電動キックボード専門店TAMOブログ

モデルの選び方、後悔しない基準、修理・電装についての説明
原付登録区分や保安基準についての解説
さらにコアユーザー向けの専門的なお話など
電動キックボードに関しての実用的な記事を掲載しています。

今日は電動キックボードの動力として最も重要な
バッテリー、コントロールユニット、モーター
についてのお話をしたいと思います。

まずこの図をご覧ください。
これはチャットGPTに作成してもらいました。
便利な世の中になりましたね。

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この図では、大きなタンクに水が入っていて
そこから水が流れて水車を回しています。

このタンクは『バッテリー』だとします。
そして流れている水は『電流』
水車は『モーター』に相当します。

すると、タンクに入っている水の量は
『バッテリーの容量』という事になり
パイプから出る水の勢いは『電圧』になります。


ではこの水車をパワフルに効率よく回すには
どのようなバランスにすればいいでしょうか。

バッテリーの容量はAhという単位で表しますが
当店のT9は13Ah、T10が18Ah、PFL X11が28Ahです。
タンクに入っている水の量という事になりますね。

この数値が高いほど水が多く入っているので
それだけ長く水車を回し続けられます。
また、満タンでは勢いよく出てきた水も
タンクの水が減ってくると勢いが落ちます。
これが『電圧が下がってくる』という現象です。
そうすると、当然水車を回す力も弱くなります。

次にパイプから出る水の量を考えてみます。
パイプが太いほど水の出る量は増加し
逆にパイプが細ければ水の出る量は減少します。
ただ先ほどの『水が出る勢い』つまり水圧が
高くないとしっかりと水が出てきてくれません。
このパイプの太さと勢いを可変的に管理するのが
電動キックボードでは『コントロールユニット』です。

さあタンクから水をたくさん勢いよく流すと
その先には水車があります。
この水車の大きさがモーター出力にあたります。
もしこれが貧弱で小さな水車だったら
水の勢いで壊れてしまうかもしれません。
逆にあまりにも大きすぎる水車だったら
それだけ水の勢いや量が必要になってしまいます。
ところがこの水車の大きさ、つまりモーター出力は
法律で決まっていてそれを定格出力(W)と言います。
原付1種では600Wまで、原付2種では1000Wまでが
定格出力の上限となっています。
これは言い換えれば、どの位の水圧と水流量に
水車が耐えられるのかという指標であるとも言えます。

法律で水車(モーター)の大きさが決められているので
その中でよりパワフルで効率的に水車を回すには
水圧と水流量(電圧と電流)が重要になりますね。

電圧は(V)、電流は(A)で表しますが
電圧(V)×電流(A)=消費電力(W)という式を
学校で習った事は皆さん覚えていますでしょうか。
この消費電力(W)がモーターを回す力となります。

ただ、モータには先ほどのように規定がありますので
この数値を上げていっても、それを受け止めるだけの
大きさや耐久性がなければすぐに壊れてしまいます。
つまり、上記の耐久性の範囲内でいかに効率的に
またいかにパワフルにモーター動かすかというのが
消費電力を可変的に調節するコントロールユニットの
重要な役割という事になるのです。

例えばT9PLUSには48Vと52Vのバージョンがあります。
満充電、つまりタンク一杯に水が入った状態で
48V仕様が54.8Vくらい、52V仕様で58.8V位の電圧です。
これは車両の電源ボタンを何回か押すと
ディスプレイに表示されますので是非ご確認下さい。
この数値が水の出る勢いに相当します。

そして、コントロールユニットの電流は
どちらも23A仕様となっています。
この数値が基本的には水流量の最大値です。

先ほどの式に当てはめると
【48V仕様】54.4V×23A=1251W
【52V仕様】58.8V×23A=1352W
※小数点以下切り下げ
という事になり、これが一応大体の『最大出力』です。
(実際にはこれ以上の数値になる事もあるので
大体の比較対象としての目安とお考え下さい)
モーターの『定格出力』はどちらも600Wですが
最大出力ではそれを大きく上回る消費電力となります。

ただ、これはあくまで最大出力のお話ですので
常にこの電流を流し続けているわけではありません。
ちなみに、ドライヤーの強風モードで
大体消費電力(W)が1200W程度と言われています。

48Vと52V仕様では同じ600Wのモーターでも
消費電力が異なるので、後者のほうがパワーが出る事が
お分かり頂けるのではないかと思います。

ちなみにPFL X11は全車共通で48V、25A仕様です。
54.4V×25A=1360Wなので、T9の52V仕様よりも少しだけ
最大出力が高くなっていますね。
原付1種と2種で違いはモーターの定格出力だけです。
つまり水車の大きさが違うだけという事ですね。

またPFL X11DUALというデュアルモーター仕様では
48Vで25Aのコントロールユニットを2基搭載しています。
モーターの定格出力はそれぞれ500Wではありますが
最大出力が2基合わせて1360W×2=2720Wとなる為
非常にパワフルなのが一目瞭然ですね。
(バッテリーの最大放電電流の関係で実際には
最大出力がこの数値より下回る可能性があります。)
ただその分、モーターに負担がかかっているので
オーバーヒートが起きやすい傾向があります。
また、デュアルモードでは電力消費も大きくなるので
気を付けないとバッテリーの減りも早くなります。

このように電動キックボードではデュアルモーター仕様が
エンジン車の排気量とは全く異なる概念で動いている為
シングルモーターとの定格出力だけでは比較出来ない
爆発的なパワーを得られるのも非常に面白い特色です。

さらに電動キックボードはインホイールモーター
つまりモーターとホイールが一体型になっている事から
タイヤ径が小さいほうが加速や坂道に有利
タイヤ径が大きいほうが最高速に有利
という非常に面白い特性があります。
これはバイクのスプロケ比のようなものですね。
バイクはスプロケット(チェーンで回す歯車)の変更で
加速寄りや最高速寄りに特性を変更できますが
電動キックボードではタイヤ径で決まってしまいます。

例えば48V仕様のT9とPFL X11を比較した場合
コントロールユニットでは23Aと25Aの違いで
PFL X11のほうが最大出力では上回っていますが
T9は8.5インチ、PFL X11では11インチのタイヤなので
坂道や加速ではT9のほうが有利な可能性があります。
逆に最高速ではPFL X11のほうが断然有利な条件で
その違いが10km/h以上の最高速の差となって出ます。

ただ、このPFL X11の坂道や加速における弱点も
デュアルモーター仕様にする事で完璧に解決できます。
(その分、電力消費が増えるデメリットもあります)

どうでしょうか、電動キックボードの世界は
色々と奥が深くて面白いと思いませんか?

当社ではこのような
バッテリー容量や電圧
モーターの耐久性と関係した
コントロールユニットの出力特性
そして最後のタイヤ径による影響も踏まえながら
その最適なバランスを日夜追い求めています。

その他にもまだまだ色々な要素がありますが
それはまた次の機会に書いてみたいと思います。
このブログで電動キックボードの仕組みを
皆様により理解して頂けると幸いです。



今年2025年4月からの新制度により
原付排気量区分の変更が行われ
原付免許または普通自動車免許で運転できる
排気量の上限が50ccから125ccに引き上げられます。
(新基準原付は最大出力4kWまで)

この事から電動キックボードを含む
電動バイク、電動モビリティにおいても
モーター出力上限の変更が行われるのではないか
と言われておりましたが

結論から先にお知らせしますと
今後も電動バイクの区分に変更はないという事です。

新しい基準により、エンジン付きオートバイは
50ccというカテゴリがほぼ消失する事になりますが
これは50ccのエンジンが新しい排ガス規制に
対応出来なくなる事によるものです。

具体的に排ガス規制はエンジンの発する熱に
大きく関係してきます。
50ccの小さなエンジンでは排ガスを綺麗にする為の
触媒がなかなか温まらないというのが理由です。

その為、今回の排気量区分の変更というのは
上記の排ガス規制に対応する為のものであり
排気ガスを全く出さない電動バイクに関しては
完全に対象外という事となります。

つまり、原付免許や普通自動車免許のみでも
125ccのバイクまで乗られるようにしてあげよう
という親切心?のようなものではなく
排ガス規制への対応という目的のみで行われた
法改正だったわけです。

元々、原付1種の30km/h制限は時代遅れだ
という指摘が多くあったので
今回それに応えた形での125cc解禁だと
当初多くの人は思ったわけです。
しかし蓋を開けてみると原付1種の規制はそのままで
排気量のみ引き上げられたのはそういった理由です。
国は原付1種という区分を変える気は
全くないという事が分かりますね。

このあたりは個人的に思う所も沢山あるのですが
今回はそこには触れずにおきます。

上記の事を踏まえると
国が電動バイクの出力区分を変更する動機も
全くないという事が分かります。
新基準原付125ccの最大出力が4kWまでという
数値が発表された事から、電動バイクにも
この基準が適用されるのではないかという期待が
業界やユーザー様の間で広がったわけですが
あくまでそれはエンジン付きバイクに関して
という事が確定いたしました。

これは当社が直接、警視庁と国土交通省に
確認を取りましたので確実です。
担当者はすぐに返答する事が出来なかった為
折り返しの連絡での返答となりました。

このような重要な情報が
国民にほとんど告知されていないのは
大変問題ではないかと思っています。

実際ネットで検索しても
新基準原付と電動バイクに関する情報は
ほとんど出てこない現状があります。

当店に試乗にいらっしゃる8割位の方が
電動バイクにも新しい基準が出来るのではないか
と不安を口にされます。
基準は変わらない事をお伝えすると
皆さん安心してご購入頂いていますが
実際これにより電動バイク業界で多くの
買い控えが起こっている事が容易に想像できます。

125ccの原付新基準は
電動バイクには適用されない

この事を警視庁や国土交通省はもっと
国民にしっかりと告知するべきですし
我々業界もしっかりと皆様にお知らせしなければ
ならないと考えております。

よろしければこの内容は
X等のSNSで拡散して頂けると幸いです。



今日はパンクレスタイヤについて
書いてみようと思います。
またなぜ当店がパンクレスタイヤを
採用しないのかについても
ご説明いたします。

最近パンクレスタイヤに変更可能かどうか
というご質問を多く頂きます。

パンクレスタイヤは
空気を入れる事なく装着できるもので
パンクの心配がないという事から
興味のある方もいらっしゃるのでは
ないでしょうか。

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ただそんなに便利なものなら
普通の車やオートバイ、自転車などに
採用されていてもいいはずですが
現在ほとんど見る事はありません。

構造的には中に空気が入る代わりに
ゴムで仕切り板のように内部を支えるもの
となっています。

実はこれには多くのデメリットがあります。
その理由から通常他の乗り物では
採用されていないのです。

そのデメリットは非常にシンプルで
〇ゴムは変形してしまう
〇タイヤが非常に重くなってしまう
この2点が挙げられます。

新品時にはしっかりとホイールに
はまっているパンクレスタイヤですが
走行を繰り返して外力や熱が加わる事で
少しずつ伸びて変形を起こしてきます。

そうするとタイヤとホイールの密着度が
段々と弱くなって、最悪の場合は
ホイールからタイヤが外れてしまいます。

実際、脱輪のトラブルもよく耳にしますし
当店の耐久テストでも脱輪を確認しました。
特に夏場の高温化での長時間走行では
そのリスクが高くなります。

これは安全面から致命的なものではないか
ということから当店では採用しない事に
しております。

そもそも通常のタイヤでは
タイヤのゴムが伸びて変形してきても
空気を入れる事で圧力をかける事が出来るので
そのような事態になることはありません。

空気を入れないタイヤでは
それをする事が出来ないので
一度下がった密着度や圧力は不可逆的な
ものになってしまいます。

これが他の乗り物でパンクレスタイヤが
一切採用されていない大きな理由です。

辛うじてキックボードで採用される事が
あるのは、タイヤ径が非常に小さいので
大きなものに比べて上記の影響が少ない
というのはあるかもしれません。
ただ玩具のようなキックボードならまだしも
公道を速いスピードで走行する乗り物が
装着するタイヤとしてはやはり
大きな問題があるタイヤと言えます。

次に重量の問題です。
空気を入れるタイヤと違って
パンクレスタイヤでは内部をゴムが支えて
いる事から非常に重くなります。
これはタイヤを実際に持ってみて頂ければ
その重さの違いに驚かれると思います。

バネ下重量の軽量化というのは
車両の走行性能を高める為に必要な事ですが
それだけ重いタイヤを履くという事は
ハンドリング、ブレーキ、加速、最高速
航続距離などあらゆる面でデメリットになります。
衝撃吸収性も空気とは比較になりません。
高価格帯のモデルではサスペンションは
比較的高性能ではありますが、そのようなタイヤでは
本来の走行性能を発揮する事が出来なくなります。

この重さという面も
キックボードのタイヤは小径である事から
辛うじて何とか許容できる場合もありますが
パンクを避けるという目的の為に
それら多くのデメリットを受け入れなければ
ならないという事はあまり知られていません。


パンクレスタイヤ装着の目的は
パンクせずにノーメンテで乗りたい
というものだと思います。

でも上記2点の理由により
実は通常のタイヤより寿命は短いのです。

実際、チューブタイヤでも
しっかりと空気圧を規定値まで入れて
走っていればパンクはあまり起こりません。
当店にパンク修理で入る車両の9割近くが
空気圧不足によりチューブが潰れることで
チューブ側面がタイヤ内面に擦れて起きる
タイプのものです。

それでもパンクが心配という方は
パンクレスタイヤではなくチューブレスタイヤの
車両がお勧めです。
当店はPFL X11シリーズがチューブレスタイヤです。

チューブレスタイヤは空気圧が多少低くても
パンクする事はあまりありません。
また万一釘などを踏んでパンクしてしまった
場合でもパンク修理キットでタイヤを外す事なく
修理が可能というのも大きなメリットです。
ただ、空気圧があまりに低すぎると
パンクしたように一気に空気が抜けますので
その点は注意が必要です。

いずれにしましても
空気圧を月1回くらい管理して補充して頂ければ
パンクレスタイヤのようなデメリットのある
タイヤをわざわざ履く必要はないという事です。


ところで
なぜ月1回も空気圧のチェックや補充が必要なの?
車やバイクではもっと放置していても大丈夫なのに
と思われる方もいらっしゃるかもしれません。

それはキックボードのタイヤは小さいので
あまり空気が入っていないからです。
実はタイヤの空気というのは自然に抜けてきます。
わずかですが空気がゴムを通過するからです。
ゴムを通過しにくい窒素を充填する事があるのは
その為です。
通常の車やバイクはタイヤが大きいので
空気が多少抜けてもすぐに問題にはなりませんが
キックボードでは少し空気が抜けただけでも
空気圧が大きく下がってしまうのです。

でも逆に言えばそれを気を付けて頂くだけで
ハンドリングや加速性能、航続距離、最高速など
ベストな状態で走り続ける事が出来ます。
全てパンクレスタイヤでは犠牲にしてしまうものです。


私は根っからのバイク乗りで
いつもバイク乗りの視点でキックボードも見ています。

そのような視点で見るとやはりお客様には
とにかく安全でその車両がもつ性能の全てを引き出す
最高の状態で乗って頂きたいという思いがあり
このような判断をさせて頂きました。



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