は任天堂の企画部長。長女の荒川陽子氏の夫は元米国任天堂社長の荒川實氏だ。克仁氏は将来、任天堂の社長になるという見方もあるが、「今すぐ、後継者というのは無理がある」(任天堂関係者)という。

 任天堂の大株主の順位(13年9月30日時点)は次のようになっていた。

・1位:山内溥氏
・2位:米JP モルガン チェースバンク(所有株式比率8.98%)
・3位:米ステート ストリート バンク&トラスト カンパニー(同6.87%)
・4位:京都銀行(同4.50%)
・5位:野村信託銀行(退職給付信託三菱東京UFJ銀行口/同3.36%)
※自己株口は同9.74%。

 今回の相続により、山内克仁氏と山内万丈氏は実質6位の株主となる。任天堂を世界的なゲームメーカーに育てた溥氏は莫大な遺産を遺した。上場株式の評価は死亡した日からさかのぼって2〜3カ月間の平均株価をもとに算出される。亡くなった日の株価(1万1090円)で計算すると、遺産は株式だけで1570億円。07年11月に任天堂の株価は7万3200円の史上最高値をつけている。この時点での資産は1兆円を超えていた。

●旧松下、ブリヂストンでも巨額相続発生

 したがって相続税も巨額になる。日本で過去最高の遺産総額といわれているのは、松下電器産業(現パナソニック)創業者の松下幸之助氏。1989年4月に94歳で死去した際の遺産総額は2450億円で、それまでの高額遺産の記録を更新した。遺産の97%以上が松下グループの株式だった。遺産相続者は妻、娘、娘婿ら7人。子供のうち4人は幸之助氏が認知していた婚外子だったことが話題になった。相続税額は配偶者控除があり854億円だったが、松下家は相続税の支払いのため、松下グループに持ち株の930億円分を売却して全額納付した。

 史上最高の相続税額を記録したのはブリヂストン創業家の2代目、石橋幹一郎氏の遺産相続のケースだ。97年6月に77歳で死去し、遺産総額は史上2位の1646億円。相続税の納税額は配偶者控除がなく1035億円。長男・長女・次女の3人がブリヂストン株式を売却し、納税した。ちなみに幹一郎氏の妹は、鳩山由紀夫元首相の母親の鳩山安子氏である。

 溥氏の遺産総額は、松下氏や石橋氏に肩を並べる額となった。配偶者控除がないため、相続税は莫大なものになるとみられている。親族は、相続税を納付するため、相続した任天堂の株式を売却することになる。市場で売却すれば株価に悪影響を及ぼすことから、任天堂がなんらかの対策を取ることになるとみられている。

 岩田聡社長は1月17日記者会見で、溥氏の親族4人が株を売却する場合、自社株買いに応じる考えを明らかにした。松下氏の時と同じように、任天堂が株式の受け皿になる。

●一部株式を親族から引き取りへ

 任天堂は2月4日、自社株式950万株を1142億円で取得したと発表。3日の終値の1株1万2025円で立会外取引により買い付けた。取得した株式はM&A(合併・買収)を実施する際の株式交換に使う。適当な案件がなければ消却する可能性もある。

 任天堂は溥氏から株式を相続した親族に対し、株式を手放す場合は自社で買い取る方針を示し、1月29日に1250億円を上限として自社株取得枠を設定していた。立会外取引で親族4人が相続した株式数の67%相当を、会社側が引き取ったことになる。

 有力企業にとって、自社を成長させた創業者の巨額相続は、一歩間違えると経営に大きな影響を与えかねない悩ましい問題なのである。
(2月28日 Business Journal)
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20140228-00010005-bjournal-bus_all


土地家屋調査士 大阪 和田清人

2014年02月27日

土地持ち直撃の「隠し玉」・・・(^^;

ダイヤモンド社が、相続税の特集号を出したようです。

コピーがいいですね。
土地持ち直撃の「隠し玉」って・・・(^^;

ま、何度かこのブログでも取り上げさせていただいてますが、
財産の棚卸は早目に着手しておいてくださいね。


【「基礎控除引き下げ」で相続税は2倍へ
 土地持ち直撃の“隠し玉”にも要注意】

2015年以降の相続は波乱含みだ。都心に自宅があれば、ほかに大した資産がなくても相続税が発生する可能性があるからだ。その上、土地を売って納税資金を捻出する際の特典もなくなる。もともと、相続は早めの対策が肝心である。親族の話し合いがこじれれば、申告の期限の10ヵ月はあっという間に過ぎる。相続対策は「相続が発生する前」に行うことが鉄則だ。
では、何をどう進めていけばいいのか。知らないと損する最新マニュアルをお届けしよう。第1回は、2015年以降に導入が決まった「基礎控除の4割削減」と「譲渡所得の課税特例見直し」という増税策の影響を試算し、対策を探る。
(ダイヤモンド・セレクト4月号「相続・贈与・事業承継」編集部)

土地持ちに大打撃となる“増税の隠し玉”

 Nさんは十数年前に父親を亡くした。自宅以外にも駐車場や田舎に土地があり、1億円に上る資産は全て母親が相続している。

 当時は長引くデフレで土地の評価額が低く、また配偶者の税額軽減で相続税はかからなかった。だが、次回の母親からの相続では500万円の相続税がかかりそうである。

「それでも田舎の土地を売れば、相続税を払っても代金の半分くらいは手元に残るはずだ」。そう考えていたNさんだが、もし、2015年以降に母親の相続が発生すると、その目論見は大きく崩れる。

 15年から相続税の基礎控除額が4割も引き下げられるからだ。現在、相続税の基礎控除額は「5000万円+1000万円×相続人の人数」。一人息子のNさんの場合は6000万円となる。

 しかし、15年からはこれが「3000万円+600万円×相続人の人数」となるため、Nさんの場合は3600万円にまで圧縮されてしまう。その結果、相続税は14年末までの相続開始なら500万円だが、15年以降は1220万円にまで膨らんでしまうのだ。

 それだけではない。

 まだ大きな話題になっていないが、昨年末に発表された14年度税制改正大綱には、土地持ちにとって大打撃となる“増税の隠し玉”が盛り込まれた。「譲渡所得の課税特例の見直し」である。

 相続税を支払うため、土地を売却してそれに充てる人は少なくない。土地を売却すると譲渡所得税(=(譲渡収入−取得費−相続税)×20%)がかかるが、現在、相続開始後3年10ヵ月以内なら、譲渡収入から差し引く取得費に、売却する土地の分だけでなく、相続した土地全体にかかった相続税を加算することができる。だが、15年からは売却する土地にかかる相続税分だけしか、取得費に加算できなくなるのだ。

 Nさんも、15年以降の相続になると、田舎の土地を売る際の譲渡所得税が143万円から204万円へ増える。そうなると、売却代金だけでは納税資金を確保できない。現在、Nさんは相続対策の見直しを考えているところだ(一連の数字の算出方法は以下の図表参照)。

相続した土地を売ると赤字に!

東京国税局管内の相続税納税者は倍増へ

 15年から始まる基礎控除額の4割減によって、これまで相続税とは無縁でいられた人たちの中でも、新たに支払いを余儀なくされる人が増えそうである。

 狙い撃ちされるのは、特に都心で自宅などの不動産を持っている人たち。相続の取り扱い日本一を誇る税理士法人レガシィがまとめた調査によると、基礎控除額が6割に縮小するだけで、東京国税局管内(東京都・神奈川県・千葉県・山梨県)の相続税納税者の全体に占める比率は、現在の7.1%から15.0%に倍増すると予測している。

 下の表は、相続が2014年12月末まで発生した場合と2015年以降に発生した場合の相続税の違いを示したものだ。配偶者と子供一人が1億円の資産を相続し、配偶者が法定相続分を相続したとすると、相続税総額は2014年までが350万円だが、2015年以降は770万円に増える。配偶者と子供2人のケースでは同条件で200万円から630万円と相続税総額は3倍以上にもなる。

 土地の一部を処分して相続税を支払う予定にしている人は、この基礎控除額引き下げと譲渡所得の課税特例の見直しのダブルパンチを食らうことになる。Nさん同様に、計画が大きく狂うのは必至だ。

資産1億円なら、2015年以降相続税額は2倍以上へ

節税・納税対策の前にまず “争族” 対策

 では、国が進める相続大増税に、どう備えたらよいのだろうか。

 基礎控除の引き下げへの対応策の一つとして、養子縁組によって法定相続人の人数を増やし、相続税の負担を軽くする方法がある。
 相続税法上は、被相続人に実子がいない場合は2人まで、実子がある場合は1人までしか認められないが、1人でも600万円の控除ができるので、相続税を少しでも削減したい人なら検討しない手はない。

 なお、「普通養子縁組」なら、実の親との関係を維持したまま、養親との親子関係がつくれる。

 譲渡所得の課税特例も、今年中なら裏ワザが使える。

 例えば、相続人本人や親族が所有している会社に土地を売却しておけば、この特例が使える上に、会社が将来この土地を売却するときには、今年会社に売却した時点での価格を取得費にできる。その分、将来売却したときに発生する譲渡所得税を減らせるのだ。

 ただ、こうした対策は「争族対策」がきちんとしていることが前提である。親族が相続をきっかけに争うようでは、相続税を減らす「節税対策」や納税資金を準備する「納税対策」も結局はうまくいかない。

 例えば前述した養子縁組にしても、法定相続人が増えることで、実子の取り分が減る可能性があり、仮に長男の妻を養子縁組した場合、万一長男が離婚した際の対応を身内で話し合って決めておくことなどが必要になる。

 親族は血が濃い分、トラブルや争いになると感情が絡んで他人同士より大変だ。身内だからという甘えや楽観がさらに問題をややこしくする。

 10年以上も親子や兄弟で裁判を続けているケースもあり、裁判費用が掛かるだけでなく相続税のいろいろな特例が利用できなかったりして非常に不利だ。喜ぶのは税務署とお互いの弁護士だけといってもいい。

 まずは親族の間で将来、起こるであろう相続についてオープンに話し合い、自然な形で合意形成を図りたい。

 それには、当たり前のことではあるが普段からのコミュニケーションが不可欠だ。例えば親の家へ年1、2回は顔を出す。帰省するときはそれなりの手土産を持参しよう。親と同居したり、身近で面倒を見ている兄弟姉妹がいれば、その配偶者を含めてあいさつとお礼をする。土産はケチらないことが大事だ。できればブランドものなど、相手がちょっと驚くくらいのものを用意するといい。

 親と同居したり、家を継いでいる側も、兄弟姉妹が帰ってくるときは交通費を出してあげたり、帰りには土産を持たせるといい。そうした相手への気遣いの積み重ねが、いざ相続となったときに生きてくる。普段からのやりとり、行き来があれば、関係者の間で疑念を呼んだり、感情的な行き違いで対立がエスカレートしたりすることも避けられるはずだ。

評価額の高い不動産は危険資産でもある

 また、相続対策で扱いが難しいのが、個人の資産で大きな割合を占める不動産である。

 もともと不動産は分割が難しく、相続人の間でもめやすい。めぼしい資産が不動産だけだと相続税を支払うために全部処分しなければならない場合も起こる。せっかく二世帯住宅を建てて同居していたのに売却しなければならなくなったり、売り急ぎで相場より安く売り出さざるを得ず、資産を減らすことになったりする。

 さらに、旗竿状などの不整形地、借地や貸地(底地)、空室だらけの老朽化した賃貸集合住宅はもっとやっかいだ。相続税の評価額に比べて換金性が低く、そのままでは納税資金の捻出すら難しい。

 例えば、都市部に多い旗竿地では、前面道路からの路地部分の幅が実測で2メートル以上ないと建築確認が下りず、新たに建物を建てることができない。そこで、路地部分に隣接する土地の所有者と交渉し、一部を買い取って路地部分の幅を確保しておくなどの対策が必要となる。

 相続において不動産は優良な資産というよりは、いろいろなトラブルの原因になりかねない危険資産と考え、早いうちから対策を検討し始めた方がいい。

 結局のところ、相続対策は小手先のテクニックやノウハウではできない。そして、相続が発生する前の段階での準備が全てである。

 いざ相続が発生したら、さまざまな手続きを10ヵ月以内に済ませなければならず、考えている暇はない。とにかく相続対策は、「相続の前」に行うことが鉄則だ。

 また、専門家に相談しながら進めることも重要だ。中途半端な知識や情報で行うと、逆効果になることも少なくない。

【編集部からのお知らせ】
 2015年以降、これまで相続税とは無縁だった人も、大きく課税される可能性が出てきました。例えば、親が都心に自宅などの不動産を持っている人の場合、相続税がこれまでの2倍になることも……。それまで仲が良かった兄弟姉妹が、相続問題で揉めた挙句に疎遠になるというのはよく聞く話。“争族”にならないためには、早めの対応策が必要です。
 2月27日に発売された『ダイヤモンドセレクト 相続・贈与・事業承継最新マニュアル』では、最新の税制改正のポイントや、特例を利用した相続税対策、親族間のトラブルを回避するための対応策、上手な事業承継などを紹介しています。ぜひご一読ください。
(2月27日 ダイヤモンド・オンライン)


土地家屋調査士 大阪 和田清人

2014年02月26日

「住宅ローン相談のビジネス化」

昨日、SGお初天神の勉強会を開催しました。

テーマは、「住宅ローン相談のビジネス化」。
講師は、株式会社FPバンクの久保田正広さんです。

ご自身が、住宅ローンコンサルティングで収益を上げているノウハウを
惜しみなくお出しいただきました。

その一例が、住宅ローンの借り換え。
今は借り換えの風が吹いているんですね。

本来、法人相手に商売をしていた銀行は、
リーマンショック後、個人の住宅ローンにシフトしました。

しかし、近年の着工減から新規ローンだけでは厳しく、
他行のお客様を奪う(=借り換え)に力を入れているのが実情。

ところが、お客様の半数は、借り換えに興味はあっても踏み出せない。

理由のトップは、
「手続きが面倒」・・・_| ̄|○

ここをスムーズにクリアさせてあげるスキルを身に付ければ、
「川上を押さえる」ことができる・・・

どの業界にも通じる話ですね。


土地家屋調査士 大阪 和田清人

2014年02月25日

休眠口座情報紛失・・・_| ̄|○

三菱東京UFJ銀行が、休眠口座情報2万件超を紛失したそうです。

ま、本来なら時効とか自己責任とかの議論になるんでしょうけど・・・
悪いことに、同行は、一昨年に約670万件の顧客情報を紛失。

銀行といえども、過信は禁物ってことですよね。


【「休眠預金」情報紛失、三菱東京UFJが謝罪】

 三菱東京UFJ銀行は24日、10年以上出し入れのない「休眠預金」の口座情報を約2万1500件紛失したと正式に発表した。

 同行は通常の口座はデータベースで管理しているが、休眠預金扱いとなった口座に関しては、データベースから外したうえで、氏名や口座番号、預金残高を書類に移して保管している。

 2012年に約670万人の顧客情報を紛失したことをきっかけに、行内で重要書類の保管状況を調査していたところ、90支店で休眠預金口座の情報を記した内部資料の紛失が判明した。

 同行は「お客さまへご心配をおかけすることとなり、誠に申し訳なく、深くおわびする」とコメントした。これまでのところ顧客情報が不正に利用されたとの連絡がないため、行内で誤って廃棄した可能性が高いという。

 休眠預金口座については、情報を紛失した顧客も、そうでない顧客も、通帳や印鑑を持参すれば引き出しに応じる。問い合わせは、0120・950・799。
(2月24日 読売新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140224-00000440-yom-soci


土地家屋調査士 大阪 和田清人

2014年02月24日

教科書を7回読むだけで!?

元財務省キャリアで弁護士の山口真由さんが、
ご自身の勉強方法を語ってらっしゃいます。

本もお書きなんですね。
天才とは努力を続けられる人のことであり、それには方法論がある

いかにも官僚チックなタイトル・・・(^^;

レビューには賛否両論ありますが、
7回の素読のプロセスは、とっても価値ある情報。

新しいことにチャレンジしようって気持ちが湧いてきました。(^^;


【教科書を7回読むだけで、断然トップになれた!(前編)】

 弁護士、山口真由さんの華麗なキャリアは、東京大学法学部への現役合格から始まる。

 東大入学後は、3年次にたった1年の準備期間で司法試験に一発合格。国家公務員第I種(当時)試験もクリア。卒業までに必要な162単位でオール「優」を取得。法学部における成績優秀者として「東大総長賞」を受賞し、同学部を首席で卒業している。

 卒業後は財務省に入り、エリートコースと呼ばれる主税局に配属。約2年後に退職して弁護士に転身。最近は弁護士業の傍ら、テレビのニュース番組などにも出演し、単行本も出版している。

 深いため息がもれそうな経歴だが、山口さんの勉強法は、意外なほどシンプルで安上がりだ。

 基本は教科書を7回読むこと、ただそれだけ。中学時代から彼女はこの勉強法を続け、そのキャリアをつかんできた。塾に通ったり家庭教師についたりしたことは過去一度もない。親の立場で見れば、なんて親孝行な勉強法だろうか。

 「教科書を7回読むことで、定期試験に出る範囲の内容を反復して自分の内側に入れて、試験ではその一部を吐き出すというか、再現するような作業なんです」

 山口さんはそう話す。「吐き出す」とか、「再現する」という言い回しは独特だが、彼女の読み方を知れば、多くの人が納得できるはずだ。最初に断っておくと、この勉強法に一番フィットするのは社会や英語、理科(主に生物や地学)などの暗記教科だという。司法試験への挑戦も、「この勉強法に最も適しているのではないか」と山口さんは直感し、ひたすら読み続ける勉強法で一発合格したのだという。

 さっそく、教科書を7回読む方法を、山口さんに解説してもらおう。

教科書を7回読む方法

 教科書の理解度を目安にすれば、その勉強法は3段階に大別される。

 まず1回目から3回目までは「土台づくり」。彼女いわく「出題範囲の見取り図を作る」作業だ。4、5回目で理解度が飛躍的に高まり、6、7回目は、細かい部分まで含めた最終確認と山口さんは話す。

 「1回目は意味をとろうとせずにサラサラッと読みます。大見出しだけを目で追うようにして、出題範囲の全体像を頭に入れるためです。この項目はこれぐらいの分量で、あの項目はこの程度かと、薄ぼんやりとつかむ感じです。そうすることで頭の中に出題範囲全体の見取り図をつくるんです」

 1回目を読むとき、何より大切なのは内容を理解しようとしないこと。最初から丁寧に読んで理解しなければと考えると、「大きなストレスになるから」だという。

 「意味にとらわれずにサラサラッと読むことで、『なぁんだ、この程度のページ数か』と、思うことができます。それが教科書を繰り返し読むことの面倒くささを、ある程度やわらげてくれるんです」

 そういう読み方なら、誰にでもまねできそうだ。続いて、2回目もサラッと読む。すると、小見出しの語句くらいは頭に入ってきて、少しだけ意味がとれるようになる。彼女が言う出題範囲の「見取り図」が、やや具体的になってくる。

 「3回目になると、同じようにサーッと読みながらも、たとえば世界史の教科書なら、『次のページの右端には、耳にピアスをしたチンギス・ハーンの写真があって、その左ページはこんな記述があったはずだなぁ』といった、見当がつくようになります。ページをめくりながら、自分のイメージ通りかどうかを確かめるような読み方になってきます」

 3回目までは、あくまで「土台づくり」。だから、全体の理解度は2割程度らしい。回数を重ねることで、そこで築いた土台の上に、より具体的な教科書の情報を積み上げていく。いわば、「習うより慣れろ」式の読み方なのだ。

 この勉強法の原点は、彼女が子供時代に、母親がしてくれた絵本の読み聞かせにある。両親ともに医師の家庭に生まれた彼女は、1歳違いの2人姉妹の長女。

 「読み聞かせって、同じ内容を何回も繰り返し読むじゃないですか。すると、怖い絵の近くに怖い話が書かれていて、物語の起承転結を、絵とエピソードのワンセットでそれぞれ記憶しますよね。今から思えば、大事なものは何回も繰り返し読むものだ、そして読んでいるうちに覚えてしまうものだということが習慣として身につき、いつからか私の勉強法になっていったんです」

 4回目も同じようにサラッと読むのだが、山口さん自身の受け止め方に変化があらわれる。

 「それまでは、私の内側に川のようによどむことなく流れていた教科書の内容が、4回目ごろから川の中に柵のようなものができて、そこに教科書の情報が少しずつ引っかかるようになる。つまり、より細かな意味が、私の頭に入ってくるようになります。5回目に読むころには、教科書の理解度が2割くらいから、いきなり8割くらいにはね上がります」

 そのレベルに達すると、彼女が当初話していた「教科書の再現力」は一気に高まる。ページをめくる作業が、次のページの内容を自分の脳に喚起するためのスイッチになり、教科書に書かれたキーワードだけでなく、出題範囲全体の論理の流れもはっきりと見えるようになる。

 いよいよ、最終段階に突入する。6回目では、全体像が頭に入っているので、机の引き出しから必要なものを取り出すように、見出しを見れば、その説明がすぐ思い浮かぶようになると、彼女は話す。

 「最後の7回目は、斜め読みのような感じでも、自分が細かい部分まで理解できていることを実感します。しかも読むスピードをとくに変えなくても、ある部分については詳しく確認したり、ある部分については読み飛ばしたりすることが、自由自在にできるようになります。そのレベルに到達できれば、読むスピードも1回目の5分の1程度の速さになっているので、この段階なら、300ページ前後の法学の専門書を1日7冊ぐらいは読めてしまいます」

 1日2000ページ以上、しかもそれが難解な法学専門書ということを考え合わせれば、彼女が中学時代から磨き上げた勉強法がとてもシンプルな半面、誰もがすぐにその域に達することはできないものであることもわかる。山口さんは、自身の勉強法をこう要約する。

 「あえて言えば、1回目から3回目までは、教科書の内容を写真のように写し取る作業。それを自分の内側に入れます。出題範囲の全体像をつかんだうえで、4回目から7回目までは、ここにはこういう項目が書いてあるはずだ、と確認していく作業ということになるかもしれません」

 後半は、自分の内側に写し取った全体像から、細部の論理の確認作業になるため、「(覚えたものを)再現する」とか「吐き出す」という、彼女の冒頭の説明にも納得がいく。

 後編(2月23日更新予定)は、教科書をひたすら読む方法が使えそうにない、国語や数学などの教科は、どのように勉強していたのか。について解説します。
(2月22日 プレジデントファミリー)
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20140222-10011963-pfamily-bus_all&p=1


土地家屋調査士 大阪 和田清人

2014年02月22日

2013年全国マンション市場動向

不動産経済研究所が、「2013年全国マンション市場動向」を発表しました。

2013年は、前年比プラス12.2%の10.5万戸、
平均価格もプラス9.2%の4174万円だって。

大阪府は、1.49万戸でマイナス0.6%、
平均価格プラス1.0%の3390万円。

同社曰く、
「今後、専有面積の縮小でグロス価格の大幅アップは避ける方向。」

「狭い」「区分所有」を買う必要があるのか、
しっかり吟味なさってくださいね。


【マンション発売戸数が大幅増、6年ぶり10万超】

 不動産経済研究所が20日発表した2013年の全国のマンション発売戸数は、前年より12・2%増の10万5282戸と、4年連続で増加した。

 10万戸を超えたのは6年ぶり。14年4月の消費税率引き上げを前に駆け込み需要に加えて、将来、住宅ローン金利が上がるとの思惑から大幅な伸びを示した。

 1戸当たりの平均価格は9・2%増の4174万円、1平方メートルあたりの単価は9・2%増の58万円で、いずれも3年ぶりに前年を上回った。発売総額は22・4%増の4兆3945億円だった。

 全国10地域のうち、首都圏(東京、神奈川、埼玉、千葉)、近畿圏(大阪、兵庫、京都、滋賀、奈良、和歌山)、北海道、関東(茨城、栃木、群馬、長野、山梨)、中国(山口、広島、岡山)の5地域で前年を上回った。地域別の発売戸数は、首都圏が23・8%増の5万6478戸、近畿圏が6・1%増の2万4691戸、その他が3・5%減の2万4113戸だった。
(2月20日 読売新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140220-00001470-yom-bus_all


土地家屋調査士 大阪 和田清人

2014年02月21日

「不動産評価の実践手法」

昨日、不動産コンサルティング協会の研修会に参加してきました。

テーマは、「不動産評価の実践手法
不動産鑑定士・税理士の吉村一成先生が、同名の著書を用いてお話しくださいました。

吉村先生は、元・国税調査官(資産税担当)。
相続税の申告書をチェックしてきた人のお話は、やはり迫力ありますね。
時々散りばめられたウラ話が興味津々でした。(^^;

本筋から外れますが、面白かったのは京セラドーム球場の路線価。
ドームを丸く囲む道路に路線価が付されているんですね。
・・・正面路線価は?
京セラドーム 路線価

ついつい目が行ったのは、ドームの底地。
扇形に分筆されてる・・・(^^;
京セラドーム 公図

この本は、税理士向けに書いたということで、
不動産に関する豆知識が満載で、とっても楽しいですよ。

おススメです。


土地家屋調査士 大阪 和田清人

2014年02月20日

それはローカルルールかっ?

先日、「自分の土地が公図に載っていない」というご相談を受け、
某法務局へ調査に行きました。

今は、旧公図の閲覧を申請しても、
スキャンされた地図をカラー印刷して渡されるだけです。

これがまた不鮮明なんですよね。
用途を理解してないでしょ?って感じ。

で、原紙の閲覧を希望すると、
「できません。」

・・・pardon?(^^;

これでは不鮮明だから役に立たないんだ、という問答の末、
ようやく奥から原紙を引っ張り出してきてくれたと思いきや、

「撮影はできません。」・・・_| ̄|○

「なぜ?それはここのローカルルールか?」
「登記官に聞かないとわかりません。」
「じゃ、聞けよ!」 ←さすがにキレちゃった

一緒に登記官に聞きに行ったら、即答で「OK」。
なんやそれ。(^^;

で、めでたく撮影できたのが左の画像。
ちなみに、窓口で出されたのが右。
原紙を接写 窓口で出されたカラーコピー(原寸・一部抜粋)

数字や線や背景色などの情報が、カラーコピーではボケるでしょ?

伊達や酔狂で原紙を閲覧するのではないということを
窓口職員も理解してほしいですよね。

って言うより、乙号事務の民間委託をやめてくれ〜(^^;


土地家屋調査士 大阪 和田清人

2014年02月19日

相続トラブルの実態

株式会社タイムカレントが、「財産相続に関する税理士100人アンケート」の
結果を発表しました。

相談を「受けた」側のデータですから、結構いろんなことが見えます。

「相談に来る人は事前にそれなりの知識は得ているが、
 当事者同士で話す場を持たずに、プロに相談を持ちかけている」ケースが多い・・・

リー即ガチバトルですね。(^^;

で、税理士が相談を受けたうちの8割がモメていて、
原因の1位は、「相続財産が分割困難」、
2位は、「遺言書がない」。

突き放した言い方ですが、全て親の責任ですよ。
少なくとも、子供たち全員の前で、想いを伝える場は作っておいてくださいね。


【財産相続トラブルを避けるためにやっておくべきこと】

 税制改正によって2015年から相続税が増税するが、家族で財産相続についてどのくらい話し合っているのだろうか。タイムカレントが、財産相続の相談を受ける税理士に聞いたところ、55%が「あまり話し合いをしていないケースが多い」と答え、5%が「まったく話し合いをしていないケースが多い」と答えた。

 財産相続でトラブルになってしまうケースも多いという。相続人同士がトラブルになったケースを経験したことがある税理士は約8割に上った。その理由は、「相続対象となる財産が不動産のみなど、分割が困難な状態にある」がトップで51.3%、「被相続人の遺言書がない」(46.3%)といったもののほか、「被相続人の遺言書に記載されている、相続人の希望や分配比率が法律で定められた内容と乖離(かいり)している」(26.3%)ことも。タイムカレントは「被相続人の財産相続への意識が低いことも、トラブルを起こす要因となる様子がうかがえる」と推察する。

 こうしたトラブルを避けるためにはどうすればいいのだろうか。税理士の意見で最も多かったのは「財産相続方法を盛り込んだ遺言書を作成する」こと(65.0%)だった。このほか、「被相続人が健康なうちに相続人達と話し合いの場を持つ」こと(64.0%)や、「生前贈与を行う」こと(56.0%)、「妻や子供といった相続人を保険金受取人とした生命保険に加入する」こと(47.0%)など、早い段階からの準備が必要なことがうかがえる。

 相続人の財産管理について不安に思ったことがある税理士は約8割にのぼり、相続人に高齢者が多いこと(うち46.9%)や、相続人の財産管理意識が低いこと(うち43.2%)など、相続人の意識や年齢が理由に挙がった。税理士法人チェスターの福留正明氏は、これらの調査結果について「充実した余生を送り、さらに、相続人へ財産を遺すという両者を実現するためには、計画的な財産管理が必須。大手信託銀行などが展開している、プレ相続商品などの活用も有効だ」とコメントした。

 本調査は財産相続の相談を受けた経験のある税理士100人に対して、インターネットで実施した。調査期間は2014年2月13日〜14日。
(2月18日 Business Media 誠)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140218-00000082-zdn_mkt-ind


土地家屋調査士 大阪 和田清人

2014年02月18日

持ち家と賃貸のどちらが得か

日本人の永遠の悩みとも言えるこのテーマ。

「前提条件しだいで変わる。」と締めくくられていますが・・・(^^;
それでも、興味深いシュミレーションをなさっています。

前提条件は、
・年収の5倍の家を購入
・頭金10%、諸費用5%
・ローン金利2%、返済期間24年
・賃貸プランの方は、家賃を上記ローン返済額に設定

結果のトレンドはシンプル。
〇ち家の場合、低年収世帯が無理すると、教育費のピーク時が厳しい
賃貸の場合、高収入世帯ほど赤字転落が早い・・・(^^;

こういうのを見せられても、無理しちゃうのが人間の性なんでしょけどね。


【年収別シミュレーション「賃貸vs持ち家」どちらがいいか】


持ち家を買ったら、生活はやっていけるだろうか。賃貸のままでも、将来に不安がある――。ならば算出しよう。生涯で住宅費はいくら必要か。苦しい時期はいつか?

 持ち家と賃貸では、いったいどちらが得なのか。前提条件しだいで結果が簡単に変わるため一概に決められないが、一般論としておおいに興味の湧くところだ。そこで今回は年収500万円、800万円、1500万円の世帯ごとに標準的な条件を設定。持ち家と賃貸の住宅費累計額を比較してみた。

 まず条件を確認しよう。持ち家プランの物件価格は、年収の5倍に設定した。たとえば800万円の場合、4000万円の物件を買う。そのうち頭金は1割、諸費用は5%とした。ローン金利は2%で、返済期間は24年。35年で借りる人も少なくないが、今回は40歳(妻:専業主婦、子2人)男性が41歳で家を買い、退職までにローンを完済する設定だ。

 賃貸プランの家賃は、持ち家を買った場合の毎月のローン返済額と同額に設定した。持ち家と賃貸を厳密に比較するなら、本来は「持ち家プランで購入した物件を賃貸に出すとしたらいくらか」という視点で家賃を設定する必要がある。その場合、貸主は毎月のローン返済額を上回る額で貸したいという心理が働くため、一般的には家賃のほうが高くなる。しかし、同年収の人が毎月負担できる住宅費は、持ち家の場合も賃貸の場合も変わらない。たとえば月10万円のローンを組む人は、賃貸でも家賃10万円以下の物件を選ぶ傾向が強い。今回は年収別シミュレーションなので、そうした実態を反映させたほうが趣旨に沿っているだろう。これらを踏まえて年収別に試算したのが、図のグラフである。
一生涯で住宅費はいくらかかるか

 賃貸プランの場合、どの年収でも住宅費累計額は比例的に増えていく。賃貸は2年ごとに更新料がかかるが、それ以外は毎年一定額が積み上がっていくだけなので、グラフはほぼ一直線だ。一方、持ち家プランは頭金を用意する必要があり、当初の住宅費累計額は賃貸の場合より大きい。ローン返済額は家賃と同額だが、管理費・修繕積立金があるため、賃貸プランとの累計額の差はその後もじりじりと開いていく。状況が変わるのは、ローン返済後だ。負担は管理費・修繕積立金のみになるため、グラフはほぼ横ばいになり、やがて賃貸プランと逆転する。

 注目は逆転のタイミングだろう。年収500万円の場合、賃貸プランの住宅費累計額が持ち家プランを追い越すのは70歳。年収800万円なら69歳、年収1500万円なら67歳だ。つまり現役時代までは賃貸プランが有利だが、退職して数年で住宅費累計額が逆転して、以後は長生きするほど持ち家プランのほうが得になる。

 年収が高いほど逆転のタイミングが早くなるのは、月々の家賃が高いからだ。持ち家プランでローンを完済する65歳時点では、年収が高いほど賃貸プランのほうが得をしている。しかし、その後は家賃の高さに応じて、高年収の人ほど賃貸プランの住宅費累計額が早く積み上がっていく。その結果、逆転のタイミングも早くなるのだ。額も比べてみよう。日本人の平均寿命は、82〜93歳(2010年)だ。仮に平均寿命に近い83歳まで生きたとして持ち家と賃貸の住宅費累計額を比べると、年収500万円のケースでは持ち家プランのほうが1386万円安くなった。同様に、年収800万円のケースでは2682万円、年収1500万円のケースでは5715万円も持ち家プランのほうが安い。

 ただ、この試算だけを見て、「持ち家のほうが得」と判断するのは早計だ。前提条件しだいでシミュレーション結果は簡単に変わる。たとえば3000万円のローン(金利3%)を組んでマンションを購入したとする。このとき返済期間を1年短くすれば、返済総額は約60万円少なくなる。つまり持ち家有利という結論を導き出したければ、返済期間が短いプランを組んだうえで賃貸と比較すればいい。もちろん逆に返済期間を長く設定して、賃貸プランのほうが安く済むという結論を導くこともできる。どちらが有利になるのかは、まさしく前提条件しだいだ。

 今回は住宅費累計額だけでなく、持ち家プランと賃貸プランの金融資産残高(流動性資産のみ)、つまり家を買った場合と借りた場合の貯蓄額の推移も試算した。ライフプランを考えるときには、こちらの比較が参考になるだろう。

 試算の条件として、どの年収でも40歳時点で年収1年分の貯蓄があり、収入は毎年1%ずつ増え、60歳で定年後は再就職で収入が60%になる(65歳まで)と設定。そのほかの諸条件は図に記した。
年収500万円・持ち家プラン

 年収500万円・持ち家プランで気をつけたいのは、子どもの教育費がピークを迎える51歳から54歳までの期間だ。持ち家プランは住宅購入時に頭金で貯蓄を取り崩すためもともと余裕がないが、この期間は教育費の負担によって貯蓄が底をつき、最大213万円の赤字になってしまう。

 赤字をカバーするために新たに教育ローンを組むことはおすすめしない。すでに住宅ローンを抱えているのに、二重にローンを抱えるのはリスクが高い。できればこども保険や積み立てなどで、あらかじめ手当てしておきたい。

同じ年収500万円でも、賃貸プランなら現役時代は赤字にならない。賃貸でも教育費の負担が大きいことは同じだが、持ち家プランと違って頭金の負担がないため、キャッシュに余裕があるのだ。むしろ心配なのは、老後の貯蓄だろう。賃貸プランは年金暮らしになっても家賃の負担が続くため、貯蓄を取り崩さざるをえない。80歳時点で、貯蓄はゼロになる。
年収500万円・賃貸プラン

年収800万円はどうだろうか。年収500万円と比べて教育費の負担はやや増えるが、それ以上に収入が多いため、持ち家・賃貸プランとも現役時代の貯蓄に不安はない。ただ、賃貸プランの場合は、500万円に比べて老後資金が底をつくタイミングが早い。試算では78歳の時点で赤字に転落し、以後は年間300万円弱のペースで赤字が膨らんでいく。
年収800万円・持ち家プラン 年収800万円・賃貸プラン

 この傾向が顕著なのが、年収1500万円の賃貸プランだ。このプランでは、退職時の金融資産残高が5289万円に達する。これは全プランの中で断トツだ。ただし、家賃を含めた生活コストが他の年収層より高いため、貯蓄を取り崩すペースも速い。貯蓄が底をつくのは74歳で、以後は年間500万円強で赤字が積み上がる。
年収1500万円・賃貸プラン

同じ年収1500万円でも、持ち家プランなら老後は安泰だ。賃貸プランと生活費は変わらないが、月30万円の家賃負担がないため、貯蓄を取り崩すペースもゆったり。79歳時点でも、まだ2000万円弱の貯蓄がある。
年収1500万円・持ち家プラン

 これらの結果は前提条件しだいで変わる。あくまでもトレンドとして理解しよう。具体的には、「低年収世帯が無理して持ち家を買うと、教育費のピーク時が厳しくなる」「賃貸の場合、老後資金はいずれ尽きる。赤字転落は高収入世帯ほど早い」という2つのトレンドを理解していれば十分だ。

 賃貸プランの老後リスクについて、「安い家賃の物件に引っ越して生活コストを下げればいい」という意見をよく聞く。ただ、現実は甘くない。民間の大家さんは高齢者を敬遠するし、UR賃貸の優良物件はそれなりの収入のある人が対象で、年金生活者は家賃の100倍以上の貯蓄がないと入居できない場合もある。安く入居できると思ったらエレベーターなしの4階だった、というのでは洒落にならない。一生、賃貸に住むなら、そうしたリスクを覚悟しておく必要がある。

 もちろん持ち家もリスクはある。今回は年収の5倍の物件を想定したが、いま都市部では年収の6倍が相場だという。しかし、6倍になるとローン期間が長期化して返済総額が膨らみやすく、完済のために退職金に手をつけざるをえなくなる。そうなると賃貸プランと同様、老後資金が底をつきやすい。

 どちらのプランを選んでもリスクはある。持ち家と賃貸のどちらが得かということにこだわるより、選んだプランのリスクを回避する努力をしたほうが建設的ではないだろうか。
(4月15日 PRESIDENT)


土地家屋調査士 大阪 和田清人