空き家

2025年04月03日

実は、岸和田市が一番ヤバイんじゃない?

昨年9月に発表された、令和5年住宅・土地統計調査の詳細。
別件で空き家の状況を調べたので、皆さんにもシェアしますね。

スクリーンショット 2025-04-03 082227

大阪府下で、居住世帯のない住宅(=空き家)の戸数のワーストは、
 1位:東大阪市 4.5万戸
 2位:豊中市 2.8万戸
 3位:吹田市 2.5万戸
(絶対数が多すぎる大阪市と堺市は除いています)

で、空き家のうち、幅員2m未満+無道路地(=建替えできない)は、
 1位:東大阪市 3650戸 
 2位:八尾市 2810戸
 3位:岸和田市 2690戸

数は東大阪市がダントツなんですが、
実は、岸和田市は、空き家の2割強が建替え不可!

建物を解体してしまうと、土地のまま使うしかないんですよね。

今ある建物が朽ち果てないように力を注ぎつつ、
通路部分を隣地から買い取る動きをするとか、
リノベーション等で建物を再利用する手を打つ必要がありますね。

大阪府不動産コンサルティング協会には、
数多くの事例が蓄積されています。

ビビビッと来た方は、ぜひ一度ご相談くださいね。


土地家屋調査士 大阪 和田清人
esouzoku at 09:28|この記事のURLComments(0)

2025年03月01日

空き家購入者アンケート

イエコン」を運営するクランピーリアルエステートさんが
空き家の購入者に対するアンケートを実施したようです。

空き家を購入しようと思った理由の40%が費用。

他方、購入して悪かったことのランキングは、
 1位:思っていたよりも老朽化・・・33%
 2位:修繕などのランニングコスト・・・21%
 3位:大幅なリフォーム・・・18%

これら全て、物件が古いための不具合ですが、
事前に老朽化をチェックした人の割合はたった28%。

約半数の人が、購入後のリフォームに200万円以上かけているんですよ。

記事の最後で触れられているとおり、
事前にホームインスペクションを行う方がいいでしょうね。


【空き家購入者の3割が感じる『思ったよりボロかった…』購入前に老朽化具合を検査した人は1/4程度】

不動産の情報提供メディア「イエコン」を運営している株式会社クランピーリアルエステート(本社:東京都中央区築地、代表取締役社長:大江 剛 / 寺田 真吾)は、空き家を購入した経験のある全国の男女544人を対象に空き家を購入して苦労したことや良かったことについてのアンケート調査を実施いたしました。調査の結果、9割の人が空き家の購入に満足している一方で、思ったよりも老朽化していたと後悔している人もいるとわかりました。

空き家を購入しようと思った理由1位は「新築よりもお金がかからないと思った」

空き家を購入しようと思った理由は何ですか

空き家を購入しようと思った理由について聞いた質問の結果は、以下のような順位となりました。
1.新築よりもお金がかからないと思ったから
2.理想の立地に空き家があったから
3.新築住宅にこだわりがなかったから
4.分譲で決まった間取りに住むより、好みにリフォームしたかったから
5.なるべく早く引っ越したかったから

新築は高いというイメージを持つ人は多く、4割の人が新築よりも中古住宅の方がお金がかからないと考えています。

・新築は高くて手が出なかったので空き家を購入(40代男性)
・新築は高すぎて、不安定な時代に購入できない(40代男性)

新築にはとても手が出ないと断念する人や、先々のことを考えると新築を購入することはできないと判断した人の意見が多くありました。

・中々空きが出ない場所だったので、建物よりも場所を優先して決めました(40代男性)
・普段よく利用するショッピングモールが近くにある場所で購入したいと思っていたが、新築だと少し距離のある場所の物件が多かったので、状態次第では中古でも構わないと思っていたから。(40代男性)

家を購入する際の条件として、立地が大きな比率を占めている人もいます。家を購入すればよほどのことがない限りは長年その場所に住むことになるため、立地は重要と考える人も多いのではないでしょうか。

・理想的な立地の物件を見つけることができ、庭でガーデニングもできると思い購入を決意しました。新築にはこだわりがなかったので、空き家を選びました。(50代女性)
・お金に余裕があまりなく空き家ならいくらか安く住めて良いと思ったし、別に新築にこだわりがあるわけではないので空き家を選んだ。(20代男性)

また、新築にこだわりがないため、立地や趣味を楽しめるか、金銭的な理由などの条件を満たせば空き家でも良いという人もいました。

購入した空き家を選んだ決め手は「価格(200万〜400万円)」と「立地条件」

購入した空き家に決めた理由は何ですか

実際に購入した空き家を選んだ決め手は、1位が「価格が予算に見合っていた」で2位が「立地条件が理想的だった」、3位が「周辺環境が良かった」です。アンケートによると200〜400万円で空き家を購入したケースが多く、かなり安く購入できた人がいるとわかります。

空き家をいくらで購入しましたか

空き家を購入しようと思った理由と、購入した決め手がほぼ合致しているため、重視していた条件にあった家を購入できた人が多いようです。

実際に選んだ家は「複数の条件を満たす家」

実際に購入した空き家についてのコメントを見ると、複数の条件を満たす家を選んだ人が多くいるとわかりました。

・価格が予算範囲内で、スーパーやコンビニが近くて環境が良かった。(40代男性)
・立地条件と物件価格のバランスが最大の決め手でした。駅から徒歩10分圏内という好立地で、近隣には商業施設も充実しています。建物の基礎部分が良好で、必要最小限のリフォームで住める状態だったことも購入を後押ししました。(30代男性)
・安く買えたことと、南側道路で駅から徒歩9分の物件だったからです。(60代女性)

周辺の店舗や駅からの距離が理想的な上に、価格が予算に見合っていたという意見がありました。他には、老朽化が少なくきれいな状態だったことを決め手に挙げる人もいます。

・空き家と言っても築◯十年という家ではなく、築10年以内だったりする空き家もあったりしたので、自分が選んだ空き家は、特に室内が綺麗な状態でした。予算的にもこちらの望んでいたくらいだったので決め手となりました。(40代男性)
・住みやすい周囲環境があって日当たりも良くて、立地条件が理想的だった。また、築年数が経過していても老朽化が少なく、リフォームも含めた価格も見合っていた。(40代女性)
・街へのアクセスが良い。それでいて少し筋を離れて静かな土地なので過ごしやすいから。新築ではないが十分に綺麗だから(30代男性)

また、それぞれの意見を見ると予算にプラスして、他の条件を満たす家を選んでいる人が多いとわかりました。

購入後リフォームをした人は全体の約7割

購入後リフォームをしたかどうかを聞いた質問では、74%の人が「リフォームをした」と答えました。

購入後リフォームをしましたか

多くの人が空き家を購入後リフォームをしていますが、一方で約26%の人はリフォームせずそのまま住んでいるようです。

水回り及び家全体をリフォームした意見が多数

どこをリフォームしましたか

リフォーム箇所は水回り及び家全体が多いようです。ランキングは以下のようになりました。
1.家全体
2.風呂
3.トイレ
4.キッチン
5.外壁・屋根

水回りは経年劣化も早く、空き家を購入する際にはすでに設備が古くなっている可能性が高い箇所です。また、壊れていたり古すぎて使いにくいなどの欠点があると、日々の生活に支障をきたすこともあるため、水回りを重点的にリフォームする人が多いと考えられます。

一方、寝室や居室はある程度古くても、掃除さえすればとりあえず住むことは可能です。

そのため優先順位が低くなったのではないでしょうか。

リフォームにかかった費用は100〜200万円かかった人が最も多い

リフォームにかかった費用は

各回答に大きな差はありませんが100〜200万円が一番多く、500万円までがボリュームゾーンとなっています。

200万円までなら水回りの交換を1〜2箇所程度できることが多く、お風呂と洗面、トイレの交換やキッチンとトイレの交換などが可能です。設備のグレードによっては、水回りをすべて交換できるかもしれません。

また、500万円あれば水回りに加えて内装や外壁などの表面的なリフォームや、間仕切り壁の撤去などの簡単な間取り変更もできるでしょう。

大掛かりな間取り変更や建物の構造に関わるリフォームは1000万円近くすることがありますが、そこまでお金をかけている人は少ないようです。

9割の人が空き家を購入してよかったと思っている

空き家を購入してよかったと思いますか

「良かった」と「どちらかといえば良かった」を合わせると、9割の人が空き家を購入して良かったと回答しています。空き家購入を後悔している人は少なく、空き家を購入して良かったと思う人が多いとわかりました。

空き家を購入して良かったことは「安さ」

空き家購入に関して良かった点は

空き家購入に関して良かった点を聞いたところ、1番多い回答は「新築と比べて安価で購入できた」となりました。続いて多いのが「自分好みにリフォームできる」、「立地条件が良い」、「すぐに住むことができた」です。

空き家を選ぶ理由や購入した空き家の決め手も「安さ」が1番に挙がっていたことを考えると、やはり空き家の1番の魅力は安価であることがわかります。

・古い空き家だったので、かなり格安で購入できた。もちろん、リフォームが前提になりますが、それでもトータルでは安く済んだから(40代男性)
・土地代だけで、箱代はほとんど無料みたいな感じだったので安く買えました。(30代女性)

良かったと感じている人の意見を見ると、リフォームが前提だがそれでも安かったと喜ぶ人や、建物が古いためほぼ土地代だけで購入できたという人もいます。実際に、物件を200〜400万円程度で購入した人が多く、空き家の価格はかなり安いとわかります。

空き家をいくらで購入しましたか

1000万円以上で購入した人も27%ほどいますが、それ以外の多くがほぼ土地代だけで購入しているようです。

また、理想通りのリフォームができたと喜ぶ声もあります。

・新築物件と比較して価格が3分の1程度で購入できました。また、リフォーム費用を含めても予算内に収まり、自分の理想とする間取りにカスタマイズできました。(30代男性)
・壁紙、照明、水回り等…自分達の手で好きなように出来たので愛着があります。(30代女性)
・もともと自分好みの家にリフォームするために安価な空き家を探していたので、希望通りの物件を購入できて良かった(20代女性)

理想の間取りにカスタマイズできたと喜ぶ声や、内装を自分たちの手でできたので愛着があるという声がありました。

また、自分好みの家にリフォームをするのが前提で安価な空き家を探した人もいます。
先述したように約7割の人が空き家購入後リフォームをしていますが、その内の多くの人がリフォームに満足しているのではないでしょうか。

空き家を購入して悪かったことは「老朽化」

一方、空き家を購入して悪かったことについても質問しました。

空き家を購入して悪かったことは

1位は「思っていたよりも老朽化していた」で2位は「修繕などのランニングコストが嵩む」、3位は「設備が古いため大幅なリフォームが必要」となりました。
上位3つはすべて物件が古いために生じる不具合です。

・室内のリフォーム費用・工事は想定内でしたが、庭や外壁のリフォームは想定外の費用が掛かった(40代男性)

コメントを見てみると、室内だけでなく外壁や庭もリフォームが必要で想定外に費用がかかった人がいました。

・半リフォーム済み物件だったが、思っている以上の手抜き工事で後から自分たちでカーテンレールをつけたりと苦労した。(40代女性)

せっかく半リフォーム済の物件を購入したのに、手抜き工事のため後から追加で手を入れなければならず苦労した人もいます。

・経年劣化が進んでいるので給水管の破損やシロアリの害など生活を始めると至るところで不具合が発生する。(30代女性)

古い建物では、最初は修繕無しで住めてもその後住んでいく中で不具合が発生することもあります。長い目で見るとランニングコストが高くなってしまったという例もあるでしょう。

結局リフォームが高くついたという人は多いですが、中には自治体などの補助金制度を活用した人もいます。

・自治体の空き家リフォーム補助金制度を利用し、50万円の補助を受けることができました。(30代男性)
・空き家バンク活用促進事業補助金を利用し、リフォーム費用の一部を補助していただきました。(50代女性)
・自分好みにリフォームができ、さらに自治体から補助金が出て助かりました。(20代男性)

空き家をリフォームありきで購入する場合は、購入する物件所在地の自治体が補助金制度を設けているか、あらかじめ調べておくと費用を節約できるかも知れません。

購入前に老朽化具合を検査した人は1/4程度しかいない

空き家を購入する前に気をつけたことはありますか

空き家購入の悪かった点について「老朽化」を挙げる人は多くいますが、事前に老朽化具合を検査した人は1/4程度しかいないとわかります。
さらに、コメントには以下のような人が多くいました。

・元々建設関係の仕事をしていたので、内覧の時に細かく見せてもらいました。また空き家になった理由も確認しました。(50代男性)
・老朽化していないか見た。じっくりと見ていないので後から思ったよりも老朽化していることに気付いた。(40代男性)
・内覧時、シロアリ被害が無いか、雨漏り、水回りを注意して見たがとてもキレイだった。(30代女性)
・いわゆる古民家に近い物件なので、物件自体の傾きや床下、屋根裏の状態は確認させてもらいました。(30代女性)

多くの人が自分の目で目視しただけで、プロに検査を依頼した人は意外に少ない印象です。
その結果、後で思った以上の老朽化具合に驚くことになったのかも知れません。

空き家についてチェックしたポイント1位は「室内の汚れ」

空き家についてチェックした箇所を聞いた質問では、以下の結果になりました。

空き家についてチェックしたポイントは

1番多いのは室内の汚れで、次に外壁の劣化をチェックした人が多いようです。

3位の「日当たりや風通し」も住んでいく上で重要ですが、老朽化が激しくなりがちな「水回り」を確認したのはおよそ13%と意外と少ない結果になりました。

室内の汚れはクリーニングや壁紙の張替えなどで済みますが、水回りが劣化しているとリフォーム費用も高額になります。
重要な「水回り」を見逃した結果、リフォームや修繕費が高くついたと後悔している人が多いのではないでしょうか。

リフォームで自分好みの家に住みたい人には空き家は最適

空き家は注文住宅や建売よりも安い上に、リフォームで自分好みの間取りや内装にできるのが魅力です。
ただし、思ったよりも老朽化が進んでいると思わぬ出費に繋がる可能性もあります。

空き家を購入する際には事前にホームインスペクションを実施して老朽化具合を明確にしておく、補助金について調べ、きちんと申請するなどの対策を取ると良いでしょう。

【調査概要】
■調査名:空き家を購入した人向けのアンケート
■調査対象:全国の男女(計544名)
■調査方法:選択式・記述式のWEBアンケート
■有効回答人数:544名(回答率100%)
■調査期間:2024年11月26日〜2024年12月9日
(2月27日 PR TIMES)


土地家屋調査士 大阪 和田清人
esouzoku at 11:55|この記事のURLComments(0)

2024年10月17日

「実家が空き家になったらどうするか」

「イエコン」さんが、「実家が空き家になったらどうするか」
についてのアンケートを実施なさいました。

回答者は、実家が戸建てで将来空き家になる予定、
または空き家を相続しそうな男女1000人。

「実家が空き家になったらどうするか」に対して、
52.9%が「まだ決めていない」と回答。

何をどうしたらいいのかわからないというお声もありますね。

興味深かったのは、
「実家を相続するか」に対して、53.2%が「相続しない」。

相続したくない理由として、
 管理したくない
 固定資産税を払いたくない
 資産的価値が低い
 利用しない
 解体・リフォーム費用がない
・・・などと続きます。

他方で、
「実家をなくすことに抵抗があるか」に対しては、55.2%が「はい」。
生まれ育った思い出や、人が集まる場所を残したいという理由ですね。

ん〜、場所は残したいけど、自分が面倒見るのはイヤってことね・・・(^^;

大阪府不動産コンサルティング協会には、信託を使って初期費用を調達し、
古民家を再生した実績がたくさんありますよ。

「まだ決めていない」52.9%の皆さん、
一度ご相談なさってみてはいかがですか?


【『実家が空き家に…その後どうする?』半数以上が未定!約8割が知らない、空き家放置で”固定資産税6倍”の可能性!】

不動産の情報提供メディア「イエコン」を運営している株式会社クランピーリアルエステート(本社:東京都中央区築地、代表取締役社長:大江 剛 / 寺田 真吾)は、実家が戸建てで将来空き家になる予定、または空き家を相続しそうな男女1000人を対象に「実家が空き家になったらどうするか」についてアンケート調査を実施いたしました。調査の結果、実家が空き家になったらどうするのかをまだ決めていない人が半数以上いることが明らかになりました。

※データを利用される際は、出典元として必ずこちらのURL(https://iekon.jp/column/vacant-house/32683) をご記載いただきますよう、お願いいたします。

実家が空き家になったらどうするか決めていない人が53%!次いで売却する人が16%
実家が空き家になったらどうするのかを聞いたところ、以下のような回答結果となりました。
実家が空き家になったらどうする

1位の「まだ決めていない」は全体の52.9%と、半数以上が実家をどうするか考えていないとわかります。
また、自分や親族が住まず、「空き家」となった実家に対する処分方法を回答した人には、さまざまな意見がありました。

売却して現金化する理由は「管理したくない」から
空家を売却して現金化する理由

売却して現金化する理由として、「管理したくない」からと答える人が多くいました。
・山奥の古い家です。使い道がないんです。(男性)
・かなり古く傷んできているし、私たちはそれぞれ別の場所で暮らしているので。(男性)
・九州在住のため、関東の実家に住むことはないので(女性)
老朽化に伴って管理が大変になることを危惧したり、遠方に住んでいるため管理ができないなどの声がありました。
いくら実家を残したくても管理のために遠方の実家へ年に数回帰省するのは現実的ではありません。
売却を選択したのは、やむを得ないことかもしれません。
また、売却方法については「不動産会社に依頼」する人が多いようです。
・不動産業者に販売委託(男性)
・地元の不動屋さんに買取です。売却益を均等分けです。(男性)
・まだしてないのでわからないが、数社の不動産屋に査定依頼すると思います。(男性)
・兄弟と相談して、不動産買取か仲介で売れるのを待つと思います。(女性)
・まだ売却の時期ではないが、売却時はきちんとした不動産屋に任せると思う。プロに任せたほうが安心。(女性)
不動産会社に買い取りしてもらう、または仲介してもらうなど、何らかの形で不動産会社に依頼をする人がほとんどでした。
また、その際は「複数社に査定依頼をする」と答えた人もいました。

更地にする理由は「売却しやすい」から
空家を更地にする理由

建物を取り壊して更地にする理由としては「売却しやすい」からが1番多く、更地にした後に売却することを視野に入れているとわかります。
建物が古い場合はとくに、購入者が新たに家を建てる際に時間や解体費用がかかることを考えると、中々買い手がつかない可能性があります。更地にすれば購入後すぐに土地を活用できるため、需要が高まり売却もスムーズになる可能性が高いです。
また、その他の意見には以下のようなものがありました。
 ・土地は借地のため更地にして返還する(女性)
 ・家は両親名義だが土地は借地なので、住まなくなれば更地にして返す契約になっているため。(女性)
実家の建っている土地は借地で、上に建っている建物は親名義のケースでは、更地にしてから地主に返還をする契約になっている場合があります。
実家が借地に建っている場合は地主の許可がなければ売却できないため、更地にして地主へ返還する選択を取る人が多いのではないでしょうか。

賃貸にする理由は「家賃収入を得たい」から
空家を賃貸にする理由

賃貸にする理由は圧倒的に「家賃収入を得たい」が多く、賃貸にすると答えた人の6割以上にのぼりました。建物の状態が良く、不便な立地でなければ長期的には売却するよりも利益が得られるかもしれません。
さらに思い出のある実家も残せるため、メリットを感じる人も多いでしょう。

相続しない理由も「管理したくない」から
実家を相続するかどうかに関しては、全体の53.2%が「相続したくない」と答えました。
実家を相続するかどうか

【相続したくない理由】
・相続の手続き、その後の家の管理が面倒だから(男性)
・建物が古いため、改修などにお金がかかりそうだから。(男性)
・離れた場所で生活しているので、管理できない(男性)
・相続税が払えるのか?がまずは問題。規模が違うので。(女性)
・今は少し離れた土地に住んでいるので相続しても扱いにこまってしまう。(女性)
コメントからもわかる通り、管理の面や固定資産税及び相続税などの支払いを危惧し、相続は考えられないという人が多いようです。

実際に、相続したくない理由を聞いた質問では「管理したくない」が1位、「固定資産税を払いたくない」が2位、「資産的価値が低い」が3位となっています。
相続したくない理由

相続した場合の管理については、「相続トラブル」について聞いた質問に以下のようなコメントがありました。
・遠方に住んでいるため、管理が難しいとか、世代間で意見が異なる。(女性)
・今のところトラブルはありません。ただ、相続した場合は補修で費用がそれなりにかかりそうです。(女性)
・誰がお金を払って管理するか。(女性)
・実家というよりも祖父母の家だったが、空き家になってからの維持費と片付けを誰もやらなくてトラブルになった。(女性)
「トラブルはない(なかった)」との回答が多い中、管理を巡ってトラブルになった人や、相続した場合の修繕費が嵩みそうなのを危惧している人がいます。
実家を相続した場合は土地建物が資産になりますが、管理費や固定資産税の支払いなどの出費も発生します。それらを考えた際に、「相続はしない」といった選択をする人も一定数いるようです。

一方で、思い出や愛着が詰まった家という理由や、自身が住むことを考えて、また売却など活用したいなどの理由で相続したいという人がいました。
【相続したい理由】
・自分が育った愛着のある家なので、できることなら相続したい(男性)
・売却や建て替えなどの有効が活用したいから。(男性)
・親がなくなった後、自分が実家に住みたいからです。(女性)

空き家のまま放置する理由は「どうするか決めてない・解体するお金がない」から
空家のまま放置する理由

実家を空き家のまま放置する理由は、「どうするか決めていない」と「解体するお金がない」が同率1位でした。
相続人が複数人いる場合や、実家について連絡を取り合う親族がいる場合は独断で実家の処遇を決めるのは困難です。親族間で意見が食い違ったり、単純に話し合いの場を持っていないなどの理由で、実家が「宙ぶらりん」の状態になっているのかもしれません。
また、解体するお金がないために放置されているケースもあります。
一軒家を解体するには、一般的に100〜300万円程度かかるため解体費用を用立てられない人もいるでしょう。
ただし、空き家のまま放置していても管理費用や固定資産税などさまざまな費用が必要なため、なるべく早期に実家をどうするか決定したいものです。

55.2%が実家を無くすことに抵抗があると回答
実家をなくすことに抵抗がある?

53.2%の人が実家を「相続したくない」と答えつつも、55.2%の人は実家をなくすことに「抵抗がある」と回答しています。
【抵抗がある人の意見】
・子供の頃の両親との思い出があるので、なんとなく寂しいというのが理由です。(男性)
・母方の本家筋にあたるので、なくしてしまうと親戚一同が集まる場所が減るという点が気になっています。(男性)
・何かあったとき、無職になったときに帰る場所がなくなると、怖い。(男性)
・自分が生まれ育った思い出があるということと、建物や庭が古くて歴史があるので、無くしたくないです。(女性)
・祖父が購入した土地を私が処分してしまってよいのか、と考えてしまいます(女性)
・思い出の場所。立地もよいので手放すのはもったいない。(女性)
抵抗がある人の意見には、生まれ育った思い出があるというものが多くありました。
昔から親族が集まる本家だった場合はなくしてしまうと親族一同が集まれない、自分の帰る場所をなくしたくないといった、実家に対して「人が集まる機能」を求める人もいました。
また、古い建物ならではの趣を残したい、立地の良い場所にある家を手放したくないといった意見もあります。

一方で、実家を処分することに抵抗がない理由には、いずれ手放すなら早めに見切りをつけたいといったものがありました。
【抵抗がない人の意見】
・いずれは手放すことになるものなので、早めに見切りをつけた方が良いと思います(男性)
・そのまま残していても、余計な支払わなければいけないお金が発生しそうだから(男性)
・家族仲が良い方ではなかったので思い入れが人より少ないと思います。(男性)
・家そのものが育った家ではなく、独立後に親が購入したため、想い入れが全くないためです。(女性)
・かなり古い家なので、残した方が周囲に迷惑をかけてしまうため。(女性)
・住む予定がないので、有効に利用してほしいから(女性)
誰も住む予定がない場合は、家を所有していても管理費用や税金など余計な費用がかかるばかりでデメリットが大きくなる可能性があります。
それならば処分して、有効に活用してくれる人に託す方がいいのかも知れません。実家が老朽化している場合は、倒壊の危険があるため早めに処分を検討した方がいいでしょう。
また、家そのものに愛着がないケースもあります。
家族仲があまり良くなかった、独立後に親が購入したため実家に住んだことがないなど理由はさまざまですが、愛着が無ければ実家を処分することに抵抗がないのは当然といえるでしょう。

77.3%が空き家を放置すると固定資産税が6倍になる可能性があることを知らなかった
空家を放置すると固定資産税が6倍になる可能性があることを知っていましたか?

2015年に施行された「空家等対策特別措置法」によって、所有している空き家が「特定空き家」に指定されると罰則が設けられることになりました。
「特定空き家」とは、そのまま放置すれば倒壊など保安上危険となる恐れがあったり、著しく衛生上有害となるおそれがあったり、また管理が適切に行われていないことで景観を著しく損なっている状態の空き家のことです。
空き家を放置し、「特定空き家」に認定されてしまうと固定資産税の優遇措置が適用されなくなり、固定資産税額が最大6倍になる可能性があります。
しかし、77.3%の人が空き家を放置すると固定資産税が6倍になる可能性を「知らなかった」と答えています。
人が住まなくなった家は、そのまま放置しておくと老朽化が早まります。
実家が空き家になった時に「特定空き家」に認定されないよう、実家をどうするかは早めに決めておくと安心できるのではないでしょうか。
(10月16日 PR TIMES)


土地家屋調査士 大阪 和田清人
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2024年09月20日

「親の実家の相続」に関するアンケート

相続弁護士相談広場さんが、「親の実家の相続」に関するアンケートを
実施したようです。

対象は、実家が持ち家の30歳〜59歳男女300名。

性別・年代別による傾向は面白いですね。
女性は、実家を更地にして活用する意向がほぼゼロ・・・(^^;

記事によると、実家を相続したいと考える人は、
30代男性が75%、40代男性が54%、50代男性が51%。

で、相続した実家に「自分で住む」人は、
30代男性が38%、40代男性が64%、50代男性が47%。

意外に多い印象ですね。

住む理由は
・現在すでに住んでいる
・実家の環境や立地が良い
・思い入れや歴史がある
・家賃が浮く、家を借りずに住める ・・・などなど

逆に、実家を相続したくない理由は、
・既に持ち家がある
・維持や管理が面倒
・立地や環境が不便 ・・・などが並びます。

ま、ホントに半数の人たちが実家を相続して住むら、
空き家問題なんか発生しないはずなんですけどねぇ。

性別・年代別による傾向を参考にさせていただきながら、
空き家利活用の道を模索していきたいですね。


【実家の相続に関する30〜50代現役世代の意識調査報告<相続弁護士相談広場>】
過半数は親の実家を相続する意向も、自身の居住用にする方は半数程度

株式会社Agoora(本社:東京都杉並区、代表取締役社長:阿部智生)が運営する弁護士相談ポータルサイト「相続弁護士相談広場」( https://agoora.co.jp/souzoku/ )では、自分の親(両親または父母どちらか)が持ち家(一戸建てまたはマンション)に住んでいる現在就業中の30〜59歳男女 300名を対象に「親の実家の相続」に関するアンケートを実施し、設問ごとに集計した結果がまとまりましたので、お知らせします。
詳細URL:https://agoora.co.jp/souzoku/souzoku/parent-house-inheritance.html

■調査概要
目的  :相続弁護士相談広場のサイト利用者に対して、より適切な対応が可能になるよう、将来実家の相続の発生が見込まれる方の意向・取り組みに関する情報源の抽出
実施  :相続弁護士相談広場 編集部
回答方法:Webアンケート調査
調査日時:2024年8月28日〜29日
調査対象:全国の現在就業中の30歳〜59歳男女(両親または父母どちらかが一軒家またはマンションを所有して住んでいる方)
回答者数:300人

■サマリー
親の実家を相続したいと考える現役世代は約半数
調査の結果、親の保有する実家を相続したいと考える人は、30〜50代の現役世代の約半数56.67%。

実家相続への意欲は世代が上がるごとに減少する
実家を相続する意欲は、30代で最も高く、50代で最も低い。男女問わず世代を経るごとに実家相続への意欲は減少。

最も実家の相続に意欲的なのは30代男性
今回の調査対象者のうち、30代男性は実家の相続に対して最も積極的な層で、30代男性の75.86%が「相続したい」と回答。

相続した実家「自分で住む」人は約半数
相続した実家の活用方法を問う質問では、全体の半数近い52.94%が「自分で住む」を選択。

女性の実家相続は居住目的が大半
特に、女性は「自分で住む」を選択した人が30〜50代の全世代で50%を越え、女性が実家を相続する場合、居住目的での相続が大半。

親と実家の相続について話し合い経験がある人は全体の1/3程度
親の住む実家の相続について親と話し合いをしたことがあるか経験の有無を伺ったところ、全体の66%は「ない」と回答。話し合いをしたことがあるのは34%と、約1/3程度。

■親の実家は相続したい?30代〜50代の意識
Q1.将来相続が発生した際、あなたはご実家を相続したいと思いますか?
相続が発生した際、あなたはご実家を相続したいと思いますか?

まずはじめに、親の実家を相続したいと思うか質問したところ「実家を相続したい」と考える人は全体の56.67%。残りの43.33%は「相続するつもりはない」と回答した。

実家を相続したいと考える人が比較的多い一方、相続しない意思を持つ人も4割以上と、相続したい人・相続する意思のない人ほぼ半々程度で拮抗する結果となった。

30代〜50代と世代が上がるごとに実家の相続意向は減少
実家を相続したいと考える人の割合

この質問で「相続したい」と回答した方を世代・男女別で分類したところ、年齢・性別により数値の差がみられた。

30代男性は、75.86%が「相続したい」と回答。今回の調査対象者のうち、この30代男性は実家の相続に対して最も積極的な層だった。

一方で、男女ともに共通して、世代が上がるごとに相続したい人の割合も減少していく傾向が確認された。

特に女性では57.14%と半数を越えた30代から、40代に44.83%、50代で42.11%と顕著に減少する方向に推移。
30代〜50代すべての世代で50%以上が相続したいと答えた男性と比べると女性の実家相続意向は全体に低いこともわかる。

■相続した実家・不動産はどう使う?現役世代のイメージする活用方法
Q2.ご実家を相続した場合、その家および不動産をどう活用しますか?
ご実家を相続した場合、その家および不動産をどう活用しますか?

前の設問で「実家を相続したい」と回答した方に、相続した実家の家および不動産をどう活用するか、現在のイメージを4つの選択肢の中から選択してもらった。

最も多かった回答は「自分で住む」で、全体の52.94%を占めた。
次いで、「売却する」20.59%、「賃貸物件として貸し出す」14.12%、「更地にして土地活用する」11.76%という結果となった。

過半数が相続した実家を自身の居住用として活用する意向を持ち、実家の家と土地を引き継ぐ意思を示した。

相続した実家の活用 性別・年代別による傾向
相続した実家の活用意向

相続した実家の活用意向に関する回答を性別・年代別に見たところ、特に30代の女性は66.67%が「自分で住む」と回答し、男性と比べても高い割合を示した。
女性は30代・40代で60%越え、50代でも50% 半数以上が「自分で住む」を選択しており、女性が実家を相続する場合、大半が自分の居住目的で相続することがわかった。

■相続した実家の活用方法を選んだ理由
前の質問「相続した実家の活用方法」の回答者に対し、なぜその活用方法を選んだか、理由を自由回答形式で質問した。
「自分で住む」「売却する」「賃貸物件として貸し出す」「更地にして土地活用する」それぞれの活用方法で多く集まった理由は以下の通り。

<自分で住む>を選んだ理由
・現在すでに住んでいる
・実家の環境や立地が良い
・思い入れや歴史がある
・家賃が浮く、家を借りずに住める
・家の状態の良さ
・家族のため、将来のため

<売却する>を選んだ理由
・資金化、現金化したい
・活用方法がない
・維持や管理が大変
・土地や家の価値がない
・跡継ぎがいない

<賃貸物件として貸し出す>を選んだ理由
・不動産収入を得たい
・賃貸需要の高い立地にある
・自分の生活には不向き
・手間をかけたくないが活用したい

<更地にして土地活用する>を選んだ理由
・誰も住んでいない、住む予定がない
・具体的な活用プランがある
・無駄にしたくない

■実家を相続したくない理由は?
また、最初の質問「Q1.将来相続が発生した際、あなたはご実家を相続したいと思いますか?」に対して「相続するつもりはない」と回答した方に、なぜ相続するつもりがないか、理由を自由回答形式で質問した。
実家を相続したくない理由として、多く集まった意見は以下の通り。

・既に持ち家がある
・家族、兄弟が相続するから
・維持や管理が面倒
・立地や環境が不便
・古い家だから
・金銭的負担が大きい

■現役世代の実家の相続、親との話し合い状況は?
Q5.実際にご実家の相続、相続した後の家の取り扱いについて、ご両親(あるいはお父様・お母様どちらか)と話し合いをしたことはありますか?
実際にご実家の相続、相続した後の家の取り扱いについて、ご両親と話し合いをしたことがありますか?

最後に、すべての回答者に対し、親の住む実家の相続について親と話し合いをしたことがあるか経験の有無を伺ったところ、全体の66%は「ない」と回答。
30〜50代あたりの世代であっても、3分の2近くの家族は実家の相続に関する具体的な話し合いは行っていないことがわかった。

またこの質問に対して「話し合いを行ったことがある」と回答した方について、世代別・性別でまとめると以下のような結果となった。

実家の相続の話し合い、女性が特に行わない傾向
実家の相続について親との話し合い経験のある人の推移

このグラフの結果からは、世代が進むにつれて親と相続に関する話し合いの割合が全体的に減少する様子が読み取れる。
特に30代男性では比較的高い割合で話し合いが行われ、40代で一時的に話し合いの割合が減少、50代で再び増加する動きを見せた。

一方、女性は全体的に話し合いをした方の割合が低く、特に50代では20%台へと顕著に減少した。

■アンケート結果をふまえた、現役世代の実家相続の捉え方と傾向
ライフステージの変化が実家の相続意向の推移に影響
実家を相続したい意向の世代間での違い・推移には、加齢に伴うライフステージの変化が影響しているものと考えられる。

30代など若い頃は、自分が育った愛着のある場所であること、将来の資産形成につながる可能性があることなどの理由から、実家を継ぐ意欲が高く、相続に積極的である。

一方、実家を離れて年を重ねていくと、親元から独立して家庭や仕事のある暮らしに入る。自分の生活を優先する気持ちが高まり、自ずと実家を相続することのデメリットも目についていく。

年を経るにつれ、実家の相続についてのより現実的な可能性を検討するようになることが、年長世代での相続意向の低下につながっているものと考えられる。

女性より男性の方が経済的活用に高い関心
相続した実家の活用方法として、女性は世代問わず「自分で住む」を選択する人が多かった一方、男性の「自分で住む」を選択する人は、30代の38.64%から40代で64.10%と一度上昇、50代ではふたたび47.62%へと低下と、世代ごとに大きく乱高下した。

こうした動きからは、男性の「自分で住むか」、「経済的な活用を図るか」時期・状況ごとにさまざまな方向性を検討する様子が読み取れる。

相続人が30代のうちの話し合いが有効
相続に関する話し合いは、親の健康状態やライフステージの変化の影響を強く受ける。

まず実家を相続するのか、手放すのか。大枠の方向性を定める上で、男女問わず将来の相続に対して意欲・関心の高い30代のうちから親子で話し合いの機会を持つのはひとつの手である。特に30代男性は、回答者の75%が「相続したい」を選択する、実家相続への意欲の強い積極層である。

相続した実家に住むのか、売却して手放すのか、それとも相続しないのか、最終的にどの方法を選ぶにしても、早めから相続の発生を意識しておくことは将来の相続時に取れる手を増やしておくことにもつながる。
(9月19日 共同通信PRワイヤー)


土地家屋調査士 大阪 和田清人
esouzoku at 09:13|この記事のURLComments(0)

2024年08月30日

「空き家の活用」に関するアンケート

株式会社NEXERと株式会社ニーズ・プラスが、
空き家の活用に関するアンケートを実施したそうです。

「空き家を所有しているもしくは相続予定の家が空き家になりそう」
な全国の男女214サンプル。

これによると、約半数が空き家のまま5年以上放置。

放置の理由は、「忙しかった」「検討中」「相続でもめている」など。

で、空き家を活用する予定があるのは、29.9%。
逆に言うと、7割の方々は予定がない(≒出口が見えない)わけです。

ここが一番の問題なんでしょうね。
建物を使えるうちに、次の人にバトンタッチしやすくする仕組みが必要ですね。


【空き家所有・所有予定者の29.9%が「空き家活用予定アリ」〜空き家の活用に関するアンケート調査】

株式会社NEXERは、株式会社ニーズ・プラスと共同で「空き家の活用」に関するアンケートを実施し、結果をサイト内にて公開した。

■持っている空き家、活用する予定はある?

相続した家が空き家になった場合、管理が難しかったりなかなか売りに出すタイミングがなかったりといった人も少なくないのではないだろうか。

そんな中、空き家を有効活用してみるのもひとつの手かもしれない。

そこで今回は株式会社ニーズ・プラスと共同で、事前調査で「空き家を所有している、もしくは相続予定の家が空き家になりそう」と回答した全国の男女214人を対象に「空き家の活用」についてのアンケートをおこなった。

■「空き家の活用に関するアンケート」調査概要

調査期間:2024年7月26日 〜 8月2日
調査機関:株式会社NEXER(自社調査)
調査対象:事前調査で「空き家を所有しているもしくは相続予定の家が空き家になりそう」と回答した全国の男女
有効回答数:214サンプル
調査方法:インターネット調査

質問内容:
質問1:空き家のままどれくらい放置していましたか?
質問2:空き家を放置している間、空き家に関する苦労はありましたか?
質問3:どのような苦労がありましたか?
質問4:空き家をそのまま放置していた理由を教えてください。
質問5:空き家を活用する予定はありますか?
質問6:空き家をどのように活用する予定かと、活用しようと思う理由を教えてください。
質問7:空き家を活用する際、誰かに相談しましたか?
質問8:誰に相談したかと、その人に相談した理由を教えてください。
※原則として小数点以下第2位を四捨五入し表記しているため、合計が100%にならない場合がある。

■47.7%が「5年以上」空き家のまま放置している

まずは、空き家のままどれくらい放置していたか聞いてみた。

空き家のままどれくらい放置していましたか?

合計で47.7%の人が「5年以上」空き家のまま放置している、と回答している。

「空き家を既に持っている」と回答した人に、空き家を放置している間、空き家に関する苦労はあったか聞いてみた。

空き家を放置している間、空き家に関する苦労はありましたか?

67%の人が「空き家に関する苦労があった」と回答している。

どのような苦労があったのか聞いてみたので、一部を紹介しよう。

●「空き家に関する苦労があった」どのような苦労があった?

・固定資産税などがかかる。(30代・男性)
・雑草が生え放題。(40代・男性)
・近隣からの苦情。(40代・男性)
・費用がかかる。(50代・男性)
・庭の木々が伸びすぎて近隣に迷惑をかけてしまうこと。(50代・男性)
・泥棒が入って外の水道の蛇口などを盗まれた。またゴミなどを捨てられていた。(60代・男性)

固定資産税や管理費などの出費のほか、雑草の処理や周りに住む人からの苦情、さらに犯罪の温床になるなど、頭を悩ませる要因は多岐にわたるようだ。

また「空き家を既に持っている」と回答した人に、空き家をそのまま放置していた理由についても聞いてみた。

●空き家をそのまま放置していた理由は?

・自分が忙しかったため。(30代・男性)
・今どうするか検討中。(40代・男性)
・相続でもめている。(50代・女性)
・特に急いで売却する必要が無かったので。(50代・男性)
・親が施設に入り住む人がいなくなったから。(50代・男性)
・家をつぶすと固定資産税が上がるから。(50代・男性)
・老人ホームに入っている母をたまに連れて帰るため。(60代・男性)
・空き家の使い道がなかったから。(60代・男性)

「忙しかったため」「相続でもめている」「住む人がいなくなったから」「固定資産税が上がるから」などの理由が多く挙がっていた。また、使い道がなくて放置しているという人もいるようだ。

■29.9%が「空き家を活用する予定がある」

続いて、空き家を活用する予定はあるか聞いてみた。

空き家を活用する予定はありますか?

およそ3割の人が「空き家を活用する予定がある」と回答している。

空き家をどのように活用する予定かと、活用しようと思う理由を聞いてみたので一部を紹介しよう。

●「空き家を活用する予定がある」空き家をどのように活用する予定かと、活用しようと思う理由は?

・土地がもったいないので家を建てます。(20代・女性)
・リノベーションして貸し出す。(20代・男性)
・リノベーションして、別荘にする。(30代・女性)
・物置き代わりにしたり駐車場にしようかと思っています。(40代・男性)
・市の方に買いたい人がいたら仲介してもらう申し込みをした。(50代・女性)
・賃貸物件として、貸し出したい。管理することが大変だから。(50代・女性)

「土地を活用して家を建てる」「別荘にする」「物置代わりや駐車場などにする」といった活用方法のほか、賃貸として貸し出すという声も多くあった。

■39.1%が空き家を活用する際「誰かに相談した」

最後に「空き家を活用する予定がある」と回答した人に、空き家を活用する際、誰かに相談したか聞いてみた。

空き家を活用する際、誰かに相談しましたか?

39.1%とおよそ4割近くの人が、空き家を活用する際に「誰かに相談した」と回答している。

誰に相談したかと、その人に相談した理由を聞いてみたので一部を紹介しよう。

●「空き家を活用する際、誰かに相談した」誰に相談したかと、その人に相談した理由は?

・身近にいたため、友人と相談しました。(30代・男性)
・妻。家族に関係あることなので。(40代・男性)
・不動産関連会社で働く友人。プロだから。(50代・女性)
・母親。母親とともに、父の遺産を相続したから。(50代・男性)
・知り合いの金融機関の支店長から紹介された不動産業者に相談した。(60代・男性)

家族や友人のほか、不動産の業者や関連会社の人に相談したという声も多くあった。

■まとめ

今回は「空き家の活用」に関するアンケートを行い、その結果について紹介した。
空き家を所有している、もしくは所有予定者の29.9%が「空き家を活用予定がある」と回答している。
相続した不動産を空き家として放置すると、維持費に苦労したり近隣トラブルに巻き込まれたりするだけでなく、犯罪につながる恐れがある。
空き家を活用したいと考えている人は、信頼できる不動産会社に相談してみてはどうだろうか。
(8月29日 健美家)


土地家屋調査士 大阪 和田清人
esouzoku at 10:23|この記事のURLComments(0)

2024年07月09日

「空き家の印象」に関するアンケート

株式会社NEXERと株式会社ニーズ・プラスが、
空き家の印象に関するアンケートを実施したようです。

全国の男女を対象としたインターネット調査。

目を引いたのは、
52%の方が、「住まいの周辺に空き家がある」と回答。
半数以上の方々がご近所の空き家を認識しているという現実。

で、空き家についての印象が、
「もったいない」が35%。
「危険」が20%。
「何も感じない」16%を挟んで、
「不安」「不潔」「迷惑」・・・と続きます。

全然、前向きになれそうになくて怖い・・・

何度か触れていますが、空き家が与える悪影響の一つが
外部不経済。

地域に、管理不全空き家が1軒あるだけで、
地域全体の相場が下がるってこと。

35%もの人が「もったいない」と感じているんですから、
空き家予備軍とのマッチングを促す仕組みを考えたいですね。


【近所の空き家、印象は?】35.4%が「もったいない」と感じる一方で「危険」の声も

株式会社NEXERは、株式会社ニーズ・プラスと共同で「空き家の印象」に関するアンケートを実施し、結果をサイト内にて公開したので紹介します。

■住まいの周辺に空き家はある?

空き家の存在は、持ち主の親族だけでなく近隣住民にとって無視できない問題です。

「不動産を相続したけれど、誰も住む予定がなくて空き家になってしまっている」というケースも、珍しくないのではないでしょうか。

そこで今回は株式会社ニーズ・プラスと共同で、全国の男女1000人を対象に「空き家の印象」についてのアンケートをおこないました。

「空き家の印象に関するアンケート」調査概要
調査期間:2024年6月20日 〜 6月24日
調査機関:株式会社NEXER(自社調査)
調査対象:全国の男女
有効回答数:1000サンプル
調査方法:インターネット調査

■52.7%が「住まいの周辺に空き家がある」

まずは、住まいの周辺に空き家があるか聞いてみました。

あなたの住まいの周辺に空き家はありますか?

52.7%と半数以上の方が、「住まいの周辺に空き家がある」と回答しています。
その空き家はどんな状況か聞いてみたので、一部を紹介します。

「住まいの周辺に空き家がある」その空き家はどんな状況?
かなり前から存在していて手の施しようがないような状態になっている。(10代・男性)
数年前に引っ越してしまって庭が雑草で覆われている(10代・男性)
木がとても生えて住めない状態(20代・女性)
荒れてる感じ(20代・女性)
草が生えて手入れされていない(20代・男性)
誰も住んでいないのでちょっと不気味な感じ。(20代・女性)
郵便受けに古いチラシなどが詰まっている、蜘蛛の巣が多い(20代・女性)
周りの庭などは草が生え茂り、一部屋根など朽ちてきている。(30代・女性)
家主が居なくなってから内装のリフォームが入っているのに買い手が決まっていないのか1年以上放置されている。(30代・女性)
老朽化が進み、木や雑草が生い茂っているケースが多いようです。

■30%以上の空き家が「10年以上放置されている」

続いて何年くらい空き家のままなのか、分かる範囲で教えてもらいました。

何年くらい空き家のままか、わかる範囲で教えてください。

あわせて30%以上の空き家が「10年以上」放置されているようです。

さらに風での危険度やにおいなど、あなたの住まいの周辺に空き家があることで悪影響はあるか聞いてみました。

あなたの住まいの周辺に空き家があることで悪影響はありますか?

23.7%の方が、住まいの周辺に空き家があることで悪影響が「ある」と回答しています。

どのような悪影響があるのか聞いてみたので、一部を紹介します。

住まいの周辺に空き家があることで悪影響が「ある」どのような悪影響がある?
ごみが散乱する(30代・女性)
虫が湧く(30代・男性)
火事・倒壊(30代・女性)
木が風邪でおれていたり、庭に入ってきたりする。(40代・女性)
周辺が暗い感じがする(40代・男性)
飛散物で迷惑をかける恐れがある(40代・男性)
コウモリや小動物が住み着き、排泄物などのにおいがする。(40代・男性)
不衛生で、野良猫等のすみかになっている(40代・男性)
火事や倒壊、風による飛散物などの悪影響のほか、不衛生で小動物や虫などの住処になっていて悪影響だという声が多くありました。

■35.4%が空き家に対して「もったいない」と感じる

さらに、空き家に対するもっとも大きな印象を聞いてみました。

空き家について、どんな印象がありますか?

35.4%と3割以上の方が「もったいない」と感じているようです。

空き家について、そんな印象がある理由を聞いてみたので一部を紹介します。

「もったいないと感じる」回答理由
お金使って建てたのにもったいないと思ったから(10代・女性)
空き家を効率的に活用することによって更に社会が良くなると思うから。(10代・男性)
活用方法がありそうだから(20代・男性)
住める場所があるのに使っていないのはもったいないから(20代・男性)
家がなくて困っている人もいるのに、だれも住んでいない家があるのはおかしい。(20代・男性)
リノベーションして何かに使うか、撤去して別の施設に活用した方がいいと思う(30代・女性)

「危険だと思う」回答理由
不審な人がいないかという不安もあるが災害の時も含めて壊れないかと言う耐久面での不安が大きいから。(10代・男性)
手入れがされていないので崩壊や不法侵入の危険があると思うから。(20代・女性)
動物のすみかになったり倒壊の危険があるから(30代・女性)
人がいないことでメンテナンスができていないと思われるので。(40代・男性)

「特に何も感じない」回答理由
危険だと思う経験がなかったから(20代・女性)
現時点では特に影響がないから(30代・男性)

「不安」空き家について、そんな印象がある理由は?
誰か住み着きそうだから。(10代・男性)
たまにニュースで溜まった郵便物が捨てられる等、ゴミ捨て場の様に扱われている為。(30代・女性)

また、このまま空き家が増えるとどのような問題が起きると思うか聞いてみました。

このまま空き家が増えると、どのような問題が起きると思う?
土地がもったいないのと治安が悪くなる(10代・女性)
土地の無駄遣いと価値の低下(10代・男性)
管理されないため崩れる可能性が出てくる(20代・男性)
環境悪化、一定の地域における住民の減少、新規居住者が見込めない(20代・女性)
犯罪や治安に関わる問題が増えると思う。(20代・女性)
遺体が放置される等、治安が悪くなりそうなイメージが沸きました。(30代・女性)
地震などの災害が発生した際にがれきが大量に発生する(30代・男性)
雑草が生えすぎてしまったり、誰もいなくてただ建物が立ってるだけだと、老朽化が進んで災害の時とかに危ない。(40代・女性)
「空き家が多い地域の治安悪化」や「自然災害の被害拡大」「遺体の放置」など、さまざまなリスクがあがっていました。

さらに空き家が増える問題に対して、どうすべきだと思うかもあわせて聞いてみたので一部を紹介します。

空き家が増える問題に対して、どうすべきだと思う?
リフォームを行うときに補助金を出すなどの解決策を考えるべきだと思う。(10代・男性)
空き家のままにするのではなくせめて取り壊して更地にしておく(10代・男性)
自治体で買い取ってホームレスの方に住んで貰う(20代・男性)
行政がもう少し徹底した管理をするべきだと思う。(20代・女性)
親族が責任を持って対処する(20代・女性)
地域の行政などが買い取って、格安で賃貸物件にすればいいと思う。(30代・女性)
可能であれば自治体で買い取り、若い子育て世代に安く貸し出す(30代・男性)
国や自治体が危険な空き家を解体できるようにするべき(40代・男性)

国や自治体に対処して欲しいという声が多くあがっていた一方で、親族が責任を持って対処して欲しいという声もありました。

■17.7%が今後する可能性がある相続の対象に、空き家になりそうな不動産が「ある」

今後する可能性がある相続の対象に、空き家になりそうな不動産はあるか聞いてみました。

5あなたが今後する可能性がある相続の対象に、空き家になりそうな不動産はありますか?

17.7%と2割近くの方が、今後する可能性がある相続の対象に、空き家になりそうな不動産が「ある」と回答しています。

それは何年くらい空き家のままなのか、分かる範囲で教えてもらいました。

何年くらい空き家のままか、わかる範囲で教えてください。

あわせて3割近くが「10年以上」空き家のままという結果になりました。
空き家となった経緯を聞いてみたので、一部を紹介します。

今後する可能性がある相続の対象に、空き家になりそうな不動産が「ある」空き家となった経緯は?
新しい家を買ったため、住む人がいなくなった。(20代・女性)
高齢夫婦が、施設等に入って亡くなり、そのまま(30代・女性)
祖母の家だったが祖母が入院してしまい空き家になっている(30代・女性)
祖父宅がなくなってからそのままになっている。(40代・男性)
私が実家を出る→年老いた両親が亡くなる(40代・女性)
新しい家を買ったり、住んでいた人が亡くなったりなどの理由で空き家になりそう・なってしまった不動産が多いようです。

さらに、その空き家をどうする予定なのかも合わせて聞いてみました。

今後する可能性がある相続の対象に、空き家になりそうな不動産が「ある」その空き家をどうする予定?
決めてない。(20代・女性)
売りに出す(30代・女性)
そのまま放置(30代・女性)
家の中を片付けたら取り壊す(30代・女性)
売却を検討したい(30代・男性)
できるなら売却したい。(40代・男性)
定期的に管理をしていく予定(40代・女性)
「そのまま放置する」「片付けが済んだら取り壊すも検討している」などの声があがっている一方で「できれば売却したい」「管理していく予定」といった声もありました。

■まとめ

今回は、空き家の印象や状況に関するアンケートを行い、その結果について紹介しました。

住まいの周辺に空き家がある方の35.4%が「もったいない」と回答している一方で、20.3%の方が「危険」だと感じているようです。

相続した不動産が空き家になってしまう場合、そのまま放置すれば近隣トラブルや犯罪の増加などに繋がる恐れがあります。

空き家の不動産を相続して困っている方は、信頼できる不動産会社に相談してみてはいかがでしょうか。
(7月8日 PR TIMES)


土地家屋調査士 大阪 和田清人
esouzoku at 09:43|この記事のURLComments(0)

2024年07月05日

「空き家所有者の実態と悩みに関する意識調査」

「アキサポ」を運営する株式会社ジェクトワンさんが、
「空き家所有者の実態と悩みに関する意識調査」を行いました。

対象は、空き家を所有している、または相続予定の1040名。

衝撃だったのは、60代以上の実態。
「常用していない空き家を所有している」人が205名、
「相続予定の空き家がある」人が219名!!

親が亡くなるのがこのあたりなんでしょうけど、
60台で空き家を相続しても、どうしようもないですよね。

時間はあるからいろいろ頑張っちゃうけど、
身体が言うこと聞かなくて、挫折・放置。

結果、「常用していない空き家を所有」・・・_| ̄|○

「空き家」を相続するからこうなるんですよね?

大阪府不動産コンサルティング協会では、
パーシャル賃貸」も提案していますよ。

この仕組みがうまく使えると、
「入居者がいる(=管理された)家」を相続し、
「収益を生む不動産」を所有することになります。

頑張りすぎて挫折する前に、ご相談くださいね。


【空き家所有者の実態と悩みに関する意識調査】
日本全国の空き家率は13.8%、空き家数も約900万戸まで増加、空き家プランナーが最新調査をもとに空き家所有者の現状と課題について解説

 不動産の開発事業・リノベーション事業および空き家事業を展開する株式会社ジェクトワン(本社:東京都渋谷区、代表取締役:大河 幹男 以下 ジェクトワン)は、空き家解決サービス「アキサポ」を運営しています。空き家のお悩みに対して「アキサポ」が寄り添い、活用や売却などのさまざまな選択肢の中から最適なプランをご提案、所有者の手間なく、お悩みを解決するサービスです。

 本ニュースレターでは、空き家を現在所有している、あるいは今後、相続予定の方、計1,040名を対象に、2024年2月にジェクトワンが実施した最新調査の結果等をもとに、空き家所有者の現状と空き家の利活用促進に向けた課題について解説いたします。

■日本全国の空き家数は過去最多となる900万戸を超える

総務省が今年4月に発表した「令和5年住宅・土地統計調査 住宅数概数集計(速報集計)結果」※によると、2023年10月1日時点の国内の総住宅数は、6,502万戸と過去最多を記録し、空き家数についても900万戸と過去最多となりました。空き家率は13.8%となり、空き家数は1993年から30年間で約2倍に増加しています。

その要因の一つとして、人口が減少しているにも関わらず、住宅市場が新築中心であり未だに多くの住宅供給が行われていることが考えられます。また、中古住宅は新築住宅よりも市場に出にくいという特徴もあります。空き家が放置されることは、倒壊の恐れや環境の悪化を及ぼす可能性があるため、空き家問題が深刻化する中、国や地方自治体も法や条例の制定等によって、積極的に空き家流通の活発化を目指しています。
※総務省 報道資料(令和6年4月30日)

■2024年ジェクトワン実施 「空き家所有者の実態と悩みに関する意識調査」の主な結果
【1】 空き家所有者の現状について
 空き家を現在所有している、あるいは今後、相続予定の方、計1,040名を対象にジェクトワンが実施した調査では、空き家の現在の所有状況について、「常用していない空き家を所有している」が43.0%、「相続予定の空き家がある」が59.5%となりました(重複回答有)。年代別で見ると、30〜40代では、30代の約8割、40代では3人に2人が「相続予定の空き家がある」と回答し相続予定の方が多い傾向となり、50代〜60代は全体的な母数が増え、それぞれの年代で所有と相続予定における差が小さくなる傾向がみられました。

空き家の所有状況について

年代別の物件の所有状況

 また、空き家の対処について意思決定に関与できるかを尋ねたところ、「関与できる」(「所有権を持っており、意思決定に関与できる」+「所有権を持っていないが、意思決定に関与できる」)は88.5%と、9割近い結果となりました。所有権の有無に関わらず、空き家をどうするか、その対処方法について意思決定に関与できる方が多い一方で、空き家の有効活用に至っていない実態がうかがえます

所有する空き家への意思決定ができるかどうか

【2】 空き家所有者の悩みと活用を検討する際の制約

空き家所有者の悩みと活用を検討する際の制約

空き家に対する一番の悩みを尋ねたところ、「不用品の整理・撤去ができていない」(9.8%)が最も多く、続いて「売却や活用等、何をするのがよいかわからない」(8.4%)、「活用する具体的なアイデアがない」(6.8%)という結果になりました。また、空き家の売却や活用を検討する際に制約となることについては、 「残置物が多くて片づけられない」(13.9%)が最も多く、続いて「何から始めればよいかわからない」(12.6%)、「リフォームや取り壊しの費用を捻出できない」(8.7%)という結果になりました。空き家に対する悩み、そして売却・活用の際の制約については、いずれも不用品の処理の問題や、そもそも何をしたらよいかわからないといった課題を抱える空き家所有者が多いことがわかりました。

【3】 今後、空き家を売買や活用する際に望む条件

空き家を売買や活用する際に望む条件

 所有する、あるいは今後、相続予定の空き家について、1年以内に売却の予定がないと回答した方を対象に、空き家を売却しても良いと思えるための条件を尋ねると、「どんな条件でも1年以内に売却しない」(31.3%)、続いて「解体費や手続き費用などの初期費用がかからない」(24.0%)、「手続きに時間と手間がかからない」(20.5%)という結果になりました。

 また、所有する、あるいは今後、相続予定の空き家について、1年以内に賃貸を利用する予定がないと回答した方を対象に、不動産会社負担でリノベーション工事をしたうえで、賃貸しても良いと思えるための条件を尋ねると、「どんな条件でも1年以内に賃貸はしない」(33.4%)、続いて「確実に賃貸収入を保証してくれる」(25.1%)、「遺品整理や残地物処理などの費用や手間がなくなる」(15.4%)という結果になりました。

 本調査の結果、しばらくの期間は、空き家を売却も活用もせずに、そのままにしておきたいと考えている方が多いことがうかがえます。一方で、売却や賃貸を検討しても良い条件として、空き家の対処にかかる“費用”や“手間”の問題がクリアになるかどうかが、空き家の利活用促進に向けて大きな鍵を握っていることがわかりました。

<調査概要>
調査方法:インターネット調査
調査時期:2024年2月2日〜2月19日
回答者数:1,040名(30〜74歳・男女)
対象者:以下の調査地域にて、空き家(賃貸用、売却用、二次的住宅ではなく、かつ、最寄り駅より徒歩30分圏内)を所有している、あるいは、相続予定の方
調査地域:埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、静岡県、愛知県、福岡県
(7月3日 PR TIMES)


土地家屋調査士 大阪 和田清人
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2023年07月28日

「第3回 空き家所有者に関する全国動向調査」

株式会社カチタスさんが、「空き家所有者に関する全国動向調査」を実施しました。

「空き家管理で最も負担に感じること」の1位は、
空き家に残された荷物の処分だって。

身体・心理・金銭面の3冠王!・・・(^^;

同社に寄せられる空き家売却相談でも、
約6割が荷物を残したままの状態なんだとか。

難しい問題ですね。
ご存命の間に片づけておくなんて、事実上不可能でしょ?

せめて、絶対に渡したいものだけを箱に入れておいて、
「それ以外は全部捨ててくれ」からスタートすべきでしょうね。


【第3回 空き家所有者に関する全国動向調査(2023年)】空き家の相続について、空き家所有者の意識がさらに高まる
―解決の糸口は「家族との対話」と「手離れの良さ」―

中古住宅買取再生事業を展開する株式会社カチタス(代表取締役社長:新井健資、本社:群馬県桐生市)は、深刻化する空き家問題解決に寄与するため、2023年7月に「第3回 空き家所有者に関する全国動向調査(2023年)」を実施しました。

◆はじめに

調査実施の前提として、国土交通省が実施した「令和元年空き家所有者実態調査」と、「弊社へ中古住宅を売却いただいた実態」を比較分析しました。その結果、「空き家の取得方法」について相続・贈与の割合が近しく、「空き家の所在地」のエリア比率も類似していることから、弊社の事業領域と全国の空き家の実態には強い相関があると認識いたしました。加速する日本の空き家問題の解決により一層貢献するために、市場の状況や課題を捉えるべく、一昨年から「空き家所有者に関する全国動向調査」を実施しています。

◆「第三回 空き家所有者に関する全国動向調査」実施の背景・意図

2022年8月に実施した「第二回空き家所有者に関する全国動向調査(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000010.000079457.html)」では、下記の傾向にあることが明らかとなりました。
前回の調査結果サマリー
 空き家所有者の空き家の相続に対する意識が上昇傾向
 空き家の売却先として“手離れの良い売却手段”に注目が集まる
 結果、空き家の売却先に“不動産買取会社”を選ぶ人が増加している

空き家は傷みが早く、相続で受け継がれた後も管理は大変です。空き家は放置された状態が続くと劣化も激しく資産としての価値も低減します。「いつか」ではなく「今」の問題として、空き家の相続について家族と対話し、具体的な空き家の予防策を検討いただくことが重要だと改めて実感しました。

そこで、引き続きこの空き家所有者の動向について定点調査を行うことで、より一層空き家問題解決に貢献すべく2023年7月に「第三回 空き家所有者に関する全国動向調査(2023年)」を実施しました。

◆「第3回 空き家所有者に関する全国動向調査(2023年)」

【調査項目】
1.空き家の建物形態について
2.空き家の所在地について
3.空き家の取得経緯について
4.相続登記義務化法案の認知度と、制度施行時の取るべき対策について
5.空き家の相続について家族や親族との対話の有無について
6.空き家の管理負担について
7.空き家対策特別措置法改正の認知度について
8.空き家対策特別措置法が改正された際の空き家所有者の現時点で考える対策について
9.空き家所有者が売却先へ求めること
10.空き家を売却する際に選択するサービスについて

【調査まとめ】
・空き家の相続について、さらに空き家所有者の意識・関心が高まる。
 空き家の相続について、家族と対話したことが「ある」と答えた人が約6割と過去最高値。
 相続登記義務化を「知っている」と答えた人は、約4割と過去最高値。
 空き家特措法が改正されることを「知っている」と答えた人も約4割弱。
 (point)空き家に関する法律が改正され、話題が増えたことも要因か?

・空き家の管理で最も負担が大きいことは「空き家に残された荷物処分」
 「荷物処分」は3人に1人の割合で、最も負担が大きいと回答。
 (point)両親から空き家を相続した際に、荷物がそのままの状態で残されているケースが多く、その片付け作業が空き家所有者にとって大きな負担となっている。

・空き家特措法改正後「空き家を売却する」検討している人は、4人に1人の割合で存在する。
 売却意向が最も高い年代は60代以上のシニア層。
 一方で20〜30代は「賃貸として貸し出す」ことを検討している人が最多。
 (point)空き家所有者の多くは60代以上のシニア層である。自ら管理して賃貸するより、手離れの良い“空き家の売却”にニーズが集まっている。

・空き家の売却先として、手離れの良い「不動産買取会社」に注目が集まる。
 「不動産買取会社」を選択する人が、2021年より約2倍に増えている。
 不動産買取会社は、「荷物が残っていても売却できる」ことや「売却後のリスクがない」といった手離れの良さが特徴。
 (point)空き家所有者に最も多い60代以上のシニア層に「不動産買取会社」が認知されることで、空き家売却時の身体的負担を軽減する一助となる可能性がある。

【結果サマリー】

・空き家は一戸建てがほとんど(70.2%)で、相続を理由に取得する人が半数以上(57.8%)。
・居住地の県外に空き家を所有する人は、5人に1人の割合(20.1%)。
・「空き家対策特別措置法」を知っている人は40.2%で、法律が改正されることを知っている人は38.4%。
・「空き家対策特別措置法」が改正されたら、空き家をどうするか「まだわからない」という人が最多で(46.6%)、2位は「売却する」(28.4%)。
・「相続登記義務化」を知っている人は44.2%と前回より+13.0ポイント。
・「相続登記義務化」が開始したら、空き家をどうするか「まだわからない」という人が最多で(32.5%)、2位は昨年同様「売却する(24.7%)」で4人に1人の割合。
・「空き家の売却先に求めること」第1位は「信頼・信用できる(53.6%)」。昨対比で最も増加したのは「残置物を処理してくれる(30.4%)」。
・空き家を売るなら「不動産仲介」を選ぶ人が最も多く44.6%、2位は「不動産買取会社」で昨年より+8.5ポイントで40.7%。
・空き家管理で一番大変なことは、「空き家に残された荷物の片付けや処分(39.5%)」。

【調査結果】
・所有している空き家の建物形態
 空き家の建物形態のうち、最も多いのは「一戸建て(70.2%)」で、前回同様最多の割合。
空き家の建物形態

・所有している空き家の所在地
 居住地の県外に空き家を所有する人は、5人に1人の割合。
居住地から空き家までの距離

・空き家の取得経緯
 空き家の取得経緯で最も多いのは「相続」で57.8%、次いで「自ら取得した」が31.0%。
空き家の取得経緯

 年代別に比較すると、相続で取得した人は60代以上がもっとも多く、自ら取得した人は20〜30代が最も多い。
空き家の取得経緯(年代別)

 60代以上の年代は親の他界により相続で空き家を取得する層が若い世代よりも多く、一方で不動産投資を目的に自ら空き家を取得する人が20〜30代を中心に増えていることが、数値にも反映された結果ではないかと推察します。

・「相続登記義務化」の認知度と施行時の取るべき対策
 空き家所有者のうち、相続登記義務化を知っていると答えた人は44.2%。一昨年対比で約2倍に増え認知が広がっている傾向にある。
相続登記義務化を知っていますか?

 制度が施行された際の取るべき対策は「まだわからない(32.5%)」が最多だが、一昨年対比で△12.3ポイント減少し、対策検討が進んでいる様子が伺える。
相続登記義務化が施行される際の対策検討状況

・空き家の相続について家族との対話の有無
 空き家の相続について、家族と対話をしている人は60.8%で、一昨年対比で2倍増加し過去最高値。
空き家の相続について

 前述の通りこの項目に対する結果からも、空き家所有者の空き家の相続に対する意識が高まっていると考えられます。
 さらに、空き家を居住地の県外に所有している人の方が、県内に空き家を所有している人より家族と対話している割合が高い。
空き家の相続について(空き家の所在地別)

 この結果から、遠方の空き家の場合、管理に手間も時間もかかるため、普段から空き家の相続に対し意識を高く生活していることが考えられます。

・「空き家対策特別措置法」が改正されることに対する認知度
 空き家所有者のうち、空き家対策特別措置法を「知っている」人は約4割で、今年改正されることが決まったことを知っていると答えた人も変わらず約4割。
空き家特措法を知っていますか?

空き家特措法が改正されることを知っていますか?

・「空き家対策特別措置法」が改正された場合に、実施を検討している対策
空き家対策特別措置法が改正されたら「まだわからない(46.6%)」が最も多く、検討する対策で最も多いのは「売却(28.4%)」で4人に1人の割合で選択している。
空き家特措法が改正される際に取るべき対策

 年代別比較では、60代以上のシニア層がどの世代より対策検討が最も進んでおらず、未検討層が約半数以上存在していることが明らかとなった。一方、20〜30代は約6割が具体的な検討を進めており、検討している対策も他年代と違い「賃貸として貸し出す(28.4%)」が最も多い。
空き家特措法が改正される際に取るべき対策(年代別)

 空き家所有者の多くは60代以上の中高齢者です。対策が進まない理由として下記のコメントが寄せられています。
 「妻や兄弟と話し合いができていないため」
 「自分は売却したいが、兄弟と意見の相違があり、どうするか決まっていない」
 「賃貸として貸し出したいが修繕費を負担できない」
 「解体したいが解体費を負担できない上、解体したら固定資産税が高くなるから」
 空き家の相続に関わる家族や親族との意見の食い違いや、空き家対策における金銭的負担の問題が多く挙げられて言います。

・空き家管理の負担について
空き家管理で最も負担に感じること1位は「空き家に残された荷物の処分」で、全項目において3人に1人の割合で選ばれている。
空き家の管理で負担が大きい事は何ですか?

「空き家を相続で引き継いだ際に、親の荷物がそのままの状態で残されていて、片づけに困っている」という空き家所有者のお悩みは弊社にも多く寄せられます。実際に約6割の方が荷物を残したままの状態で、弊社に空き家の売却相談をいただいています。

・空き家売却時、売却先に求めること
1位は「信用・信頼できる(53.6%)」、次いで「高く買ってくれる(40.1%)」と一般的な要素が上位2項目を占める。3位の「残置物を処理してくれる(30.4%)」と、4位の「早く買う(22.8%)」という“手離れの良さ”を特徴としてもつ項目が増加傾向にある。
空き家の売却先に求めること

・空き家を売るなら、どこに売却するか?
昨年に続き1位は「不動産仲介会社(44.6%)」。2位の「不動産買取会社(40.7%)」を、空き家の売却先として選択する人が、2年で2.5倍ほど増えている。
空き家の売却先にどこを選びますか?

年代別に比較すると、過去3年間で最も多く増加した「不動産買取会社」は年齢が若くなることに比例して、選択する人も増えている。過去3年間で最も多く減少した選択肢の「特に利用する予定がない」は年代の上昇に比例して選択する割合も増えている。
空き家の売却先にどこを選びますか?(年代別)

前述の通り、空き家管理で最も負担が大きいことは「空き家に残された荷物の処分」です。そして、不動産買取会社は「荷物が残っていても売却できる」ことや「売却後のリスクがない」という手離れの良さが特徴です。前項でも既出の通り、空き家の売却先に「手離れの良さ」を求める層が増加しています。特に空き家所有者は60代のシニア層が多いため、身体的にも心理的にも負担を軽減できる「手離れの良い不動産買取会社」の存在や特徴が、より広く認知されることで、空き家の対策を具体的に検討するきっかけになれば幸いです。

・調査実施概要
調査名  :第3回 空き家所有者に関する全国動向調査(2023年)
調査対象 :日本全国の空き家所有者
調査期間 :2023年7月10日
調査機関 :アイブリッジ株式会社
調査方法 :インターネット調査
有効回答数:1000人
(7月27日 PR TIMES)


土地家屋調査士 大阪 和田清人
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2023年02月15日

「市町村別空き家率および空き家数ランキング」

株式会社ナビットが運営する「空き家なう」が、
市町村別空き家率および空き家数ランキングを発表しました。

これによると、近畿圏での空き家数は、
 4位:東大阪市
 7位:吹田市
 10位:尼崎市
とのこと。

原典である平成30年住宅・土地統計調査 追加集計結果から、
それぞれの接道状況を見ると・・・

     空き家総数 接道2m未満  接道なし
東大阪市 44,390戸  2,830戸(6.4%) 510戸(1.1%)
吹田市  38,710戸  1,340戸(3.5%) 630戸(1.6%)
尼崎市  37,280戸  2,880戸(7.7%) 810戸(2.2%)

健全化のハードルは、尼崎市が最も高そうですね。

再建築不可物件の取り扱いをどうするか、
市の旗振りに期待したいですね。


【市町村別空き家率および空き家数ランキング】

総務省統計局では5年ごとに住宅・土地統計調査を実施していますが、空き家に関する集計も実施しています。
平成30年の住宅・土地統計調査では、空き家率は13.6%と過去最高となり、空き家は856万戸で、平成25年に比較し26万戸増加しています。

1. 市町村別空き家率ランキング

平成30年の住宅・土地統計調査における全国市区町村の空き家”率”ランキングで、北海道夕張市:1位、山口県周防大島町:2位、北海道歌志内市:3位、北海道三笠市:4位、和歌山県串本市:5位、高知県室戸市:6位、高知県土佐清水市:7位、三重県熊野市:8位、岩手県山田町:9位、大分県国東市:10位となり、いわゆる過疎地域が上位となります。
北海道夕張市、歌志内市、三笠市は、かつて、炭坑の街として栄えた自治体です。
石炭産業の衰退で人口が減少し、使われなくなった住居が残っているようで、上位に並んでいます。
また空き家率は1位の夕張市が40%、10位の大分県国東市でも27.5%と全国平均の倍の高い比率になっており、空き家問題の深刻さがうかがわれます。
これら市町村では、空き家件数こそ少ないものの自治体の規模を考えた場合、財政上、非常に厳しいといえるでしょう。

2. 空き家数ランキングでは都会が上位にくる

平成30年の住宅・土地統計調査における全国市区町村の空き家”数”ランキングで、東京都世田谷区:1位、東京都大田区:2位、鹿児島市:3位、東大阪市:4位、宇都宮市:5位、東京都足立区:6位、大阪府吹田市:7位、松山市:8位、岐阜市:9位、兵庫県姉ヶ崎市:10位となり、いわゆる都会といわれる地域が上位に食い込んでいます。
空き家問題は、地方が注目されがちですが、都会でも着実に空き家数が増えているのが実態であり、結局、空き家問題は全国的な問題となりつつあるようです。

東京23区部
世田谷区においては、「東急世田谷線沿線」や「祖師谷地区」など、戸建てや比較的小さい集合住宅が集まる地域で65歳以上の人口の割合が高く、こうした地域に古くからある住宅や空き家が多いようです。
またこれらのエリアでは旧耐震基準の住居も多いため、対策を講じているようです。
世田谷区に関しては、空き家問題に加えて、2022年の生産緑地の指定解除によって住宅用地が一気に出回ることになり、世田谷区の空き家を含めた土地利用計画は、今後、厳しさを増してくると推測されます。
東京都では、大田区、足立区に空き家が集中しています。
これらの地域では路上も狭く、再建築不可の物件も多いようです。

地方の県庁所在地
鹿児島市、宇都宮市、松山市、岐阜市と地方の県庁所在地が軒並みランクインしています。

大阪府
大阪では、東大阪市、尼崎市など町工場などが多く存在していて一昔前に賑わった地域がランクインしている状況です。
吹田市は、70年の万博開催、大阪大学を中心とした学園都市、千里ニュータウンなど大阪経済圏のベットタウンのイメージが強いですが、住民の高齢化が進み空き家数が多い地域としてランクインしています。

3. まとめ

地方の過疎地域は当然として、都心や地方の中核都市においても、地域によっては空き家問題が深刻化しています。
空き家問題を解消するためには、大前提として、人を町に誘致しなければならないのですが、何かしらの経済的インセンティブが必要になります。
固定資産税の減免、家賃補助、仕事のサポートなどに加えて、地方での生活の魅力をPRしていく必要がありそうです。

空き家なうでは今後も空き家に関する情報、体験談をアップしていきます。
どうぞお楽しみに。

☆詳細はコチラ☆
https://akiya-now.com/?p=8230
(2月14日 PR TIMES)


土地家屋調査士 大阪 和田清人
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2023年02月10日

「今後の空き家対策のあり方について」

国交省が、「今後の空き家対策のあり方について」を公表しました。

このベースになった「参考データ集」が、
現実を突きつけてくれます。

・空き家の取得経緯は相続が55%。
・所有者の約3割は遠隔地(車・電車等で1時間超)に居住。
・所有世帯の家計を支える者の約6割超が65歳以上の高齢者。

で、空き家の将来の利用意向は、
 「売却・賃貸」22.6%
 「取り壊す」13.2%
 「空き家にしておく」28.0%・・・_| ̄|○

空き家にしておく理由の1位は、
 「物置として必要」60.3%

ま、これはいいでしょう。
使うんだから。

これに続くのが、
 2位:「解体費用をかけたくない」46.9%
 3位:「更地にしても使い道がない」36.7%

結局、出口が見通せないから、初期投資を躊躇するわけですよね。

同省は、今国会に改正空き家特措法を提出する予定とのこと。
この部分をいかに手当てできるか、注目したいですね。


【国交省、空き家対策の最終とりまとめを公表】

 国土交通省は7日、社会資本整備審議会住宅宅地分科会の「空き家対策小委員会」(委員長:中川雅之日本大学経済学部教授)の最終とりまとめ「今後の空き家対策のあり方について」を公表した。

 同小委員会は2022年10月に発足。4回にわたって空き家の発生抑制や空き家の利活用、適切な管理・除却に向けた取り組みの強化について議論してきた。

 今後の空き家対策を(1)発生抑制、(2)活用促進、(3)適切な管理・除却の促進、(4)NPO等の民間主体やコミュニティの活動促進に分類し、提示した。(2)活用促進では、所有者への働きかけや接道・用途規制の合理化など、一定のエリアでの重点的活用を促進する仕組みの構築を示した。(3)適切な管理・除却の促進においては、固定資産税の住宅用地特例の解除の検討を含む、特定空家となるおそれのある空き家の所有者に適切な管理を促す仕組み、緊急時の代執行など特定空家を対象とした措置をより円滑化する仕組み等の必要性を指摘している。

 同省は、同とりまとめを踏まえて、今国会に改正空き家特措法を提出する予定。
(2月8日 R.E.port)


土地家屋調査士 大阪 和田清人
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