先日の東日本大地震により、亡くなられた皆様のご冥福をお祈りするとともに、被害を受けられた皆様に心よりお見舞い申し上げます。
(前回の続きです。)
さて、今回の大地震、マーケット的には3つの要素が複合的に絡んでいると感じている。
1.大地震および津波による直接的な被害
これはテレビ等で再三報道されている通り、相当な大きな被害になっている。街が全て津波で流されてしまっているなど、眼を覆わんばかりの惨状だ。
ただ、マーケット的に見れば、東北地区の被害が甚大であったが首都圏は大きな被害を免れており、将来的な復興需要まで考えれば、一時的な落ちこみはあっても、景気やマーケットに対するインパクトは長い眼で見ればイーブンではないだろうかと分析している。
2.原発事故と放射能汚染
今、マーケットで一番心配されている材料はこれなんじゃないだろうか。
地震によって、福島原発に被害が生じ、1号機、3号機は既に爆発で屋根が吹っ飛び、素人目に見ても危険な状況であることが想像できる。
1号機の爆発は白い雲だったので水蒸気爆発だという説明もまあ納得がいった。
が、3号機の爆発は黒い立ち上る煙だったし、その後の建屋の損壊ぶりもかなりひどいことになっており、深刻なのではないかと思えてしまう。
また、4号機から火災、2号機などへの放水作業など、危険な材料をあげればきりがない。
もし仮に、原発を冷やすことに失敗し、メルトダウンや大爆発のようなことが生じれば、福島の原発近辺はもちろん首都圏/日本全体への放射能の被害が生じることが予想される。
仮にそうなった場合、日本復興どころではないし、日本国の消滅につながってしまう。
投資家として、このリスクがある日本企業への投資からいったん退却しようというという動きになるのもわかる。
しかし、個人的には原発問題はやや楽観視している。
原発には幾重もの安全装置がセットされているし、専門家の皆さんが懸命の対策を打っている。
個人的には、放射能の影響がよくわからない点で恐怖心はあるが、日本は過去に広島・長崎での原爆被爆体験もあった。必ずいつかは立て直せるのではないかと思っている。
ある程度の放射能漏れや被害は出る可能性はあるが、これが全国/首都圏に広がる可能性は低いと考えている。
専門家の皆さんの解決力に大いに期待したいと思う。
3.電力需給問題
原発が被災したことで東京電力の電力供給量が大幅に不足しており、停電等が発生している。
3月下旬の東京電力の供給力3350万KWに対して、ピーク時4000万KWという話だ。
今は計画停電とやらでなんとか乗り切っているが、震災直後で経済活動が本格的に動いていない状態でこれだ。本格的に経済を動かそうとすると、あっという間に電力不足に陥る可能性がある。
また、夏のピーク時は6000万KW以上といわれている。夏のピーク時を原子力発電なしで乗り切れるのだろうか。
節電はまあこういう状況なのでしょうがない。というか節電は積極的にやるべきだろう。看板とか無駄な電気使用が多すぎるので、これを減らすのはむしろ望ましいことだろう。
そうなると足りない電力を、計画停電だとか、営業時間の短縮、工場の生産時間短縮、電車の短縮営業などで補おうとするのだろう。
なんとか電力不足を乗り切れたとしても、この問題で日本全体の生産性が下がるのは必至である。
またサプライチェーンマネジメントが世界中に張り巡らされている現代ではこの問題は日本だけに留まらない。
下手をすれば日本の電力問題で世界中の生産が遅延し、世界中の生産性が落ちることも考えられる。
実際に自動車業界ではこの現象が起きているし、IPADあたりも生産に支障が出始めているといううわさがある。
この問題は日本経済にとって大きなマイナス要因であると思う。
しかも少なくとも夏までは片付かないことが確実であると考えると根が深い問題。
4.そして日本の財政への影響
日本政府は震災復興という名目で今後補正予算を組むだろう。
どういう形になるかはわからないが、大幅な支出超過となることが予想される。
結果、赤字国債の発行残高はまた一段と加速することになる。
実はこれが一番怖いのではないかと思う。
これまでも日本国債の発行残高は来年1000兆円を超えると言われている。年利2%だとしても利払いだけで20兆円だ。一方で日本の税収は37兆円(2009年度予想)である。税収の半分は利払いで持っていかれてしまっているのだ。
超単純計算で乱暴な言い方をすれば、金利が4%を超えれば税収でまかなえるのは利払いだけでその他の支出は全て追加での国債発行ということになる。
現時点でも日本の財政は危ないと言われている。
もちろん消費税の税率が他国に比べて低いなどまだ税収をアップさせる余地はあるし、公務員改革や特殊法人改革で支出を削る余地はある。
とはいえ、日本の財政は、ギリギリの状態まできているのだ。
今回の震災復興資金として、赤字国債を増発した結果、何が起きるか。
日本の財政破綻やむなしのムードが出てしまうのではないか。
普通に(何の要素もなく)、財政を破綻させれば誰かの責任問題になるだろうし、時の政権は、下手に非常事態宣言をして責任を取らされるくらいならうまく逃げることを考えるだろう。
しかし、震災復興資金で財政が破綻したとなれば、話はちょっとちがう。(実際には震災復興資金で国債増発する部分なんて全体から見れば微々たるものだが。。)
世界的に見ても、あれだけの大震災が起こって財政が一気に悪化したのだから、日本はアンラッキーだよね。的な感じで、むしろ同情的に見られる余地が出てきてしまう。
日本政府や日銀としてもIMF等を入れて、破綻的な処理をすることに対する心理的なハードルは大幅に下がるだろう。
これが僕がもっとも恐れているシナリオだ。
震災復興の名目で財政破綻やむなしのムードが出て、本当に日本の財政が破綻してしまうというシナリオだ。
今回の震災によって、このシナリオの可能性が大幅に高まったと思っている。
実際マーケットを見ていると、銀行株には買いが入らず売りがじわじわと増えているように見える。
これは財政破綻→銀行の大幅業績悪化(場合によっては破綻)というシナリオを予想して、一部ヘッジファンドが売り玉を貯め始めているのではないかと疑っている。
日本は意外な形で引き金を引いてしまったのだろうか。。
(前回の続きです。)
さて、今回の大地震、マーケット的には3つの要素が複合的に絡んでいると感じている。
1.大地震および津波による直接的な被害
これはテレビ等で再三報道されている通り、相当な大きな被害になっている。街が全て津波で流されてしまっているなど、眼を覆わんばかりの惨状だ。
ただ、マーケット的に見れば、東北地区の被害が甚大であったが首都圏は大きな被害を免れており、将来的な復興需要まで考えれば、一時的な落ちこみはあっても、景気やマーケットに対するインパクトは長い眼で見ればイーブンではないだろうかと分析している。
2.原発事故と放射能汚染
今、マーケットで一番心配されている材料はこれなんじゃないだろうか。
地震によって、福島原発に被害が生じ、1号機、3号機は既に爆発で屋根が吹っ飛び、素人目に見ても危険な状況であることが想像できる。
1号機の爆発は白い雲だったので水蒸気爆発だという説明もまあ納得がいった。
が、3号機の爆発は黒い立ち上る煙だったし、その後の建屋の損壊ぶりもかなりひどいことになっており、深刻なのではないかと思えてしまう。
また、4号機から火災、2号機などへの放水作業など、危険な材料をあげればきりがない。
もし仮に、原発を冷やすことに失敗し、メルトダウンや大爆発のようなことが生じれば、福島の原発近辺はもちろん首都圏/日本全体への放射能の被害が生じることが予想される。
仮にそうなった場合、日本復興どころではないし、日本国の消滅につながってしまう。
投資家として、このリスクがある日本企業への投資からいったん退却しようというという動きになるのもわかる。
しかし、個人的には原発問題はやや楽観視している。
原発には幾重もの安全装置がセットされているし、専門家の皆さんが懸命の対策を打っている。
個人的には、放射能の影響がよくわからない点で恐怖心はあるが、日本は過去に広島・長崎での原爆被爆体験もあった。必ずいつかは立て直せるのではないかと思っている。
ある程度の放射能漏れや被害は出る可能性はあるが、これが全国/首都圏に広がる可能性は低いと考えている。
専門家の皆さんの解決力に大いに期待したいと思う。
3.電力需給問題
原発が被災したことで東京電力の電力供給量が大幅に不足しており、停電等が発生している。
3月下旬の東京電力の供給力3350万KWに対して、ピーク時4000万KWという話だ。
今は計画停電とやらでなんとか乗り切っているが、震災直後で経済活動が本格的に動いていない状態でこれだ。本格的に経済を動かそうとすると、あっという間に電力不足に陥る可能性がある。
また、夏のピーク時は6000万KW以上といわれている。夏のピーク時を原子力発電なしで乗り切れるのだろうか。
節電はまあこういう状況なのでしょうがない。というか節電は積極的にやるべきだろう。看板とか無駄な電気使用が多すぎるので、これを減らすのはむしろ望ましいことだろう。
そうなると足りない電力を、計画停電だとか、営業時間の短縮、工場の生産時間短縮、電車の短縮営業などで補おうとするのだろう。
なんとか電力不足を乗り切れたとしても、この問題で日本全体の生産性が下がるのは必至である。
またサプライチェーンマネジメントが世界中に張り巡らされている現代ではこの問題は日本だけに留まらない。
下手をすれば日本の電力問題で世界中の生産が遅延し、世界中の生産性が落ちることも考えられる。
実際に自動車業界ではこの現象が起きているし、IPADあたりも生産に支障が出始めているといううわさがある。
この問題は日本経済にとって大きなマイナス要因であると思う。
しかも少なくとも夏までは片付かないことが確実であると考えると根が深い問題。
4.そして日本の財政への影響
日本政府は震災復興という名目で今後補正予算を組むだろう。
どういう形になるかはわからないが、大幅な支出超過となることが予想される。
結果、赤字国債の発行残高はまた一段と加速することになる。
実はこれが一番怖いのではないかと思う。
これまでも日本国債の発行残高は来年1000兆円を超えると言われている。年利2%だとしても利払いだけで20兆円だ。一方で日本の税収は37兆円(2009年度予想)である。税収の半分は利払いで持っていかれてしまっているのだ。
超単純計算で乱暴な言い方をすれば、金利が4%を超えれば税収でまかなえるのは利払いだけでその他の支出は全て追加での国債発行ということになる。
現時点でも日本の財政は危ないと言われている。
もちろん消費税の税率が他国に比べて低いなどまだ税収をアップさせる余地はあるし、公務員改革や特殊法人改革で支出を削る余地はある。
とはいえ、日本の財政は、ギリギリの状態まできているのだ。
今回の震災復興資金として、赤字国債を増発した結果、何が起きるか。
日本の財政破綻やむなしのムードが出てしまうのではないか。
普通に(何の要素もなく)、財政を破綻させれば誰かの責任問題になるだろうし、時の政権は、下手に非常事態宣言をして責任を取らされるくらいならうまく逃げることを考えるだろう。
しかし、震災復興資金で財政が破綻したとなれば、話はちょっとちがう。(実際には震災復興資金で国債増発する部分なんて全体から見れば微々たるものだが。。)
世界的に見ても、あれだけの大震災が起こって財政が一気に悪化したのだから、日本はアンラッキーだよね。的な感じで、むしろ同情的に見られる余地が出てきてしまう。
日本政府や日銀としてもIMF等を入れて、破綻的な処理をすることに対する心理的なハードルは大幅に下がるだろう。
これが僕がもっとも恐れているシナリオだ。
震災復興の名目で財政破綻やむなしのムードが出て、本当に日本の財政が破綻してしまうというシナリオだ。
今回の震災によって、このシナリオの可能性が大幅に高まったと思っている。
実際マーケットを見ていると、銀行株には買いが入らず売りがじわじわと増えているように見える。
これは財政破綻→銀行の大幅業績悪化(場合によっては破綻)というシナリオを予想して、一部ヘッジファンドが売り玉を貯め始めているのではないかと疑っている。
日本は意外な形で引き金を引いてしまったのだろうか。。

