2022年06月01日

「所有者不明土地問題の解消に向けた法改正の概要(共有制度の見直しを中心に)」

一昨日、相続トータルコンサルタント勉強会を開催しました。

テーマは、「所有者不明土地問題の解消に向けた法改正の概要
     (共有制度の見直しを中心に)」。
講師は、梅ヶ枝町法律事務所の神山久仁彦弁護士。

相続登記義務化ばかりがクローズアップされがちですが、
空き家対策には重要であろう民法改正を中心にお話しいただきました。

もう一度おさらいすると、
令和3年に、民法等の一部改正と、相続土地国庫帰属法が成立しました。

その3本柱は、
 ‥亠がされるようにするための不動産登記制度の見直し
 土地を手放すための制度(相続土地国庫帰属法)の創設
 E效詫用に関連する民法のルールの見直し
  ・土地・建物に特化した財産管理制度の創設
  ・共有地の利用の円滑化など共有制度の見直し
  ・遺産分割に関する新たなルールの導入
  ・相隣関係の見直し など

の中で、空き家対策に使えそうな改正点をシェアしますね。

・相続放棄者の管理義務の明確化(民法940条)
 現行:相続放棄をした者全てに対して、相続人に当該財産を引き渡すまでの間、
    管理継続義務を課しています。
 改正:相続放棄をした者のうち、放棄時に「現に占有している者」のみに対して
    財産保存義務を課すことになります。
 保存義務とは、建物を滅失・損傷させないことで、修理までは求められません。
 また、引き渡すべき次順位相続人がいない場合の対応は、まだよくわかりません。

・共有制度の見直し(民法898条ほか)
 改正:相続財産について共有に関する規定を適用するときは、法定相続分、
    代襲相続分、遺言による相続分をもって各相続人の共有持ち分とします。
    特別受益や寄与分は、相続開始の時から10年を経過した後では
    遺産分割に適用されません。
 遺産分割協議がされずに長期間放置されることを防ごうとしているわけですね。

・所在等不明共有者がいる場合の変更・管理の手続(民法新251条ほか)
 現行:共有者の一部が不特定または所在不明である場合、不在者財産管理制度が
    用意されています。しかし、報酬の負担が重かったり、共有者不特定には
    利用できなかったりする問題がありました。
 改正:共有者は、判決を得て、不明共有者以外の共有者全員の同意により、
    共有物に変更を加えることができるようになります。
    また、管理行為は、賛否を明らかにしない共有者を分母から除外した上で、
    残りの共有者の過半数で決することができるようになります。

・所在等不明共有者の持分の取得・譲渡(民法新262条の2、262条の3)
 改正:共有者は、判決を得て、不明共有者の持分を有償で取得できます。
    また、不明共有者の持分を含めた不動産全体を売却することもできます。
 いずれも場合も、不明共有者の持分に応じた金額の供託を命じられます。
 また、共有不動産が相続財産の場合は、相続開始から10年経過が要件です。
 
まだまだ詳細不明な点はありますが、
身動き取れない空き家のいくつかは、これで動くのではないでしょうか。

これらは、来年4月1日からスタートします。
新たな情報が入れば、都度お知らせしますね。


土地家屋調査士 大阪 和田清人
esouzoku at 17:20│Comments(0)相続専門FP 

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