2016年12月

2016年12月29日

「グレーゾーン解消制度」・・・

産業競争力強化法に基づく「グレーゾーン解消制度」なるものがあるそうです。

今回、建物滅失登記申請の補助マニュアルとツールを有償で提供することが、
土地家屋調査士法に抵触するかどうかの照会があったみたい。

関係省庁が検討を行った結果は、
しない・・・_| ̄|○

たしかに、建物滅失登記は、表示登記の中で最もハードルが低いかもしれません。
でも、滅失する建物の特定には、とっても気を遣っているのも事実なんです。

日調連も、調査測量実施要領で、下記のように指導しています。
第91条 建物の滅失の認定については、主要構造部分を除却した状態をもって判断しなければならない。
 なお、次の各号に留意するものとする。
(1)同一敷地および周辺地番内の類似建物の有無
(2)曳航移転の有無
(3)増築、改築、合体又は分棟の有無

要は、別の建物と取り違えていないか、建物を解体せず移動しただけではないか、
ということに注意を払えということですね。

一番怖いのは、担保が付いている建物を誤って滅失しちゃうこと。
モロに損害賠償の対象になりますからねぇ。

建物の同一性でよく聞かれるのが、次のような事例。
建物が建った後で分筆されると、底地地番と家屋番号とが合わないことがあります。

建物の特定

実は、「の」がポイントなんですが、納税通知書などでは省略されて、
「底地1-2、家屋番号1-3」と「底地1-3、家屋番号1-2」と表現されちゃう。

これ、シロートさんに判断できますか?ってこと。

今回の事例では、
 〕用者自身が建物滅失登記申請書を作成
 ∋業者は利用者からの個別の相談に応じない
ということで、全ては申請人の自己責任です。

これを有償で提供するって、どうよ?・・・(^^;

私の個人的な意見ですが、リスク回避のためにも、
ご自身が建てた建物でなければ、本人申請はお避けになるべきと思いますよ。


土地家屋調査士 大阪 和田清人

2016年12月26日

月4万円補助!

国交省が、空き家に入居する子育て世帯や高齢者に、
最大4万円/月の家賃補助を実施するようです。

家賃保証料も最大6万円補助するみたい。
早ければ2017年秋からだって。

家主側には、耐震改修やバリアフリー化工事に1戸あたり最大100万円の補助!
至れり尽くせりですね。

空き家利活用が加速されればいいですね。


【空き家入居に月4万円補助 子育て世帯や高齢者】
(12月25日 日本経済新聞)


土地家屋調査士 大阪 和田清人

2016年12月23日

闇民泊・・・

大阪市には、無許可民泊が1万件近くあるんだそうです。

で、10月末の「特区民泊」に合わせて設置した通報窓口には、
わずか1ヶ月で約200件の通報があったんだって。

昨年度1年間の件数184件をあっという間に追い越しちゃった・・・_| ̄|○

民泊は、日本が抱える課題を解消する一手であることは間違いないですよね。
ただ、無許可民泊は、いろんな法令等に違反するリスクを負います。

ちゃんと適正な手続きを経ましょうね。


【特区にのさばる牋婆映餃瓧泳件 宿予約最難関の大阪で急増…ハードル高い取り締まり】

 「2カ月先でも予約がいっぱい…」「ビジネスホテルのシングルで2万円!?」−。最近、出張や遊びで大阪を訪れようとして、こんな思いをした人は少なくないだろう。それもそのはず、訪日外国人の増加で大阪は今、全国で最も宿が取りにくい場所になっている。その一方、マンションの一室などに観光客らを有料で泊める「民泊」が急増しているが、大半は正式な許可のないまま営業する牋婆映餃瓩澄B膾綮圓呂海Δ靴親阿を逆手にとり、ルールを守る民泊にお墨付きを与える「特区民泊制度」を10月末に開始した。ところが、「適法民泊」に認定されたのはわずか十数部屋にとどまる。のさばる闇民泊に対して、市はどんな対策を打ち出そうとしているのか。

大阪市の違法民泊通報窓口に寄せられた苦情や相談内容

通報の電話ひっきりなし

 「プルルルル、プルルルル」。大阪市阿倍野区の市保健所の一角に設けられた「違法民泊通報窓口」。市が10月31日に開設して以来、ひっきりなしに鳴り続ける電話に、職員たちが慌ただしく対応に追われている。

 市の推計では、旅館業法の許可などを得ず違法に営業する闇民泊は市内に1万件近くあるとみられる。以前から市のさまざまな窓口に苦情や相談が寄せられていたが、規制緩和の一環である国家戦略特区を活用した民泊制度の開始に合わせて専用の通報窓口をつくり、情報提供を呼びかけると、その件数は急増した。

 通報はわずか1カ月あまりで約200件を数え、昨年度1年間(184件)をあっという間に追い越してしまった。

住民たちの不安の種

 具体的にどんな情報や相談が寄せられているのだろうか。

 「近くのアパートにスーツケースを持った外国の人がよく出入りしているんですが…」

 「住んでいるマンションと思われる物件が民泊仲介サイトに載ってんねんけど、違法ちゃうの?」

 最も多いのが、こうした近隣での不審な人物の出入りなどから闇民泊を疑う声だ。通報の半数以上を占めている。

 「もしかして」という疑惑レベルから、さまざまな資料を自ら持ち込み「ここで違法民泊が開かれている!」と訴える人までさまざまだが、市の担当者は「良い意味でも悪い意味でも、民泊についての関心が市民の中で高まっている」ためだとみる。

 次いで多いのが、闇民泊が開設されていると思われる場所での「ごみ」と「騒音」に関する苦情。ともに通報の1割ほどを占める。

 例えばこんな内容だ。

 「収集日を守らずにごみを捨てていく人がおる。民泊でもしてるのとちゃうんか」「夜中に出入りする人が多く、しゃべり声とか騒音もひどい。どうも住民やないようやったけど…」

 平穏な暮らしを送りたい住民にとって、営業実態も出入りする人の素性も分からない闇民泊は大きな不安の種なのだろう。住民と民泊利用者の間でのトラブルなどはまだ発生していないとみられるが、通報の中には火の始末の不備に関するものもあり、治安に対する懸念は根強い。

深刻な宿泊施設不足

 民泊利用者の大半は、外国人旅行者とみられる。背景にあるのは、勢いの衰えが見えない訪日ブームだ。

 日本政府観光局(JNTO)によると、今年の訪日外国人数は10月末までで2011万人に上り、初めて2千万人の大台を突破。この時点で昨年1年間(1974万人)を上回った。

 訪日客の3人に1人が、大阪を訪れているとされる。関西国際空港による積極的な格安航空会社(LCC)誘致の効果などもあり、1〜9月の来阪外国人数は前年同期の1・35倍にあたる711万人(大阪観光局調べ)。大阪城や道頓堀などの観光地や盛り場は外国人らでにぎわい活性化しているが、その一方で顕在化しているのが中心部の大阪市内をはじめとした宿泊施設不足だ。

 観光庁によると、都道府県別の宿泊施設の客室稼働率(9月、全国平均62・0%)では首都・東京を唯一上回り、大阪が82・6%を記録してトップに。また大阪など関西4市の宿泊需要の動向をまとめた日本政策投資銀行関西支店のリポートは、現時点ですでに「大阪市では客室数の絶対数が不足している」と指摘。さらに14年後の平成42年(2030年)には外国人客数が日本人客数を上回り、約2万室の客室不足が生じるという驚きの試算もはじき出ている。

闇民泊が増える背景

 大阪では宿泊施設不足を背景に「民泊」をうたう施設が増え続けている。しかし、12月15日までに市が民泊として認定しているのは4業者の14施設のみ。つまり、これ以外の民泊は大半が闇民泊ということだ。

 特区民泊の許可を得るには民泊施設であることを周辺住民に知らせたり、ごみ処理の方法を外国語で案内したりすることが必要。24時間体制で対応できる受付窓口の設置も必須だ。こうした手続きや出費の面倒を嫌う事業者が、許可申請に尻込みをしているとみられる。

 一方で、インターネット上の仲介サイトには無許可とみられる民泊の情報が氾濫している。市は闇民泊の一掃に向けて積極的に対策に乗り出しているが、取り締まりはすんなりといかないのが実情だという。

 まずぶつかる壁が、場所の特定の難しさ。仲介サイト上では、多くの施設が大まかな地図上で示したり、「道頓堀まで徒歩5分!」といった表現でぼかしたりしており、具体的な場所は明かされていない。

 マンションの部屋番号など、詳しい住所が明かされるのは料金の支払いが完了した後がほとんど。市は通報窓口に寄せられる情報をもとに聞き込み調査も行っているが、特定するには多大な労力と時間を要している。

 部屋の特定に至っても、まだハードルはある。運営者がその物件に実際にいることはほとんどなく、仲介サイト上に電話番号を掲載しているケースも少ないため、直接接触することは困難だという。実際に10月末以降、職員が対面で指導できた事例は20件程度にとどまり、400件近くはポストに警告書を投函(とうかん)するなどの文書指導にとどまっている。

 闇民泊は1部屋あたりの料金を支払う形で、大阪市内ではおおむね2千〜2万円近く。複数で宿泊すれば1人あたりの料金が抑えられることも人気の要因といえそうだ。

刑事告発も辞さず

 ただ、市も手をこまねいているつもりはない。当初国が設定した「6泊7日以上」という特区民泊の要件は「観光客の実態にまったく即していない」として、吉村洋文市長や、先行して特区民泊を実施している大阪府の松井一郎知事が反発。この強い働きかけに政府も動き、11月に要件は「2泊3日以上」に変更された。

 市は条例改正の手続きを進め、来年1月から実際に緩和されることが決まった。より利用者が利用しやすい形態での営業が可能になることから、合法民泊への移行や新規の申請が増えることを期待している。

 それでも、再三の指導に対して是正がみられない民泊には刑事告発も辞さない構えだ。「闇民泊をのさばらせ続ければ、きちんとした手続きと対策を講じて合法に営業している事業者がばかを見ることになる。そんなことは許されない」と語気を強める担当者。観光客が増え続ける大阪で合法民泊は根付くのか。今後の動きが注目される。
(12月21日 産経ニュース)


土地家屋調査士 大阪 和田清人

2016年12月22日

手数料ビジネス・・・_| ̄|○

相続現場における銀行員の所業が、面白おかしく書かれた記事。

あ、みんながみんな、この通りというわけではないですよ。
私の知人にも、立派な方はたくさんいます。(^^;

とは言え、貸出金利だけでは厳しいのも現実。
手数料ビジネスの方が、ラクに、大きな報酬を手にできます。

やはり、消費者側が金融リテラシーを高めていかないとダメですね。

突き放すようですが、記事の事例も、冷静に見るとこういうことでしょ。
 ・5%の利回りに釣られて、
 ・内容を理解しないまま、
 ・「みんなが買っているなら安心」と思った・・・_| ̄|○

これ、悪いのはどっち?って話ですよね。
銀行員が100%? ちょっと違うと思いませんか?


【ああ、相続で銀行員にダマされた! いまや揉めるのは身内ではなく銀行員】

相続で揉めるのは身内と相場が決まっていた。だが近年、その相続の場で銀行員がトラブルを起こしているという。アコギな金融商品を売りつけて、手数料を荒稼ぎ。その驚愕の実態をリポートする。

■霊柩車を追いかけろ!

銀行の支店にいる営業マンの朝は、新聞に掲載された訃報に目を通すことから始まる。取引先の不幸に同情して、お悔やみを伝えるためだけではない。新聞に訃報が載る名士の場合、まとまった額の資産を相続する遺族が存在するからだ。

「外回りの最中に町で霊柩車を見かけたら、ついていくこともあります。亡くなられた方の名前と住所を確認し、お通夜、葬儀に顔を出し、お悔やみに伺う。

もちろん、名刺と営業用の商品パンフレットを持って。当日は取り込んでいますから、その日はすぐに失礼しますが、四十九日の法要が終わった頃を見計らって、再び自宅を訪ね、相続に関する営業をかけるのです」(元大手銀行員)

銀行員は相続した遺産を自行に預けてもらい、預金額を増やしたいわけではない。肉親を失って心にぽっかり穴が空いたり、冷静な判断ができなくなったりしているところに、金融商品を売りつけて手数料を稼ぐのが本当の目的だ。

本来、銀行は預金を集め、それを融資して、金利を得ることで稼いできた。だが、現在の銀行はそんなビジネスモデルとは程遠いと、金融商品に詳しい弁護士の本杉明義氏は話す。

「銀行が販売する金融商品でトラブルが後を絶たない最大の原因は、銀行が手数料ビジネスに大きく舵を切ったことが挙げられます。メガバンクなどは手数料が稼げるという理由から、かつては考えられなかったようなリスクの高い商品を販売するようになっています。

しかし、金融知識の豊富な人や判断力の高い人は、銀行に勧められても簡単にはリスクの高い商品を購入しないので、銀行は高齢者や金融知識の乏しい人にリスクの高い商品を推奨する傾向があります。たとえば、相続で思わぬ大金を手にした遺族や、夫を亡くしたりして一人暮しをしている高齢の女性などは被害に遭いやすいですね」

例えばこんな具合だ。

神奈川県に住む小島薫子さん(67歳・仮名)は、7歳年上で元会社役員の夫を亡くした。遺産分割協議書を銀行に持っていき、亡くなった夫名義の銀行預金を妻名義の口座に振り替えた。相続した現金は約3000万円。翌日、その銀行の営業担当が自宅を訪ねてきた。

「奥様名義の預金残高が大きくなりましたが、これはどのように運用するご予定ですか」

薫子さんは運用など考えておらず、定期預金にでもするつもりだった。そう告げたが、銀行員は一歩も引かない。

「今は預金では利息も付きませんし、奥様がこれから長生きをされますと、必要なおカネは増えます。何かで運用しないと、年を取ってから、お子様に迷惑をかけることになりかねませんよ」

「皆さん買ってますよ」

銀行員は、国内外の株や債券で運用する投資信託と、一時払いの外貨建て変額個人年金を勧めてきた。それまで投資や運用の経験がない薫子さんは商品の内容をほとんど理解できなかったため、

「自分には何がなんだかわからない。損をすることはないのか」

と尋ねると、銀行員は、

「この投資信託は、過去の利回りが年利5%以上なんです」

と繰り返し強調し、個人年金については、

「5年間据え置き型の個人年金保険は、5年満期の定期預金のようなものです。定期預金の場合は、今の低金利では預けた額とほとんど変わりませんが、こちらは十分に増える可能性があります」

と説明。話がうますぎる気がしたが、迷う薫子さんに銀行員はこう畳みかけた。

「預金と違ってリスクはありますが、多くのお客様がこの商品を買っていますし、うちの銀行では売れ筋の商品なんです」

それを聞いた薫子さんはみんなが買っているなら安心だろうと思って、それぞれの申込書類にサインをした。ファイナンシャルアソシエイツ代表の藤井泰輔氏は、銀行の勧める投資信託を買うべきではないと断言する。

「販売実績やこれまでの利回りを強調する投資信託には要注意です。過去の実績は将来の利回りを保証するものではありません。最近は円安になっているので、銀行は外貨建ての投資信託を勧める傾向にありますが、今後、反転して円高になる可能性は十分にある。そのときは為替と価格変動のダブルリスクがあることを肝に銘じてください」

そもそも、銀行が勧める投資信託は手数料が高すぎる。ファイナンシャルプランナーの紀平正幸氏が解説する。

「海外で運用する投資信託は、国内の株や債券だけで運用する投資信託に比べて、手数料が非常に高い。販売手数料は3%以上で、それ以外に信託報酬が毎年2%もかかる。これだけのコストを差し引いて、安定的に運用益を出せる可能性は少ないでしょう」

また、一時払いの外貨建て変額個人年金保険も、「年金保険」という名前とは裏腹に、遺された人間の老後資産として相応しい金融商品ではないと紀平氏は言う。

「販売時にかかる手数料が7%で、運用期間中も1・5〜2%の運用手数料を取られます。これは5年間で計15%程度の手数料がかかる計算です。しかも、5年以内に解約すると、8%程度を別に取られるペナルティもあります。

相続した人が病気になった場合など、一時的にまとまった現金が必要になる可能性もありますが、そうした時に解約すると損が出る可能性が高い。こういった商品を『定期預金のようなもの』と説明することは悪質です。

定期預金は絶対に元本割れをしないのですから。夫を亡くした女性が、これだけリスクの高い金融商品で運用しなければいけない理由はどこにもありません」

結局、薫子さんの虎の子の3000万円は、わずか2年間で1000万円以上の含み損を抱えるようになってしまった。異変に気づいた息子が、リスクの高い商品をすべて解約。弁護士を通じて銀行に損害の賠償をするように交渉した結果、和解が成立し、損失の8割を取り戻したという。

■銀行は絶対に損をしない

銀行は常にあなたの銀行口座を監視している。誰それが死亡したという情報を知れば、相続で何か儲けられないかと考える。金融に無知な遺族にしてみれば、ハイエナのような存在といっていいかもしれない。別の元大手銀行員が振り返る。

「まとまった土地などの不動産を相続した人にはアパート経営を勧めてきました。アパートを建てるための資金を融資するのです。『毎月安定した収入になる』といって、銀行員に勧められるままにアパート経営をする人が増えています」

都内に住む深田隆史さん(55歳・仮名)も80歳の父親を亡くし、相続した土地に6000万円の融資を受けてアパート経営に乗り出した。当初は満室になり、月々のローン返済も順調だった。

しかし、1年もすると、近隣には続々とアパートが林立するように。入居者が新しいところへ引っ越ししてしまい、家賃を下げざるをえなくなった。銀行が当初描いたような家賃収入にならず、ローンの返済のために、結局、自分の貯金を取り崩すことになった。

「仮にローンを返せなくなれば、担保の不動産が手に入りますし、順調であれば、金利が入る。銀行はどっちに転んでも、損をしない仕組みなのです」(元大手銀行員)

自分が死んだ後、遺族が相続で銀行にダマされるのが心配だ―そういった生前の悩みに対しても、銀行はつけこもうとしている。それが最近、各行が力を入れている「遺言信託」だ。

相続に詳しい行政書士の寺田淳氏が解説する。

「遺言書作成への助言や遺言書の保管から、相続発生時の諸手続きの執行までのサービスです。とくに執行手続きに関しては、近親者のしがらみがないので、確実に遺産の分配も行えるし、相続財産が知らないうちに使い込まれる危険もないというのがセールストークになっているようです。

それ自体は間違いではないのですが、一方で遺言信託にかかる手数料は決して安いとは言えません。ある大手信託銀行の場合、申し込み時に32万4000円かかり、その後も毎年6480円の遺言書保管料を取られます。その上、相続が発生した時点で、最低でも108万円の遺言執行報酬がかかるのです」

仮に1億円の相続資産があり、遺言信託をしてすぐに亡くなった場合だと、実に222万円が銀行の手数料として持って行かれるのだ。

「遺言信託を利用するのは、自分が死んだ後に相続人の間で争いが起こらないようにするのが、目的だと思います。

しかし、そこまでの費用をかけて利用する価値はあるのでしょうか。費用対効果の面から十分な検討が必要です」(寺田氏)

残念ながら銀行員もノルマに追われるサラリーマンにすぎない。あなたが相続した遺産を、大事に守ってくれるなどと考えないほうがいい。前出の紀平氏が総括する。

「遺された家族にすれば、これから先の暮らしを考えただけで、不安な状態になります。到底、冷静な判断はできません。そんなときに複雑な金融商品を売り込まれても、理解できるはずがない。言葉は悪いですが、そうした状態につけこんで、セールスをしているとしか思えないのです。

投資をするのは個人の自由だし、銀行が運用商品を勧めるのも一概に悪いとは言えませんが、少なくとも夫を亡くした直後の妻など、特別な状況にある相手を狙い撃ちにするような営業はするべきではないでしょう」

笑顔の銀行員が、亡くなった親族の代わりにあなたの人生を本気で考えてくれるわけではない。相続をしたからといって、銀行の言うがままに金融商品を購入するのはやめたほうがいい。
(12月21日 現代ビジネス)


土地家屋調査士 大阪 和田清人

2016年12月21日

空き家対策「3つの基本方針」

東近江市の空き家対策が取り上げられています。

同市では、昨年の調査で1069戸の空き家が確認されたんだって。
このうち、96%1024戸が住宅。

「そのまま活用できる空き家」と「修繕すれば活用できる空き家」が78%。
「1〜2年で特定空家になる空き家」が14%、
「すでに特定空家レベル」が8%・・・_| ̄|○

20%超が危ないってのは、さすがにねぇ・・・

これらを踏まえて、同市は3月に空家等対策計画を策定。
「3つの基本方針」がわかりやすくていいですね。

 ‖从の対象となる空き家を絞って、効率的に取り組む
 空き家を迷惑な存在ではなく、地域の大切な資源と捉える
 市民・事業者・市が得意分野を生かしながら協同する

ぜひ、官民協同で、空き家を「地域の資源」として生かしてくださいね。


【滋賀県東近江市、「空き家」対策3つの取り組み】

 滋賀県東近江市は、相続人がいないなど、朽ちるのを待つしかない空き家の対策に積極的に取り組んでいる。3つの取り組みを紹介する。

財政圧迫リスクを回避

 1つ目の取り組みは相続人が覚知できない空き家の略式代執行と、財産管理制度の運用基準だ。これは空き家の相続人がいない場合、解体などにかかった費用を競売などで回収する仕組み。空き家の解体は、所有者や相続人がいなくても、略式代執行を使えば可能だ。

 しかし解体にかかった費用を誰が負担するかが問題になる。そこで、家庭裁判所で相続財産の管理人を選任する「財産管理人制度」を活用し、土地の管理権限を得た司法書士などが解体後の土地を競売などにかければ、そこからかかった費用を回収することができる。つまり、解体費用を税金で負担したり、自治体の財政を圧迫するリスクを負わず、空き家問題を解決できるというわけだ。

財産などがない場合でも

 2つ目は行政代執行費用の回収方法と、代相続登記の活用についての判断基準作り。

 これは空き家の所有者はいるものの、問題改善に協力的でない場合や、所有者同士がもめた場合でも、解体や登記にかかった費用を回収するための取り組みだ。

 問題のある空き家に対して指導や勧告を行っても、耳を貸さない所有者は少なくない。このような場合、1つ目の活動と同様、行政代執行を使えば解体は可能だが、そもそも差し押さえる債券や財産がなかったり、相続人はいるが登記をしていないというケースがあり、かかった費用の回収に課題が残る。その課題解決の一つの方法が、債権者が代位権に基づく代相続登記を行い、行政が権限を持って解体後の土地を競売にかけ費用を回収することだ。

 しかし、相続人が複数人いた場合、その空き家の名義は1人ではなくなる。もし競売にかけても土地が売れなかった場合には、解体や登記にかかった費用を回収できないだけでなく、所有者の人数が増えた分、今後の話し合いが複雑化する恐れがある。その課題解決に向け、強制徴収や確実に土地を売る方法などを整理している。

タブレットで定期調査

 3つ目は空き家の実数調査を5年間継続し、データ収集・分析の仕組み作り。

 空き家調査を5年間継続することで、空き家の軒数や対策後の傾向を把握する。東近江市では、空き家調査を年間で3期に分けている。まず一次調査で自治会から空き家数の報告を受け、二次調査で職員が空き家を訪問する。続く三次調査では、空き家の所有者に「空き家をどうするか」という意向を聞き取る。

 二次調査では、タブレット端末を使って空き家の外観や水道・ガスメーター、ポストなどをチェックし、状況や画像を共有。データベース化することで特定空き家判定のガイドライン作りに生かす。

 同市では、民間の不動産業者などが「一般社団法人 東近江住まいるバンク」を設立し、空き家バンクを運営。空き家の活用方法や不動産登記など、空き家に関するあらゆる質問に答える窓口としても機能している。総務課総務部の栗田豊一さんは、「住まいるバンクと連携し、役割分担しながら空き家対策をしているのが当市の強み。問題解決に前向きな空き家は住まいるバンクが窓口となり対処してくれるので、市は問題のある空き家に絞って対策が行える」とコメント。「まずは問題のある空き家を減らすことが目標。さらに今後は、空き家を地域資源と捉え、空き家を利活用しながら地域活性化につなげていけたら」としている。
(12月20日 リフォーム産業新聞)


土地家屋調査士 大阪 和田清人

2016年12月20日

預貯金は遺産分割の対象

最高裁が、「預貯金は法定相続割合で機械的に分配されず、遺産分割の対象」
との判決を出しました。

この件は、3800万円の預金を巡って遺族2人が争った裁判。
一方は5500万円の生前贈与を受けていたんですね。

1審、2審では、判例どおり法定割合の1900万円ずつと判決。
今回、最高裁は、次のように判断しました。

「預金者の死亡で口座の契約上の地位は相続人全員で共有されており、
 法定相続割合では当然には分割されない」。

今後、このような事例で裁判になった場合は、
残っている3800万円に生前贈与の5500万円を持ち戻して、
4650万円ずつの判決が得られる可能性が出たってことですね。

生前贈与の「あげすぎ」には要注意ですね。(^^;


【<最高裁>預貯金は遺産分割の対象 判例変更し高裁差し戻し】

 亡くなった人の預貯金を親族がどう分け合って相続するかについて、最高裁大法廷(裁判長・寺田逸郎長官)は19日の決定で、「預貯金は法定相続の割合で機械的に分配されず、話し合いなどで取り分を決められる『遺産分割』の対象となる」との判断を示し、遺産分割の対象外としてきた判例を変更した。一部の相続人が生前に財産を贈与されていた場合に生じていた不平等が解消される。

 これまでも全員が合意すれば預貯金も自由に分けられたものの、決裂した場合は民法の法定相続分に従い「配偶者が5割、残りの5割を子供の数で平等に割る」というように機械的に配分されてきた。2004年の判例も「預貯金は当然、法定の相続割合で分けられる」と判断していた。

 決定は「預貯金は現金のように確実かつ簡単に見積もることができ、遺産分割で調整に使える財産になる」と指摘。「預金者の死亡で口座の契約上の地位は相続人全員で共有されており、法定相続割合では当然には分割されない」として04年判例を変更した。15人全員一致の結論。

 大法廷が審理したのは、死亡した女性の預貯金約3800万円を巡り遺族2人が取り分を争った審判。1人は約5500万円の生前贈与を受けていたが、1、2審の決定は判例に従って法定割合の約1900万円ずつ分配するとした。大法廷は、具体的な相続内容を改めて遺族同士で決めるために審理を2審・大阪高裁に差し戻した。

 窪田充見(あつみ)神戸大大学院教授(民法)の話 多額の生前贈与を受けたような人とそうでない人の不公平が解消され、大きな意味がある判例変更だ。取り分があると主張する相続人から預金の払い戻し請求を受けた場合、これまで銀行の対応はさまざまだった。今後は遺産分割が終了するまでは預金の払い戻しに応じないという扱いが一般的になると考えられる。他方で、生活費や葬儀代など当面の資金を必要とする人には迅速な対応も必要となる。この点は法制審議会で議論が続いており、立法での手当てが求められる。

 ◇遺産分割

 ある人の死後に遺産総額を計算した上で、複数の相続人に分配する制度。相続人の話し合いで取り分を決められるが、協議がまとまらなければ家庭裁判所の調停や審判に移る。現金、不動産、株式などは遺産分割の対象とされている。

 ◇今回の判例変更で、相続はどう変わるのか

 亡くなった人の預貯金は「遺産分割」の対象となり、機械的な配分に縛られずに遺族同士が話し合いなどで取り分を決められるとの判断を、最高裁大法廷が19日の決定で示した。今回の判例変更で、相続はどう変わるのか。父ときょうだい2人のケースを想定してみた。

 父は長男と同居し、2000万円の預金を残して病死した。遺言はなかった。長女は結婚して実家を離れたものの、もともと父から1000万円の資金援助(生前贈与)を受けていた。

 長男は取り分について「自分は生前贈与を受けていないので、預金を全額相続する」と主張した。一方、長女は「自分にも預金を相続する権利がある」と譲らず、話し合いはまとまらなかった。

 この場合、従来の判例に従えば、法定割合(それぞれ2分の1)に従って機械的に預金を1000万円ずつ分け合うことになる。他に遺産分割するものがない場合は生前贈与分は分け合う対象にならない。長男は預金1000万円しか得ることができないが、長女は生前贈与と預金の計2000万円を取得し、1000万円の差が生まれてしまう。

 判例変更後は、預金が遺産分割の対象となるため、生前贈与を合わせた計3000万円分が遺産総額となる。取り分は法定の割合に従って1500万円ずつとなり、長男は預金1500万円、長女は生前贈与に加えて預金500万円を受け取ることが可能になる。
(12月19日 毎日新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161219-00000050-mai-soci


土地家屋調査士 大阪 和田清人

2016年12月19日

再建築率・・・

日経新聞に、川越市が市街化調整区域の規制緩和を行った結果が
掲載されています。

ある程度供給を制限しないと、かえって地域が沈没しちゃうというナマの事例ですね。

恥ずかしながら、初めて目にしたキーワードが、「再建築率」。
住宅着工戸数全体に対する、古い住宅を壊して建てた住宅の割合のこと。

国交省によると、平成26年度の再建築率は9.1%。

住宅建設10軒のうち、古い住宅の建替えは1軒未満ってわけ。
これは、1988年度以降、最低の数字なんだとか。

過去3年の推移を見ると、
 H24 : 除却72,525、再建築94,668
 H25 : 除却78,857、再建築103,406
 H26 : 除却58,901、再建築79,701

解体・再建築ともに激減!

H27年の相続税改正と関係があるのでしょうか?
このあたり、もう少し突っ込んでみたいですね。


【人口減だけじゃない 空き家生むもう一つの問題点 】
(12月18日 日本経済新聞)


土地家屋調査士 大阪 和田清人

2016年12月16日

平成27年分の相続税の申告状況

国税庁が、平成27年分の相続税の申告状況を発表しました。

平成27年中にお亡くなりになった方は約129万人。
うち、相続税の課税対象者は10.3万人で8.0%。

ちなみに、昨年は5.6万人の4.4%。
基礎控除引下げの影響が目に見える形になってきましたね。

1人あたりの課税価格は1.4億円。(昨年は2.0億円)
1人あたりの相続税額は1758万円。(昨年は2473万円)
雲の上の話じゃなくなってきています。

相続財産の構成比は、
・土地38.0%(昨年41.5%)
・現預金30.7%(昨年26..6%)
・有価証券14.9%(昨年15.3%)

基礎控除引下げによって、不動産を「持っていない」方々に対する
課税が増えたってことでしょうね。

しばらくは、相続税対策のニュースが増えそうですが、
くれぐれも安直な対策に走ることのないようにしてくださいね。


【相続税対象者、大幅増加=基礎控除額引き下げ影響―課税割合8%に・国税庁】

 2015年に亡くなった人のうち、相続税の課税対象になった人は10万3043人で、前年より83%増加したことが15日、国税庁のまとめで分かった。

 基礎控除額が引き下げられた影響が大きいとみられる。死者総数は129万人で課税割合は8.0%。現行の課税方式になった1958年以降で最も高くなった。

 国税庁によると、増加した4万6804人のうち97%は課税対象となる財産が1億円以下の人で占められており、対象者の裾野の広がりが浮き彫りになった。

 課税対象財産は総額14兆5554億円(前年比27%増)で、1人当たり1億4126万円(同31%減)。相続税の総額は1兆8116億円(同30%増)となった。

 相続財産の内訳を見ると、現金・預貯金などが30.7%で前年より4.1ポイント増える一方、土地は38%で3.5ポイント減った。
(12月15日 時事通信)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161215-00000105-jij-soci


土地家屋調査士 大阪 和田清人

2016年12月15日

節税目的の養子縁組

節税目的の養子縁組が有効か無効かの上告審。
12/20の弁論に注目が集まっているようです。

税理士法人レガシィによると、2015年の相続では、
課税価格5億円以上の約4割が養子縁組を結んでいたんだって。

私たちのイメージ以上に定着しているんですね。

ピンと来ない? お任せください。(^^;
養子縁組の威力をご覧に入れましょう。

相続税早見表

例えば、遺産2億円でお子様が1人のご主人がお亡くなりになったとします。
財産2億円、配偶者あり、子ども1人で、相続税は1670万円です。(図の青丸)

一般的に奥様は同年代ですので、1億円をそっくり残してお亡くなりと仮定。
財産1億円、配偶者なし、子ども1人で、相続税は1220万円ですね。(図の赤丸)

つまり、一次相続・二次相続合わせた相続税は、合計2890万円。

ところが、たとえばお嫁さんやお孫さんを養子にしておけば、
子どもが2人になり、青丸と赤丸が一つ右へスライドします。

結果、相続税は、一次相続1350万円、二次相続770万円の合計2120万円。
養子縁組届の紙切れ1枚が770万円に化けたってワケ。(^^;

お子様ときょうだいになるのは道義的にどうかというお声もありますが、
少なくとも専門家としては、この効果をお伝えした上で、
お客様に判断いただくようにすべきでしょうね。


【養子縁組で節税あり? 相続対策、最高裁が統一判断へ】
(12月14日 日本経済新聞)


土地家屋調査士 大阪 和田清人

2016年12月14日

「簡易宿所開業、民泊許可の裏側」

昨日、不動産コンサルティング協会の研修会がありました。

テーマは、「簡易宿所開業、民泊許可の裏側」。
講師は、行政書士の田上創さん。
民泊を合法的に成功させるアドバイスを行っているパイオニアです。

今の日本の問題は、
 /邑減少
 空き家増加
 3姐饋祐儻客増加

これらを一発で解消するのが民泊。

基本となるターゲットが外国人ですから、
従来の賃貸住宅の常識が働かない一面があります。

たとえば、JRのレールパス。
外国人旅行者などは、新幹線を含むJR全線が、29000円で1週間乗り放題!
と言うことは、民泊にはJR沿線が圧倒的に有利なんですね。

他にも、駅前商店街などは、日本特有の風景で人気だとか、
都心の水商売が住むマンションは、夜に騒いでもトラブらないとか。
(他の住人は仕事中だから・・・)

不人気物件がお宝物件に化ける可能性があるんですね。

でも、無許可民泊は、次の各項目に違反するリスクを負います。
 ・旅館業法
 ・賃貸物件なら賃貸借契約、分譲マンションなら管理規約
 ・道路運送法(空港へ送迎するのはアウト)
 ・食品衛生法(朝食出すとアウト)
 ・廃棄物処理法(民泊は事業なので、一般ゴミに出しちゃダメ)
 ・風俗営業法(偽装ラブホに使われる恐れ)

ちゃんと適正な手続きを経て、
「不動」産を「稼働」産に変えてくださいね。


土地家屋調査士 大阪 和田清人