2021年12月29日

「棟下式(むねおろししき)」

「棟下式(むねおろししき)」というのがあるようです。
これは、取り壊さざるを得ない建物に感謝と別れを告げる式典のこと。

棟下式運営委員会が提唱している取組みで、コンセプトは、
お世話になった建物に感謝を伝え、地域の皆さんと一緒に楽しくお別れする。

「地域の皆さんと一緒に」がポイントですね。

解体をポジティブにとらえるきっかけになりますし、
ひいては空き家を放置しない啓発にもなりますね。

地域を巻き込むひとつの方法ですね。


【建物に感謝と別れを伝える式典「棟下式」は令和の新しい伝統行事になるか?】

総務省「平成30年住宅・土地統計調査」によると、日本の空き家は864万戸(空き家率13.6%)、別荘などの「二次的住宅」を除いた空き家数は808万戸、うち「その他の住宅」(物置、長期不在、取り壊し予定の空き家等)は347万戸にのぼるという。

空き家にしたままにする理由は、下のグラフが示すとおり。様々な理由はあるが、町の景観を損なったり、犯罪の温床になりかねなかったりするなど、問題が多いのが実情だ。

空き家にしておく理由

昨今、こうした問題を解消すべく「アキサポ」をはじめした空き家を活用したビジネスがコロナ禍で人気があるものの、現状の空き家がすべて活用されるとは考えにくい。――となると、著しく老朽化した犲茲蟆さざるを得ない状態瓩侶物はできるだけ放置せず、解体して次なる土地の利活用へ回す必要がある。

そんな中、注目されているのが「棟下式(むねおろししき)」だ。建物の造営が成就した際に執り行われる建築儀礼「上棟式」であれば聞き覚えがあるが、棟下式という言葉は知らないという人がほとんどだろう。

棟下式とは、ポラスグループ 中央グリーン開発株式会社と合同会社パッチワークスが立ち上げた棟下式運営委員会が作った言葉で、取り壊さざるを得ない建物に感謝と別れを告げる式典のこと。

この取り組みは、「建物を新しく建てる際は 『上棟式』を行うが、なぜ取り壊すときにはそのような式がないのか」「リノベーションでリユースできる建物は良いが耐震や老朽化で取り壊さざるを得ない建物に、きちんとお別れをする式典があってもよいのでは」――といった想いに応えようと考えたのがきっかけ。

2017年4月、埼玉県越谷市の旧企業研修施設再開発プロジェクトをきっかけにスタートした棟下式は、「お世話になった建物に感謝を伝え、地域の皆さんと一緒に楽しくお別れする」「使えるものはリユースする」、そうした取り組みが評価され、2019年にグッドデザイン賞を受賞。その後、民家や歴史的建造物、都心ビルや大学校舎、消防署など、家族や地域で想い入れのある建物解体に際し棟下式が執り行われ、2021年9月現在、25事例、約3000名の 人が参列しているという。

小さな取り組みが徐々に浸透していく中で、エリアを問わず誰でも気軽に棟下式を開催できる『棟下式セルフ開催キット』が発売された。キットには 「棟下式開催の手引き」や各種ツールのほか、オンラインによる相談サポートも含まれているので、個人でも安心して棟下式ができるという。

実際に行われた棟下式の様子はこらち。
https://www.muneoroshiki.com/movies

棟下式行った施主からは、
●民家・相続事例
「家族が現実を受け止め、気持ちに区切りをつけるよい機会になった」
●都内ビル解体事例
「オーナーも知り得なかったようなたくさんのビルへの思いを知ることができた」
●築100年超の蔵解体事
「皆さんが一つ一つ古材を外に運び出して行く時には、まるでそれぞれを養子に出したような気になりました。ちょっと寂しい気持ちもありますが、行く先が決まって本当に良かったと思いました。本当に本当にありがとうございました」
といった声が寄せられているという。

棟下式運営委員会では、現在、47都道府県の企業・団体等を対象に『棟下式セルフ開催キット販売協力店』募集を開始したという。これを機に、
棟下式が常識になり、空家問題解決の一助になっていきそうだ。
(12月26日 @DIME)


土地家屋調査士 大阪 和田清人
esouzoku at 10:39│Comments(0)空き家 

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