2016年07月

2016年07月29日

「相続ビジネスとネットワークの重要性」

昨日、相続トータルコンサルタント勉強会を開催しました。

テーマは、 「相続ビジネスとネットワークの重要性 〜北陸メンバーからの事例報告〜」

相続トータルサポート富山・石川・糸魚川の皆さんにお越しいただき、
各地での活動状況などをご披露いただきました。

どういう志を持って、どうやって仲間を集めて、現在どんな活動を行っているか。
アツく語ってくださいました。

共通していたのは、窓口となる人が徹底してお客様に寄り添うスタイル。
お客様は窓口担当に希望を伝えれば、専門家の手配から通訳までやってもらえます。

これ、お客様との信頼関係は言うに及ばず、
専門家チーム内の信頼関係もなければ、なかなかできることじゃありません。

口先だけの「ワンストップサービス」では絶対無理。(^^;

想いが同じ人たちのネットワークの威力。
北陸でぜひ実感なさってくださいね。


土地家屋調査士 大阪 和田清人

2016年07月28日

平成27年簡易生命表

厚生労働省が、平成27年簡易生命表の概況を発表しました。

2015年の日本人の平均寿命は、
 女性:87.05歳(前年プラス0.22歳)
 男性:80.79歳(前年プラス0.29歳)

ともに過去最高を更新したんだって。

ところが、これを手放しで喜べない事情があるんですね。
そう、認知症・・・_| ̄|○

成年後見人が付いた瞬間から、相続対策が不可能になります。

遺言、任意後見、家族信託・・・
早い段階から、準備しておいてくださいね。


【平均寿命、過去最高更新…男女とも順位は落とす】

 厚生労働省は27日、2015年の日本人の平均寿命が女性87・05歳、男性80・79歳となり、ともに過去最高を更新したと発表した。

 前年と比べて女性は0・22歳、男性は0・29歳延びたが、女性は長寿世界一から2位に、男性は3位タイから4位へと順位を落とした。

 平均寿命は、その年に生まれた0歳児が、平均で何歳まで生きるかを予測した数値。厚労省は、寿命が延びた要因について、がんと心疾患、脳血管疾患の「3大疾患」の死亡状況が改善したほか、15年はインフルエンザの流行の遅れで呼吸器疾患による死亡が減少したためと分析。担当課は「医療技術の進展や健康志向の広がりが背景にある」とした。
(7月27日 読売新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160727-00050088-yom-soci


土地家屋調査士 大阪 和田清人

2016年07月27日

順番待ちが75人!

滋賀県日野町の空き家に、町外から移住してきた人は、
これまでで38世帯98人もいるそうです。

さらに、空き家が出るのを待っている人が、先月末現在で75人も!
すごいですね〜

たしかに、町のホームページを見ても、
移住・定住情報に力を入れているのがよくわかります。

一つの物事に対する徹底度が、
結果に大きく差をつけている典型例ですね。


【News Up 空き家活用へ 対策あの手この手】

人口減少や高齢化などを背景に、全国的に増え続ける空き家。全国で800万戸を超えています。空き家問題は地域の大きな課題になっていますが、対策の結果、空き家の入居待ちまで出ている地域もあり、空き家活用に向けたあの手この手の対策が各地で始まっています。

順番待ちまで 空き家が人気

滋賀県日野町。ここでは入居に順番待ちの人が出るなど空き家が人気となっています。
日野町では空き家を有効活用して町に移住してくる人を増やそうと、7年前の平成21年から空き家の登録制度を導入しました。この制度は「空き家バンク」と呼ばれ、自治体は所有者から空き家の登録を募ります。そのうえで、インターネットで空き家物件の情報を公開して、買い手などを探すという仕組みです。
日野町のホームページには、空き家の売却や賃貸を希望する人が提供した物件の情報が登録され、事前に申し込みをした人が空き家の情報を閲覧できます。町によりますと、これまで町外から空き家に移住してきた人は38世帯98人で、空き家が出るのを待っているのは先月末現在で、75人いるということです。
日野町では「都会から地方へ移住したいと考える若い人が多いなか、町を挙げて力を入れている政策であり、利用者がこれだけ多く非常にうれしく思っています。まだまだ利用できていない空き家もあるので、所有者を説得して移住を待っている方に貸せるようにしたい」と話しています。

空き家急増 空き家率13.5%

空き家は全国で急増しています。防犯面や街の景観を乱すことだけではなく、地震による倒壊で避難路を塞ぐおそれがあるなど、防災面でも大きな課題となっています。
空き家は全国にどのぐらいあるのでしょうか。総務省によりますと、空き家の数は、平成25年10月の時点で、全国でおよそ820万戸、過去最多を更新しました。住宅全体の13.5%、7戸に1戸に上っています。

全国初の空き家判定士

徳島県は空き家の活用を進めようと、家の間取りや傷み具合などを調べるため、全国で初めて「空き家判定士」という制度を設けました。現在、専門の研修と試験を受けた建築士47人が登録されています。
制度を運用する徳島県住宅供給公社によりますと、町内の空き家の登録を進めている海陽町から10戸分の判定の依頼があり、今月11日から初めてとなる作業が始まりました。12日には、6人の判定士が海陽町を訪れ、2戸の空き家で間取りを調べたり、床下の状況を写真に撮ったりしました。また、外側の壁のひびなど家の傷み具合も確認していました。
「空き家判定士」は、空き家の活用が前提の場合と取り壊しが前提の場合に分けて、それぞれ家の傷み具合などを調べ、調査結果をまとめることになっています。調査結果は、県内の市町村が空き家バンクを通じて移住を希望する人などに空き家を紹介する際に役立ててもらうということです。

あの手この手の対策

空き家問題に詳しい富士通総研経済研究所の米山秀隆主席研究員によりますと、空き家バンクへの登録物件が多かったり、インターネットで移住する人を引きつけるための地域の魅力を積極的に発信したりしている自治体では、空き家の活用が進んでいるということです。
滋賀県日野町のケースについても「京都市に近いなど、地理的な要素も移住を希望する人にとって大きな魅力になっているのではないか」と分析しています。
また、空き家の活用が進んでいる地域では、対策にさまざまな工夫が見られるということです。例えば、長野県上田市などでは所有者に固定資産税の納税通知書を送付する際、空き家状態になっている家を空き家バンクへ登録するよう呼びかけて、物件の登録数を増やすことにつなげています。このほか移住する人が空き家を改修する際の費用を補助したり、契約が成立した際に空き家の所有者に現金10万円を支給したりする自治体もあります。さらに、物件を空き家バンクに登録する際、家財道具の処分費用を補助するところもあるなど、さまざまな対策が進められているということです。

国も低所得の高齢者に向けに

一方、国でも空き家対策に新たな制度を検討しています。国土交通省は、公営住宅の供給が今後、足りなくなるとして、所得の低い高齢者などの住宅を確保するために、空き家を活用する制度を来年度から導入する方針を固めました。
具体的には、自治体ごとに空き家の所有者などからの申請を基に耐震性など一定の基準を満たした空き家を登録し、入居を希望する人に情報を提供する仕組みを設けます。その際、入居する高齢者の負担を抑えるために地域の実情に応じて家賃の一部を補助したり、空き家の所有者が行うリフォームの代金を補助したりすることを検討しています。

空き家問題 今後の課題は

各地で本格的に始まった空き家対策ですが、米山主席研究員は将来はさらに深刻な課題が待っていると指摘しています。それは老朽化したマンションの問題です。「空き家の問題は今のところ戸建てが中心ですが、今後、分譲マンションでも深刻化してきます。建物の老朽化や、住民の高齢化などで管理もままならなくなり、建て替えや解体もできなくなるマンションが多くなる可能性があります。こうした問題に対応する仕組みを早急に整備していく必要があります」と話しています。
(7月26日 NHK)


土地家屋調査士 大阪 和田清人

2016年07月26日

空き家調査アプリ

以前、私たちのSGにおいでくださった、あっとクリエーションの黒木紀男さん。
今度は、空家調査に特化したアプリを展開なさったようです。

iPadを使って、電気やガスのメーター、表札の有無をチェック。
さらにiPadのカメラで写真を撮ると、そのまま地図に反映されるんですね。

事務所に戻ってデータを転送すれば、そのまま帳票ができるスグレモノ。

各地での利用が広がればいいですね。


【空き家調査アプリ開発 自治体の対策推進をサポート】

 人口減少や高齢化に伴い、全国的に空き家が増えて社会問題になっている。国の調査(2013年度)で、大阪府内の総住宅数に対する空き家の割合(空き家率)は14.8%。地域の防犯・防災力の維持や景観・衛生面の保全のため、空き家対策に行政がさまざまな手段を講じる中、民間企業も空き家対策に関連した事業を開始している。

 総務省が5年に1度行う「住宅・土地統計調査」によると、全国の空き家は約820万戸。空き家率は13・5%で、前回調査(08年度)と比べて0・4ポイント上昇した。府内も、それぞれ5万4千戸、0・4ポイント増と増加傾向にある。

 増え続ける空き家を巡り、国は空き家対策特別措置法を昨年6月に施行。倒壊などの恐れがある「特定空き家」と自治体が判定すると、所有者に撤去や修繕を指導、勧告、命令でき、命令に違反すれば強制撤去もできる。

 府は昨年2月、府内43市町村と「府空き家等対策市町村連携協議会」を立ち上げて情報を共有。このほか、中古住宅市場の活性化を目的に、関係団体でつくる「大阪の住まい活性化フォーラム」の相談窓口と市町村の相談窓口が連携し、相談内容によって窓口を紹介するなどの取り組みも昨年度スタートした。

 さまざまな施策が進む中、空き家対策をサポートする事業を開始する民間企業も現れた。オーダーメードで建設業者向け電子地図ソフトの受託・開発を行う「あっとクリエーション」(大阪市北区、黒木紀男社長)もその一つ。米・アップル社のタブレット端末「iPad」向けに、空き家調査をサポートするアプリを開発した。

 アプリは、同社の電子地図ソフト「カンタンマップ」がベース。自治体から依託を受けた業者が調査する際、画面上で電気やガスのメーター、表札の有無といった必要な項目をチェックし、端末のカメラで写真を写すと、地図上に反映される仕組み。パソコンにつなげれば入力したデータを転送でき、事務所に戻ってパソコンに入力する従前の手間が解消できる。実際にアプリを導入した業者からは「これがなかったら、納期に間に合わなかった」といった声が寄せられているという。

 1995年の阪神・淡路大震災の際、倒壊した建物の調査をした経験がある同社の黒木社長は「20年前から調査方法が変わっておらず、もっと簡単にできないかと思っていた」と開発の動機を説明。「今後は、訪問医療の従事者向けソフトの開発も考えていきたい」と意気込む。

 同社を支援する日本政策金融公庫の担当者は「空き家問題の解決を目指した社会性のある取り組み。市場性もあり、成長を見込める」と期待を寄せる。
(7月21日 大阪日日新聞)


土地家屋調査士 大阪 和田清人

2016年07月25日

富裕層の節税法

プライベートバンクを使った、富裕層向けの相続税対策。
リーマン・ショックの前は、よく耳にしていましたが・・・

この記事で的を射ているのは、「財産の評価下げは、あくまで下げるだけ。」
残される財産は、形を変えながらも、その時点では必ず減少します。

これが旧来型節税の限界ですね。

一方、プライベートバンクは、生命保険金を担保に融資を行い、
レバレッジを効かせた運用を行います。

さらに、返戻率の高い海外の生命保険などを活用すれば、
税金やペナルティを支払った後でも、手残りが増えるってわけ。

多額の現金があって、リスクを取れる方は、
情報収集なさってみてはいかがですか?


【相続税を払った後に財産が増える! 富裕層のすごい節税法とは?】

・パナマ文書、タックスヘイブンとは何か?
・富裕層はどんな税金対策をしているか?
・世界ではどのような脱税行為が行われているか?

国税最強部門、「資料調査課」(税務署では調査できない困難案件、例えば大口、悪質、海外、宗教事案などを扱う部署)出身であり、最新刊『税金亡命』の著者、佐藤氏が本連載で実情を語る。

富裕層とはどんな人たちか?

 一定の金融資産を保有する世帯を、一般的に「富裕層」と呼んでいる。保有資産の基準は各種機関によって異なるが、例えば日本の野村総合研究所の場合、超富裕層(世帯の純金融資産5億円以上)、富裕層(同・1億円以上、5億円未満)に分類した調査を報告しており、2011年の富裕層マーケットの規模は76万世帯、純金融資産の総額は144兆円とのこと。

 また、国税庁では平成18年頃から富裕層の管理、課税の適正化について施策を進めているようだが、富裕層の定義については公表していない。

富裕層は、「この税金」を気にしている

 世間で「金持ち」と呼ばれる人たちには二種類あると思う。一つはフローがある人(所得が高い人)で、二つ目はストックがある人(保有資産が多い人)である。フローがあってもストックがない人がいれば、フローがなくてもストックがある人がいる。必ずしもフロー「高」=ストック「多」ではない。

 富裕層とは、ストックがある人を言うのであって、フローに課税される所得税よりも、ストックに課税される相続税・贈与税を気にする傾向にある。相続税の最高税率は55%、税金計算上の諸控除を無視して計算すると、財産のザックリ半分が一瞬にして国庫行きとなる。富裕層の子孫繁栄、栄華の継承のためには、相続税・贈与税は出来るだけ避けたい。

相続税節税には限界がある

 相続税というのは、相続財産の価値に課税する税金である。ここでいう価値とは現金はそのままで、金銭以外は評価換算した額で相続財産とする。したがって、現金であれば100%評価なので全額が課税対象であるのに対して、土地、建物、有価証券などで保有すれば、100%未満の評価で課税対象とすることになる。

 旧来の相続税対策とは、この「評価」に着目した手法を採ってきた。アパート建設などもポピュラーで、被相続人(将来亡くなる人)の現金拠出と銀行借入(借入金は相続財産から控除可)をミックスさせた節税法である。もっとも、アパートの稼働率が悪いなど、不動産経営が失敗して目も当てられない事が少なくない。

 財産の評価を下げる手法は、あくまで「下げる」だけであって、遺族に継承する財産は必ず減少する。これが旧来型節税の限界と言える。

 貧乏人には無理な話だが、海外の様々な金融商品を活用(以下、スキームという)した場合、仮に相続税を適正に納税したとしても、結果的に遺族に継承する財産が増えている、という手法がある。あるいは、ループホール(税法の抜け穴)を利用して、形式上は完全合法により財産を贈与してしまうということが、富裕層には可能なのである。その方法を具体的に見ていこう。

富裕層と関わりが深いプライベートバンク

 プライベートバンク(以下、PBという)は、日本では馴染みが薄いかも知れないが、ヨーロッパではその歴史は古い。

 一般の銀行(商業銀行)は、預金者からお金を集めて、事業者などに貸し付ける。双方とも金利が付され、この金利差が銀行の利益となる。PBは、事業者に貸し付けることはせず、顧客資産からPBが受け取る信託報酬や顧客への金融商品の斡旋により保険会社などから受け取るコミッションが利益の源泉となっている。

 PBという名前のとおり、顧客の状況に応じてカスタマイズされたサービスを提供するのがウリであるが、最低預入額は100万米ドル(上昇傾向にある)からとハードルが高い。

富裕層のすごい節税法

 生命保険を質権設定することを条件に、PBから融資を受けて生命保険契約を締結(日本では最高保障7億円が限度だが海外では高額保障可能)。

 顧客は少額の自己資金で生命保険を購入でき、預金から自己負担保険料を払った残りをファンド購入などに充てて、保険購入のために融資を受けた借入金利息をファンド運用益で返済するスキーム。

 保険契約者が死亡すると、保障額から融資金を差し引いた額が相続人に継承される。保険加入年齢や保険商品によりリターンは異なるが、保険部分だけに限れば相続税納税後の財産は、PB預入額の2倍以上となることがある。

 つまり、何もしないよりもPBの保険スキームを利用したほうが相続税を払った後でも財産が増えるという、「ありがたい」サービスなのである。借入金を活用したレバレッジ効果といわれる。債権の購入もレバレッジを効かせることができる。債権の信用取引のような?ものである。金持ちはさらなる金持ちに、貧乏人とは格差が広がるばかりである。

 まさに、評価減による旧来の節税手法に対して、財産を増やして継承するという未来型の相続対策といえる。ただし、保険会社の倒産や予定運用利率の下降などによる、「持出し」のリスクはある。
(7月25日 ダイヤモンド・オンライン)


土地家屋調査士 大阪 和田清人

2016年07月22日

人為的なミス・・・

札幌土地家屋調査士会さんによる取材協力記事。
発信ありがとうございます。

今回も、境界あるある的なお話ですね。

記事にもあるように、施工業者にデタラメな復元をされると、一番困ります。

私が経験したのは、3年ほど前に筆界確認書を交わしてプレートが埋設された土地。
買主から地積更正登記だけを依頼されたのですが・・・

現地のプレートを点検測量すると、5cm以上ズレるんです。
測り直しても同じ。

で、当時の写真をよくよく見ると、
矢印の向きが変わってる・・・_| ̄|○

おそらく、お隣が塀を積む時に、業者がプレートを飛ばして、
向きは気にせず貼り直したってことですね。

厄介なことに、お隣にプレートの入れ直しを相談に行くと、
「立ち会って決めたものをなぜ反故にする?」と取り合ってもらえない・・・

3回ほど説明にお伺いして、ようやくご理解いただけました。

結構多いんです。筆界確認書を交わして、そこで終わっているケース。
それだと、いざ登記しようとした時に、状況が変わっていることもありますよね。

でも、登記さえしておけば、座標入りの地積測量図を
法務局が永久保管してくれるわけです。

筆界確認が済んだら、
地積更正登記まで終えておかないともったいないですよ。


【「そこ、うちの土地です…」 土地の境界線トラブル、どうすれば?】

お隣の土地との境目がどこなのか、正確に把握していますか? 実は、土地の境界があいまいなために、お隣とのトラブルに発展するケースは多い。どんなことがトラブルになるのか、解決するにはどうすればいいのか、札幌土地家屋調査士会 副会長の小川和紀さんに話を聞いた。

■トラブルの多くは、境界があいまいなことから発生する

自分の土地の範囲が記載されている「地積測量図」(実測図)。その内容と、実際の土地の状況が違って、お隣とトラブルになることがある。

例えば「土地を売却しようとして調べてみたら、お隣の車庫が建っているのはわが家の土地だった」「お隣の塀がわが家の土地に侵出している気がする…」「垣根をつくったら『そこはうちの土地だ』とお隣からクレームがきた」etc. 
それまで良好な関係だったお隣とのトラブルはストレスになるし、お隣がわが家の土地の一部を使っているのに、その土地の分にかかる固定資産税をわが家が納めているのも納得がいかないものだ。

「土地の境界に関してトラブルに発展する経緯はさまざまだと思いますが、多くは境界の誤認でしょう。自分やお隣が『境界だ』と思っていた場所が地積測量図と違っていることがあります。隣地との境界を示す境界標(きょうかいひょう)が行方不明になっていたり、曖昧な位置につくられた塀を境界だと思い込んでいたり。境界にかかわるトラブルは正しい位置に境界標が設置されていれば防げるものです」(小川さん、以下同)

■境界標が移動してしまったり行方不明になる原因は?電柱やマンホール近くも要注意

自分の土地と、お隣の土地や道路との境界を示す「境界標」。土地の四隅などに打ち込まれている四角い杭だ。この境界標をつなぐ線が隣地との境界線になる。境界標の位置が図面と一致していればいいのだが、図面の位置とは違う場所にあったり、境界標そのものがなかったりということがあるのだとか。では、境界標の移動や行方不明はなぜ起こるのだろう。

境界標は、地震や土砂崩れ、洪水などの災害が原因で位置がずれること、行方不明になることがある。また、最初から誤った位置に設置されていることもある。しかし多いのは人為的なミス。防ぐことができたケースだ。

「塀をつくる際に施工会社が境界標を一時的に移動し、正しい位置に戻さなかったということがよくあります。また、電柱の立て替えや移動、マンホールの修繕工事などの際、近くにあった境界標がずれることもあるので要注意です」

正しい位置にあった境界標がずれても、なかなか気がつけない。しかし、土地は財産だ。自分自身で価値を守るためには、境界標の位置が分かるように写真を撮っておく、定期的に自分の目で確認することが大切。塀をつくる場合や、境界標の近くで道路工事などが行われる場合は、現場の管理者に「ここに境界標があるので気をつけてくださいね」と、一言声をかけておくこともオススメ。たとえ一時的に移動しても、慎重にもとの位置に戻すよう気をつけてくれることが多く、トラブルを防ぐ効果がある。

■一番の解決方法は、正しい境界の位置を特定すること

隣地との境界のことで、トラブルになってしまった場合、トラブルになりそうな場合は、どうすればいいのだろう。

「境界がはっきりしていないのであれば、土地家屋調査士に正しい境界線を確定してもらい、その結果、塀の位置などが違うことが判明した場合に、塀をつくり直す、お隣がはみだして使っている部分を隣地の所有者から買ってもらうなどの解決方法が考えられます。当事者同士でなごやかに解決できればいちばんいいのですが、話し合いがまとまらない場合は、全国各地にある境界問題解決センター(民間型の裁判外境界紛争解決機関)に相談するのも手段のひとつです。土地家屋調査士と弁護士が協力し、円満な形でトラブルが解決するようお手伝いします」

そのほか、トラブルを防ぐために境界を特定する場合は、「筆界(ひっかい)特定制度」を利用する方法もある。これは、法務局の筆界特定登記官が、現地の土地の境界を特定する制度。原則として、境界がどこなのかを示す境界標の設置までは行わないが、公的な判断として境界の位置を明確にできるため、トラブルを回避、または解決することにつながりやすい。また、民間の土地家屋調査士に依頼するよりも費用が安くなるケースもある。

今は境界トラブルになっていなくても、将来、土地の売却を考えていて境界標の位置などに不明点や不安点がある場合、まずは法務局や市役所などの無料相談会に出かけてみるのもいいだろう。7月31日の「土地家屋調査士の日」にちなんで、この前後の時期に土地家屋調査士会による無料相談会が開催される地域もあるので気軽に活用してみよう。
(7月20日 SUUMOジャーナル)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160720-00114962-suumoj-life


土地家屋調査士 大阪 和田清人

2016年07月20日

遺言代用信託

「遺言代用信託」について書かれたコラム。
同じような名前の「遺言信託」との違いが書かれています。ソフトに・・・

「遺言代用信託」は、本来の意味での信託。
銀行が受託者となって、信託されたお金を特定の人に渡すことができる仕組みですね。

たとえ相続でモメたとしても、葬儀費用やその後の生活費等を
遺産分割協議の対象から切り離すことができます。

手数料は、信託されたお金の運用益で賄うんだとか。
「原則として」元本は保証されるんだって。

ん〜、ここが微妙か?(^^;


【相続トラブル回避、信託で備え 葬儀代支払いも確実に】
(7月16日 日本経済新聞)


土地家屋調査士 大阪 和田清人

2016年07月19日

甘言・・・(^^;

アパート空室率について、いろんな角度から書かれたコラム。
こうやってみると、気づきがありますね。

神奈川県の35%がクローズアップされていますが、
他の地域でも1年後、2年後には追随してくるんでしょうね・・・_| ̄|○

あと、なかなかメディアに載りにくいのが「新築プレミアム」。

新築物件は高めでも入居者が付きます。
日本人は新築好きですからねぇ。

でも、最初の人が退去したあとは、数ある「中古マンション」の一つになっちゃう。
当然、賃料下落は避けられません。

ところが、建築会社の収支シミュレーションで、新築時賃料が維持されているものがあります。
また、30年間ずっと変わらない賃料保証をうたう業者もいるんだって。そんなアホな・・・

このライター曰く、
「甘言」・・・(^^;

アパート経営は、大きな借入れを伴う立派な「事業」。
十分に検討なさって上でスタートしてくださいね。


【相続税対策は大丈夫?アパート空室率が急増
 神奈川県の賃貸アパートは3戸に1戸超が空室】

「新築のアパートが周りにどんどん建ってきた。そのせいで私のアパートの空室が増えた。家賃を下げたほうがいいのでしょうか」

このような悩みを抱えたアパート・オーナーからの相談が「最近、とみに増えてきた」と語るのは、税理士でアパート経営のコンサルティングも行う渡邊浩滋氏だ。渡邊氏自身、アパート経営では苦い経験をしている。

「固定資産税が払えない」

渡邊氏が母親から驚きの事実を告げられたのは10年前。預金通帳に記載されている残高は本当に「0円」だった。

両親は相続税対策でアパートを10棟建てていた(写真はその一例)。が、空室が増え、家賃収入が減少。渡邊氏が母から相談されたときには、すでに5棟を手放し、残る5棟も86室中13室が空室だった。すぐに対策に着手し、アパートのセキュリティや収納を拡充して、不動産仲介業者の営業も強化してもらって空室を削減。アパートをさらに手放さずに済んだ。

「母と似たような状況に追い込まれている人が、今増えているようだ」(渡邊氏)。実際、賃貸アパートの空室率は足元で急上昇している。

空室率は35%超にも

相続税増税を機にアパート空室が急増

不動産調査会社タスの調べによれば、首都圏の賃貸アパートの空室率は2015年半ばから上がり始め、神奈川県では35%超に達している。千葉県、東京23区も34%前後へ上昇。3室に1室が空室というありさま。

「空室率急上昇の原因は、新築アパートの供給過剰にある」と分析するのは、タスの藤井和之主任研究員だ。

国内の人口は減少しているが、総世帯数はまだ増えている。単身世帯が増えているためだ。ただ、国立社会保障・人口問題研究所は、世帯総数も2020年から減少に転じると推計する。

世帯数減少後に空室は深刻化する

日本銀行はアパートなど貸家の入居戸数も20年をピークに減少を始めると推計する。そうなると、仮に貸家の総数が現状を維持するだけでも、空室は増加することになる。

そのような状況にあるにもかかわらず、「新築アパートが増えている最大の理由は増税の影響」と藤井氏は見る。

相続税の増税がきっかけ

相続税の増税が行われたのは2015年1月のこと。アパートを建築すると相続税対策になる。相続財産の評価は、現金で保有しているより、土地・建物に換えたほうが3割ほど低くなるうえに、賃貸に出せば、そこからさらに2〜3割下げられるからだ。

これらによる節税効果を狙ったアパート建築が急増。2015年の貸家着工数は前年比4.6%増の37.8万戸に達した。2年連続で減少した持ち家の着工数28.3万戸を10万戸近くも上回る水準となった。

通常、アパートの建築には半年ほどかかる。2015年1月の増税から半年経った2015年半ばごろからアパート供給が増え、空室率上昇が始まった。

こうした状況に対して、税理士の渡邊氏は、「相続税対策だけに目を奪われ、賃貸経営が成り立つかどうかを精査せずにアパートを建設するのは危険」と警告を発する。

渡邊氏の元へは「30年一括借り上げ」などのうたい文句に引かれてアパート経営を始めた人からの相談が急増している。一括借り上げを行うサブリース会社から、契約賃料の引き下げを要求されて困っている、というのだ。

一括借り上げには注意

こうしたサブリース会社は30年にわたって借り上げることは約束するものの、その契約賃料は2年ごとに見直すケースが多い。空室が増えていれば、賃料引き下げを要求される。交渉がまとまらなければ、一括借り上げの契約を解除するしかない。そうなれば、自分で不動産仲介業者などを通じて、借り手を探してくる必要に迫られる。

相続税対策でアパート経営を始めようという人の多くは、「30年一括借り上げ」といった保証があることによって、賃貸経営のリスクを軽視しがちだ。だが「サブリース契約があっても、アパート経営が破綻することはよくある」(渡邊氏)。

新築時は相場よりも数%高い賃料で成約できることが多い。しかし、この“新築プレミアム”は、次回入居時には剥げ落ちる。以降は年1%程度の賃料下落を覚悟しておくべきだろう。アパート建築会社が提示する収支シミュレーションが、新築時賃料の維持を前提としているときは、甘言と考えたほうがいい。

30年間ずっと変わらない賃料保証をうたう業者もいるが、それはさらに心配だ。不動産投資コンサルタント、泉和コーポレーションの小林大貴氏は、「当初の賃料を30年間もの長期にわたって保証するのは、そもそも無理なビジネスモデル。むしろ警戒したほうがよい」と忠告する。

賃料が年々下がっても、借金の返済を含めた収益性を確保できそうか。また、周辺物件の空室率が上昇しても、自分の物件の空室率は低く抑えられそうか。そうした工夫を続ける覚悟と自信がなければ、相続税対策で始めたアパート経営で、逆に大事な財産を失うことになりかねない。
(7月16日 東洋経済オンライン)


土地家屋調査士 大阪 和田清人

2016年07月15日

しあわせ持ちになるマネートレーニング

8月6日に、日本FP協会大阪支部のフォーラムを開催します。
講師は、ライフワークサポート代表の谷崎由美さん。

「しあわせ持ち」というのは、
お金のことを理解して、お金では得られない幸せをたくさん持った状態のことだって。

どんなお話をお聞かせいただけるんでしょうか。
楽しみですね。

160806forum


土地家屋調査士 大阪 和田清人

2016年07月14日

実は大変なんです・・・

地主サイドの苦悩が書かれた貴重な記事。

生まれながらに、「土地を守る」ことが宿命とされ、
忠実にそれに従っている方が多いですよね。

私のお客様でも、つつましい生活をなさっている方が大半です。

相続税の延納なんかを選択した日にゃ、
当主になった瞬間から借金生活ですからねぇ・・・

世間の偏見を是正しながら、
資産継承のお手伝いに邁進したいと存じます。


【実は大変なんです……東京都内で600坪以上の大豪邸に住む人たちの「暮らし」と「苦悩」 豪邸生活の意外な現実】

森林のような2000屬良瀉蓮宗
庭の手入れだけで月100万円以上かかり、
防犯費用も莫大、最大の悩みは相続と税金対策

 23区内の高級住宅地を歩いていると、たまに出くわす森のような豪邸。いったい誰が住んでいるのか、どんな金持ちなのか、どんな生活をしているのか。豪邸の主たちが赤裸々な「本音」を語り明かす。
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税金のために借金をする

 東京都内でも屈指の高級住宅街として知られる世田谷。そんな住宅街を歩いていると、一帯が森のような木々に覆われる異様な一角が目に入る。

 木々の陰からにわかに敷地内の豪邸が垣間見えるが、広すぎて中の詳細はうかがい知れない。「超」がつくほどの高級住宅街にあって、優に600坪は超える大豪邸であることは間違いない。

 「この地は江戸時代に幕府直轄の天領となり、私の一族は代々この地を受け継いできました。近くの寺に置く過去帳で遡れる限り、私は17代目の当主になります。敷地面積ですか? よそ様に貸している分も含めれば、だいたい2400坪というところでしょうか」

 そう言って敷地内に迎え入れてくれた当主は、「匿名」を条件に取材に応じてくれた。

 「どうぞこちらへ」と玄関を通されると、豪邸内はまず20畳近くある和室が広がる。和室には「特注」だという大きなガラス窓が設けられていて、外から新緑がまぶしいほどに目に飛び込んできた。森林を切り開いたように作られた日本庭園は圧巻で、樹齢を重ねた松の木に、この日は梅雨時とあってアジサイの花が彩りを添えていた。

 「松の木などは放っておくとすぐにダメになってしまうので、手入れは怠れません。年に2回ほどは5名ほどの庭師さんに来ていただき、数日かけて大規模に整備してもらっているんです」

 もちろん、費用はばかにならず、「年間維持費で3ケタはかかっている」と当主は苦笑いを浮かべた。専門業者によれば、この規模であれば年間維持費で500万円はかかるという。

 本誌記者がその額に驚いている様子を見ると、当主はポツリと「胸中」を語り出した。

 「みなさん、われわれのように大きな敷地を都内で持っているものを見て、『うらやましい』などと思うでしょう。でも、実はそんなことはないんです。一族はこの土地を守り、維持しようと苦悩し続けてきたんです」

 最初の苦難は戦後すぐのことで、農地改革と資産課税で所有地をごっそり召し上げられた。

 「当時、私は中学生でしたが、制服も買ってもらえないので国民服を着ていかざるを得ず、同級生にバカにされました。

 1970年代、先代が亡くなった際の相続もきつい体験でした。この土地の当時の路線価は坪8万円ほどだったのですが、相続税評価額は3倍ほどの25万円。しかも、当時は税率が70%でしたから、土地を売って納税する以外にありませんでした。これで土地の半分を失いました」

 それでもまだ2400坪の土地が残っているというのも凄いが、苦悩はそれで終わらなかった。当主は「'80年代のバブル時にも苦労した」と言う。

 「'80年代の不動産バブルにのって、この土地も地価が坪500万円ほどまで急上昇しました。周囲からは『儲かって仕方ないでしょう』などと羨ましがられたのですが、とんでもない。土地を守ろうとするわれわれにとっては、固定資産税がうなぎ上りに上がっていく地獄の日々だったんです。

 この時期、周囲では『相続対策』のために銀行から億単位で借金をして、地方の安い土地を大量に購入する人がたくさんいました。相続税評価額を下げる狙いですが、バブル崩壊とともに地方の土地がタダ同然になり、残ったのは莫大な借金だけ。そのために、先祖代々の土地を手放した人がたくさん出ました。

 幸い、私は仕事が忙しくて相続対策などしている暇がなかったので土地を維持できたというのは、皮肉なことです。こういう経験をして結局、相続対策なんてしてもまったく意味がないと気づかされました」

固定資産税が1000万円超

 もちろん、現在も固定資産税は重くのしかかり、試算すると年間約3000万円と超巨額に及ぶ。

 「土地の一部を貸し出して地代収入を得ていますが、固定資産税の支払いに消えていくので、手元には残らない。地代収入で現金や金融資産がたんまり増えていくなんてことではないんです。

 だから、私は贅沢なんてまったくしたことがない。酒もタバコもやらないし、遊びも一切やらない。海外旅行にも行かずに、ひたすらこの土地の維持に人生を捧げてきました。唯一、贅沢をしたと言えば、築70年以上経てさすがに住みづらくなってきた木造の自宅を建て替えたくらいです。

 そんなに苦しいなら土地を切り売りすればいいじゃないかとよく言われますが、そこは理屈ではないんです。ご先祖様を想うと、私の代で土地を失うわけにはいかないという強烈な使命感が湧いてくるんです。

 先日も、孫に『夢はなんだ』と聞くと、『ない』と言うんです。理由を聞くと、『だって、私は後を継がなきゃいけないでしょ』と。この言葉には愕然としました。この家で生まれ育つことの宿命を感じずにはいられませんでした」

 庶民にはけっしてうかがい知ることはできない「豪邸の苦悩」。

 同じくその苦しみに頭を抱えているのが、酒井信二氏(60代、仮名)である。小田急線沿線でも屈指の人気エリアで、有名マンションなども建つ一角。瀟洒な邸宅が建ち並ぶ中を歩いていると、忽然と広大な林に覆われた豪邸に出くわす。敷地はなんと1000坪を超えるという。

 「江戸初期から判明しているだけで私で15代、この土地を受け継いできました。この家は4代前が宮大工に建ててもらったもので、関東大震災でも先年の東日本大震災でもビクともしなかったんですから丈夫なものです。ただ、この家は以前は倍くらいの大きさがあったんです。実は固定資産税が高くて払えなかったので、半分壊したんです。

 いまでも、固定資産税は年間1000万円近い額を支払っています。私は納税に苦しむ親を見てきたから、小さい頃から稼げる専門職になろうと心に決めて、医者になりました。多くの人の命を助けたいと思って医師を志す人は多いと思いますが、私は固定資産税を支払うために医師になったようなものです」

 酒井氏は現在60歳を超えているが、「重税」の支払いのためにいまも週に数回はアルバイトとして病院に働きに出ている。また、数年前には敷地内に賃貸用アパートを建てて、家賃収入を税金の支払いの足しにしてもいる。

 「もっと大きなマンションを建てればいいと勧めてくる人もいますが、私は数々の『失敗』を見てきています。同じように都内で土地を受け継いだ親戚は、子供が困らないようにと大規模マンションを建てました。が、10億円の相続税を支払う時にマンションが売れなくて、結局土地を手放すことになりました。

 株などの資産運用を試みた親戚もいましたが、バブル崩壊、リーマン・ショックでやられて、みな『没落』していきましたよ。資産というのは、困った時に案外役に立たないんです」

 酒井氏の収入はほとんどすべて、土地の維持とローン支払いと税金に消えてなくなるので、貯金は増えない。贅沢もできないが、「それでもこの土地が維持できればいい。そういう人生ですから」と酒井氏は言う。

 「税務署っていうのは恐ろしいですよ。私が職員の名前を知らなくても、彼らは私の名前と顔をしっかりと覚えている。税務署に行くと一度もお話ししたことがない方から、『こんにちは、酒井さん』と声をかけられるんですから。まるで、あなたのことはいつも見張っていますよ、と言われているようなものです。

 土地の管理は本当に大変です。草むしりひとつとっても、抜いても抜いても生えてきますから。アルバイトもして、草むしりもしてという生活ですから、時間はいくらあっても足りない」

 最後に、いま欲しいものは、と聞くと意外な答えが返ってきた。

 「犬ですね。いま玄関で犬を1匹飼っていますが、番犬用に土地の東西にもあと1匹ずつ欲しい。土地が広すぎて、侵入者にも気づけないんです。私の娘なんて、この敷地内で変質者に追いかけられたことがあるほどです」

悪質業者が次々に来る

 このように、豪邸に住む人たちの悩みは深くて広いが、多くが共通して悲鳴を上げるのは高額に及ぶ「税金」である。

 しかも、国税による監視の目は年々厳しくなっていると、彼らは一様に口を揃える。

 「最近、税務署の方が頻繁にうちに来るようになったんです」

 そう語るのは、都内南西部の高級住宅エリアで、700坪を超える広大な敷地に住む岡本由美氏(50代、仮名)である。

 道路沿いに白壁が100mを超えて続く敷地はまさに圧巻。岡本氏はこの地で8代にわたって住み続けてきた。「絶対匿名」を条件に、税務署への怒りをぶちまけてくれた。

 「そもそも固定資産税だけでも毎月サラリーマンの月収くらいの金額を取られるのだから、たまったものではありません。うちの親はこないだ、『その税金を無駄使いした舛添は、絶対に許さない』などと激怒していました。でも、税務署に目をつけられたらなにをされるかわからないので、目立たないように静かに過ごしてきました。

 それが、消費増税の先送りが決まった頃から、税務署が頻繁に来るようになったんです。この前も都税事務所から何の連絡もなく2人の担当者が来て、『敷地はどこまでが宅地ですか』などと聞いてきました」

 税収のあてにしていた消費税分がなくなったので、ほかから税金を取ろうとして、「豪邸の主」が目をつけられていると岡本氏は憤る。

 「私たちはきちんと税金を支払っているのに、『取れるところから取る』ということですよ。われわれがバカ高い税金を払っているから金持ちだと勘違いしているんです。

 周囲からもどうせ税金対策しているんでしょうという目でも見られますが、そんなものはうまくいくものではない。うちも以前に一部の土地を駐車場にしましたが、30台分のうち半分も埋まらなかった。税金対策でアパートや戸建てを建てても、最近は転売やまた貸しをする悪質業者がいて、得体のしれない外国人を入居させたりするから危なっかしい」

 岡本氏の怒りの矛先は、「税金対策」を持ち込む業者にも向かう。

 「土地を持っていると、朝から晩まで不動産業者から電話がかかってきて、『土地を売ってくれ』とやってきます。この前は夜の9時に、ある業者の営業マンがうちに来て、『相続対策に土地を売って建物を建てさせてください。カネは全部弊社が出します』と。あまりに非常識な時間帯に来たもんだから、怒って追い払いましたが、こういう業者は後を絶たない。

 私はまだ若いので、『売ってくれるまで動きません』とか居座る営業マンを追い出せます。が、年を取った高齢の地主の方の中には、うまく入り込まれて、いいように土地を奪われてしまう人もいます。最近、広い土地が細切れにされて、小さい分譲戸建てにされているのをよく見ますが、あの景色を見ると切ない気持ちになるんです」

「文化財貧乏」という悲劇

 先祖代々の土地を残したい一心で「税金対策」をしたところ、余計にひどい目にあう。「業者に騙された」などと嘆いても仕方なく、気づいた時には後の祭り。「相続増税」が実施された昨年以降、大切な土地を失う被害者が急増しているという。

 山手線沿線で700坪超の敷地に住む宮下健二氏(70代、仮名)もそんな危機に瀕している一人。宮下氏の場合はさらに特殊なケースで、みずからを「文化財貧乏」と呼ぶ。どういう意味か。

 「うちは江戸時代にこの地の名主を務め、一帯の敷地を代々継いできました。世間様からはそれでお金持ちと思われるかもしれませんが、代々の相続税や固定資産税で苦しい家計を余儀なくされてきました。

 そうした中、相続の借金も膨らみ、いよいよ生活もままならないとなった時、自宅を文化財に登録してはどうかと勧められました。土地にかかる固定資産税が減免になるうえ、指定物の改修費については8割が公的負担になるという話でした」

 さっそく宮下氏はこの話に乗り、文化財の指定を受けたが、それが「文化財貧乏」の始まりだった。

 「ある時に自宅があまりに古くて冬は寒すぎるので改修したいと思ったのですが、文化財指定を受けたがために改修は規制されてしまった。家には住めないけれど、売るにも売れない。しかも、維持費だけがかかるという事態に陥ったんです。

 不定期に母屋などを修繕しますが、その費用は2割が自己負担。植木の手入れなどはすべて自己負担で、年間100万円近くかかってしまう。

 おまけに、自分の住む家を別の敷地内に建てなければいけなくなったのですが、その新しい家の土地部分はしっかり固定資産税を取られる。つまり、私は普通の生活を営みながら、それとは別に文化財を維持し続けないといけなくなったんです」

 税金対策のつもりが余計に出費が増えてしまうのだから、本末転倒だ。

 「まったくおカネは貯まりません。いまは文化財指定されたこの自宅を国や東京都に引き取ってもらえないか検討しているところです」

 このように、豪邸に住む人たちは、一般人には計り知れない悩みを抱えていることが多い。

 一方で、都内で悠々の「豪邸ライフ」を送っている人もいる。

 小田急線沿線の低層マンションなどが建ち並ぶ高級住宅街。敷地内に入る門扉は来るものを歓待するように大きく開け広げられ、門をくぐると手入れされた木々が迎え入れる。その木立を抜けた先、やっと豪邸が目の前に立ち現れる。門から家が見えないほどの敷地は、1000坪近い。

 これほど広大な土地を維持するため、税制などで苦労していないか――。そう尋ねると、

 「うちは全然大丈夫です」

 この家の男性主人は笑って、語り出した。

 「こんなに広い土地があるから税金が苦しいでしょうとよく心配されますが、そんなことはありません。実はうちの場合は、生産緑地の指定を受けているので、土地の課税評価が農地としての評価になるんです。都内ですが農業をしっかりやって、生活できていますよ」

車は普通の国産です

 東京都主税局によれば、生産緑地の評価額は都内であればどこでも1屬△燭220円(1坪あたり約720円)。仮にここが普通の宅地であった場合、評価額は1坪約200万円なので、実に3000倍近くも固定資産税が違う計算になる。 「生産緑地の場合、相続時も農地評価できる。もちろん、営農しているという条件付きですが。だから、一番神経を使うのは子どもとの関係です。子どもが農家を継ぎたくないと言ったら、この農地が宅地扱いになって、とてもじゃないが支払えない巨額の税金支払いが振りかかってくるわけです。いまのところ子どもは継ぐ気を見せていますが」

 では、都内の広大な土地で農家を営む人はみな「安泰」なのかといえば、そんなこともない。練馬で2000坪あまりの土地を受け継ぎ、農園を営んでいる和久井淳氏(50代、仮名)が嘆く。

 「確かに農地のおかげで税金は低く抑えられているけれど、私の場合は農園が儲かっていないからきついんです。では、農業をやめればいいじゃないかと思うかもしれませんが、そうしたら今度は高額の納税を迫られる。儲からないけど農業は続けなければいけないので、生活は楽ではありません。見ての通り、車も普通の国産に乗っています」

 和久井氏は子どもには同じ思いをさせたくないので、土地の一部を使ってマンションを建てることも考えたが、それもあきらめたという。

 「この一帯は建ぺい率がかなり低く抑えられているんです。デベロッパーも進出してこない。開発すらできない『儲からない土地』なんです。だからもう、粛々と農業をやっていく運命なのだとあきらめました。

 うちの敷地には、行政に指定された保安林もありますが、これも手入れが面倒でね。落ち葉が敷地外に出ると、近隣からクレームが来るから、剪定と掃除にカネがかかって仕方がない。よくお宅は広くて、自然に囲まれていいですね、なんて言われるけど、この広大な土地に住むがゆえの気苦労は、誰にもわかってもらえないんです」

 実は大変なことが多くて、税金に追い回され、それほど贅沢もできない。それが豪邸生活の意外な現実だった。
(7月13日 現代ビジネス)
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160713-00049130-gendaibiz-bus_all&p=1


土地家屋調査士 大阪 和田清人