2017年10月10日

富裕層対策プロジェクトチーム・・・_| ̄|○

相続税の調査に関する、国税OB2人を税理士との対談。

相続税納税者の2割が調査に入られ、
入られた8割が申告漏れ等を指摘されているのはご存じの通り。
平成27事務年度における相続税の調査の状況について

当局にとっての3大キーワードは、
「富裕層」「無申告」「海外資産」。

で、3年ほど前に各国税局が立ち上げたのは、
富裕層対策プロジェクトチーム・・・_| ̄|○

中途半端に隠してもダメだってことね。
しっかりした専門家を付けて、正々堂々と対策を講じてくださいね。


【「税務調査で8割以上がNG」はなぜ?(前編)】

「相続税を納めて一安心」と思っていたら、忘れた頃にやってくるのが税務調査だ。2015年度には1万1935件の調査が行われ、その8割以上が指摘を受けている。贈与税は調査件数こそ少ないものの、指摘を受ける人は実に9割。調査は、何を基準に、誰が受けるのか。回避する方法はあるのか? 国税局で税務調査に携わっていた2人の税理士が真相を語る。(聞き手/税理士 脇田弥輝)

相続直前に多額の預金を
下ろすと調査されやすい

脇田 相続税の申告後、国税局や税務署で収集した資料情報などから申告額が過少だと思われたり、無申告ではないかと想定される案件には、個人宅を訪問して実地調査が行われることがありますね。

松林 国税庁の発表では、2015(平成27)事務年度※ の実地調査件数は1万1935件です(下図)。

武田 相続税については、各国税局単位で税務調査を行います。申告書が提出されたうちの、4件に1件ぐらいは実地調査対象になっています。

脇田 所得税の実地調査と比べ、比率としてはかなり高い印象です。

武田 私は、必ずしも高くないと思います。そこには相続税の特殊性があります。一つ目は、相続税が所得税の補完機能を持つということ。二つ目は、相続税には富の集中の抑制機能があるということ。

脇田 所得税の補完機能について、一般の方にはなじみがありません。武田 例えば、相続が発生する前に所得税の課税漏れなどがあった場合、一生分の課税漏れを相続税で全て精算しましょうという考え方です。それまで所得税の調査を免れたと喜んでいた人に対する「最後の砦」とも言われています。

脇田 富の集中の抑制機能とは、具体的にどういうことですか。

武田 相続人として財産を受け取った人から税を徴収することで、財産保有状況の均衡を図るのです。その大命題を前提に、相続税調査が行われるということを認識しておく必要があります。

脇田 税務調査の対象にされやすいのはどのような人でしょうか。

武田 富裕層が“狙われる人”であることは間違いありません。

松林 3年ほど前から、各国税局で富裕層対策プロジェクトチームを立ち上げて、重点的に富裕層の申告内容とか財産の移動関係などを分析し、そこから所得税や法人税の課税漏れがないかどうか、贈与税はどうかをチェックして、最終的にはそれを相続税の徴収につなげていく取り組みをしています。

武田 “狙われる人”の分かりやすい例は、相続直前に多額の現預金を引き出した人で、結果として引き出した金額を申告に反映していない人です。これがよくある。
 また、課税当局は被相続人についても長年にわたって資料情報を蓄積・分析しています。不動産の所有状況や、年間の所得から想定して正しく相続税の申告に反映されていないケースは実地調査対象になりやすいのです。

相続税・贈与税の税務調査件数と非違件数

富裕層が狙われる海外資産
申告漏れが多い名義預金

脇田 被相続人の保有財産やこれまでの所得と、相続税の申告書の整合性については、全ての案件についてチェックするのですか。

松林 基本的には、実地調査するしないにかかわらずチェックします。ただ、中でも富裕層はそれなりに財産があるわけですから、重点的に調査されやすいわけです。富裕層の案件は概して金額が大きく、資産も金融資産や不動産だけでなく多様化しています。今、課税当局は海外資産にも着目していて、実地調査されやすい対象です。

脇田 登記されている不動産に比べ、金融資産はその実態が見えにくいとも聞きます。

松林 不動産のように、登記されていて誰もがその情報を知ることができる資産は「表現資産」と言います。これに対し、預金、有価証券、投資信託、保険商品など、個人情報にかかわる財産で権限がある人しかその情報を見られない金融資産について、税務署の職員は「不表現資産」と言っています。
 もし財産が土地だけであれば、せいぜい財産評価の相違はあっても、申告漏れは生じにくいものです。しかし、不表現資産は申告漏れや無申告につながる大きな問題が隠れている可能性がありますので、相続税の案件では調査されやすい対象となります。
 課税当局が持っている資料情報の中には家族名義の預金もあり、この「名義預金」が申告漏れの内訳の中で一番多いと想定されます。課税当局では名義預金も、事前に金融機関に照会をかけていますので“狙われやすい”と言えます。

武田 相続税調査の場合、簡単に言えば生まれてから死ぬまで全部の情報が収集されている。そうした中で、想定財産よりも少ない人が調査対象になるわけです。

脇田 15年からは相続税の課税最低限である基礎控除が引き下げられました。これが相続税の実地調査に及ぼす影響はいかがですか。
松林 当然、相続税の課税対象者が一気に増え、無申告の人が増えることも予想されます。それを防ぐため国税庁では、「相続税の申告要否簡易判定シート」をウェブサイトや税務署で配布しており、相続税がかかるかどうかを簡単に判断できるようしています。

武田 「富裕層」「無申告」そして国外財産の申告漏れがターゲットとなる「海外資産」というのが国税にとっての3大キーワードです。

相続税調査の8割で「非違」
「知らなかった」は通らず

脇田 一方で、不足なく適正申告しようと考えている人でも、相続財産を把握し切れていないケースもあります。被相続人と相続人双方が、あらかじめ相続に備えることが重要ではないでしょうか。

松林 相続とは税の問題だけでなく、被相続人と相続人の関係性の問題でもあります。中には、子供が親に相続の話を持ち掛けたら、「お前ら、財産が欲しいのか」と言われたという話も耳にします。しかし、親の生前にしか話し合えないことが多いのも事実です。

脇田 国税庁によると、15(平成27)事務年度は、実地調査件数の8割以上で申告漏れなどの「非違」がありました(前ページの図)。この中にも相続人側が「知らなかった」からこそ、申告漏れとなってしまったケースが少なくないのではありませんか。

松林 1人の人が生まれてから一生をかけてずっと仕事をしたり、生活をしたりしながら財産を貯めてきたわけですよね。その一生分をたかだか亡くなってから申告期限までの10カ月ほどで完全に調べ切れないことは理解できます。
 しかも、名義は違っても、実質的には被相続人に帰属する預金や株式の取り扱いについて、多くの方が理解していません。名義が違えば被相続人の財産ではないと思っている。けれど相続税は実質課税ですから、名義が違っていても実質的に被相続人に帰属する財産は相続税の課税財産になるのです。それで、家族名義の預金の申告漏れが指摘されたりするわけです。

武田 例えば、妻に「へそくり」があったとします。しかし「その資金の出どころはご主人ですよね」となれば、相続財産になるのです。

松林 「非違」というとすごい法律違反のような印象を持つかもしれません。平たく言えば、財産の申告漏れがある、申告した財産に評価の誤りがある、申告すべきだったのに申告していない無申告などが該当します。

武田 架空の債務や意識的な財産の評価圧縮も非違につながります。
松林 「税法を知らなかった」というのも非違に相当します。税法に対する誤解、事実誤認に基づくものは課税を免れる正当な理由には当たりません。
(10/23公開・後編に続く)

■用語解説

海外資産 非課税国の金融機関に金融資産を移転する動きに対し、海外に5000万円以上の資産を保有する人には、確定申告の際に税務署に内訳を報告する「国外財産調書」の提出が、2012年から義務付けられた。

名義預金 子供など家族の名義であっても、実質的なお金の出所は親などで、通帳や印鑑の管理も親がしている預金。
相続税の基礎控除引き下げ 定額控除は5000万円から3000万円に、法定相続人比例控除は「1000万円×法定相続人数」から「600万円×法定相続人数」に変更。

簡易判定シート https://www.nta.go.jp/souzoku-tokushu/souzoku-aramashi.htm 参照

実質課税 財産の名義によらず、その財産の使用、収益、処分を自らの意思で実際に行える人に対して課税すること。
(10月10日 ダイヤモンド・オンライン)


土地家屋調査士 大阪 和田清人
esouzoku at 07:58│Comments(0)相続・相続税 

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