2017年05月17日

空き家でも欠かせない火災保険

空き家と火災保険に関するコラム。
見落としがちな点ですが、実はとっても怖い話なんですよ。

民法第717条に、「工作物責任」という規定があります。
土地の工作物の設置又は保存に瑕疵があることによって他人に損害を生じたときは、その工作物の占有者は、被害者に対してその損害を賠償する責任を負う。
ただし、占有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしたときは、所有者がその損害を賠償しなければならない。

たとえば、家の瓦が落ちて通行人がけがをした場合、
その責任を負うのは住んでいる人(占有者)。

でも、住んでいる人はちゃんとメンテしてて不可抗力だった場合、
その責任は所有者(例えば大家さんなど)に回ってくるってワケ。

逆に言うと、空き家の場合は、所有者(または相続人)に全ての責任が。
しかも、これ、無過失責任ですから・・・

火災? 倒壊? 怖いですね〜
おまけに、空き家に対する火災保険等は割高。

やっぱり、「とりあえず空き家」は百害あって一利なし。
一刻も早く青写真を描くようにしてくださいね。


【放置すればリスク大 空き家でも欠かせぬ火災保険】

 契約はしたものの、細かな内容はよく知らない――。生命保険や損害保険の契約者の中には、こんな人も少なくないだろう。だが、保険は契約条項ひとつで受けられる補償が大きく変わる上、新たなサービスも続々と登場している。本コラムでは、生命保険と損害保険を交互に取り上げ、保険選びの上で知っておきたい知識を解説する。
◇  ◇  ◇
 親の死亡や施設入居などで空き家になった実家。その管理の手間やコスト負担に頭を悩ます人は少なくない。自分の住まいを既に得ていたり、遠方に住んでいたりする子世代には、まさに重荷だ。処分したくても買い手がないという状況もある。持て余し、結果として放置するケースも耳にする。

 だが、放置された空き家は時間がたつにつれて防災上・防犯上の危険が増す。不審者が入り込み放火するかもしれないし、管理不備で傷んだ家は台風や地震などで被災しやすくもなる。こうしたトラブルが一度発生すれば、建物の取り壊しや残存物の片付けが必要となり、数百万円レベルの費用負担を強いられることもあり得る。

 それだけではない。空き家トラブルで他人を死傷させたり、ものに損害を与えたりして法律上の損害賠償責任を問われる可能性もある。その賠償額は予測もつかない。

 好むと好まざるにかかわらず、空き家を所有する限り管理や費用負担は必須。怠れば、子世代が自らの生活設計を犠牲にせざるを得ない事態も起こるのである。

 空き家がもたらす偶発的なトラブルへの経済的備えとして、火災保険は欠かせない。「住まないから不要」ではなく、「住んでいないから増すリスク」にこそ、十分な対応が必要なのだ。

 実家が空き家になると、親が住んでいた頃にかけていた住宅向け火災保険は継続できず、事務所や店舗向けの事業物件用の火災保険に入り直すことになる。補償内容は、火災をはじめ風・水害やその他偶然の事故について、ほぼ住宅同様にカバーが可能だ。ただし、事業物件扱いとなるため地震保険はかけられない。空き家では地震被害に対する補償手段がないことは知っておきたい。

 加えて、空き家が原因で生じた他人への損害賠償に備えるため、施設賠償責任保険の契約も必要だ。

 補償内容をほぼ同条件とした場合の、使用中の住宅と空き家との年間保険料を比較したのが下の表。賠償責任保険を含めた年間保険料は、空き家の方が約1万2000円高い。住まない家の方が、維持コストは高くなるわけだ。

 国内の空き家総数は現在約820万戸。団塊世代の高齢化に伴い今後さらに増加するとみられており、実家の取り扱いに悩む子世代も一段と増えることだろう。

 住宅の所有には、言うまでもなく相応のコストが必要とされる。住宅の取得理由の多くは「家族のため」。だが、時間の経過に伴い家族の形態は変わっていく。今だけではなく、自らが高齢者になり、そしてこの世からいなくなった時のことも考え、子世代に“負の資産”を残さない住まい方を考えるべき時代が来ている。
(5月17日 NIKKEI STYLE)
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20170517-00000006-nikkeisty-bus_all


土地家屋調査士 大阪 和田清人
esouzoku at 08:17│Comments(0)TrackBack(0)空き家 

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