境界

2019年07月29日

新潟県湯沢町と十日町市との境界未定問題

新潟県湯沢町と十日町市との境界について、
調停が不調に終わったようです。

湯沢町は、境界確定訴訟を提訴する方針なんだとか。

未定区間は、高石山と高津倉山を結ぶ約5km。
さらに北側1.5kmの修正も求めるんだって。

調停にどんな人たちが関与したのかわかりませんが、
少なくとも訴訟になれば土地家屋調査士が関与しますよね?

合理性のある線が、早期に引かれればいいですね。


【湯沢町、十日町市を提訴へ
 境界未定問題 県の「調停不適」通知受け】

 新潟県湯沢町は24日、県に調停を申請した十日町市(旧中里村)との境界未定問題で、県から「調停には適さない」との通知を受けたと明らかにした。町議会全員協議会で報告された。通知を受けて町は同市を相手取り、境界画定を求めて新潟地裁に提訴する方針を示した。

 提訴する時期は未定。県などによると、訴訟に持ち込まれるケースは全国でも異例とみられる。

 境界未定区間は、高石山と高津倉山を結ぶ直線距離で約5キロ。さらに湯沢町は北側に引かれている約1・5キロについて「過去の資料に照らすと、既存の境界線は誤っている」として、修正を主張している。

 これまでの両市町の協議では、境界未定区間の線引きについては一致している。十日町市側は、修正を求められた区間は「既に湯沢町などと合意がなされている」とし、議論は平行線をたどっていた。

 湯沢町は5月に調停を申請し、県は現地確認や両市町に対する聞き取りをした。だが「双方の主張が強硬で、調停で妥結する見込みはない。いずれは司法的手段に持ち込まれることが予想される」(県市町村課)とし、湯沢町に5日付で「調停には適さない」と通知した。

 湯沢町は訴訟で、境界未定区間の画定と既存境界線の修正を求める方針。町総務部は「自治体の基礎となる境界が定まっていない点を課題と考えている。画定に向けて残る手段は裁判しかない」と話した。

 十日町市総務課は「これまでと同様に、地形や水系といった条件や、既存の境界線を確認した経過などを裁判で主張する」としている。
(7月25日 新潟日報)


土地家屋調査士 大阪 和田清人
esouzoku at 08:04|この記事のURLComments(0)

2019年03月25日

切りつけ事件の原因は・・・

小田原市での切りつけ事件、原因は・・・
40年前の火災で家を建て直した際の境界トラブル・・・_| ̄|○

話し合いを拒否されたので、刃物を出してしまったという経緯のようです。

注目すべきは、40年間溜まっていたという点。
絶対に風化しないんですよね。

だから、ちゃんとした形で境界確認をやっておくべき。

テレビでは、面白おかしい発言が取り上げられています。
「はみ出た植木を切られたらムカつく。」とか
「はみ出た部分は壊さないと。」など・・・

これでは、越境を認識しているお隣さんはなおさら、
立会いに応じてくれなくなっちゃいますよね。

だから、実務的には、最初に法律上の線である「筆界」を確認します。
その上で、越境物については、現状容認・将来撤去の話し合いをおすすめします。

お互いゴリゴリになることなく、まずは土地家屋調査士にご相談くださいね。


【「1cmでもモメた!」“土地境界線”の法律…塀を越えた枝はダメでも、下から出た根は切れる】

隣人が自分の土地との境界線を越えて家を建てたらどうするか…
3月15日、神奈川県小田原市にある住宅の玄関で、63歳の女性が男に刃物で切りつけられる事件が発生。

 殺人未遂の疑いで逮捕されたのは、以前、女性の自宅の隣に住んでいた保田明夫容疑者(69)です。

 2人の間に、一体何があったのでしょうか…。

近隣住民:
「土地のことでずっとご近所でもめている」
「土地の境界があいまいになっちゃったところから出発しているみたいですけどね」

 近所の人によると、およそ40年前にこの場所で火災があり、今回、被害にあった女性ら周囲の人が家を建て直した際、保田容疑者が「自分の土地が狭くなった」と主張。

 女性との間でトラブルになっていたというのです。

<保田容疑者の供述>
「『話すことはない』と言われ、刃物を見せて脅したら相手が騒いだので、気が動転して切りつけてしまった。殺すつもりはなかった」

 殺人未遂事件にまで発展した土地の“境界線トラブル”に街の人は…?

女性:
「私も経験あるけど、すっごいモメますよ、たった1センチでも。(Q.相手が1センチ出ていたんですか?)私のとこ…(笑)。言い合いになった。『こんなことあらへん!昔からこうや!』とか…。でも刺すのはあかんよ、絶対ね!」

別の女性:
「植木がはみ出てっていうのは言われたことあります。結構出てて、そらまぁ迷惑やろうみたいな。その木は切ったんですけど。(Q.もし勝手に切られたら?)ムカつきますけどね。悪いなと思いながらも」

男性:
「こんなトラブルな、今日や昨日のことやないんや。俺が若い時からこんな事件あるんや。バブルの時代、土地はどんどん値上がって、小さなことでもめるんやで?(Q.数センチで?)おうよ!それがその時の流れや!」

 仮に、隣人が自分の土地との境界線を越えて家を建てたらどうするか…。街の皆さんに伺ってみると…?

女性:
「はみ出た部分はやっぱり取り壊さないといけないんとちゃいます?嫌でしょ?自分の土地やのにね、勝手に建てられたらね」

別の女性:
「え〜難しい!はみ出した分をお支払いするとか…。(Q.取り壊せとまでは言えない?)そこは話し合いですよね。相手の方によるかもしれない」

 たかが、数センチ…されど、大切な土地。

 境界線を巡ってご近所トラブルにならないために知っておきたい法律について、菊地幸夫弁護士が解説します。

菊地弁護士:
「境界線の注意すべき点としては、境には2種類あるということです。まず『筆界』という法務局が管理するもの。こちらは公の公簿に出ている境です。土地は1筆2筆と呼びますので、筆と筆との境で筆界と言います。

 もう一つが、住民同士が合意のもとで決める『所有権界』です。こちらは筆界とは別に、例えば土地が接しているAさんとBさんは『ここまでは私の物でいいでしょ?』とお互いにやって構わないんです。自分の所有物ですから。で、その通りに境界を引き直すかどうかは、また別の問題となります」

Q.例えば、「家をこのように建てたいから、こっちをもらう分そっちを譲るね」というような、当事者同士の話し合いということですか?

菊地弁護士:
「そうです。それを筆界にするには『分筆』という手続きをすればいいということになります。口だけですと、後でモメかねませんね」

Q.隣家の塀が境界の杭を越えて自分の土地につくられていたり、隣の土地に生えている木の枝がこちら側に越境していたりする時はどのようにすればいいのでしょう?

菊地弁護士:
「境界を越えて塀をつくるというのは、お隣の所有物である土地の使用を妨害しているわけですね。所有権というのは強力で、妨害が来た時には排除する力があります。ですから『どけて下さい』と言えるということになります。

『それなら境界を動かしちゃえ』ということをすると、境界損壊罪というものがありまして、懲役5年以下あるいは罰金50万円以下ということになりかねません。

 そして、境界の塀を越えて伸びてきた木の枝は切れません。『切って下さい』とお願いするだけです。勝手に切ってしまうと違法となりますので気を付けて下さい。ただ、塀の下から伸びて出てきた『根っこ』は切っていいです。

 さらにケーススタディとして、隣から伸びてきた枝から落ちたみかんは、勝手にもらってはいけません。というのも、そのみかんは枝からポロっと落ちる時の所有者のものなんです。みかんは枝の一部でしたから、枝の所有者のもの。枝は木の幹にくっついていますから幹の所有者のもの。幹は隣の土地にくっついていますから土地の所有者のものです。こう考えるとみかんは隣家のものと言えます。“落とし物”と同じなんですね」
(関西テレビ3月20日放送『報道ランナー』内「そこが聞きたい!菊地の法律ジャッジより)
(3月24日 関西テレビ)
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190324-00010000-kantele-soci


土地家屋調査士 大阪 和田清人
esouzoku at 07:22|この記事のURLComments(0)

2019年02月15日

樹木希林さんの遺産相続

樹木希林さんの相続に関するコラム。
8つの不動産を運用してきた手腕は、最後まで完璧だったようですね。

記事によると、
・遺言書を残していた
・空き家を放置していなかった
・個人事務所の承継も済んでいた
 (娘さんを代表取締役にし、内田裕也さんは取締役を辞任していた)

やはり、「手を打っておく」ことが重要ですね。
親の最後の務めですね。


【樹木希林さんにみる「賢い相続」 空き家は賃貸に、会社も名義変更】

樹木希林さんの遺産相続

 少なくともマンション3つに戸建てを5つ──昨年9月に亡くなった樹木希林さん(享年75)は、芸能界屈指の“不動産女王”でもあった。2004年に乳がんが発覚してから身の回りの整理を始めたが、趣味の不動産は増え続けた。そんな彼女が最後にこだわった「遺産相続」の中身は、思わず「さすが!」と感心させられるものだった。

 樹木さんが亡くなる前に所有していた8つの不動産の土地、建物を合算すると、総額は優に10億円を超えると予想される。このほかにも年に2〜3本の映画やドラマ、CMなどの出演料もあった。がんの治療代がかかったとはいえ、決して贅沢はせず質素な生活を送っていたことから、預金も相当な額があったと考えられる。ところが、これだけ巨額の遺産がありながら、樹木さん亡き後、遺族の相続はもめることなく驚くほどすんなり決まったという。

 樹木さんは亡くなる半年ほど前に余命宣告を受けてから、お葬式の準備と並行して、遺産相続の準備も進めていたという。早いうちに遺産相続を終わらせ、生前に相続先を指定する遺言書を書いていたとみられる。

 樹木さんの死後、都内にある3つの戸建ては相続により名義が樹木さんから娘の也哉子(42才)に変更された。樹木さんが2分の1、也哉子の夫である本木雅弘(53才)が2分の1を所有していた戸建ての土地も、樹木さんから也哉子に名義変更されている。マンションも、本木や孫の伽羅(19才)の所有となり、夫・内田裕也(79才)名義のものは、1つもない(図参照)。

 このことから、樹木さんの意志を尊重して、内田が不動産の相続を放棄したのではないかとみられる。そこには、家族全体の負担を少なくするなどの配慮もあったようだ。相続コーディネーターの曽根恵子さんが語る。

「将来、也哉子さん一家が2次相続で多額の税で苦しむことがないように、内田さんを含めてご家族で話し合い、マンションに住み続けられるようにして、内田さんが樹木さんの遺言書の内容を受け入れられるようにしたのではないでしょうか」

 ほかにも、樹木さんには「賢い相続」が数多くみられるという。

「上手なのは、空き家のいくつかを賃貸にしていることです。法律で、賃貸業をしていると200平米までは土地の評価が50%減額になるので相続税の節税になります。また、相続した賃貸契約はそのまま引き継がれます。現在、飲食店に貸し出している戸建てAの家賃収入は、也哉子さんのものになる。また、空き家のまま老朽化したり、無駄に固定資産税や管理費だけがかかるのも防げるので、賢い不動産の活用の仕方だといえますね」(前出・曽根さん)

 さらに、樹木さんは個人事務所の「希林館」も将来を見越した名義変更を行っていた。登記を見ると、2003年に也哉子に代表取締役を任せ、昨年2月に内田が取締役を辞任し、代わりに也哉子の長男・UTA(21才)を取締役にしている。この個人事務所の名義で所有する不動産もあり、今後は也哉子が、社長として運営していく。

「お孫さんが取締役に入ったのは、也哉子さんの業務をサポートするためと思われます。また、20年後、30年後の会社の行く末を見据えて、早めに仕事を任せておこうという思いもあったのではないでしょうか」(前出・曽根さん)

◆芸能界でも相続トラブルは多い

 年々、「争族」と呼ばれる親族間の相続トラブルは増加。司法統計によると、家庭裁判所で受理した「遺産分割に関する処理」の件数は1万4662件(2016年)で、25年前の約1.5倍となっている。

 芸能界でも相続トラブルは多い。2014年に逝去した宇津井健さん(享年82)は、臨終の5時間前に高級クラブの女性と婚姻届を出したが、その後、2億円豪邸をめぐって女性と宇津井さんの長男が骨肉の争いを演じた。

 2017年に逝去した作曲家の平尾昌晃さん(享年79)は3人目の妻と2人目の妻の子供が60億円といわれる遺産をめぐって対立し、争いは法廷に持ち込まれた。巨額の遺産が生じる芸能界で、樹木さんも醜い遺産争いを何度も見聞きしていたはずだ。だからこそ、家族を幸せにする相続を考えたのだろう。

 樹木さんのように「相続術」を成功させるために最低限必要なのは、あらかじめ遺言書を作成して「死ぬ前の手続き」を終わらせておくことだ。

「遺言書がないと、死後に初めて親族の間で遺産分割協議が始まることになります。そうすると“自分がいちばん介護をしていたんだから取り分が多いはずだ”“遺産分割のために家を売りたくない”といったもめ事が起きやすい。

 1月13日に施行された相続に関する民法の改正により、自筆の遺言書のうち財産目録については、パソコンでの作成や通帳のコピーを利用することができるようになり、介護をした人も『特別寄与料』として相続人から貢献した分を金銭で払ってもらえるよう請求することが認められるなど大幅にルールが変わりました。認知症や病気の進行で意思疎通が難しくなってしまう前に、樹木さんのように家族が円満でいられるベストな選択となる遺言書などを残しておくべきです」(前出・曽根さん)

 不動産や預貯金だけでなく、樹木さんは家族の幸せも遺して旅立っていった。
(2月13日 NEWSポストセブン)


土地家屋調査士 大阪 和田清人
esouzoku at 07:49|この記事のURLComments(0)

2018年12月10日

地中埋設物の越境問題

分筆・合筆にまつわる注意点のコラム。
東京土地家屋調査士会の皆さん、情報提供ありがとうございます。

事例のひとつが、ユルい分筆で浄化槽が越境しちゃったケース。
地中埋設物は見えませんからねぇ。

似たケースで、過去にこんなのがありましたよ。

下水

家と家の裏を通っている、いわゆる背割り下水。
普通は市有地のはずですが、なぜか民有地として境界確認済みなんです。

もともと民有下水だったのか、誰ががキョーレツにゴネたのかは不明ですが、
現在、公共下水は前面道路に敷設。裏に現存する下水管には市はノータッチ。

で、現実に、図の上の方々は、市有地を通り越して現存する下水管に排水。
詰まったら、誰が面倒見るんでしょうね?(^^;

ご相談者は、この下水管を撤去してしまいたいんですけど、
それには、上流の方々全員に、排水管を付け替えてもらわなければならない・・・

結構大きな爆弾を抱えちゃってますよ。

たかが境界、されど境界。
ゴネれば得するわけでもないことを知ってくださいね。


【「分筆」「合筆」を巡る、よくあるトラブルとは?
 浄化槽が隣地にはみ出していたらどうすべきか】

1つの土地を2つ以上に分ける「分筆」や、いくつかの土地を1つにまとめる「合筆」という手続きが、思わぬ隣人トラブルを招くこともある。東京土地家屋調査士会に、分筆にまつわるトラブル事例と解決策について聞いた。

「分筆」は土地の一部分売却時などに必要

 土地を分割し、再登記する「分筆」。その目的は多岐に渡る。兄弟姉妹と一緒に土地を相続したけれど、「共有名義だと何かと不便なので土地を分けたい」というケースは多い。また、「所有する土地を一部分だけ売却したい」などの事情が生じることもある。

 東京土地家屋調査士会の佐々木義徳副会長は次のように解説する。

「多いのは、『所有している土地を一部分だけ売却したい』という要望に基づき、分筆を行うケースです。なかには、所有している土地の一部だけ登記簿上の土地の種類(地目)が異なるため、現状に合わせた登記内容に変更するために行うこともあります。分筆を行うと、融資にあたって担保に取られる土地を制限できるというメリットも。さらに、まとまった広さがあるほど固定資産税が上がるため、相続を機に節税のための分筆が行われることも珍しくありません」

分筆が招くご近所トラブルの実態

 広大な土地をそのまま売却するより、適切なサイズに小分けした方が、買い手も付きやすくなり、固定資産税の節税にもなる。良いことづくめのように思える分筆だが、思わぬトラブルを招き入れることがある。例えば、「地下に埋められた浄化槽のはみ出し問題」も、その一つだ。

 下水道が発達した都心部ではあまり見かけなくなった浄化槽だが、地方ではまだ浄化槽が使われている地域もある。多くの場合、浄化槽は地下に埋められているが、この「浄化槽の位置が隣接地との境界線をまたぐようにはみ出していた」としてトラブルに発展することは、決して珍しいことではない。

 こうした「浄化槽のはみ出し問題」の背景には、かつて分筆が実施されたときの測量の甘さや現地調査、確認が不十分だったことなどが挙げられる。

 多くの場合、浄化槽を埋めた時代には今より敷地が広く、その中で邪魔にならない場所を適宜選んだのだろう。ところが、何かの事情で分筆が必要になった際、地下の埋設物の位置がしっかり確認されないまま、境界線が定められ、登記されてしまうということがあった。昔は境界に対する意識が乏しく、また測量技術も今ほど高いものではなかったため、アバウトな分筆が日本全国で行われていた。

 しかし、バブル経済以降は、不動産に対する個人に権利意識が高まり、境界を確定させようという動きが強化され、現在では境界確認書を添付して、分筆登記の手続きを行うことが一般的だ。

浄化槽が隣の敷地内にはみ出すと罪になるってホント?

 仮に、隣地との境界線を認識した上で、その境界線に浄化槽を設置したとすると、これは立派な犯罪。「不動産侵奪罪」にあたる。

 何十年も前の分筆時の過失が原因で、結果としてはみ出していた場合、現在の所有者が罪に問われることはない。しかし、そのまま、放置しておくわけにもいかないのが実情だ。

「隣接地との境界が曖昧なときと同様、土地家屋調査士が現地を調査し、どこが正しい境界線なのかを突き止めます。境界確認書を取り交わす習慣がない時代に取引された土地だとしても、実際の土地の大きさを測量した、『実測図』を売買時に不動産屋から渡されているケースもあります。また、自治体によっては、敷地をどのように分けたかを記載した『分割申告図』を役所が保管していることも。こうした情報を集め、過去に遡って調べ上げます」(佐々木副会長)

 調査の結果、やはり浄化槽が隣地にはみ出しているとなれば、浄化槽を移設するか、その部分の土地について無償、あるいは有償での譲渡をお願いする必要も出てくる。

土地をまとめる「合筆」を行うのは地主

 大きな土地をいくつかに分ける「分筆」に対して、複数の土地を一つにまとめる手続きは「合筆」(ごうひつ)と呼ばれる。合筆は、細かく区分けされた土地をいくつも持っている大地主が、管理が煩雑なため、ある程度まとめたいというようなケースに用いられる。

 単に「もともと所有していた土地の隣接地を購入した」という場合は、必ずしも合筆する必要はない。一定の条件を満たしていなければ、合筆したくてもできない可能性すらある。

 合筆するための条件は大きく3つ。

(1)所有者が同一
(2)「地目」(土地の種類)が同一
(3)合筆する土地同士が接続していること

 さらに、抵当権がついている土地の場合、抵当権の受付番号が異なる場合は合筆できない。

「敷地の最低面積」の有無を自治体に確認しよう

 合筆の条件が揃えば、後は合筆するかどうかは所有者の意志次第となる。ただし、合筆するにあたって注意しなくてはならないのが、各行政が定める「敷地の最低面積」の有無だ。

 地域によっては、例えば、「100平方メートル以上の敷地じゃないと建物を建ててはいけない」などといったルールが条例などで決められている場合がある。

 自治体にもよるが、多くの場合、条例が施行される以前に分割された土地については適用外となっている。仮に、「100平方メートル以内」の最低敷地面積が定められている地域で、各90平方メートルの2つの土地を合筆した場合、将来再び2つに分筆したくなっても、今度は最低敷地面積の抵触し、住宅が建てられなくなる恐れがある。

「合筆」は固定資産税アップに繋がることも

 さらに、合筆によって固定資産税が上がる可能性も十分考えられる。

 土地の評価は、路線価に対して平米いくらという価格を決め、道路からの奥行き、狭小地かどうかなどを加味しながら決定となる。道路に面しておらず、奥まった場所にあるような土地は、その分、固定資産税も減額される。

 ところが、こうした土地を合筆によってひとまとめにすることによって、土地全体が「道路付きである」とみなされると、当然ながら、固定資産税は跳ね上がることになる。

 土地は分けても、まとめるな。合筆の必然性があるのはよほどの大地主のみと、肝に銘じておこう。

まとめ〜分筆した土地の売却時には要注意

 以上のように、分筆した土地を売却する際は、過去の分筆時の過失が原因でトラブルに巻き込まれることがある。

 特に浄化槽の位置に関しては、すでにトラブルが起きていることもあるので注意したい。
(12月4日 ザイ・オンライン)


土地家屋調査士 大阪 和田清人
esouzoku at 09:04|この記事のURLComments(0)

2018年11月21日

市の階段の越境

北九州市が建築した階段が、民有地に越境していたというミスがあったようです。

市から地権者への連絡はあったようですが、
越境の事実だけで今後の対応の話はなかったんだとか・・・_| ̄|○

ちょっとお粗末だったかもしれませんね。

今回は、地権者からの提案で、市が越境部分を買取る方向になるようです。
賢明な対応かと思います。

だって、将来、階段を削るなんて現実的じゃないでしょ?
結局は地権者が被越境部分を放棄するしか選択肢がないもんね。

常にゴリゴリの戦闘態勢をおすすめするわけではありませんが、
少なくともノーガード(≒放置)はよくないですよね。


【北九州市が不動産侵奪、民有地との境界を越え階段設置】

何も言わなければ何もしない?

 北九州市が八幡西区の公道に付けるかたちで建築した構築物(階段)が、土地の境界を越えて私有地にはみ出していることがわかった。市は、私有地の地権者の求めに応じるかたちで、はみ出した部分を分筆し、購入することを検討している。

 問題の構築物があるのは北九州市八幡西区山寺町。民間マンションの建築にともない、右画像の階段が市発注の公共工事としてつくられ、今年8月前に完成した。地権者によると、この工事を担当した市建設局道路部街路課から、構築物の越境に関する連絡があったのは11月。ただし、はみ出していることを通知するだけで今後の対応などについては一切語らなかったという。

 不審に思った地権者は、越境部分の土地の売買を提案。この問題を担当する街路課街路係長は取材に対し、土地の境界を施工業者が取り違えた施工ミスとし、「地権者の要求に応じて越境部分の買い取りを検討している」と語った。

 不動産に対する財産権を侵害する行為は、不動産侵奪罪(刑法235条の2)に問われる。その一方で、所有権の取得時効(民法第162条)の規定があり、10年間、この状況が続けば、階段がはみ出した部分の所有権が市に移る恐れがある。構築物の工事をやり直さなければならないケースも考えられ、その費用は市(=市民)の負担となる。

 問題の背景にあるのは、市の不動産に関する常識不足だ。前出の街路係長は、記者の質問のなかで不動産侵奪罪や取得時効について「把握していない」と回答。市には、同様の問題への対応を定めたマニュアルなどがなく、地権者の意向に応じて対応を検討していくという。言い方を変えれば、地権者が“何も言わなければ何もしない”ということ。何もしなければ越境部分の土地は、いずれ市にとられることになる。

 今回、“北九州市による侵略”を受けた地権者は、不動産の知識に詳しく、市の連絡を受けて取得時効の問題にすぐ気付いた。「越境部分をどうするか、市側が何も言ってこないことを不審に思った。不動産の知識がない地権者なら何も問題ないと思うかもしれない。知らずに土地を奪われた人は多いのではないか」と危惧する。越境部分の面積はわずかだが、北九州市の一連の対応に不信感を抱き、広く注意喚起するためにNetIB-NEWSへ情報提供を行ったと話している。
(11月20日 NetIB-NEWS)


土地家屋調査士 大阪 和田清人
esouzoku at 09:35|この記事のURLComments(0)

2018年11月14日

えっ!そんなにかかるの?

測量の金額って、わかりにくいですよね?

何にいくらかかっているのかがハッキリしない。
自分で言うのもなんですが、ブラックボックスですよね・・・

で、よく言われるのが、「えっ!そんなにかかるの?」
「もっと安いと思ってた。」・・・_| ̄|○

えっと、
一般の方が「測量」というものには、大きく2つあります。

1つは、現況測量。
現地を測量して、建物や構造物などを平面図にする作業。

面積を算出することもありますが、
根拠はあくまでも現地構造物で囲まれた範囲=主観による概算です。

これは、私たちだけで動けますから、15万円ほどいただければOK。
1週間くらいで図面をお届けします。

で、もう1つは、境界確定測量。(正式な用語ではありませんが)

上の現況平面図に、法務局の地積測量図その他の図面を突き合わせ、
筆界を査定した上で、お隣さんと立会いを行います。

こちらは、いろんな資料を収集しますし、それらを判断するスキルも必要。
市町村やお隣さんと立会いの日程調整もしなくちゃならないし、
筆界確認書には実印と印鑑証明書をおすすめしています。

そんなこんなで、こっちは3ヶ月くらい要します。

また、市町村と道路の境界協議には、両隣接の同意を求められます。
市町村は道路管理の関係上、共有者全員の押印を求めてきます。

もし、隣接地の登記名義人がお亡くなりなら、相続人全員から
印鑑をもらう必要があるわけです。

立会いは誰と?

たとえば、上の図の場合、ABCDとEの相続人全員と会わなきゃなんない。

こんな作業が、30万円やそこらじゃできないってことを
ご賢察いただけますよね?ね?ね?(^^;

「そんなにかかるの?」
かかっちゃうんです。どうかご理解くださいませ。m(_ _)m


土地家屋調査士 大阪 和田清人
esouzoku at 14:53|この記事のURLComments(0)

2018年08月02日

お店の一部が越境・・・

脱税で起訴された大阪城公園のたこ焼き店、
お店の一部が大阪市の土地に越境していた疑いがあるようです。

越境物は、ひさしやアイスクリームの人形など。
市は、去年、越境をやめるよう指導。今後も指導を続けるとのこと。

何か一つやらかしちゃうと、過去のことをほじくり返されたり、
「脱税たこ焼き店」などとステキな名前を付けられたり・・・

日々の言動を再チェックしなければ・・・(^^;


【“脱税”たこ焼き店、境界線越え公有地で営業か】

 およそ1億3000万円を脱税したとして在宅起訴された大阪城公園で営業しているたこ焼き店が、境界線を越え、大阪市の公有地で営業していた疑いのあることがJNNの取材で明らかになりました。

 大阪城公園の天守閣の目の前で、たこ焼きなどを販売する「※※」の店主・☆☆被告(72)は、2014年からの3年間の所得を申告せず、およそ1億3000万円を脱税した罪で26日、在宅起訴されました。

 「申告しないで脱税は犯罪行為ですから。塀をつくりますよ、目の前に」(大阪市 吉村洋文 市長、26日)

 大阪城公園を管理する大阪市の吉村市長は26日、こう怒りをにじませました。さらに、市によりますと、※※はおよそ40年前から大阪城公園内にある神社の私有地内で営業してきましたが、店の一部分が大阪市側の土地にはみ出て営業している疑いがあることが、JNNの取材で分かりました。

 市側の土地には、ひさしが伸びているほか、アイスクリームの人形などが置かれていたため、市は去年、越境をやめるよう売店のある神社に指導したということで、今後も都市公園法違反にあたる可能性もあるとみて、指導を続けるとしています。JNNの取材に対し、店主の代理人は「きちんと対応したい」としています。
(7月27日 TBS News)


土地家屋調査士 大阪 和田清人
esouzoku at 07:36|この記事のURLComments(0)

2018年07月11日

境界でモメた場合の選択肢

境界でモメた場合に採ることができる選択肢は3つ。

 〆枷
 筆界特定(筆特)
 D環

100点満点を目指すなら,虜枷修任垢、これには時間も労力も要します。

そこで、「この項目が決着するなら70点でいい」というような場合には、
△良特やの調停(←今回のコラム)を選択することができます。

コラムにあるように、調停は、越境物がある場合などに有効ですね。

筆界(=公法上の境界)がハッキリして越境が判明した場合、
それぞれのゴールはこんなイメージになります。(ちょいデフォルメ)
 〆枷宗А崟擇譟」
 筆特:「筆界はここ。越境については改めて裁判してね。」
 D環筺А岷朸について引き続き話し合いを続けましょうか?」

調停は、お互い相手の事情も聞きながら着地点を探しますから、
決着した後の人間関係が修復されやすいという特長があります。

まさに相隣関係の代表ともいえる境界問題にうってつけ!(^^;

ただ、ひとつだけ大きなハードルがあります。

相手方が調停に応じてくれなければゲームオーバー。
裁判のように出頭を強制できないんですね。

それでも、最初のハードルさえ乗り越えれば、建設的な解決が待っています。
大阪では、「境界問題相談センターおおさか」が承りますよ。
お困りの方は、一度相談してみてくださいね。


【「境界問題相談センター」で土地の境界問題を解決 裁判との違いは?】

 各都道府県にある土地家屋調査士会では、裁判以外で境界問題を解決する「境界問題相談センター」(ADR)を設置する。2017年12月時点で、県庁所在地を中心に全国50ある。

 東京土地家屋調査士会(東京都千代田区)の味田昌也さんは「これは境界の専門家である土地家屋調査士と、法律の専門家である弁護士が協力して紛争解決を手伝う仕組み。裁判ではなく、当事者同士の話し合い(調停手続き)で合意する」と説明する。

 争いは、所有者同士が、登記による一般的な境界である「筆界(ひっかい)」と、所有者の合意によって変更できる「所有権界」を理解していないことなどが要因。樹木の越境などで関係がこじれると、測量時に積もった思いが露呈し、引くに引けなくなる。

 裁判では期日が一方的に決められる。相手が出廷しないと解決までの時間は延びるが、ADRはそうではない。同調査士会の木下満さんは「ADRでは、相手の事情に合わせて日程調整でき、応じてもらえる可能性が高い」と話す。

 ADRでは公正な立場の専門家が入るため、関係がこじれていても隣の言い分を認めるケースもある。合意すれば、境界標の埋設や登記手続を行う。東京土地家屋調査士会の境界紛争解決センターでのADRの調停申し立て費用は2万円、調査費用に3万円。これ以外に調停の期日費用で最低2万円ほど(すべて税別)。その他実費や調停成立時の費用なども必要。

 一方で、木下さんは「紛争の防止には、近所づきあいが非常に大事」と話す。続けて「権利書は大切にしても、境界確認書や図面が大事なことに意識が回らない人は多いのではないか。土地の売却を考えて、権利書よりも境界確認書などがあるか探しておきたい」ともアドバイスする。

 帰省時には、隣地にあいさつし、感謝の気持ちを伝えたい。なお、各地の土地家屋調査士会では、区市役所などで無料表示登記相談会を開催。ADRセンターでも相談会を行う。
(7月5日 ZAKZAK)


土地家屋調査士 大阪 和田清人
esouzoku at 08:55|この記事のURLComments(0)

2018年06月25日

「境界問題」が23%

東京土地家屋調査士会の無料相談会で多い相談内容は、
 1位:「調査・測量に関する事件」・・・28%
 2位:「境界問題」・・・23%
だったようです。(昨年度実績)

逆に、調査士が受ける相談って、これ以外に何がある?

ま、境界問題は相変わらず多いですね。

一番の原因は、「筆界」の認識の薄さですね。
「あと○○cm寄こせ。」って言ってくるお隣さんが多いこと多いこと。

あくまでも、法律上の境界線(=地番界=筆界)は、
明治初期の地租改正時に決められたもの。

「当事者の合意で変更することはできない」んです。(最高裁S31.12.28)

測量には誤差が伴いますから、図面が無ければ10cmくらい変わることはあります。
でも、1m変わるだとか、突然段差が生じるだとかは考えにくいんですよね。

結局、そのままでは登記が通らないので、違うことを考えるしかないんです。

ゴネるのも、ほどほどで止めておきましょうね。(^^;


【増える境界トラブル 隣との塀倒れ境目わからない、杭がずれている…】

★土地を確認しよう(1)

 「隣が塀をつくったが、うちの敷地に越境しているのでは…」。近年、境界トラブルが増えている。

 東京土地家屋調査士会(東京都千代田区)の無料相談会で昨年度、最も多かったのは、「調査・測量に関する事件」で28%。次いで「境界問題(紛争、筆界、所有権界)」で23%にのぼる。

 同調査士会の広報事業部長、木下満さんは「高齢社会に伴い、親の土地を相続し、売ろうとした際に土地の境界が不明確なことがわかる例が少なくない」と話す。例えば、隣との境目を示すために四方にあるはずの杭『境界標』がない、杭があってもずれている、隣との塀が倒れて境目がわからない−などだ。

 境界が不明確だと、売ろうとした時にすぐに売却できないかもしれない。同調査士会の研修部長、味田昌也さんは「土地の取引は原則、実際に図った『実測取引』になる。売却の際、必ずしも実測値を示した実測図が必要ではないが、境界が不明確だと売却できない場合や、買いたたかれる可能性がある」と説明する。

 このため、相続や売却の発生前に境界の確認を。境界の確定を知るには、法務局で、公図と登記簿、地積測量図を取ろう。登記簿に「分筆」とあれば確定している可能性が高い。ただし、地積測量図があっても年代が古い場合は、再確認が必要な場合も。また、自宅に「立会証明書」「境界証明書」などの書類があれば、過去に境界確認をしている。実家であれば、親にも立ち会った経験を聞こう。

 一方、地積測量図がなければ、境界が未確定かもしれない。木下さんは「一概にはいえないが、地方より都市部が不明確な比率が高い」という。

 境界の確定には、土地家屋調査士に境界線を調査測量してもらう。土地の大きさや条件次第だが、都市部で約50万円から。なお、測量時には、隣接土地の所有者に立ち会ってもらう必要もある。

 ただし、ここでも問題が発生することも。「以前から周囲の人と樹木の越境やゴミなどの問題があり、『なぜ立ち会わなければならない』と言われ、協力してくれないことがある」(味田さん)。立ち会いがなければ、時間と費用がかかってしまう。
(6月21日 ZAKZAK)


土地家屋調査士 大阪 和田清人
esouzoku at 18:58|この記事のURLComments(0)

2018年05月31日

天空の城が・・・

「天空の城」竹田城の石垣が、新緑に遮られて見えづらいそうです。

伐採できない理由は、
権利関係・・・_| ̄|○

城跡主郭部周辺以外の、山の大部分は私有地。
10年前の調査で、山全体が358筆で地権者が142人なんだって。

境界も不明、相続未登記の問題も・・・(^^;

3月に閣議決定された
所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法案
の成立が待たれますね。


【新緑に遮られて…天空の城が「見えない」 伐採できない複雑な事情】

 「天空の城」と名高い国史跡・竹田城跡(兵庫県朝来市和田山町竹田)で近年、新緑の時期になると「麓や登山道から石垣が見えづらい」という声が住民や観光客から相次いでいる。石垣を取り巻く山の樹木が育ちすぎ、生い茂った枝葉が遠望を遮りつつあるためだ。ところが、これらの木々を簡単には切れない事情があるという。

 「せっかく石垣をライトアップしても、町中から眺めると手前の木々が邪魔をして見えにくい。何とかならないものか…」。そうこぼすのは竹田城跡の地元・竹田地区区長会の石原啓一会長(70)。カメラを構える観光客や写真愛好家から同様の声を聞くそうだ。

 朝来市の樹木医・宮田和男さん(77)によると、竹田城跡を頂く古城山(標高353メートル)は、スギやヒノキの人工造林、広葉樹のアベマキやコナラなどが群生。初夏には新緑の「カーテン」ができて、東西南北どの方向から見ても石垣が隠れてしまう。「このまま放っておけば、やがて石垣が見えなくなってしまう」と宮田さん。

 これまで、1989年の映画「天と地と」のロケや、94年に天皇・皇后両陛下が旧和田山町を訪問された際に大規模な伐採が行われたという。しかし、近年はほとんど手が入っていない。というのも、土地の権利関係が非常に複雑で、どこが誰の土地なのか、よく分からないのだ。

 同市によると、地元の竹田財産区が所有する城跡主郭部(山頂部)やその周辺の市有地を除き、山の大部分は私有地で、一部は山頂付近まで入り組む。約10年前の調査では山全体に358の地番があり、地権者は142人。土地の境界が曖昧で、すでに地元にいない所有者も多い上、相続未登記の問題も絡む。

 市教育委員会がこのほど策定した「史跡竹田城跡樹木等管理基準」でも、「石垣周辺と山腹の樹木は、土地の所有権などの問題が存在し、景観を一括して管理することが十分できない状況」と指摘する。

 宮田さんは「最優先で考えるべきは、竹田城跡の一番の魅力である石垣をどのように見せるか。まずは市有地から伐採、枝切りするなど、できる所から手を付けてみてはどうか」と提案する。

■地権者探し 明治期の図頼み

 古城山(朝来市)の土地の権利関係を知る手掛かりとなるのが、1890(明治23)年、政府が地租改正に伴い作った「字限図」だ。

 例えば古城山東側の図面を見ると、土地はかなり細分化されていることが分かり、「○×利右ヱ門」といった地権者名が読める。ただ、縮尺すら書かれておらず、当時の測量技術の未熟さもあって、地形や境界線などの精度が高くない。

 こうした曖昧な土地の境界や所有者を確定させようと、全国的な地籍調査が1951年に始まった。しかし、林地における進捗(しんちょく)率は2016年度末で45%と思うように進んでいない。現所有者を割り出し、山に登って境界確定に立ち会ってもらうなど、膨大な手間と労力を要するためだ。「古城山のように地権者が多いと、調査は年単位に及ぶ」(朝来市地籍調査課)といい、いつ完了するかの見通しは立っていない。

    ◆

 地方の山林は土地の境界が曖昧で、相続登記せず放置されるケースも多い。山城跡ではしばしばこうした土地の問題がつきまとう。

 兵庫県佐用町は15年度、利神(りかん)城跡の国史跡指定に向け、山の地権者調査を始めた。ところが、相続登記されず数代前の名義という事態が相次ぎ、相続人が20人以上になったケースも。割り出した地権者約200人から同意を得て、17年に史跡指定された。担当者は「調査に1年以上を要し、大変な作業だった」と振り返る。

 ほかにも、同県上郡町の白旗城跡では1996年の国史跡指定時に209人の地権者を確認。97年に国史跡指定された八木城跡(養父市)でも山の地権者が100人近くいたという。
(5月30日 神戸新聞NEXT)
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180530-00000015-kobenext-l28


土地家屋調査士 大阪 和田清人
esouzoku at 07:58|この記事のURLComments(0)