2017年09月

コミユニテイセンターの子どもむけ地域の現代版寺子屋活動、エッセイ164

2017.09.11 コミユニテイセンターの子どもむけ地域の現代版寺子屋活動、164

1.はじめに

 地域のコミユニテイセンター(公民館)を拠点にした子ども参画の取り組みについて述べる。なお対象公民館は富山の田舎の小学校区のものである。

2.放課後子ども教室としての取り組み

 ここでは、町の教育委員会の依頼を受けて放課後子ども教育と題した子ども向け企画として、「エンジョイ教室」(イベント)と「みやかわクラブ」(現代版寺子屋)の二種類を対象とする。(両者併せて現代版寺子屋企画としたい) 

 プログラムについては、当方側で目的、内容、効果についての検討を経て策定とした。実際には、ものづくりと見学を主とした。ものづくりについては、身近なもの、やりやすいこと、関心を持つこと、制作がおもしろい、ためになること、感覚が磨かれること、他者に喜ばれることを考えた。

2.1 エンジョイ教室

 これは、二ヶ月一回の頻度で主に第二土曜日の午前中に実施している企画であり、今年度は表1のようなプログラムで実施している。内容については、暮らしの行事として母の日や父の日、さらにクリスンマスに新年などを対象として、プレゼントづくりや食べものづくり、記念品づくりを行うことにした。参加者は毎回15-20人程の女子中心の小学1-5年生であった。

2.1.1 メッセージを入れるケースづくりと花火の折り紙絵

A.母親への感謝のメッセージ入れ 子どもは折り紙で封筒を作り、別途母親へのありがとうメッセージを入れていた。

B.花火を複数折り紙でつくる絵。花火を放射状に八分割してその分割の一つ一つを通常の色付き折り紙で折り返しながら作り、これを台紙に貼る。やはり子供である。複雑な折り方をすぐにマスターして完成見本を見ながら、二個の花火、二個の人形(男女一対、出来合いのもの)を絵として制作していた。

   折り紙でみる造形感覚について少し述べる。

 今回は折り紙の色、花火パーツや人形及び星の配置位置が子どもには自由選択であったので、多様な感性が遺憾なく作品に表れていた。なお、参加者12人。

縦使いがほとんどで、一人のみ横使い。

大きい花火は左上に、中花火は右側で少し位置を下げる(7)。逆配置もあり(5)

男の子が右側で女の子が左。逆配置も半々。

男の子と女の子を横に並べるのがほとんどだが、両者を飛び上がらせて横並びにせずもあり。

・ものを貼り付ける場合、8個の花火のパーツが完成してから台紙に並べ一気に糊付けの人がほとんど。

1.2 テイシュカバー木箱

木に親しむことを目的に身近なものの制作として通常の箱入りテッシュの外カバーを木の箱で作ることにした。箱はきめられた大きさで板から必要な部位を切り出し組み立てとなるが、この工程ではもちろん大人と協力しあっての作業となった。今回は組立て後にペンキで着彩した。この時とばかりに子どもは色の選択と刷毛塗りを楽しんでいた。

2.1.3 寺院と歴史出土品館の見学

 地元の歴史を知るという目的で実施。歴史館では石器時代から中世までの埋蔵品を介して、当時の生活模様の説明があった。寺院については、大岩山日石寺では不動明王の摩崖物を見学し、眼目山立山寺では座禅体験を行った。子供にとっては、寺院にはさすがに家族との複数回訪問により、寺院の空間が極身近に感じられているかのようであった。

2.2 みやかわクラブ 

 これは、夏休み学習と遊びの教室であり、当地区の小学校区の名前をいただいて、「みやかわクラブ」と称している。夏休み7月下旬から8月下旬(盆の中旬は除く)までの平日15日間の午前中に小学生のみを対象として自主的に遊びと学びを楽しむものである。位置づけは、寺子屋である。参加者は小学1年から6年までの23人であり、男女ほぼ同数である。また兄弟姉妹参加は3組である。

 この企画に寄せる子ども側と親側の思いを記してみる。まず子ども側では、結構夏休みを嫌う子がいる。理由は、友達と会えない、一緒に遊べない、ずっと家庭にいなければならない、という。子どもにしてみれば、友と一緒に遊べることが何よりも楽しいのである。

 一方、親側にとっては、家に子供が居てはうるさくかなわないとして、どちらかというと託児所の捉え方であり、勉強しないから勉強の場の提供は実にありがたいという。また、熱心な親にとっては、子どもの育ちについて多くを期待している。例えば、兄弟姉妹一緒の行動が見られなくなってきていることや、上級生が下級生の動きに応じて手加減が見られなくなってきていることを憂いて、こうした面をも含めて異年齢間や家族間における子ども成長に期待したいという。

(1)七夕飾り制作:笹のある小枝ぶり竹に紙細工で

飾り、短冊に願いを込める。3回で制作。 

(2)読書:本に親しむことで企画。しかし、子どもは驚くほど本きらい。 

(3)昆虫王国見学:昆虫の博物館で、昆虫生体を学ぶ。自然を学ぶ。 

(4)カレーライスづくり:食づくりと食すことそのものを楽しみ、併せて各自おしゃべりを楽しむ。 

(5)防災教育:水消火器で模擬消火体験、火災の予防を中心に教育。ワンポイントの講演も。 

(6)折り紙:折り紙は使いやすく空間イメージ力の訓練として実施。

3.おわりに

 公民館では、遊びの場や学びの場づくりを手掛け、こうした場で日常的な居という雰囲気づくりに心掛けている。このスタンスで、地域における今年度の子ども対象の取り組みを実施し、ここにその様相を紹介した。

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おしゃべりのススメ~おしゃべり居場所で楽しもかい、エッセイ163

2017.09.09 おしゃべりのススメ~おしゃべり居場所で楽しもかい、163

1.はじめに
 (ある地域の老人会から講演を頼まれました。老人には、人生はかくあるべきとかコミユニケーションは技術を磨いてとかではなく、おしゃべりに着目して40人の老人を前に語り掛けてきました。本稿はその時の資料です。) 

最近、おしゃべりをする機会がどんどん減っております。おしゃべりが健康にもいいというのは分かりきっているとはいえ、いざおしゃべりということになると、案外考えてしまいがちです。

ではどうします? おしゃべりはやはり「おしゃべりの場」あってのものでは。昔でいえば井戸端ですね。

そこで皆さん、どんな場所でも井戸端にして、おしゃべりを楽しむ習慣をつくってみませんか。そして、我が町が笑いを含めておしゃべりで包まれるようにしたいものです。

なお、ここではおしゃべりは会話ではなく、コミユニケーションともせず、口から自然と出る思い(言葉の呼吸)というものとします。

 

◆ 皆様方は人生の先輩。それなのにススメなんてとんでもない。恐縮いたしております。皆様と昔・今をおしゃべりしながら進めていきます。ただし;

・コミユニケーションや人生の勉強ではありません。

・おしゃべりを楽しむ雰囲気と場づくりに着目です。

◆構成:おしゃべり居場所

1.はじめに

2.昔はどうだった:

3.現代では

4.おしゃべりには 

5.おしゃべり居場所、まとまった場所

6.おしゃべりのポイント

7.おしゃべり居場所、探してみれど

8.おしゃべり居場所、賑わっています

(1) 朝活  朝食をみんなで食べて歓談

(2) 街カフェ 昼にコーヒーを飲みながら歓談

9.どうする

10.まとめ

 

2.昔はどうだった:おしゃべりの場はあちこちに

(1)場所

家族で、ご近所で、町内で、校区で

清掃で、新年お参りで、お祭りで、寄り合いで

買い物(お店)で、病院待合室で、床屋・美容室、等

(2)今は少なし

朝活、街カフェ:参加者が自由に話せる。

各種福祉施設、他:   昔の形態もあり。

(3)今の勉強の場:勉強だけ、交流は無い。町民学園

 

3.現代では

(1)おしゃべりの必要性が感じなくなる

(2)今はあまりしゃべらなくてい世の中

(3)出かけているようで出かけていない交流も少なし

 

4.おしゃべりには

要件:人、対象や思い、場所

(1)人:自と他:対人、小集団、大集団、

(2)対象:・身の回りの事:家、子ども、自分たち

・地域まで広げて

おしゃべり:まとまった時間と場所にて

ゆとりによる思いのキャッチボール

(3) :家庭:生活、人は会話でつながる。

(4)効用:おしゃべりは笑いとセット

おしゃべり→五感・五体がフル活動のもの

 

5.おしゃべり居場所、まとまった場

(1)居場所づくり

今は場がない →ならば場づくりから →居場所

→どこにでもあり。→朝活や街カフェも、家庭も

              立話も(道でも店内でも)

条件・ゆとりがある場所(居ること)・自由さ

(2)おしゃべり居場所の様子

・集まってしゃべる。仲間でつながる(いわば交流)

そこに行けばいつでも(誰かがいて)おしゃべり可

 

6.おしゃべりのポイント

・身近なこと:衣食住が主、他は、

子供、家族・家庭、幸せ、健康、生きがい、

学校、地域、ふるさと、

・堅い話:別の場所で。

7.おしゃべり居場所、探してみれど
(1) ショッピング系:K店、P店

いつも閑散。壁設置など今一つ工夫要

(2)飲食系

・喫茶店、・居酒屋、・専門食屋

(3)公的場所

・図書館 ・公民館 ・勉強会 ・公園、等 

(4)行事

 

8.おしゃべり居場所、ただいま賑わっています

有志によりフランクな交流の場づくり→朝活、街カフェ

(1)朝活の趣旨:自宅と職場の往復は味気ないという方、出勤前の朝の一時間、仲間と一緒に交流を。

(2)街カフェの趣旨:皆さん気ままにおしゃべりを。暮らし、趣味や学び等一緒に考えたいこと持ち寄って。

 

8.1 朝活 朝食をとりながら

(1)概要 実施日時:月二回の朝1時間、若者風喫茶店にて 

実施:講師を募りテーマを決め当日話題提供。
 (講師は原則朝活参加者、著名東京人等は呼ばず)

 話題提供後、アフタートーク、そしておしゃべり

参加者 人数:16人前後、時には40人程、町内半分

テーマ:自分磨き、人生楽しみ、夢叶え、幸せ、

 おしゃれ、色づかい、女優、

 健康法、ダンス、演奏(民謡、琴)、マラソン、

 コミユニケーション技術、ものの見方、視覚・感情、

 仕事の進め方、接遇、 立山、自然、我が風土、植栽、桜

 アニメの世界、伝統、我町歴史、公民館、留学生談、若社長談

 障害者問題、福祉問題、介護問題、鬱、医療、保険、

(2) 様相

・各自の職業柄で話題提供。趣味が高じて話題提供。

 情報交換や情報収集の目的の人なし。売込み禁止。

・若さゆえの悶々とした語もあり。

・自分の心情を語り皆さんが共感。共感も楽しみ。

人への押し付けは全くない。

 著名講師による押し付け講演とはちがう。

(3) 朝活でシルバーにとっては
若者に胸を貸す。見聞をひろめる。
・講演の世界に入って楽しめる
・若者とも気負いなくおしゃべり。若者も親父といる感

8.2 街カフェ 昼コーヒーを飲みながらおしゃべり

(1)概要 

実施日時:月一回昼、音杉公民館    

実施要領:参加者全員が話題を持ち寄って提供。

参加者:人数4-5人、多いとき10人、シルバーのみ。

テーマ:我町歴史、大岩歴史、大岩街道、黒川、眼目、

  江戸時代生活、縄文の生活、古代史、神社歴史、

  種の山、立山信仰、剱岳、夫婦別姓、米騒動、

  農村奮戦記、蕎麦、尺八(演奏有)、布橋潅頂絵
(2)街カフェでシルバーは 何の気兼ねも遠慮もなし。

 

9.どうする

おしゃべり居場所を作るには、何といっても集まれるところに定期的に集まることが一番です。お茶飲み会の場であっても、ショッピングセンター休憩所であっても、短くても長くても、おしゃべりが始まります。また公民館のようにまとまった場所であれば、話題の持ち寄りによりじっくりとおしゃべりできます。その意味では、長寿会への期待が大きいともいえましょう。もちろん、立ち話もどしどしとしましょう。

 

10.まとめ

人は場を作り、場は人を作ります(場はおしゃべりを応援します)。よい場を作ることは、人をおもんばかり人格尊重そのものですから、話し方に気を配らなくてもごく自然(自然体)がおしゃべりとなって、皆さんとともに楽しめます。シルバーはそんな味を自身から滲み出せます。


建築の諸問題を社会一般の問題としての展開する、地震・街づくり・子ども、エッセイ162

2017.09.08 建築の諸問題を社会一般の問題としての展開する、地震・街づくり・子ども、162

建築の諸問題を社会一般の問題としての展開する
ーー震災、街づくり、子ども環境の三問題について

 

0.はじめに

建築における諸問題をもっと社会一般の問題として総合的に捉える必要が以前にもまして迫っている。ここでは、建築の問題のうち、地震災害、街づくり、子ども環境の三つに着目して、社会においてどういう視点により、問題に対処すべきかを概説することにした。

 

1.震災の人為的側面からの検討

災害防止や災害軽減に向けて、これまで災害が起こるたびに施工不良、現場技術の未熟さ、設計不備、未耐震化、等の人為的な要因が災害を大きくしたことが指摘され続けている。なぜであろうか。問題の本質が技術の枠を超え社会にも及び、種々の改善を妨げる要因が社会そのものにあるからではないのか。

 そこでここでは、人為的要因が技術や社会にそもそもどのように横たわり、災害拡大と結び付いていくのか、問題点の洗い出しと検討をもって改善への方向性を探ることにした。

扱った問題は三点とした。(1)宅地地盤崩壊による被害 →専門の総合化不足(地盤軽視)の弊害。(2)ユーザーニーズに応えきれていない被害 →設計の配慮(意匠と構造の連携)不足の弊害。(3)施工不良による被害 →現場軽視の弊害

以上の三項目から、分業化・専門化、過度の経済性追求、教育の在り方、倫理の在り方、市民への理解、等について、これまでのグレードを脱却すべき、と説いた。

 

2.街づくりにおける生活圏と意識

いわゆる街づくりでは、観光中心の経済活動、イベントによる活性化活動、居住環境づくり活動等が地域の事情や特性を勘案して実施されているが、一部には、主導の方々のみの先行により地域全体の底上げ活動にまで達していないものもある。しかも主導者側は、原因を地域民に押し付け、住民方々の意識が低いとして「地域民の意識改革」を進めようとしている。しかし、意識改革は主導側の意に添うようにすべきことなのか。根源的問題は街づくりについて地域民(居住者)のかかわりにあるのではと考える。

そこで、地域民に関する生活圏と意識とが一体であるとの観点で地域活動・行動について論究し、生活圏における居住の様相と意識について特に意識事例をもとに検討した。その結果、街づくりには、お互いの顔が見えるような圏であれば、居住の充実は図れ、人間性がいかんなく発揮されること、また活力ある圏を圏内外の意識比較から構成できることを示した。

 

3.子ども環境

子どもを取り巻く環境は一段と歪さを増しており、子どもの成長には健全さが失しなわれかけている。これが、子ども成育の諸施設にも影を落とし、迷惑施設云々がいわれる始末である。

一方、建築分野では、そのような状況でも子どもの施設には発育の支援として施設に勤務する職員や親御さんの声を反映させて設計にあたっている。

しかしながら、そこにおいてもマジョリティの風潮に押されて、経済的解決や即物的解決を余儀なくされることも多い。

そこでここでは本質的解決を目指して子ども環境づくりの健全化に際して阻害要因の洗い出しながら検討を加えた。

その結果、「大人の都合、効率最優先、経済優先」という社会的要因をもとに「関係希薄化、単純化、かまいすぎ、他」があることを指摘した。環境改善としては、「子ども視点、人間性の醸成、家庭や地域の充実など」を念頭に置き、大人の意識変革や子どもの内なる力の育成を日常的に図ることを述べた。


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