さて、昨日の続きです。

「丸坊主」
初年度:売上50億円、経常利益5億円
2年目:売上51億円、経常利益11億円

「ハゲボウズ」
初年度:売上60億円、経常利益15億円
2年目:売上59億円、経常利益19億円

例えば、ざっくりと経常利益の10倍が妥当水準の株価だった場合、単純計算では、
丸坊主=110億円
ハゲボウズ=190億円
が妥当株価に見えます。

株価(時価総額)が同水準だったら、ハゲボウズを買ってしまいそうになります。
ここが落とし穴です。

しかし、ハゲボウズ社はASP事業の利益を先食いしてしまっているのに対して、丸坊主社は、今後顧客の増加が利益に直結する体質になっているのです。

ただ、ここで勘違いしてほしくないのは、「(SPC事業は怪しいから)ハゲボウズを買うな!」ということではないのです。

ハゲボウズ社の2年目の利益のうち9億円分の利益は、未来の事業の利益の先食いです。永続的に続く利益ではないことが理解できると思います。
しかし、未来は誰にもわからないのです。今、この事業を流動化によって、手放してキャッシュ化することが賢明な判断であることも十分にありえるのです。
また、ハゲボウズ社は、当流動化に関連して、2年間で14億円分の経常利益を計上し、その分キャッシュが残っているはずです(税金分を考慮していない)。
このキャッシュを生かすことができるかがカギになるでしょう。

一方、丸坊主とて、安泰ではありません。
ASP事業に強敵が現れて、いきなり赤字事業になってしまうかもしれません。
こうなった場合、ASP事業を流動化したハゲボウズ社の経営陣に先見性があったと言えるでしょう。

上記のように、流動化から得られる利益は、従来事業から得られる利益とは、異なる側面があるのです。
単純に利益に対するPERでは計れないということが理解できると思うし、こういった要素を加味して企業価値を判断しなければなりません。
こういった要素を加味しても割安であると判断できる投資家であれば買えば良いのです。

少なくとも ハゲボウズには毎年10億円の利益と14億円分のキャッシュが残っているわけですから、これを生かすことができるかどうか。そこが投資判断のカギです。
単純に利益が19億円出て伸びているから買いだという判断は危険だと言いたいのです。

単純なPERの判断だけでは、なかなか勝てないということが理解できるのではないでしょうか。

株式投資って奥が深いです。