2018年02月

2018年02月28日

「不動産相続難民」

いわゆる「負」動産に関するコラム。

この椎葉司法書士とは、先週の和泉市空き家セミナーでご一緒させていただきました。
ご活躍ですね。

実家やリゾートマンションを相続したら、負債と化しちゃった2例。
あるあるですよね。

私の場合、すぐに処分できそうにない空き家や空き地には
いくばくかの管理費用を抱き合わせた遺産分割協議をおすすめしています。

だって、処分できるまでの間、固定資産税を払い続けなければならないし、
最悪の場合、お隣に「タダで引き取ってもらう」こともあるわけです。

当然、その際の登記費用はこちら持ち・・・_| ̄|○

休眠不動産を「時が解決してくれる」なんてことは絶対にありません。
持参金を持たせてでも早く送り出す決断が必要ですよ。


【資産だと思ったらまさかの負債…「不動産相続難民」が急増中】

不動産相続難民急増中

 高度成長期の日本では、マイホームを持つことがサラリーマンのステイタスであり、夢でもありました。実際、不動産の価格は確実に上がっていったので、不動産こそが確実な資産だと考えられていたのです。

 いざとなれば売却や賃貸で収入を得ることもできると多くの人は信じていました。

 ところが、1991年にバブルが崩壊し、不動産価格が一気に下降を始めます。

 また、人口が減少に転じている一方で、新築マンションや一戸建て住宅の建設は今も続いているので、住宅の供給が過剰になり、昨今は日本各地の空き家問題もメディアをにぎわせています。

 そしてそれと同時に今、資産だと信じて相続した不動産に苦しめられる、「不動産相続難民」が急増しているのです。

 そう語るのは、司法書士法人ABC代表の椎葉基史さん。前回の記事「突然1億円の請求が・・・『負債相続』故人の借金に苦しむ人が急増中』では、負債の相続に苦しんでいる人が増加している現実と対策とをお伝えした。借金相続にも様々なパターンがあるが、さらに複雑なのは、土地や家屋の相続なのだという。価値がなくなった不動産ならぬ「負」動産相続の具体例の一部を、前回同様椎葉さんの著書『身内が亡くなってからでは遅い「相続放棄」がわかる本』よりご紹介する。

地方の実家を放置していたら

 横山誠一さん(52歳)は、5年ほど前にご両親を相次いで亡くし、他の資産と共に、新潟の実家を相続しました。

 すでに東京に家を持っている横山さんは、その家に住む可能性はほぼゼロだとわかっていたのですが、遺品を整理したあと、なんとなくそのまま放置していたのだそうです。

 手続きが面倒だというのももちろんあったかもしれませんが、小さい頃から暮らした両親との思い出もたくさんある実家をいきなり手放すことへの躊躇もあったのでしょう。

 ただ、問題は、そこに住んでいるか否かにかかわらず、所有しているというだけで請求される固定資産税です。

 これが年間3万円弱にもなるので、さすがにこの先もこのままずっと払い続けるのは負担が大きすぎると判断した横山さんは、思い切ってその実家を売却することを決心します。

 すると、売却を依頼した不動産業者からは、建物を解体し、一旦更地にすることを求められました。家屋がかなり老朽化していたので、このままでは買い手がつかないというのです。そこで横山さんは200万円強の費用をかけて、家を解体することにしました。

 周りは田んぼや畑ばかりでお世辞にも立地に恵まれているとは言えない場所でしたが、土地の広さは80坪ほど。これが、300万円程度で売却できれば、解体費用を差し引いても、100万円ほどの利益が出るだろうと、その時は期待していたのだそうです。

 ところが、土地はなかなか売れる気配がありません。

 解体費用分だけ回収できればそれでいいかと考え直し、250万、200万と値を下げても問い合わせさえ来ないと言います。

 もうこうなったら赤字を覚悟するしかないと、さらに150万円、100万円とどんどん値段を下げていっても、全く売れないのです。

固定資産税が増えた?!

 不幸はこれだけではありません。

 建物が建っていれば、その土地の固定資産税の税額は半額以下に減額される措置が取られるのですが、更地にしてしまうと、その措置が解除されます。その結果、固定資産税の金額が増額され、場合によってそれまでの最大4・2倍に跳ね上がることもあります。

 もちろん建物を取り壊せば、建物の固定資産税はなくなりますが、古い家屋の場合は評価額が低いため、土地のほうの固定資産税額のほうがもともと高い、というケースが大半です。

 それがさらに増額されるのですから、建物の固定資産税分を差し引いても結果的には負担が増えてしまうのです。

 横山さんの場合も、200万円ものお金をかけて家屋を解体し、更地にしたことで、なんと、固定資産税の税額が年間6万円にも跳ね上がってしまいました。

 年間3万円の支払いから逃れたくて売却を決意したにもかかわらず、結果的には、その2倍もの支払い義務が生じてしまったのです。

 そしてこの先も、この土地が手放せない限り、毎年6万円の固定資産税の請求書が届くことになります。この絶望的な状況からなんとかして脱却できないか、今から相続放棄はできないのか、と横山さんは私の事務所に駆け込んでいらっしゃいました。

 けれども残念ながら、もはや手立てはありません。

 すでに相続をしてしまっている以上、今更相続放棄はできないのです。

 「200万円の解体費用を回収することはもう諦めた。もう、タダでもいいから誰かに引き取ってもらいたい」

 それは横山さんの偽らざる本音なのですが、その土地に興味を示す人は未だ現れていません。

空き家の放置は大きなリスクに

 固定資産税というのは、その不動産の評価額をベースに算出されます。

 評価額が低ければ、固定資産税もほぼゼロに近くなることがあり、その場合、あまり財布も痛まないので、そのまま放置されるケースは多々ありました。

 その結果、荒れ放題の空き家が増え、今や全国の空き家率は13%にも上ります。この状況を打破するため、平成27年の5月に完全施行されたのがいわゆる「空家対策特別措置法」です。

 これは、市町村の空き家対策に法的根拠を与えるために制定されたもので、増え続ける空き家への改善(具体的には修繕や解体など)を促すための法律だと言っても良いでしょう。

 放置される空き家が増え続けると、老朽化による倒壊などの危険性が高いだけでなく、衛生上の問題、景観上の問題、防犯上の問題など、様々な問題が懸念されます。

 その中でも特に対策が必要な空き家は「特定空家」に指定され、強制的な対処が可能になりました。その1つが、固定資産税の特例対象からの除外です。

 固定資産税の特例というのは、「建物が建っていれば、その土地の固定資産税の税額は200屬泙1/6200屬鯆兇┐詆分については1/3に減額される」という措置のこと。

 つまり、「特定空家」に指定され、この特例措置が解除されてしまうと、たとえ家屋が建ったままでも、更地と同様の税負担が強いられるというわけです。

 もちろん、行政からは、助言や指導から勧告→命令→強制対処(行政代執行、略式執行)と段階的な手順が踏まれますので、指定されたからといって即解除というわけではありませんが、「勧告」の対象となった時点で特例対象から除外されます。

 さらに強制対処の段階まで進めば、強制的に撤去される可能性もあります。その費用は一旦公費でまかなわれますが、結果的には所有者に請求されます。税金は高くなるわ、解体費用は負担させられるわで、まさに弱り目に祟り目ですが、その家屋の所有者(相続人)である以上、そこから逃れることはできません。

 つまり、使い道がないから、あるいは売れないからと言って、これまでのように相続した不動産をそのまま放置することは、大きなリスクを伴う行為だと言わざるを得ないのです。

設備充実のリゾートマンションが負動産に

 東京都の遠山哲夫さん(38歳)は、約3年前に湯沢にあるリゾートマンションを相続しました。スキーが大好きだった父親が家族のために35年ほど前に購入した物件で、子供の頃は冬になると遠山さんも何度も訪れていたと言います。

 ただ、ここ10年くらいは家族もあまり利用しておらず、今後必要になるとも思えないので、相続したらすぐ売却するつもりでした。築年数も経っていますし、リゾートマンション自体のブームもはるか昔に過ぎ去っていることはわかっていたので、売却したところで大したお金にはならないだろうことは十分予想していました。

 そのこともあり、積極的に相続したいわけではなかったものの、だからと言って、相続を放棄する必要性は特に感じていなかったと言います。

 「とりあえず相続して、どうするのかは、後で考えればいいと甘く考えていた」と遠山さんは当時の心境を振り返ります。

 けれどもまもなく、遠山さんは自分がとんでもない負動産を相続してしまったことに気づきます。

 遠山さんが相続した2LDKのリゾートマンションは、温泉付きの豪華な施設が売りでした。そのような豪華な施設を維持するためには当然ながら管理費用が必要ですが、修繕費用の積立金も合わせると、それがなんと月々5万円もかかるのです。

 住むわけでも、利用するわけでもないこの部屋に年間60万円も払わなくてはいけないという事実に遠山さんは愕然とします。当然、固定資産税も請求されますから、実際の負担額はさらに大きくなるでしょう。

 これはすぐに手放さなければやってられないと痛感した遠山さんは、不動産業者を訪れます。そこで提示された査定価格はなんと10万円。バブル時代に父親が3000万円で購入した物件なのに、そこまで価値が下がっていたのです。

 しかも不動産業者は、この値段にしても売れる保証はないと言います。信じられない現実に絶望しつつも、もはや、背に腹はかえられません。このまま持ち続けていれば、ランニングコストを永遠に払い続けなくてはいけないのですから、もうこうなったら買ってくれるだけでもよしとしようと開き直り、遠山さんはこの部屋を10万円で売り出すことにしました。

 ところが全く売れないのです。

 確かに築年数が経っているとはいえ、温泉付きのリゾートマンションです。2LDKですから広さも十分なはずです。そんな部屋がたった10万円で売られているのに誰も見向きもしないのは、高いランニングコストが仇になっているからなのは明白でした。

 おそらくタダであげると言われても、受け取ってくれる人はいないでしょう。

 家族と住む自宅マンションのローンもあり、大学受験と高校受験を控える2人の子供をもつ遠山さんにとって、月々5万円以上の支払いは大きな負担です。けれども、このリゾートマンションを手放せない限り、遠山さんは管理費・維持費、そして固定資産税の支払いから逃れることはできないのです。

「負動産」があとで発覚すると……

 実家などその所有が明らかなもののほかにも、過去の相続などによって思いがけず故人が所有していた不動産がないとも限らないので、「ない」と思い込まずに慎重に探すことが大切です。

 まずは「登記済証(権利書)」や「固定資産税の納付書」、あるいは「登記識別情報」が残っていないか探してください。

 「登記識別情報」とは、不動産登記法の改正により、これまでの紙で発行されていた登記済証(権利証)の代わりに平成17年3月から導入された、数字とアルファベットを組み合わせた12桁の符合のことで、「登記識別情報通知書」により交付されるものです。

 それらを元に市役所などに問い合わせをすれば、被相続人が所有していた土地や建物が判明しますので、その所在地の市町村役場から「固定資産評価証明書」を取得し、不動産としての価値がどれくらいあるのかを確認してください。

 また、そういった資料がすぐに見つからなくても、不動産が存在するであろう市町村の固定資産税課等で「名寄帳(固定資産税課税台帳の写し)」の発行を受けると、その市町村に存在している個人の不動産はほとんど特定が可能です。

 ただし、固定資産税は市町村ごとに管理していますので、不動産が他の市町村にもまたがって存在している可能性がある場合などは、複数の市町村から取り寄せなければなりません。

 気をつけていただきたいのは、住宅の私道部分などの土地で固定資産税の計算の元になる「固定資産税評価額」が0円(非課税)になっている場合です。その場合は名寄帳のリストから漏れている可能性がありますので、やはり権利証等の記載も含めて調査することが重要です。

 何度も繰り返していますが、不動産が全て資産であるとは限りません。

 そこに住む予定がある場合は、「家」としての価値は残りますが、そうでない場合は、負債を抱えることと状況は変わらない「負動産」となってしまうケースも多々ありますので、その価値を見誤らないようにしましょう。

固定資産税評価額=市場価値ではない

 不動産については、1つ忘れてはいけない大事なポイントがあります。

 それは、役所が税金を徴収するために算出している「固定資産税評価額」はあくまで目安にすぎない、ということです。

 一般的に市場価格の6割ぐらいの金額が固定資産税評価額などと言われますが、実際にはそう単純なものでもありません。

 不動産を売却する際の価格は各不動産の個別要因に左右されることが多く、固定資産税評価額上はある程度金額が出ていたのに実際は全く売れない不動産だった、といったこともよくあります。

 思わぬ「負動産」を引き継いで苦労することのないよう、相続するかどうかを判断する際には、実際の市場価格を調べることが非常に重要です。役所の調査だけで終わらせず、近隣の不動産業者などに市場での価値を査定してもらうようにしましょう。
(2月27日 現代ビジネス)
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180227-00054612-gendaibiz-bus_all&p=1


土地家屋調査士 大阪 和田清人

2018年02月26日

「伸びる街」「活力ある街」ランキング

週刊ダイヤモンドが、「伸びる街」「活力ある街」のランク付けを行いました。 

面白い視点。と思ったら、データソースはスタイルアクトさん。
さもありなん・・・(^^;

「伸びる街」ランキングは、人口の増加率に、転入率・転出率を加味。
近畿では、
 3位:大阪市中央区
 4位:大阪市西区
 6位:大阪市北区
 8位:大阪市浪速区
 11位:大阪市天王寺区
 17位:大阪市福島区
 23位:神戸市中央区
と続きます。

もう一つの「活力」は、地価人口、世帯収入、自治体の財政、
事業所数・従業員数、住宅着工件数を配分したようです。→詳しくはこちら
近畿では、
 同率1位:大阪市北区
 同率7位:大阪市中央区
 同率13位:大阪市西区
 同率15位:大阪市天王寺区
 同率21位:神戸市中央区
 同率24位:大阪市浪速区
 同率28位:大阪市福島区

結果としては全然目新しくありませんが、
データ化されることで、将来予測を立てやすくなりますね。


【「伸びる街ランキング」3位は大阪市中央区、2位は千代田区、1位は?】

 普段、あまり目にすることのない数字やデータに光を当てて多角的に分析、ビジネスパーソンにとっておきの「お役立ち情報」をご紹介する『ダイヤモンドDATAラボ』。今回からは『別冊週刊ダイヤモンド2018年1月14日号 伸びる街&地域活力ランキング』から、「伸びる街・活力ある街ランキング」をお届けします。

3大都市圏「伸びる街」ベスト5

● 「伸びる街」と「活力ある街」で 探る元気な自治体ランキング

 お金持ちが住んでいそうな街としてまず挙がりそうな市区は、東京の港区、武蔵野市、兵庫の芦屋市あたりだろうか。確かに住民の所得水準も高いし、地価もそれなりのものだ。

 とはいえ、高級住宅街の代表格だった田園調布(東京都大田区)は相続で大変なことになっているし、六麓荘(兵庫県芦屋市)のような丘の上の豪邸から高齢化したお金持ちは下りてきて、阪急神戸線沿線の駅近高級マンションが人気となったりする。

 六本木や青山(東京都港区)あるいは番町(東京都千代田区)などでは、マンションの坪単価が1000万円を超えたりする。こうしたマンションのある街が現代の高級住宅地と呼べるかもしれない。

 そこで、人口減少時代を迎えた日本で、将来を見据えた時に、どの自治体が今後伸びるのだろうか。そこで今回は、3大都市圏の「伸びる街ランキング」と「活力指数ランキング」を作成してみた。

 まずつは勢いを示す「伸びる街ランキング」。これは5年前と比較して、その市区町の人口(外国人を除く)が増えているのか、減っているのかでランキングしたもの。6位の大阪市北区まで2ケタ増だ。

 ただ、「伸びる街」は人口の増減率によるため、人口の少ない町や区の方が上位にきやすい傾向があることは注意が必要だ。今回のランキング作成にあたり、マイナスではない市区町を出してみたが、首都圏126、関西圏54、中京圏49で合計229。3大都市圏ではまだ過半数以上が人口を維持・増加させていることが分かる。とはいえ、25年には東京都も人口減に転じると推計されている。

 このランキングには、人口移動として、「増加率」に加えて「転入率」「転出率」を加味している。出生数と死亡数の「自然増減」よりも、こうした「社会増減」の方が街の勢いに影響するからだ。

 そしてもう一つのランキングは、その都市のパワーを示す「活力指数」だ。対象とした市区町は396あり、六つの指標から指数を算出した。活力指数は100点満点で、今回の最高点はいずれも88。東京都の千代田区と中央区、大阪市中央区の3区だった。全体の平均値は50.3となっている。

 最も重きを置いたのは「地価」だ。地価にはその街の魅力の多くが反映されている。次いで「人口の増減」。やはり、人口が減少していく自治体は将来的には厳しくなる。この2つで100点満点中50点を配点した。

 残り半分には、「世帯収入」と、財政力指数による「自治体の財政」、住民1万人当たりで見た「事業所数・従業員数」と、「住宅着工件数」を充てた。こちらは、就業の場も含む産業の側面と、住宅が新しく造られているのかという点を見た。

 詳細は別冊『週刊ダイヤモンド』2018年1月14日号「伸びる街&地域活力ランキング」をご覧ください。
(2月26日 ダイヤモンド・オンライン)
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180226-00161236-diamond-bus_all


土地家屋調査士 大阪 和田清人

2018年02月23日

法定相続情報一覧図やってみた

機会があったので、法定相続情報一覧図の申出をやってみました。

法定相続情報一覧図

もともとは、建物解体後の滅失登記のご依頼。
建物は故人の義父名義のため、どのみち戸籍等を集める必要はあったんです。

聞くと、金融口座4つの解約も必要だとのこと。
だったら、と、法定相続情報一覧図の申出もさせていただいたワケです。

当初、お客様からの聞き取りだと、相続人はきょうだいと甥・姪の4人だけ。
軽い気持ちでお受けしたのですが・・・

まぁ〜、いろんな人たちが出てくるわ出てくるわ。
戸籍だけで3万円近くかかったよ・・・

数多くの登場人物がいたにもかかわらず、
いま生きている人だけがシンプルに1枚に収まりました。

見やすいというのが半分、
俺の頑張りはどこへ行った?というのが半分・・・(^^;

でも、今までは、戸籍のブ厚い束をコピーして金融機関に行ってたのが、
この1枚でケリが付くって言うんですから。

いい制度ができたなぁって、改めて感じます。


土地家屋調査士 大阪 和田清人

2018年02月22日

所有者名を公表

長岡京市が、「特定空家」やこれに準ずる「管理不全空き家」の
所有者を公表する条例の制定を目指すそうです。

京都市や大津市などは制定済みなんだって。

危険を周辺住民に知らせるとともに、
管理義務を果たさない所有者への「制裁的」な面を持たせるのが狙い・・・(^^;

逃げ得は許さない!という強い決意がうかがえます。
「ワシのモンやから放っておいてくれ。」とはいかなくなりますね。


【危険な空き家、所有者名を公表 京都・長岡京市が条例化へ】

 京都府長岡京市は20日、空き家の適正管理や活用を進めるため、2018年度中の制定を目指す「空き家対策条例(仮称)」で、倒壊危険がある「特定空家」や、これに準じる「管理不全空き家」について、市の是正勧告に従わない所有者の氏名や住所を公表する内容を盛り込む方針を示した。
 市によると、管理不行き届きの所有者情報を公表する条例は京都市や大津市などが制定済み。長岡京市都市計画課は、狙いを「危険を周辺住民に知らせるとともに、制裁的な面を持たせて管理義務を果たさない所有者への抑止力とする」と説明している。
 国は特別措置法で、著しく危険な空き家などを「特定空家」と定義。状況が改善しない場合は取り壊しなどの行政代執行を可能とした。加えて市は条例に基づき、雑草や樹木の越境▽屋根や外壁の破損▽ねずみや悪臭の発生−などを条件に「管理不全空き家」を独自に決める。
 双方の空き家で、是正に向けた助言・指導や勧告の手続きがあり、条例の素案では、正当な理由なく勧告内容を実施しない場合、所有者の氏名や住所、空き家の所在地など、条例施行規則で定める事項を市ホームページ上で公表する、とした。公表前に所有者が意見陳述する機会をつくる。
 市は20日、空家等対策協議会で素案を提示。委員から「個人情報保護との関係で慎重にする必要があるが、予防策として有効」などの声が上がり、反対意見は出なかった。
 条例の素案は25条で構成。空き家対策における市の責務や市民の役割などを定める。市は条例案を9月定例市議会に提出する計画。
(2月21日 京都新聞)
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180221-00000009-kyt-l26


土地家屋調査士 大阪 和田清人
esouzoku at 07:35|この記事のURLComments(0)空き家 

2018年02月21日

「少子高齢社会にあわせた不動産活用とは?」

昨日、SGお初天神の勉強会を開催しました。

テーマは、「少子高齢社会にあわせた不動産活用とは?
     〜高齢者住宅の提案ノウハウについて」。
講師は、有限会社エフ・ビー・エス総研の太田潔さん。

介護保険制度スタート前から介護施設の開発支援を行ってらっしゃる方です。
17年の蓄積に裏打ちされた、迫力あるお話をいただきました。

平成29年版高齢社会白書によると、65歳以上の方は345万人で27.3%。
で、この3割が独居と言われています。

また、厚労省の介護保険事業状況報告によると、平成29年1月時点で、
要介護1〜5の方々は453万人。ここ10年で1.3倍に増えています。

他方、特別養護老人ホーム、老人健康施設、介護型・医療型病床は110万床。
特別養護老人ホームは、全国でおよそ50万人が待機状態。

原因の一つが、人手不足。

スタッフ一人当たりの入居者数が定められているので、
いくらベッドが空いていてもスタッフが不足すると入居できない・・・_| ̄|○

こういう背景下で、高齢者住宅が土地活用のトレンドになっているわけですね。

一般賃貸住宅と比べて、
 ○ 郊外でも成り立つ(駅近でなくてもOK)
 ○ 補助金が使える(利回り有利)
 ○ ランニングコストが低い(事業者が行う)
 ○ 賃料不滅特約が可能
 × 事業運営会社の破綻リスク
 × 免責期間等、賃料収入までタイムラグがある

共同住宅の経営が厳しい中、選択肢の一つには挙げられますよね。

ただ、とにもかくにも、事業運営会社の与信が重要。

介護保険制度がスタートしてまだ18年目なのに、
30年の一括借り上げをホントに保証できるの?って話。

しっかりと情報収集してくださいね。


土地家屋調査士 大阪 和田清人

2018年02月20日

「お客を呼ぶ!スゴい仕掛け」

昨日、「お客を呼ぶ!スゴい仕掛け」出版記念セミナーに参加してきました。

何を隠そう。著者の佐藤元相さんは、私のHPを作ってくださったお方。
この方がいなければ、今の私は無いと言っても過言ではありません。(^^;

佐藤さんは、若かりし頃、「技術を身に付けると食いっぱぐれない」と言われ、
町工場で働いていたそうです。

ところが、円高不況で仕事が激減。
技術を身に付けたのに、食いっぱぐれちゃった・・・_| ̄|○

東京商工リサーチによると、2017年の飲食業の倒産は前年比2割増。
このうち、中小・零細規模が全体の9割。
原因の1位は、「販売不振」なんだとか。

「いいモノを作れば売れる」ではなく、お客様に「選んでもらう」視点が必要。

売上げ = 客数 × 客単価 × 購買回数

こちらでコントロールできるのは、客単価だけ。
後の2つは来てもらえないと始まりません。

そのために、真っ先にすべきことは、
お客様の不便や不満を解消すること。

「どこかへ買い物に行ったとき、イヤな思いをしたことはないか?」
を列挙した後で、
「自分のお店で、お客様にイヤな思いをさせてしまっていることはないか?」

これを解消するのは、今日からでもできるわけですね。

こんなに「スゴい!」お話を生で聞けるセミナーが、このあと、
名古屋、東京、福岡、沖縄、岡山で開催されます。

スゴい!出版記念特別セミナーの詳細はこちら

これは行くしかないですよ。(^^;


土地家屋調査士 大阪 和田清人

2018年02月19日

大工さんと「空き家」見学ツアー

伊那市が、大工さんと一緒に空き家を巡るツアーを実施したそうです。

空き家バンクに登録する3物件について、
リフォームが必要な箇所や予算をアドバイスしてもらったんだって。

これはメチャメチャ安心ですね。
購入がより現実的になります。

専門家の知見をうまく活用した事例ですね。


【大工さんと「空き家」見学 伊那市がツアー】

 伊那市が行う移住希望者向けの「伊住」体験会で17日、地元の大工さんと一緒に巡る空き家見学ツアーがあった。3大都市圏などから8組18人が参加。福澤建築所(日影)専務の福澤雅志さん(42)とともに、空き家バンクに登録する市内3物件を順に訪れ、リフォームが必要な箇所や工事の方法、予算などについて助言を受けた。「とても参考になる情報が得られた」と好評だった。

 「住まい」は移住を決める上での重要な要素の一つ。市によると、伊住体験会は今年度6回目になるが、これまでの参加者から「住」に関する質問が多く出されたことから企画したという。

 リフォームを多く手掛ける福澤さんは「きょうは何でも聞いてください」。広い庭と蔵が付いた同市東春近の物件では「築年数がそれほど経っておらず、リフォームはほぼ必要ない」としつつ、壁紙の貼り替えに掛かる費用などをてきぱきと回答。「床下の状態を見たい」との要望にも応え、参加者と一緒に覗き込みながら「問題ないですね」と太鼓判を押した。

 同市高遠町の二つの物件はともに築年数が古く、質問の数も増加。リフォームの考え方は人によって異なり、個別相談にも応じた。移住を検討中で、信州を「第1候補」にしているという東京都足立区の浅賀秀男さん(32)は、4歳の長男を連れて家族3人で参加。「専門的な話を聞くことができた。自分たちで物件巡りするより収穫が多い」と喜んだ。

 市によると、これまでの5回には延べ26組57人の移住希望者が参加し、このうち3組が市内や近郊に移り住んだという。伊那の人の良さを感じてほしいと市民を交えた体験会としており、「来年度は空き家購入者から体験談などを聞く場を設けたい」(地域創造課)としている。
(2月18日 長野日報)
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180218-00010001-naganonp-l20


土地家屋調査士 大阪 和田清人
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2018年02月16日

「すみこおばあさんのおやま」

佐賀市で昨年亡くなった女性が、市に遺産を寄付したそうです。

女性はその一部を子どもたちのために使うことを希望。
遺志を汲んだ市は、こども園の「山」に人工芝を敷設したみたい。

「子どもたちのためにといただいたお金なので、直接触れられるものに」って。
心が温まりますね。

自分のお金の行き先を自分で決めておく。
一番生きたお金の使い方ですね。


【「すみこおばあさんのおやま」に歓声 遺産寄付、園庭に遊び場】

 佐賀市久保田町の認定こども園くぼたに、園児たちの遊び場となっている「山」が新たに整備された。久保田町出身で昨年8月に亡くなった中尾澄子さん=当時(91)=の遺志で、寄付された遺産の一部を活用した。「すみこおばあさんのおやま」と名付けられ、子どもたちの元気な笑い声が響きわたっている。

 園庭にある山は高さ約1・6メートル。これまでも子どもたちが遊び場にしていたが土だったのを人工芝で覆い、丸太の階段やステップ、トンネルなどを整備した。9日に園児たちがテープカットで完成を祝った後、次々に山を登り、勢いよく滑り降りて楽しんでいた。

 「お世話になった町のために。福祉に役立ててほしい」。中尾さんは生前に法的な遺産相続の手続きを行い、一部を子どもたちのために使ってもらうことを望んでいたという。14年前に亡くなった中尾さんの姉の明子さん=当時(81)=も同じ理由で久保田町役場(当時)に多額の遺産を寄付しており、それに続いた。

 ともに独身で姉妹2人きりだった。生前は佐賀市内にあったたばこ屋で働いていた。澄子さんを知る人は「ぜいたくせず、こつこつと働いてお金を貯めていたのだろう」と振り返る。

 こども園の石丸公大園長(36)は「子どもたちのためにといただいたお金なので、直接触れられるものにしようと考えた。中尾さんの思いが伝われば」と話している。

 中尾さんの遺産は他にも、久保田保育園などにも寄贈されており、同園では門扉やランチルームの改装を行った。
(2月16日 佐賀新聞)
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180216-03182173-saga-l41


土地家屋調査士 大阪 和田清人

2018年02月14日

長屋の合体登記

昨日、ようやく一つの登記が完了しました。
延々と登記官と協議を続けてきて、ようやく・・・(涙)

私にとっては、気を失いそうになったくらい複雑な案件。
せっかくなのでシェアしますね。

しばらくマニアックな世界にお付き合いくださいませ。(^^;

建物の経緯は以下の通り。
なお、地番や家屋番号は変更してあります。

‖臉11年 地主が4戸長屋を建築
長屋の合体登記1
この当時、家屋番号は地番と一致させるのではなく通し番号だったんです。

建物を増築(時期不明)

昭和28年 各戸を分割、売却
長屋の合体登記2
当時はまだ区分所有法がなかったので、登記は普通建物のまま。
ちなみに、左端の建物登記は、所在:101 家屋番号:156

ぞ赦37年 区分所有法施行
原則論としては、ここで区分建物に変更登記されるべき。

ナ神11年 地主が底地を分筆、各建物所有者へ売却。
長屋の合体登記3
本来ならここで、所在と家屋番号の変更登記がされるべきだったのに、
左端の建物は、所在:101 家屋番号:156の普通建物のまま。

κ神12年 156-4を切り離し、建替え
長屋の合体登記4
建物は3戸長屋に

平成14年 依頼者の父が156建物、156-2建物、101-5土地を購入

平成25年 依頼者の父が156と156-2の壁を抜いて一体化
長屋の合体登記5

平成29年 相続を機に、合体登記のご依頼

「区分登記をどうする?」「お隣(156-3)も登記してもらわなければ」
「増築部分の所有権証明は?」「そもそも合体の事例が少ないし」・・・とドタバタ。

登記官とも協議を重ねた結果、数多くの押印書類を揃えた上で
次のような手順で登記することになりました。

1)所在:101-5,101-6 家屋番号:101-5-1、
 所在:101-5,101-6 家屋番号:101-5-2にそれぞれ更正登記を申請
 (お隣の建物も同様に更正登記申請)

2)登記官が職権で区分建物に変更

3)床面積更正登記申請(お隣も)

4)合体登記申請
 正確には「合体による建物の表題登記及び合体前の建物の表題部登記の抹消」
 という長い名前になります。(^^;

で、無事に登記と現況とが一致しましたとさ。めでたしめでたし。
長屋の合体登記6
一棟の所在:101-5,101-6 専有部分の家屋番号:101-5-3

でも、改めて思うに、普通建物のままの長屋ってそこらじゅうにありますよね。

今のところ、解体する方が多いから、滅失登記をして終わりなんですけど、
今後、長屋再生が増えてくれば、区分+増築・合体は避けて通れませんよね。

貴重な経験を積ませていただきました。
長屋の登記、ドンと来い!です。(^^;


土地家屋調査士 大阪 和田清人

2018年02月13日

介護にかかる費用・年数

介護に関するコラム。
現実から目を背けたいジャンルですが・・・

記事中のデータでは、介護保険でカバーされない自己負担分として、
・初期費用(バリアフリー化や介護ベッドなど):平均80万〜90万円程度。
・毎月の費用:平均7万〜8万円 × 平均169.4ヵ月(=14年1ヵ月)

十分な経済基盤がなければ、介護離職は難しいですね。

さらに、親御さんと同居する場合の注意点としては、
・介護保険で生活援助系のサービスが使えなくなる
・特別養護老人ホームに入りにくくなる
などが挙げられています。

田舎の家を完全に引き払ってしまうのはとってもリスキーだとも。

 生活のリズムが合わずに喧嘩ばかりになる
→家事などの生活援助系の介護サービスが使えなくなり負担が増える
→同居していると特別養護老人ホームへの入所の優先順位が下げられる
→住み慣れない環境で親の心身の状態が悪化する
→親が田舎に帰ると言いはじめても田舎の家はすでにない・・・_| ̄|○

親御さんとご家族とが、より自分らしく、より充実した生活を送るために、
お元気なうちにケアプランを考えておく方がいいですね。

絶対に譲れないことと妥協できることの線引きをしておくだけでも
周囲の方々はずいぶん楽になります。

実は私たち、「ケアプラン自己作成講座」を企画中です。

ケアマネに任せきるのではなく、
ご自分の生き方はご自分で決めましょうってこと。

詳細が決まれば、改めてご案内しますね。


【親にいくら貯金があれば介護離職して良いか】

 介護離職をした場合、再就職までにかかる期間は、どれくらいだと見積もっていますか?  この期間として統計的に最多となっているのは1年以上です(男性の38.5%、女性の52.2%)。1年以上も仕事から離れていて、条件のよい就職先が見つかると思いますか?  現実として、介護離職をしてから運よくあらたな職場を得たとしても、収入は男性で4割減、女性で半減するというデータがあります。

 介護離職をするなら、まず、1年以上収入が途絶え、再就職できたとしても今の半分程度の年収になっても生きていけるだけの貯金が必要です。貯金が足りないまま介護離職をすれば、親が資産家でもない限り、あなたは生活保護を受給することになります。仮に自宅ローンが残っていれば、自宅を手放すことになり、一家離散という可能性も出てくるのです。

■介護は終わりが見えないもの

 介護は、いちどはじまると、いつ終わりになるか予想ができません。目安となるのは、平均寿命から健康寿命(心身健康でいられる年数)を引いた年数です。日本でこれは、10年以上になります。ですから介護生活は、少なくとも10年程度は続くことを想定しておく必要があります。

 しかも、この期間のうちには、親の健康状態は悪化していくことも多いのです。はじめは半身不随などの身体的な問題だったところに、認知症(重度化すると意思の疎通ができなくなる)も重なってきたりします。

 介護離職をして年収が半分になって10年も経つと、介護離職をしなかった場合からは想像もできないほど貧困になります。いつ終わるとも知れない介護に悩まされながら、金銭的にも厳しくなると介護離婚(介護を理由とした離婚)が発生することも多いようです。あなたの親は、自分の愛する子供が、自分の介護のせいで、そうした状態になることを本当に望んでいるでしょうか。

 金銭的に厳しくなると、家賃の負担を下げるために、親と同居しての介護を検討するようになるかもしれません。しかし特に、介護が必要になった親を自宅に迎え入れて同居した場合は、介護離婚のリスクはかなり高くなります。実際に、介護職(介護のプロ)たちは、そうして介護離婚に至ったケースを多数見ています。

 親と同居しての介護の終着駅としては

\験茲離螢坤爐合わずに喧嘩ばかりになる
家事などの生活援助系の介護サービスが使えなくなり負担が増える
F欝錣靴討い襪汎段麺楔醢型優曄璽爐悗瞭所の優先順位が下げられる
そ擦澳靴譴覆ご超で親の心身の状態が悪化する
タ討田舎に帰ると言いはじめても田舎の家はすでにない

 というところです。そうしてギスギスした状態が続くと、義理の両親と同居することになったパートナーは、結婚生活そのものに疑問を持つようになります。パートナーにも両親がいる場合、介護離婚をして、年老いた自分の両親と同居したほうがよいという気持ちにもなるでしょう。

 そうしたリスクを理解した上で、それでも同居する場合は、生活援助系の介護サービスが介護保険では使えなくなること(原則として同居家族がいると使えない)、特別養護老人ホームに入りにくくなること(同居家族がいると優先順位が極端に落ちる)を覚悟した上で、折り合いが悪ければ親が田舎に帰ることもできるというオプションを残しておくことが大事です。

 そもそも同居を決めるのは、まず数カ月一緒に暮らしてみて、同居がどういうものかお互いにその現実を理解してからでも遅くはないでしょう。一番まずいのは、田舎の家を完全に引き払って退路を断ち、その上で「とても一緒に住めない」ということになり、それでも特別養護老人ホームには入れずに、かつ、田舎には実家もすでにないという状況です。

■地元を離れると認知症のリスクが高まる

 さらに、高齢者にとって、住み慣れた環境を離れることは、認知症のリスクを高めてしまうという事実についても理解しておく必要があります。また、田舎にはあった人間関係のネットワークがすべてなくなってしまうことの影響は、本人が想像している以上に大きなものだったりもします。

 ずっと一緒に暮らしていなかった親にとって、実は、子供以上に重要な人間関係が田舎にあったということを、それを失ってから知るのは厳しいものです。介護職(介護のプロ)の多くは「看取り」というタイミング以外で、親と同居するのはかなり難しいという本音を持っていることは、ここで知っておいてもよいでしょう。

 ここまでの話で「うちの親にはそれなりに資産があるから大丈夫」と考える人もいるかもしれません。しかしそれは、本当でしょうか。

 そもそも、介護にかかるお金(介護保険でカバーされない自己負担部分)がいくらくらいになるのか、誰もが不安に思っています。これを実際のデータで見ると、バリアフリー化や介護ベッド、緊急対応の交通費や宿泊費といった初期費用(一時費用/自己負担)としてかかっているのは、平均で80万〜90万円程度でした(この数字はバラツキが大きいため注意も必要です)。また、毎月かかっている費用(自己負担)は、平均で7万〜8万円でした。

■配偶者の介護期間は平均14年

 ここで、世帯主や配偶者に介護が必要になった場合、それが継続する期間の見積もり(想定される介護期間)平均は169.4カ月(14年1カ月)でした。先に10年は想定しておくべきであることを述べましたが、多くの人は、それ以上の期間を想定して準備しているのです。もちろん、実際にこれだけの期間がかかるかどうかは、それぞれに事情が異なるため、なんとも言えないところではあります。ただ、平均的には、それだけの期間の見積もりをしているという点には意味があります。

 毎月の実質的な費用(自己負担)となる平均7万〜8万円が、169.4カ月間かかり続けることを想定する必要があるということです。これは、単純計算で約1186万〜1355万円になります。ここに初期費用が乗ってきますから、1266万〜1445万円を準備(貯金+期待される年金)しておきたいということになります。これは、かなりの大金です。しかもこれは平均であって、運が悪ければもっとかかることも考えておかなくてはなりません。

 さらにこの想定では、介護が必要になる人が1人という計算になっていることにも注意してください。両親同時に介護が必要になるケースも多数あり、その場合は、単純に2倍とはならないものの、2000万円以上の準備が必要になると考えられます。

 しかも、ここまでの話は、あくまでも介護にかかる費用に関することに限定されています。このほかにも家賃や住宅ローン、生活費や各種税金などのためのお金も必要になることを忘れないでください。

 日本の高齢者の貯蓄額は、世帯平均で1268万円です。この数字だけを見ると、意外と貯蓄があるように感じられるかもしれません。しかし現実には、富裕層がこの平均の貯蓄額を押し上げています。実際に、貯蓄額が1000万円以下の世帯は、全体の過半数(57・9%)になっています。

■ここまでの話を総括すると…

/討2000万円を超える預貯金があって年金もしっかりもらえている
⇔梢討同時ではなく、どちらか一方の介護だけが必要

 という条件が成立するときだけ、ギリギリではあるものの、親の介護のために子供がお金を持ち出す必要はない可能性もあります。

 ただ、この2つの条件が当てはまる人は少数のはずで、現実には、親の介護のために子供がお金を持ち出すことになるケースのほうが多くなるでしょう。しかし、自分が介護離職をしており、収入が途絶えていたら、これは不可能なことになります。

 さらに将来、いざ自分や自分の配偶者に介護が必要になった場合のために、自分のための貯蓄もしていかなくてはなりません。親の介護にお金を使いながら、介護離職をして、さらに自分のためにも十分な貯蓄をしていくことが、果たして可能なのでしょうか。
(2月12日 東洋経済オンライン)
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180212-00208298-toyo-soci&p=1


土地家屋調査士 大阪 和田清人