2019年11月

2019年11月28日

山形県下で13,700人分!!

山形県下22市町村で、固定資産税過大請求があったようです。

13,700人分、総額1590万円!!

なんともイヤなのは、'14年には総務省からの注意喚起が回ってたみたい。
その時点でミスは報告されてなかったんだって。

で、今回、県が聞き取り調査をすると、
「総務省の通知が引き継がれていなかった」・・・_| ̄|○

まあまあ、お気持ちはよくわかりますが、何度か申し上げている通り、
固定資産税は賦課課税。市町村が決めてくるんですよ。

通知されてきた税額が正しいかどうかは、
納税者である皆さんが関心を持ってチェックするようにしてくださいね。


【固定資産税過大請求、山形で1万3700人分 誤解釈、22市町村漫然と】

 山形県内の市町村で今年7月以降、長年にわたる固定資産税の課税ミスが相次いで発覚した。毎日新聞の集計では全35市町村のうち22市町村でミスがあり、過大請求は約1万3700人分、総額約1590万円に上る。法令解釈を誤ったまま課税方法が各市町村で引き継がれ、他県のミスを受けて注意喚起がなされた際も対応しなかったことが原因とみられる。【的野暁】

 ミスを公表した22市町村で最も金額が大きかったのは、酒田市の約325万円(2818人分)。11市町村は毎日新聞の取材にミスが「ない」と答え、山形市と戸沢村は「調査中」と回答した。

 発端は7月26日に米沢市がミスを公表したことだ。以来、「自分たちもミスがあるのでは」と各市町村が調査し、ミスが判明した。

 地方税法では、固定資産税の課税対象は課税標準額が30万円以上で、共有名義の土地は30万円未満としている。登記していない共有名義の相続資産は相続人全員の共有資産として課税すべきだが、一連のミスは、相続代表者ら個人の資産と合算して税額を算出し、合算で30万円を超えた分を課税対象としていた。

 米沢市は少なくとも2001年度以降に課税ミスがあるというが、同市を含め、いつからミスが起きていたかは判然としていない。

 同様の課税ミスは他県でもあり、県は総務省が出した注意喚起を14年9月に県内市町村に転送したが、その時点でミスは報告されなかった。今回のミス続出を受けて県が今年9月以降、市町村に聞き取り調査をすると、「総務省の通知が引き継がれていなかった」などの回答があったという。各市町村で誤った課税方法が漫然と引き継がれ、通知があっても確認をしていなかった実態がうかがえる。

 県は10月末、適切な課税事務の方法▽チェックリストの作成▽引き継ぎの対応方法――などを記した「再発防止策」の文書を全市町村に送った。11月には各市町村の担当者を対象にした研修会も始めた。

 調査中とした山形市は10年前からは正しく課税しているといい、疑義があるそれ以前については「納税者に直接確認する作業に時間がかかっている」と説明。全容把握には長期間を要する見通しだ。

◇課税ミスを公表した自治体
 上山市、村山市、天童市、尾花沢市、山辺町、中山町、河北町、西川町、朝日町、大石田町、大蔵村、米沢市、南陽市、高畠町、川西町、白鷹町、飯豊町、鶴岡市、酒田市、三川町、庄内町、遊佐町
◇ミス「なし」と回答した自治体   
 寒河江市、東根市、大江町、新庄市、金山町、最上町、舟形町、真室川町、鮭川村、長井市、小国町
◇「調査中」と回答した自治体    
 山形市、戸沢村
(11月27日 毎日新聞)
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191127-00000014-mai-soci


土地家屋調査士 大阪 和田清人

2019年11月26日

「知っておきたい相続税調査のポイント」

昨日、相続トータルコンサルタント勉強会を開催しました。

テーマは、「知っておきたい相続税調査のポイント」。
講師は、内田誠税理士です。

今回は常連さんが多かったので、内田さんも安心して(?)
普段聞けないディープな世界へいざなってくれました。

昔、このブログでも取り上げたと思いますが、
税務署の内部も完全なタテ割り。(→国税庁の機構

たとえば法人課税部門で採用されると、退職するまで法人課税部門。
資産課税部門で採用されると、退職するまで資産課税部門。

つまり、横の人事交流はないんです。

で、その人数比は、おおよそ、
 個人課税部門:約25%
 法人課税部門:約30%
 資産課税部門:約9%・・・_| ̄|○

資産税は圧倒的に少数派。

これが何を意味するか?
そう、いくら税務署OBといっても、9割は相続税をご存じない。

だから、平成29事務年度の1年間に、近畿2府4県だけでも、
76.9億円/981件(平均783万円)もの還付があったわけです。

そんなレアな存在の内田さんが教える注意点のひとつがタンス預金。

一昔前までは、過去3年分くらいの現金の流れを見られたそうですが、
IT化が進んだ現在では、10年くらい追いかけられるんだとか。

お父さんが10年前に300万円引き出して、結局使わずタンスの奥に入れたまま
亡くなっちゃった場合、「この時の300万円はどこに行ったんですか?」と・・・

だから、通帳は絶対に捨てちゃダメ!
相続人よりも当局の方がよく知ってるってことになっちゃう。

まだまだたくさんありますよ。
お知りになりたい方は、次回1月29日の勉強会にご参加くださいね。(^^;


土地家屋調査士 大阪 和田清人

2019年11月25日

所有者不明土地の固定資産税

所有者不明土地の固定資産税を、その土地の使用者に課税できるように、
税制改正を行う方向だそうです。

ま、確かに大切なことなんでしょうけど、
個人的にはむしろ非課税の方がいいんじゃないかと・・・(^^;

記事には、相変わらず「北海道の面積まで増える」などとありますが、
そういうレトリックが問題の本質を見えなくさせちゃう。

諸説あるんでしょうけど、問題の本質は、
 (理的細分化(分筆)
 権利的細分化(遺産分割)
の2つ。あ、これ受け売りね・・・(^^;

細分化されすぎて、維持管理コストの方が高いから相続登記せずに放置。
→ネズミ算式に増えた関係者のハンコが1つでも欠けると再開発できない。
→先に再開発できた隣町へ人口流出。
→町が衰退。ますます相続しなくなる・・・ という魔のスパイラル。

課税よりも、「利用できる」方策の多様性の方が重要じゃないかと思います。
新制度は地方自治体等が利用する場合のみの優遇。

すでに普及している信託によって、「所有」と「利用」の分離ができますから、
全員のハンコ無しでも事業者が「利用」できるようにして、
リスクを背負う事業者へは税の優遇を与えることはできないんでしょうかねぇ?


【所有者不明土地、使用者から課税可能に 来年の通常国会で法改正へ】

 土地の所有者に課す固定資産税について、所有者が分からない場合でも、その土地で居住や商売をしている「使用者」に課税できるよう、政府・与党が地方税法を改正する方向で検討していることが24日、分かった。高齢化の進行に伴う相続の増加で所有者不明の土地は今後も増えることが予想されており、固定資産税を払わずに土地を使用できるという不公平な現状を放置できなくなった格好だ。

所有者不明の土地の課税をしやすくする

 年末に取りまとめる令和2年度与党税制改正大綱に盛り込んだ上で、来年の通常国会で地方税法の改正を目指す。実際に使用者に課税が行われるのは3年度以降になる見通し。ただ、固定資産税は資産所有者に行政サービスの対価として課税するという原則があるため、使用者に課税する場合は、戸籍などの調査を尽くした上でも所有者が特定できない場合に限定する。

 所有者不明土地は、所有者と連絡がつかない宅地や山林などで、総務省によると、現在登記簿上で所有者が特定できない土地数は全体の約2割に及ぶ。所有者の遺族が相続放棄した際などに生じることが多いが、戦争で所有者がもともと分からないケースや、代表者の氏名や集落名で登記されているものもあるという。

 最近増えているのは、地方の地価低迷や人口流出を背景に、相続しても費用と時間のかかる登記をしないケース。増田寛也元総務相らの有識者研究会は、防止措置を取らないと令和22(2040)年に北海道の面積に匹敵する約720万ヘクタールまで所有者不明土地は増えると推計しており、固定資産税の“取りっぱぐれ”も増加する可能性がある。

 所有者不明土地に使用者が存在するのは、まれに戦後の混乱の中で定住したり、相続放棄したにもかかわらず親族が住み続けたりするケースだという。現行でも災害で所有者が不明の場合は使用者から固定資産税を徴収できる特例があることから、こうした措置を拡大する方向。また、所有者の特定に膨大な時間と手間がかかっていることを踏まえ、遺産相続の際に新たな所有者に届け出を義務化する制度の新設も検討する。
(11月24日 産経新聞)
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191124-00000553-san-bus_all


土地家屋調査士 大阪 和田清人
esouzoku at 09:39|この記事のURLComments(0)空き家 

2019年11月21日

土地家屋調査士の「使命」

一昨日、税理士・司法書士・土地家屋調査士の若手の集まり「三青会」の
合同勉強会に参加しました。

内容のひとつが、6月6日に成立した司法書士法及び土地家屋調査士法の一部改正。

たとえば、土地家屋調査士法では、第1条(目的)が、
この法律は、土地家屋調査士の制度を定め、その業務の適正を図ることにより、不動産の表示に関する登記手続の円滑な実施に資し、もつて不動産に係る国民の権利の明確化に寄与することを目的とする。
だったのが、改正によって、
土地家屋調査士は、不動産の表示に関する登記及び土地の筆界を明らかにする業務の専門家として、不動産に関する権利の明確化に寄与し、もつて国民生活の安定と向上に資することを使命とする。
になったんです。

登記と筆界の専門家として、国民生活の安定と向上が「使命」・・・

ちなみに司法書士は、
「法律事務の専門家として、国民の権利を擁護し、自由かつ公正な社会の形成」
に寄与することが使命とされました。

重っ!と思ってたけど、税理士は違う視点から見てるんです。

税理士法第1条は同じく使命。
税理士は、税務に関する専門家として、独立した公正な立場において、申告納税制度の理念にそつて、納税義務者の信頼にこたえ、租税に関する法令に規定された納税義務の適正な実現を図ることを使命とする。

「独立した公正な立場」とは言え、「納税義務の適切な実施」が使命とされると、
いかにも当局サイドの人間というイメージが拭いきれないとのこと。

曰く、「国民のためと謳える司法書士・土地家屋調査士が羨ましい。」

なるほど。
外部からの視点に気付かされることってありますよね。

今回の改正は、我々に与えてもらったチャンスだと受け止めて、
精進してまいります。


土地家屋調査士 大阪 和田清人

2019年11月19日

土地所有者の「責務」

国交省が、「新たな総合的土地政策」の骨子案を提示しました。

議事録はまだアップされていませんが、
国等による調査への協力を土地所有者の「責務」と位置付けている模様。
地籍調査の円滑化・迅速化が盛り込まれるようです。

成り行きに注目ですね。


【所有者不明土地増加を抑制へ 国への調査協力は「責務」】

 国土交通省は18日、所有者不明土地問題などを受け、「新たな総合的土地政策」の策定に向けた中間取りまとめ(骨子案)を国土審議会土地政策分科会の企画部会に提示した。国による調査への協力を「土地所有者の責務」と位置付けることなどを盛り込む方針で、国交省は年内にも骨子案を取りまとめる。

 人口減少が進むにつれ、地方を中心に所有者の土地の利用や管理をめぐる意識が低下し、所有者不明土地の問題が深刻化している。

 国交省は、円滑な土地取引を推進する一方で、所有者に対し、国や地方公共団体が実施する施策への協力が責務であると明確化する方向で検討を進める。

 骨子案では、国の施策への協力として「地籍調査の円滑化・迅速化」を盛り込み、土地の境界を明確にさせる調査を推進。所有者不明土地ができてしまう事態の抑制を図る。所有者不明土地問題への対応としては、不動産登記情報の最新化や所有者不明の農地や森林対策などを盛り込む方針だ。
(11月18日 産経新聞)
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191118-00000540-san-soci


土地家屋調査士 大阪 和田清人

2019年11月15日

「塗装職人から見た大規模修繕」

昨日、不動産コンサルティング協会の研修会がありました。

テーマは、「塗装職人から見た大規模修繕」。
講師は、株式会社アローペイントの染矢正行さん。
塗装職人の視点から、失敗しない大規模修繕の秘訣をお教えいただきました。

大規模修繕の成功/失敗って何?
・工事後すぐに塗装の不具合が発覚したら失敗?
・後日コスト比較したらぼったくられていた?
・工事中に事故があって、大島てるに載せられちゃった?・・・(^^;

定義が曖昧ですよね。

氏の定義は、「大規模修繕=資本改善」。
投資が活きれば成功。投資が消費になれば失敗。とってもシンプル。

ここで、「修繕」と「リノベーション」を分けて考える必要があります。
修繕は、劣化した建物を新築時の状態に戻す工事。
対するリノベは、新たな付加価値を付ける工事。

年数が経過していなければ、新築状態に戻せばOK。
でも、年数経過すれば、新築に戻すだけでは社会的要求を満たさない。

だから、修繕+リノベのさじ加減が重要になります。

早い段階で大幅なリノベを行うのは無駄。
ところが、どこかで踏み切らないと部屋を選んでもらえない=収益減。

いずれにせよ、一番やってはいけないのが、「仕方なくやる」修繕。
長期計画を立てて、戦略的に修繕とリノベを行っていくことが大切ですね。


土地家屋調査士 大阪 和田清人

2019年11月14日

「シングルマザー向けシェアハウスは母子家庭支援として成功する?」

おっ、「ぐるぐるそだつながや」さんの記事。
一角にあるシングルマザー向けシェアハウスの取材ですね。

改めて記事として読むと、「長屋」というスタイルが、
働く女性の助けになっていることを実感しますね。

敬遠されがちだった「ザ・昭和」の生活スタイル。
令和のいま、その良さが再評価されるのはいいことですね。


【シングルマザー向けシェアハウスは母子家庭支援として成功する? リアルな生活事情も】

住まいの支援策が乏しく、収入の不安定さなどで、家探しに苦労するシングルマザーは少なくない。そんな彼女たちを支える手段として注目されているのがシェアハウスだ。
前回の記事「シェアハウスはシングルマザーの助けになる?母子家庭の厳しい賃貸事情」では、シングルマザーの住まい事情や、母子家庭専用のシェアハウスについて紹介したが、第2弾の今回は、実際にシングルマザー向けのシェアハウスにお邪魔し、入居者や家主、運営会社にインタビュー。多角的な視点から見えてくるシェアハウスの必要性や、長く運営していくためのヒントを探ってみた。

長屋の一角にあるシェアハウス

今回お邪魔したのは、今年7月、大阪府大阪市平野区にできたシングルマザー向けシェアハウス「ideau」。人と人、今まで知らなかった新しい自分が「出で会う場」になればいいと名付けられたシェアハウスは、昭和40年築の10軒の長屋をリノベーションした「ぐるぐるそだつながや」内の一角にある。

このユニークな名前の長屋の道路側には、かつてたこ焼き屋やクリーニング店といった店舗が並び、裏側の住居用の長屋には長年にわたって住民が住んでいた。だが、入居者の高齢化により5年ほど前から全室空き家に……。オーナーの綿谷茂さんは空き家をどうするか悩んでいた。

「町工場、個人商店をはじめ多様な居場所のあったこのエリアが画一的な建売り住宅地へと変貌を遂げていく中で、長屋という特性は変えずに、人と人を繋げるような生かし方もできるのではないかと漠然と思っていました」

綿谷さんは土日を使って区が主催する空き家活用のセミナーなどに参加。そこで出会った設計士や空き家活用の専門家に相談して知恵を借りながら、約2年かけて構想を練った。そうして出来上がっていったのが「ぐるぐる そだつ ながや」だ。長屋を路地でぐるっと囲んだこの空間で、入居者や地元の人々が繋がり、憩える場になればという思いを込めて名付けた。

路地で囲まれた中央には、長屋2軒分をつなげて入居者や近所の人々が集う共用間にした。1階には長屋の趣をそのまま生かしたおしゃれなシェアキッチンをつくり、週末の午前中は綿谷さん夫妻がカフェを開いて、コーヒーやモーニングを提供。このために妻は珈琲の自家焙煎の資格を取得したそうだ。

「カウンター越しに近隣の人と話すと、趣味や得意分野はじめ、意外な一面に巡り合うことができます。『家の冷蔵庫に数千年前の南極の氷が入っていて使い道がない』とか、『バトントワリングの世界大会に出場した』とか(笑)。『だったら、その氷をみんなに見せてくださいよ』とか、『バトンを長屋や近所に住む子どもたちに教えてくださいよ』といった話につながる。途端に親近感も湧いてきます」(綿谷さん)


手前の1階が長屋2軒分をリノベーションしたシェアキッチン。土曜の午後は、志ある料理人が借りて食事を提供し、近所の人が利用。奥は居住用の長屋。

2階は、開放感ある吹抜けの天井で、両側の窓から吹き抜ける風が気持ちいいコミュニティスペース。間仕切りを使えば、寺小屋A 、寺小屋B、畳の図書スペースの3部屋に分かれる。希望者は有料(2階の全スペースを借りると1時間1200円)で借りることができ、すでに子どもの英語教室やヨガ教室、ヒーリングの会などさまざまな教室やイベント、ワークショップが開催され、子どもからお年寄りまで多世代が集う場になっている。1階、2階ともに長屋の入居者はもちろん、周辺住民も利用できて「ぐるぐるそだつながや」を知る機会にもなっている。

長屋にシェアハウスをつくろうと思ったきっかけ

シェアキッチンやコミュニティスペースが長屋の中心となる再生構想は着々と固まっていったが、当初、住居部分は普通の賃貸として貸す予定で、一角をシングルマザー向けのシェアハウスにする予定はなかった。そのきっかけは?

「『ぐるぐるそだつながや』の共用空間をどう生かすか、いろんな人の意見を聞いてみたくなって、Facebookでコミュニティをつくって、一昨年の10月にみんなでディスカッションするイベントを開いたんです。そこに参加してくれたのが、Peace Festaの社長・越野健さんと安田委久美さんでした」(綿谷さん)

越野さんが運営するPeace Festaは、若者向けやLGBT向けなどさまざまなコンセプトを打ち出したシェアハウスを運営している。その事業を一緒に担う安田さん自身も、小学生の娘と暮らすシングルマザーで、同じ境遇の人たちが一緒に暮らせるシェアハウスをつくりたいと物件を探していた。そんなタイミングで出合ったのが、この「ぐるぐるそだつながや」だったというわけだ。

「ここのコンセプトを聞いて、ぴったりな物件だと思ったんです。ぜひシングルマザー向けのシェアハウスをつくりたいということを、オーナーの綿谷さんに説明しました」(安田さん)
 
母子家庭の家探しが大変なことや、長屋という特性が母親の安心感などにつながるといったシェアハウスの存在意義に共感した綿谷さんは、3軒分の長屋をつなぎ、1階に3部屋、2階に2部屋と共用キッチンやベランダを設計士に依頼し、シェアハウス用の間取りにリノベーションすることにした。

そして、Peace FestaがホームページやSNSを使って入居者を募集し、現在4世帯のシングルマザーが入居している。保育園に通う子どもを育てる30代後半の母親が多い。

孤独感がなくなり、リラックスタイムが増えた

実際に住んでみた感想を安田さんは、以前の賃貸住まいより、何よりリラックスする時間が増えたと話す。「シングルマザーだと家では話し相手が子どもばかりになり、例えば、お酒を飲みに行きたいなと思っても夜は外出できません。ママ友同士、ハウス内で一杯のビールを飲みながら子育ての悩みなどを共有できるのは楽しいし、孤独感もない。人がいる安心感からかリラックスしていると思います」

共用キッチンでは、「卵が1個足りないから貸して。今度返すから」といった昭和時代のご近所さんのようなやりとりも。キャベツなど、2人では使い切れない大きさの野菜をみんなで分けることもできる。「ハロウィンパーティーやクリスマス会なども子どもたちが中心になって開いて楽しそうです」(安田さん)

また、仕事で帰りが遅くなったり、用事で外出しなければいけないときも、ほかのお母さんに声をかけて夕ご飯を一緒に食べてもらったりするなど、子どもが一人で過ごす心配もないとか。「私が仕事で不在している際も、他のお母さんがうちの娘と一緒にご飯を食べてくれたりします。娘が好きな映画をそのお母さんに見せたりして、いい話し相手にもなってもらったり。娘は娘なりにコミュニティを広げていて、二人暮らしだったときより私自身も安心して働けるし、人と触れ合える環境があるのはすごくありがたいなと思うんです」

ほかの入居者は、昨年起こった大阪の地震で停電になり、親子2人ですごく不安だったが、SNSではなく、リアルに人と繋がった場所にいるだけでも、精神的な安定につながっていると話していたという。
また、シェアハウスの前にあるカフェやコミュニティスペースという人が集まる場があり、多くの大人の目があることも、防犯対策などにつながっている。「『〇〇ちゃんがまだ帰ってきていないね』と、子どもがほかの子どもを見守るような感じにもなっています」(安田さん)

教育方針の違いはどう歩み寄る?

話を聞いているとメリットばかりだが、価値観が異なる人との共同生活で問題が生まれることはないのだろうか。

「もちろん、お母さんによって教育方針は異なります。家庭や子どもの年齢によって就寝時刻も異なるし、『もう少し夜は静かにしてもらえたら』という話も出ました。そんなときは、『なぜあなたはそう思うのか』『それは絶対にNGなのか』という意見を互いに聞くようにしています。その上で、『そこはもう少し考えを緩めて歩み寄ることはできる?』と確認することも。シングルマザーは、大切な子どもを守るために、自分がしっかりしなきゃと頑張りすぎる傾向があります。そこまで自分にも子どもにも厳しくなる必要はあるのかということを聞いてみたり、自分自身にも問うようにしたりしています。そうして互いの着地点を探っていく。もちろん、自分が間違っていたと思ったら、後から『ごめん、やっぱりこう思う』と伝えるようにもしています。自分の価値観を押し付けるようなことだけはしません」(安田さん)

特にハウスリーダーなどは決めていないが、ここでは、世話焼きの安田さんがそうした日常の問題を解決する役目を担ってそうだ。

シェアハウスを運営し続けるポイント

運営側の視点からは、シングルマザー向けのシェアハウスがうまく長く運営できるポイントをどう考えているのだろう。

「うちのシェアハウスのつくり方は、不動産が運営するシェアハウスとは少し異なり、シェアハウスの入居に興味がある方や、叶えたい夢や目標がある方と、SNSやリアルな場などで意見交換し、コンセプトから共に創っていきます。つまり、入居者が集まってからシェアハウスをつくる形式なので、最初から多くの空室がでるという心配はありません。また、これはシングルマザー向けに限らず、募集時に、『違いは間違いではない。他人の価値観の違いを知られるのは、シェアハウスの醍醐味』だと発信しています。それを受け入れた上で入居してくる人は多いと思います。だからゴミ捨てなどのルールづくりなども入居者に任せています」(越野さん)

とはいえ、教育という自分の価値観は崩したくないという人もいるだろう。越野さんは、今後、シングルマザー向けのシェアハウスをつくる機会があれば、オーガニックで食育を大切にしたいとか、しっかり勉強に集中できる環境が欲しいとか、不登校の子どもが交流できるような場をつくるなど、子育ての価値観が似ているシングルマザーに特化したハウスをつくるのも、一つの手だと話す。
(11月14日 SUUMOジャーナル)
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191114-00010000-suumoj-life&p=1


土地家屋調査士 大阪 和田清人

2019年11月13日

地方分権改革の対応方針案

内閣府が、地方分権改革の対応方針案を公表したようです。
いろいろスゲーことをやってますね。知らなかった・・・

自治体から寄せられた改革提案の90%を実現させるみたい。
例示されているのが、空き家の強制撤去。

空き家特措法によって、いわゆる「危険な空き家」は
自治体が解体できるようになりました。

でも、残置物の取扱いについては指針が曖昧だったんですね。
いやいや、知らないことだらけ・・・

これについては、自治体が廃棄や保管を迅速に判断できるようにするんだって。

除却がよりスムーズに進むようになればいいですね。


【地方分権提案の90%実現 19年、空き家指針見直し代表例】

 地方分権改革を担当する内閣府は12日、2019年の対応方針案を公表した。自治体から寄せられた178件の改革提案のうち、90%に当たる160件を実現するとの内容。代表例として、空き家の強制撤去指針の見直しや、森林所有者特定の円滑化などを挙げた。

 12月に閣議決定する。実現には法改正が必要な提案も含まれており、一括改正する法案を来年の通常国会に提出する。

 危険な空き家を巡っては、自治体による強制撤去が可能になった。しかし国の指針は、内部に残された家財道具の取り扱い方法が曖昧なため、20年度中に改定。自治体が迅速に廃棄や保管を判断できるようにする。
(11月12日 共同通信)
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191112-00000149-kyodonews-soci


土地家屋調査士 大阪 和田清人
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2019年11月07日

「湯灌とは?エンバーミングとは?〜その技術と作法と費用」

昨日、SG阪神いきかた研究会の勉強会を開催しました。

テーマは、「湯灌とは?エンバーミングとは?〜その技術と作法と費用」。
講師は、株式会社CSCサービスの宮城貴臣さんと平山敬子さん。
普段知りえない実務面のことをお聞かせいただきました。

宮城さんは納棺士。映画「おくりびと」のモックンね。
遺体を洗って、死装束に着替えさせて、納棺までを行う人。

ある意味、身内だけの最後のお別れを演出してくれるわけです。
葬儀や告別式には、他人も多く集まってますからねぇ。

「病院で清拭してくれるから要らない。」という方も多いそうですが、
実はかけがえのない時間なんだということを知りました。

平山さんはエンバーマー。
聞きなれない言葉ですが、「遺体衛生保全」を行う人。

起源は、古代エジプトのミイラ作り。つまり遺体の防腐処置。
アメリカの南北戦争の時、戦死者の遺体を故郷へ運ぶために発展したんだとか。

エンバーミングの目的は3つ。
)鰭・・・遺体を長期間保つことができる。
   海外在住の親族が帰国するまで置いておきたいとか、
   東京では火葬の順番が数日後なんてことがあるそうです。

∋Χ・・・肝炎、結核、AIDS等の感染症伝播を予防できる。

修復・・・元気だったころに近い姿でお別れができる。
   闘病でやせた顔をふっくらさせたり、事故の傷を隠してくれたりします。
   これはもう、特殊メイクの領域ですね。

お二人とも、遺体に真摯に向き合うプロ魂を感じました。

葬儀の意義が問われている今日このごろですが、
ちゃんとした方の話を聞けば、また違う考えが見えるかもしれませんよ。


土地家屋調査士 大阪 和田清人

2019年11月05日

こんな「越境」は歓迎だ。

「トランスボーダーファーミング」。
初めて目にする言葉ですね。

地権者の境界を越えた農作業のこと。
北海道鹿追町で、実証実験を行っているんだとか。

同町では農家が毎年5%くらい減っていて、1戸あたりの面積が増加中。
でも、規模拡大と共に収量が落ちてくるという悩ましい現実が。

JAの方曰く、「農業の未来について一般的に言われている予測は甘い」・・・_| ̄|○

で、労働力不足を補うべく、RTK基地局を立ち上げてトラクターの自動操舵に対応。
作業性を高めるために、一部の地区では畑の大区画化を行ったんだって。

いいことづくめのように見えますが、最大のハードルは、
「ハードよりハート」・・・(^^;

他人に任せて収益の分配を受けることは、「農家として切ない」という意見も。
実用化に向けては農家の意識改革が必要とのこと。

これ、たぶん全ての業界に言えることじゃないでしょうか?
過去の成功体験を捨てる勇気を持った人だけが生き残るんでしょうね。


【「トランスボーダーファーミング」は労働力不足の特効薬となるか】

 北海道鹿追町で地権者の境界を越えて農作業をする「トランスボーダーファーミング」が議論されている。同町ではここ20年で農家1戸当たりの農地が倍増し55ヘクタールに達している。今後もこの流れは変わらず、いずれ1戸100ヘクタールの時代が来るかもしれない。境界を越えて耕起や播種、農薬や肥料散布、収穫をするということは、農家としての醍醐味を奪うことになると抵抗を感じる人も多い。JA鹿追町(本所・鹿追町)でトランスボーダーファーミングを実証する今田伸二さんに現状と課題を聞いた。

ICTの良さを最大化するには

――トランスボーダーファーミングの導入の議論はなぜ始まったのでしょうか。

今田 畑作農家は1戸当たり47ヘクタールの農地を持っていて、畑作4品と呼ばれる小麦、豆類、てん菜、バレイショを主に作っています。作業ができるのは夏場だけなので、面積が広いと適期に作業ができないという問題が出てくるんですね。規模拡大と共に収量が落ちてくるとか、畑作4品の中で一番労働力のかからない小麦を多く作るようになって収益が落ちるといった問題がありました。それを補うためにさまざまなことを考えてきました。

 高収益作物としてキャベツを導入し、もともと手作業で収穫していたのを収穫機を開発しました。バレイショについても、性能の良いハーベスターや合理的な栽培体系を作ってきました。しかし、それでも限界を感じるようになっています。労働力不足が足を引っ張っていると言えるでしょう。

 なんとか労働力のかからない技術を考えなければいけない。そこでICT技術に注目しました。2015年にRTK基地局を単協としては初めて立ち上げ、今は町内のトラクター200台ほどが自動操舵に対応しています。

 自動操舵になることで、作業の効率は上がります(筆者注:耕起や薬剤散布の重複が減り、効率的な走行ルートの設定により燃料代の無駄を省ける)。ただ、100メートル走ってすぐ畑の外周に達して旋回しないとならず、ICTの良さというのが使いきれていないと思います。作業性を高めるためには畑を大きくしないといけません。畑の大区画化を一部の地区で行い、畑を区切っている明渠を埋めたり、作業用道路をつぶしたりして、大きいものだと1枚が20ヘクタールという畑ができました。

 ただ、1枚は大きくなったけれども、中に地権者つまり作付け者が何人かいて、大きな機械を入れられず、効率的にならない。「どうしたらいいだろう」と言っていたら、研究機関からトランスボーダーファーミングの話が舞い込んできて、考えてみようじゃないかとなったのがきっかけです。

規模拡大が所得につながると証明したい

――今はどこまで進んでいるのでしょうか。

今田 トランスボーダーファーミングはまだ始まっていません。今は、大きい畑で作業をすると効率がいいということを実証して示している段階です。この秋に1枚15ヘクタールで所有者が1人の畑で、ビートの収穫に大型機械を使ってどのくらいの時間で収穫できるか試します。

 地権者の境を超えて耕作するというのは、まだできません。トランスボーダーファーミングは、農家が生産者ではなく、所有者に近くなります。自分の畑でほかの人が作業をして、収益が分配される。農家は作ることで喜びを感じますよね。それが、大きな機械で作業できる人に任せて、作業料金を払って、収益の分配を受けることになります。「それは農家としては切ない」という意見が強いんです。

 トランスボーダーファーミングによる効率化が所得につながるということを実証しようとしています。大きい畑を作って、今開発している技術のすべてを投入するということです。将来に向けた布石にしたいですね。今やっていることは実証でもあり、啓蒙でもあります。実用化に向けては農家の意識改革が必要で、ハード面よりソフト、しいて言えばハートの問題でしょう。

 作業の面積が大きくなれば、今はスプレイヤー(噴霧機)を使って薬剤をまいているのを、セスナで散布できるようになるかもしれません。何時間もかけてやっていたことが、数分でできるかもしれない。ただ、農家から自分が作った農作物だという誇りを取っ払ってしまうことになりかねません。ですが、現実を見ると、そこにこだわり続けられないと感じます。

ハードとハートの問題

――収益の分配などはICT技術によって可能になっているのでしょうか。圃場の中の収量のばらつきをマップ化するコンバインがありますよね。

今田 技術は未完成です。今ある収量センサーは、ある程度の収量の把握はできますが、収益分配をするとなると、よりシビアなものが必要になります。研究機関と共同で開発しているところです。

 また、収穫機がどこまで能力を上げられるのかも実証しきれていません。機械にはこのくらいの面積が収穫可能というのがありますが、トランスボーダーをやるからには、それを超えて収穫したい。

 農業の未来について一般的に言われている予測は甘いと感じます。町内では農家が毎年5%くらい減っています。20年後には1戸の面積の平均が100ヘクタールを突破する可能性があって、大きい農家は200ヘクタール、300ヘクタールを持っていることになるんです。そうなると、労働力で賄うのが不可能。この先というのは、生易しいことでは済まないと思っています。

 ほかの産地から、耕作放棄地が増えると聞くことがあります。ただ、私たちからすると、耕作しない畑を作るくらいなら、区画を大きくして機械を入れればいいと思うんです。どうしても条件の不利なところもあるでしょうけれど、ある程度は区画を拡大することで、機械を導入して省力化して耕作できるまでにすることは可能ではないでしょうか。

 管内では高収益の作物としてキャベツを作っています。ただ、収穫が手作業だったために120ヘクタールまで拡大した後、15ヘクタールまで面積が落ちました。そこで、収穫機を15年がかりで開発して13年から使い始め、面積はかなり回復しました。機械が導入されると栽培がかなわなかったところででも導入が可能になり、高収益を得て経営が良くなることも考えられます。

 農家の間で土地の交換も進んでいます。離農者の土地を引き受けていくと、農地が飛び飛びになるので、それをまとめるための交換分合ですね。今後も進めていかないといけません。

 ジャガイモは収穫時に収穫機に何人かが乗って機上選別をします。これをなくし、選別を無人化する施設を今年、作りました。AIを使ったジャガイモの選別をします。おそらく世界初でしょう。今は画像を収集していて、今後AIに病気などの不良品を覚え込ませます。

 産地として維持するということを考えて、連想ゲームのようにさまざまなことをやっています。トランスボーダーファーミングはその中の一つのアイテムです。大きい区画で効率的に作業をしたい。その延長上にあると思います。
(11月3日 Wedge)
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20191103-00010001-wedge-soci


土地家屋調査士 大阪 和田清人
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