2019年06月05日

新築マンション発売が4割減

4月の首都圏新築マンション発売戸数は、前年比39%減だって。
「衝撃に備えよ!」って感じ?

一方、記事曰く、
「共働き×クルマなし世帯が増えることで、
 都心の利便性のいい物件は下がらない」とも。

むむむ、それって、
裏を返せば・・・

ま、未来のことは誰にもわかりませんが、
くれぐれも安易に決めちゃうことだけは避けましょうね。

どうしても、「今すぐマンション買いたい病」に罹ってしまった方は、
ニュータウンは黄昏れて」を読んで暖かくして寝てください。(^^;


【発売戸数が4割減…首都圏・新築マンションの異変が暗示すること】

 首都圏における新築マンションの販売が減少している。在庫を抱えるデベロッパーも増えており、一部からはマンションバブル崩壊の声も聞こえてくる。だが販売不振でデベロッパーの経営が苦しくなることと、マンション価格が暴落することはまた別の話である。仮に今のマンションバブルが崩壊しても、首都圏のマンション価格はそれほど、下がらないかもしれない。

 不動産経済研究所の調査によると、2019年4月における首都圏(東京、神奈川、埼玉、千葉)の新築マンションの発売戸数は、前年同期比39.3%減の1421戸にとどまった。月間の契約率は64.3%になっており、前月の72.2%に比べて大幅ダウンとなっている。景気がよい時には、発売開始から1カ月で7割以上は販売できることが多いので、市況は悪化しているとみてよいだろう。

 首都圏では実需を超える勢いでマンションが供給されており、マンションバブルとも言われてきた。価格もうなぎのぼりに上昇しており、誰が買うのかという物件を目にすることも多い。東京オリンピックの終了をきっかけにマンションバブルが崩壊するのではないかという報道も増えている。

 2019年に入って、一部のデベロッパーが販売に苦慮し、在庫を抱えているという話をよく耳にするようになった。デベロッパーの経営環境が悪化しているという意味では、確かにマンションバブルは崩壊に近づいているのかもしれない。

 だが、それはあくまでデベロッパーの経営が苦しいという話であって、必ずしもこうした状況がマンション価格の暴落を引き起こすとは限らない(一部の専門家は、デベロッパーの経営問題と不動産価格の話を無意識的に混同するケースがあるので注意が必要だ)。

 すでにマンションを購入した人や、これからマンションの購入を検討している人は、それぞれの立場でマンションバブル論を受け止めていると思うが、筆者は、首都圏に限って言えば、価格の下落はあるにせよ、それほど大きな動きにはならないと見ている。その理由は、今後も根強い実需が続く可能性が高いからである。

意外と多い「実需による購入」

 首都圏における不動産価格の高騰は、投機的な側面と実需的な側面の2つが組み合わされたものである。ここ数年、外国人投資家(主に中国人投資家)を中心に、首都圏の高級物件を買い漁る動きが顕著となっており、これが不動産価格の上昇に弾みを付けたのは事実である。

 外国人投資家が日本の物件に目を付けたのは、アベノミクスによる円安によって外貨ベースの不動産価値が大きく下がったからである。こうした投資家は逃げ足がはやく、価格上昇が鈍化すればすぐに売りに出すので、場合によっては相場を崩すきっかけとなる。

 だが、首都圏のマンション購入はこうした投資家だけに支えられているわけではない。実際に住むための実需として購入する人も多く、今後もその動きが継続する可能性が高い。

 もっとも首都圏のマンション価格は軒並み上昇しており、2010年に4716万円だった新築の平均価格は2018年には5871万円になっている。この金額になると35年ローンを組んだ場合の利子を含む総支払額(固定金利1.69%と仮定)は7700万円を突破し、一般的なサラリーマン層ではとても手が出る水準とはいえなくなってくる。

 では、ここまで価格が高騰しているにもかかわらず、自己居住用にマンションを買う人がいるのはなぜだろうか。それは日本社会の変質と密接に関係している。

 日本は今後、総人口の減少フェーズに入ってくる。今までは、総人口はあまり変わらず、高齢化が進むだけだったがこれからは違う。人口の減少というのは、同じ人口分布のまま人の数だけが減ることを意味していない。

 総人口が減ると、商圏の維持が難しくなる地域が出てくることから、都市部への人口集約が同時に進む。都市部に人が集まりながら、全体の数が減ってくるので、逆に都市部では人口が増える可能性すらある。

共働き×クルマなし世帯の増加がもたらすこと

 人口減少は経済規模の縮小を意味しており、多くの企業が収益の伸び悩みという問題に直面している。困ったことに日本企業の国際競争力は大きく低下しており、労働者の賃金は減る一方だ。かつての日本では専業主婦世帯も多かったが、これはもはや幻想といってよい。日本の全人口に占める就業者の割合は先進国としてはかなりの高水準となっており、日本は老若男女問わず労働しないと生活できない社会となっている。

 さらに言えば、年金財政の悪化から、政府は年金支給開始年齢の引き上げを画策しており、企業に対して70歳までの継続雇用を求めるなど、生涯労働制へのシフトを急ピッチで進めている。

 これからの日本社会においては、夫婦共働きは当然のことであり、しかも定年という概念がなくなり、一生涯労働するのが当たり前になってしまうのだ。多くの人にとって、気が滅入る話かもしれないがそれが現実である。

 そうなのだとすると、これまで一部の人からは無謀だと指摘されてきた長期の住宅ローンについても、検討する人が増えてくることになる。一生涯働くということになると、遠距離では職場の選択に支障が出てくるので、利便性の高い場所が重視される。

 これに加えてシェアリング・エコノミーの進展によってマイカーを放棄する人が増えてくるのも確実である。そうなってくると、必然的に都市部の利便性の高い物件には今後も高いニーズが生じることになる。人によっては、相当な無理を重ねてでも、こうした物件を手に入れようとするだろう。

 このところ都心部のマンションを購入しているのは、いわゆる高額所得者ばかりではない。親が子どもの将来を考え、無理をして多額の頭金を援助し、夫婦共働きでギリギリのローンを組むケースも多いという。こうした実需が続く限り、都市部のマンション価格が暴落する可能性は低い。

デベロッパー経営問題と価格動向は関係する?

 マンションのデベロッパーは、予定戸数を販売できなければ赤字になってしまうので、売れ行きの悪化は業界にとって大問題である。だがひとくちにデベロッパーといっても、その経営体力は千差万別である。大手デベロッパーであれば資金に余裕があるため、仮に売れ残っても、しばらくは在庫として寝かせ、徐々に売り切る戦略に転換するだろう。

 在庫の処分に際しては、多少の値引きが期待できるが、相場全体が崩れることを避けるため、あからさまな値引きはしない可能性が高い。

 一方、経営体力がないデベロッパーの場合、予定戸数を売り切れなければ、最悪の場合、資金ショートで倒産することになるが、すべての物件が一般市場で叩き売られるわけではない。金融危機寸前までいった2003年のような事態ともなれば、投げ売り物件が大量に市場に出回る可能性もあるが、そこまでの状況は今のところ想定しにくい。

 しかも2003年当時においても、投げ売りされたのは、一棟モノの物件や一部の中古物件であり、新築の分譲、あるいは新古物件の価格が総崩れになったわけではない。人口が集約する都市部の物件や駅に近い利便性の高い物件であれば、大きく値崩れする可能性は低いだろう。

 もし都市部のマンション価格がこのまま高い状態で推移するのであれば、賃貸住宅の整備など、従来とは異なる住宅政策が必要となってくるかもしれない。
(6月5日 現代ビジネス)
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190605-00065011-gendaibiz-bus_all&p=1


土地家屋調査士 大阪 和田清人
esouzoku at 20:27│Comments(0)不動産よもやま話 

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