http://business.nikkeibp.co.jp/article/life/20070216/119219/

アフリカのナイジェリアは石油大国。2005年の原油輸出額は約450億ドルで世界第6位。これはクウェートやベネズエラをしのぎ、アラブ首長国連邦に匹敵する輸出額だ。硫黄分が少ないナイジェリア産原油は人気が高く、最近では中国や韓国も同国に積極的にアプローチしているという。

にもかかわらず、ナイジェリアは貧しい。国民一人当たりの国内総生産は1400ドル(2005年)でベネズエラの5分の1以下、アラブ首長国連邦の30分の1という水準だ。

その富は国民にまで行き渡らない。政治家や役人、軍人が勝手に使ってしまうのだ。ある調査によれば石油による歳入の実に70%が、彼らに浪費されたという。ある州政府の知事は、横領した数億ドルを外国銀行の口座に隠し、米国で不動産を購入したり、英国ロンドンの私立学校へ子どもたちを通わせたりしたという。それなのに、国民の大半の稼ぎは1日100円程度でしかない。

一方で、国土は石油開発のために荒廃してしまった。森林は伐採され、貧しい家々は吹きすさぶ強風にそのままさらされている。大型石油プラントが建設され、船の往来が激しくなったせいで、沿岸漁業は成り立たなくなった。石油設備も老朽化していて、年間に200件を超す流出事故が起こる。

当然、国民は怒り狂っている。武装ゲリラによる破壊活動も多発するようになった。油田やガソリンスタンドを襲撃する、外国人従業員を誘拐するなど、その活動は激しさを増している。