研究

人災防止の構想づくりに向け勉強会を、エッセイ170

2018.06.01 人災防止の構想づくりに向け勉強会を、170

◆人為的要因による震災防止に向けた技術・社会に関する勉強会(研究会)を17年4月に立ち上げました。災害問題を広範囲に扱いたいというのがそもそもの思いです。ここで、何がどう問題となっており、その背景は何か、といった観点の構想を描いてみた。以下に紹介する。
◆地震災害の防止や軽減に向けてこれまで地震が起こるたびに施工不良、現場技術の未熟さ、設計不備、未耐震化などの人為的な要因が指摘され続けてきた。にもかかわらず、この種の要因による被害がなくなるどころか却って激しさを増している。このため、問題は技術の枠を超えて社会にも及び、種々の改善が進まないのは社会そのものに温床があるといわれるようにもなってきた。

そこで、本勉強会では人為的要因による震災の防止軽減を目指して人為的要因を社会における制度や経済活動等と関連させ、技術と社会のあり方を検討し、今後に向けての改善を図ることにした。勉強(研究)は二か年にわたっておこうなう。


◆第一年度は、研究目的遂行のための戦略を練ることにした。本来この種の問題には建築のすべての分野を網羅しかつ社会性の次元からの展開を必要とするゆえに、具体的な問題考究を前にして研究の入口と出口
(研究成果の社会還元)を戦略構想として固めた。実際には、勉強会では全国からこの種の問題に関心を示す多岐分野のつわもの達が集まり(設立時から委員)、人為的要因の温床を技術・社会の次元から捉えた自由奔放な熱い論議により勉強会の共通理念・共通姿勢を作り上げた。そして、第二年度にて大規模なシンポジウム開催を念頭に戦略を下記のように練り上げた。

(1)基本方針:委員会では人為的要因の設定から始め、人為的要因を技術そのものや社会システムそのもの不都合と捉え、災害イコール人災とした。

(2)扱う対象:対象を社会システムとしての建築とし、構成の切口を技術と社会を横断する形で「専門分化分業、市民参画(市民主権)、経済優先、(倫理含めた)理念・情念」の四系統とした。また、対象分野は、住宅、大型建造物、街、都市といった形系と、設計、施工生産、メンテ、マネジメント、教育、市民活動といった行為系とに分けた。

(3)アプローチ:実際に問題においては、行為系や形系についての社会的次元での検討と、社会的次元を前提に行為系や形系を絡み合わせての検討とがあるとした。ここでは、研究成果の一層の発展と社会的還元とをバランスさせて、現実の技術の問題として社会的次元の四系統を適宜組み合わせ、設計、コミユニテイ、社会、エコに絞って主題を設定し、人為的要因から災害までの一連を念頭に置いたアプローチが適切と判断した。

 設定した主題は;・構造設計の視点、・住宅設計(意匠と環境)の実務、・防災と災害時における市民参画、・小地域経済圏のコミユニテイ、・建築物の地域社会における価値ある資産、・本気エコの視点 

◆第二年度については、シンポジウムを念頭に設定の主題について深堀し、この種問題の本質を社会的・技術的に明確にして、これを提言にまとめ、併せて研究成果の社会への還元に向けて方策を練ることにする。なお、シンポジウムでは本勉強会委員全員に加えて多くの協力者にも論文執筆により、積極的に成果の各分野への拡散を図ることにする。

 

人為的要因による震災の防止を、建築学会特別研究委員会設置申請(12)、エッセイ150

2016.11.13 人為的要因による震災の防止を建築学会特別研究委員会設置申請(12)、150

2017年度開始、216年度作成

テーマ;人為的要因による震災の防止に向けた技術・社会に関する基礎的研究

委員会名:人為的要因による震災の防止に向けた技術・社会に関する特別研究委員会


◆研究目的
地震災害の防止や軽減に向けて、これまで、地震が起こるたびに施工不良、現場技術の未熟さ、設計不備、未耐震化、などの人為的な要因が指摘され続けてきた。にもかかわらず、この種の要因による被害がなくなるどころか返って激しさを増している。このため、問題は技術の枠を超えて社会にも及び、種々の改善が進まないのは社会そのものにその温床があるのでは、ともいわれるようにもなってきた。
 そこで、本研究では人為的要因による震災の防止を目指して、人為的要因による震災のメカニズムを明らかにし、次いで効果的な改善策を立案することにした。具体的には、問題の本質を横断的に二分し検討を次のように進めるとした。第一には、人為的要因は技術を操る人間側社会のあり方に根があると捉え、社会における制度や経済活動などのシステムと人間の住生活に着目し、技術行使のあり方を社会の営みとの関連で明確化する。第二には、社会の営みを多様な分野に加え経済性や倫理との関係性を明確化する。以上をもって本研究の目的とする。


◆設置理由
 震災のかなりの部分が人災といわれることが多いにもかかわらず一向に改まらないのは、この種の問題に対して学術が英知を集めて正面から向き合っていないからではないのか。なぜそうなるのか。震災に取り組む姿勢が各分野単独独自で連携や総合化がなされていないからである。確かに各種委員会も震災を念頭に置いているが、自分の委員会内で足固めに追われている。ならば、災害委員会はどうかと言えば、災害について総合的に主導しているものの、災害発生後に活躍をすることを本務としていて、総合性の任を担う委員会が別途にあればと切望しているかのようにも見える。しかも、社会における技術者の役割として、倫理やコミュニケーションの委員会もあるが、ここにももう一つ連携用に設定された委員会により、水を得た魚のように機能するのではと思える。こうした状況こそが提案委員会の出番を誘導しているかのようにとれる。提案委員会を核に震災というフィールドですべての英知が集まることを熱望したい。もちろん、提案委員会でもってすべてを稠密に行うことはできないので、むしろ各種の委員会や建築学会の枠を超えた様々な分野からもつないで、老若によりパイロット的に研究を進めることにしたい。


◆研究の項目
目的遂行のためにいくつかのサブテーマを設定する。
(1)技術行使の背後における経済性や価値観をも対象にした倫理の構成に関する研究。経済性の上に立脚した倫理では、根本的な解決は難しいと考えられる。価値観まで取り込んだ倫理の構築をパイロット的に構成する。特に世の中、学術的対応よりも世の中が回ることが第一とされる(経済活動優先の)風潮について倫理の面からの対応策を考える。
(2)市民啓発が市民行動につながるための要件の洗い出しとそのメカニクスの解明および実践プログラムに関する研究。啓発には何をどこまで市民に伝えるのかいいのか。マスコミ報道に際しての監修のあり方や市民の良識の醸成に関するプロセスを明らかにする。
(3)生活の営み視点での意識改革の研究。よく住民に求められる意識変革につて啓発活動第一主義ではなく、生活の営みとリンクさせて、意識の醸成のプロセスを明らかにする。
(4)建築からの社会世論づくり・技術世論づくりについての研究。市民良識醸成とあいまって、技術倫理とのリンクで、世論づくりの骨子を建築の視点で作成する。
(5)分業化社会における専門教育のあり方についての研究。教育体系の抜本的改革ということではなく、連携の仕方や総合的視点をもって対応できるような素養を磨くために教育のシステム的な検討。具体的には、地盤と建築、計画と構造、施工と構造、現場とデスクワークといった枠組みでセンスが養われるプログラムを作成する。ただし、実践までは扱わない。
(6)現場軽視の要因と改善に向けての研究。経済性の論理でしわ寄せが現場に及ぶ。そのメカニズムを探り、改善に向けて策を練る。特に、現場にまで設計の論理がいきわたりにくいことや熟練者をないがしろにする風潮にも分析し、抜本的解決を策定する。
(7)住まい方の今日的意義に関する研究。今の住まい方でいいのかどうか、今の設計や施工法でいいのかどうか。地震国日本特有の防災文化がありえるのか、計画・構造・環境の分野から近現代の時間軸の流れで検討する。
◇上記7項目の研究はどれひとつとっても大きいので、本格研究はaij各種委員会にバトンタッチすることを目指して、震災視点からの突破口として位置づける。なお、経済と社会性に関する本来の研究はここでは扱わず、身の丈にあった研究に限定した。


◆委員会構成
委員会については、多種多様な分野からの熱い方々15人で構成する。委員会は、東京、名古屋、京都で開催し、各地にて趣旨に賛同する市民と実務家を会友として結集してWG活動。
◇世話人 教育系 **  ◇公募 若い人2-3名
◇コアメンバ― 各位はaijの各種委員会にも所属
子供系 **  構造系 **  設計系 **  計画系 **  
環境系 **  施工系 **  デザイン系 **
◇顧問格メンバー  
 実務系 ** 都市系 ** 経済系 ** 建設系 **


◆予想される成果
 提案委員会が掲げる究極のミッションは、広く世の中の民度を向上させることにあり、また建築系の方々が主体となって市民視点で動くことができるよう建築世論を形成させることにある。もちろんそこまでの完全な到達は考えておらず、方向性と着実な一歩が肝心としている。委員会活動として、各研究項目について、方向性を見出す成果を上げるとともに、これらをもとに、2018年度大会(東北)でのシンポあるいはPDにのぞみ、そこにおいて問題意識を皆様方と広く共有し、方向性を確たるものにする。すなわち、提案委員会メンバーを核にして各界、各分野のエキスパートの方々と議論により、知的交流を深め、今後の動きの加速にむけたい。大会時では、人為的要因の整理が概略一通り終わっており、今後に向けての方策の方向性も明示できると考えている。息の長い取り組みであるので、本委員会が先行し役目を終えれば、他の委員会が後を継ぐ形で、一つの視点としてでも動きが加速すると考えている。以上をもって、主体性を根付かせる世論形成の基礎が築けると思っている。


◆過去の業績
今回のテーマは今まであるようでなかっただけに、過去の業績は世にいう形になった業績というものではなく、委員候補者自身が研究成果を暖めて門外不出の状態にある。すなわち、がかかる問題を周辺に置きながら研究を進めている各候補者にとっては、場と機会が設定されれば、たちまちのうちにそれらは業績となって世に出てくるものである。また、各候補者の持つ博識・見識・良識そのものが業績そのものであり、何事にも変えがたい宝である。こうした宝を提案委員会が設定テーマの下でより一層光り輝かせるのである。繰り返し言うと、今ここに提案委員会が場所とチャンスを提供することで英知がたちどころに集まってくるはずである。そしてまた、2013年4月から2年間、aij教育委員会傘下のWG「教育の社会性検討」において、着実に実績を積んできており、その後は北陸の地において灯を絶やさず、今に持ち越している。


◆研究期間 2017年4月 ~ 2019年3月
研究費  初年度31.5万円 2年度56.5万円 合計88万円


◆特記事項
 提案委員会発足を起案した動機については、人為的要因による震災には教訓といったものがまったくないことに合点が行かなかったことにある。何故か。極論すると技術が社会問題に入り込まなくていいといった感すらする。本来は、技術の社会性こそもっと問われてもいいはずであり、そのことをないがしろにしていると、震災への対処がどんどん後手になってしまうのではないのか。少なからずの有識者が「建築は今一度出直しを」と言っているが、建築といわず技術と言い換えて出直しまでは言わないまでも地道に進めばいいと考える。そして学会の崇高な蓄積が世の中の隅々にいきわたるようにしたい。提案委員会はその走りを務めたい。


子ども視点の街づくり研究、文部省科研の研究計画(6)、エッセイ123

2014.12.10、子ども視点の街づくり研究、文部省科研の研究計画(6)123
 2015年度実施,2014年度申請

課題:子どもと市民が元気になる地域づくりの実践支援に関する研究

(1)問題提起、目的

全国各地においては、自治体や大学などが中心となり、街づくり・地域づくりとして自然・歴史・文化をベースにした生業創出や活性化が図られている。

私は、それに加え(街を含めた)地域全体において、子どもと大人(市民)の生活の営みが健全であることも必要と説いている。すなわち、昨今の子どもの活動を束縛するかのような環境下では、子どものみならず市民にもはつらつとした活力が少なからず奪われているので、子どもとともに市民も元気になる地域づくりが肝用と思っている。

しかしながら、これについては当たり前のことであるだけに、健全化に向けた取り組みが理念的な段階にとどまっていることが多い。理由は、健全化の理念が子どもの環境づくりに直結するものとして市民には十分理解されていないためであり、データを介した情報が欠落しているためと考えている。

そこで私は、地域における子ども環境として幼稚園・保育園および公園・小路を対象として、特に迷設といわれている前者の施設が地域における元気の源にしていく実践を応援したい。このため、子ども・市民の元気の醸成に向けて環境の現状と改善に関する数量的な意識調査を介してプラニング策定について検討することにした。すなわち、実践活動への学術的支援としてデータに基づいて子ども環境の健全さを考察し、実践へ資することにした。


(2)研究計画、方法

研究のポイントは、子どもの自由闊達な活動を市民がどの程度親密に受け入れていくかにかかっている。

・子ども施設の迷惑度を現状分析する。周辺域を含めて地域住民(市民)へのヒアリングを実施。

   音、光景、子どもの園外行動

送迎車両駐車、道路混雑状況

 住民の意識を定量化し、改善方策をつくる。

・公園や小路についても上記と同様に検討する。

・実践家に対して、市民の現状や改善の意識データをもとに、市民との協働の可能性を検討する。

   そして幼保施設での市民との交流で

互いの状況を意見交換する。子どもとは遊びを

通してコミユニケーションをはかる。 

   

(3)特記事項

・調査地域は富山の市町に限定するが、これが全国に向けてのひとつの契機となるようにしたい。

・これまでの準備としては、子ども環境づくりを教育的視点で整理を済ませている。

 

工学における良識・見識の反映と育成、建築学会特別委員会申請(12),エッセイ122

2014.12.09、工学分野における良識・見識の反映と育成、122

2015年度実施調査研究特別委員会設置申請

テーマ  :生活分野の社会貢献における良識・見識の反映と育成に関する基礎的研究

委員会名:生活分野の社会貢献のより充実を目指す調査研究委員会


目的

都市再開発、災害復興などの面で政治主導の政策が進められており、そのバックボーンとなる具体的な事象は現代の技術の粋を集めたものとなっている。しかしながら、その運用にあたっては、技術系の良識や見識がどの程度発揮されているのであろうか。政治主導では都合のいい技術系の選択がされているだけのことが多い。

その一方では、技術系は社会貢献として種々貢献しているものの、そこにおける姿勢は明日の良識をつくっていくまでにはなっていないこともある。すなわち、技術系が社会を対象としていても世界をリードするために、供する次元のものにはなっていないことはないであろうか。

そこで本委員会ではなぜそうならないのか、今どこまでどうなっているかをつまびらかにするとともに社会貢献を形ある実のあるものにするために、良識・見識の生成プロセスそのものによる技術講師といった人間サイドの体系について論及することにした。


委員会設置理由

 上記目的を遂行する委員会の必要性があるにもかかわらず、学会内の既存委員会にはその遂行を託すことはできない。唯一関係深い委員会としては、社会戦略的アプローチ委員会があるが、これは、ハードとそのためのソフト開発という面が強く、私どもの提案とはグレードが異なっている。私どもの委員会はヒューマンサイドで技術の良識とか見識・博識に関わる問題をアプローチするもである。

 とはいえ、両委員会は親戚同士には違いなく、両委員会同士の連携があえて急務と言わざるを得ない。もちろん、本委員会あっての連携であることは言うまでもないことである。なお、本論は抽象的議論になりやすいので、抽象的議論も進める一方で、現実的問題としての考究もあるので両アプローチで行きたいものである。


研究項目

社会貢献として、そこにおける見識・良識とは何か、それはどう育まれるべきか、社会貢献へのヒューマンサイドの社会貢献のあり方を検討する。なお、具体的には、ビッグプロジェクトから始まりローカルな街まちづくり(代表的なものに限る)を対象とする。

(1)建築学会あるいは関係各位の社会貢献そのものが、これまで何をどこまでどのようにしてきたのかを調査する。

(2)学術における見識・良識とはどのように位置づけられ、どのような役割を果たしているかを、調査する。

(3)良識・見識の位置づけとその育まれ方。さらに現実問題での生かされ方について、調査および論考する。

(4)市民サイドからの専門家の良識・見識の批評を調査士論及する。これは、「専門のかかわり方」の解明への一歩と位置づける。

(5)社会貢献としての提言が施策提言へとつながらない状況と意味を探る。

(6)具体的な各分野における意欲の整理とそこまでのアクションプランを策定する。

(7)他分野への波及、aijの中での各分野への波及を探る。


委員名

 委員会については、多種多様な職種と分野から、建築の明日のみならず今日をも憂う方々で構成したい。委員会は、東京、名古屋、大阪で開催し、各地において趣旨に賛同する市民と実務家の方々を会友として分野を問わずWG活動をもしたい。委員候補については、好奇心の塊の方々5名をまず結集し、残りを公募委員として10名ほど募ることにしたい。総勢15名である。活動は各地域で草の根的をモットーとしたい。公募に際しては、世代交代をかねて若い方を優先としたい。


予想される成果

社会連携とのタイアップはある。当方は、学術世界の中で雑多な立場と見方で多様性をかもし出す。それがモノトーンな姿を多様にすると考える。

 シンポ開催も建築学会系統のみならず、他の工科系ともタイアップの道を探る。交わりのポイントを見つけルートをつくるだけでも大成果と考える。建築がいうものづくりとまさに世の中を取り込んだ大きなものである。これを地で行き、底辺から進めたい。

 ただし、本事業は、多種多様な方々の参入がポイントとして展開することそのものが、学術の世界では画期的なこととして評価されると考える。


提案に関わる業績

直接につながる過去の業績はないが、こうした方向をにらんで実践を積み重ねてきた。これらをもって過去の業績としたい。以下にリストアップしよう。

(1)建築教育将来計画小委員会の下に教育の社会性検討WGをもうけて、ここ2年間、専門家としての役割を教育の社会性から論議し、報告書を作成した。

(2)学生の志教育として、学会大会時に開催される学生による語り合いのシンポジオンを後方から支援して、若い方々の人間性育成にもかかわってきた。毎回建築雑誌に報告書を掲載。(全国大会では2007年から、北陸支部では2003年から) 

(3)実務者との風どおり良いコミユニケーションとして、実務者討議の集いを2002年から実施し、研究者教育者が幅広く実務者と向き合い、実務者の役を利を支援している。(2002年から)2002年から数年間、建築雑誌に活動報告を掲載した。


特記事項

(1)建築学会のこれまでの取り組みについて、「ここまでこうして欲しいなあ」といった素朴な思いが本委員会設置を思いついた理由である。これまでは、任意にかつ個別に勉強会を開催し、時にはNPOを中心に実践活動を実施しアクションを起こしていた。また、専門家の役割という観点から、建築学会大会、支部大会、他学会で趣旨に賛同する方々とネットワークをつくってきた。これより、本委員会の設置はまさにこの延長線上で、種々の活動・ネットワークの頂点に据えることができると考える。状況としては下地がかなり充実しており、今は実際にインパクト待ちであると見ているので、まさに機は熟しているといえる。

(2)本委員会では、非常に幅の広いしかもなかなか研究しにくいテーマに取り組むことになる。各分野における種々の問題からも、本研究のアプローチは可能であるが、本委員会はいってみれば全国にある細々とした火を一同に会して大きな潮流を作ろうというものである。また、こうした勢いを何とか市民まで届けて、新しい学会のあり方までイメージしたいと考えている。それには、個々専門にこだわるのではなく、多様な視点で多様なかたがたから自由闊達にアプローチすることが望まれている。本委員会はまさにこうした期待にこたえるものである。


 

 

 

 

 

 

 

 

活力造成メカニズムの解明、建築学会特別研究委員会設置申請(11)、エッセイ78

2014.05.21 活力造成メカニズムの解明、建築学会特別研究委員会設置申請(11)78

 2014年度開始、2013年度申請

建築におけるパッションとアクション化が及ぼす活力造成メカニズムの解明に関する基礎的研究

建築における活力造成メカニズムの解明に関する調査研究委員会

1.研究目的

長く低迷する建築界の沈滞ムードを払拭するには、活性化や新戦略といったこととは別に、建築人(建築に携わる方)も市民も意識の中での思いを積極的に醸成させることが肝要と考えて、建築に向き合うパッションが如何に生まれ育まれ、アクションとして形になっていくかを解明するとともに、明日への活力情勢へのプロセスを明らかにすることにした。これをもって、建築に対する市民感覚・意識の育成を含めた世論形成のための一助が可能になると考えた。なお、本研究では主に建築人を扱い、分野は構造・計画・環境のすべてを対象とし、住まいづくりから街づくり・人づくりまでをも扱うこととした。

 

.委員会設置理由

学術の世界では、パッションについては、教育分野においてさえも直接研究対象になるものではなく、いわゆる主観的なものとして研究の対象外とされている。しかしながら、ものづくりも体系作りももともとは携わる方のパッションがあってのものである。よって、パッションを含めた意識について問題を扱うには、既設委員会は受け皿とはならず、別に新委員会が必要となる。ただし、新委員会は既設委員会とは車の両輪をなすものであるので、種々委員会との連携も考えていくことにしている。

 

.研究項目

目的を遂行するために、建築人と市民の枠組みで建築に関するパッションを行動への意識化と考えて、意識が建築の行為や体系化に如何に関与しているかを明らかにし、その結果に基づいて、市民との建築協働行為や若者教育それに世論形成に資する道筋をつけることにする。研究項目を以下のようにする。

1.建築界沈滞の様相について建築界を構成する人間の立場から人間論を論及する。

2.建築における夢と希望といったパッションがこれまでにどう形作られアクション化されたかを歴史的に調査研究する。特に時代背景も大事な視点とする。

3.上記項目にもとづいて、パッションからアクションへと変貌するプロセスを解明する。

4.市民と最前線で向き合う実務者にとって、実務者の意識と市民の意識がどのように交錯するものか、そこから新たな展開が可能かどうかを考えて、市民啓発の可能性を論及する。なお、技術開発に関しては時間があれば扱いたい。

5.若者の教育として、客観的な体系に基づく教育の他に、夢や希望といった主観的な思いを醸成する教育についてシステムを含めて論考する。

6.世論形成に向けて、市民の感覚や意識を建築的に取り込むことにした雰囲気作りを論及する。

7.本研究の総まとめとして、ハードウエアとソフトウエアを支えるヒューマンウエアの構築の基礎を論及する。

 

.委員会構成

委員会については、多種多様な職種と分野から、建築の明日のみならず今日をも憂う方々で構成したい。委員会は、東京、名古屋、大阪で開催し、各地において趣旨に賛同する市民と実務家の方々を会友として分野を問わずWG活動をもしたい。委員候補については、好奇心の塊の方々5名をまず結集し、残りを公募委員として10名ほど募ることにしたい。総勢15名である。

活動は各地域で草の根的をモットーとしたい。

1.構造系 **(名古屋大学)

2.計画系 **(福井大学)

3.設計系 **(アトリエ)

4.環境系 **(大阪大学)

5.教育系、**(NPO)

 公募に際しては、世代交代をかねて、我ら団塊世代から若手へこれまで何も言っていなかったことを託したい。なお、若手人材は公募でも集まることは建築学会某委員会傘下のWG設置の際に実証済みである。

 

.期待される成果

本研究は意識がどの程度ものづくりや体系作りに関与しているかを明らかにするとともに、建築人がこぞって楽しまれるようにすることにある。こうした考えがこれまでのものと併用して世の中に定着することを狙っているので、まずはこの種の取り組みのあることおよび楽しさの満喫が全国津々浦々に滲み出ることにより(伝播)、各地の心ある方が影響を受け(感化され)ることになろう。これは大きな成果である。

また、各専門委員会とのタイアップの糸口を明確にすることも大事な成果である。これによって他委員会へ我らの思いが届くといえる。手始めに、教育系小委員会傘下にある「教育の社会性検討」WGとの連携から進められよう。

 最終年度には、パネルデイスカッションを開催し、皆さんにこの種の観点のPRと理解をいただくとともに、大いに議論を巻き起こして火種を拡散させて、大成功としたい。

 

.過去の業績

建築学会大会2010(北陸)において、これまで研究対象とはなりにくかった「夢と希望とロマン」をテーマにトークラリーとシンポジオンが開催された。これは、本学会にとって21世紀にふさわしい新たな挑戦と受け取っている。また、今にいたるまで、12年前から細々と実施してきた交流の広場として(大会関連もしくは記念行事として実施されてきた)討議の集いや語り合いのシンポジオンが下地になっている。こうした企画では、人間的匂いのある知的な交流を続けてきた。特に、若い人に対してこの種の問題に対しての種まきをしてきたと思っている。また、学会の委員会についても、パッションとは別に教育の社会性についてWGとして活動を進めている。

 

.研究危難、予算

20144月~20163月、初年度31.5、次年度35,5、計67万円

.そのほか

<1> 3.11を契機に最近、ハードウエア、ソフトウエアに加えてヒューマンウエアの必要性を唱える方が増えている。これは建築を取り巻く環境にもっとヒューマンをということであり、その意味では人間の感情や感性を含め意識を如何に建築に反映させていくかということが問われているといえる。本委員会はパッションに着目してまさにそうしたアプローチを地でいくものである。

<2> 若い方への教育ということを考えるなら、なぜ動機付けのパッションを育てるようなことにならないのであろうか。そんな感情や感覚の磨き方がこれまでの教育とともにあるべきと考える。

<3> 建築人側から市民側への思いは、(建築人側の)パッション→アクション→もの・こと・ひと→(市民側の)共感・感動、というプロセスを経て伝わることはいうまでもない。本研究では上記プロセス前半を主に対象としている。ただし、プロセス全体を念頭において、建築人側のパッションを相対化し、そこに学術的理論展開をして、意識に関する体系化と楽しみ・喜びの醸成を、と考えている。

<4> 研究スケジュールについて 

第一年;実態解明という意味で事例調査を主に行う。

第二年:調査結果を整理し汎用的な方向性を確立する。

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