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畑中久美子のブログ~篠笛・和太鼓ときどきJAZZ

篠笛、和太鼓、パーカッション奏者・畑中久美子のプロフィール、音楽活動紹介、トッピックスなど(2009年8月22日開設)

創作活動

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テネシーワルツのアレンジ&OH!ジーンズの練習(2010.11.1)

きょうから11月。来年1月30日の自主コンサートまで3ヶ月を切りました。
11月はコンサートの予定がはいっていないので、とにかくじっくりと曲作りと練習に取り組むことに。

OH!ジーンズで取り組んでいるテネシーワルツ。三味線のパートは既に出来上がっており、三拍子にもだいぶ慣れてきていましたが、まだ尺八のパートを作っていませんでした。
とにかく今日作って、夜の稽古にもって行こうと、午後はまるまるアレンジに当てました。
尺八はメロディーに対するハーモニーの役割ですが、三味線は基本的にベースラインでありながら結構、メロディックに作ったので、尺八パートは三味線の音を避けながらコードトーンを拾い、かつ尺八パート自体がメロディックになるように心がけて作りました。

そういえば昨日、坂本龍一さんのスコラという番組(NHK教育)でバッハの対位法をやっていたっけ。
私が6歳から10歳ごろまでピアノを教わった先生は、バッハが一番好きでした。
それで私も、ソナチネと並行してバッハの小品集やインベンションを習って、私もバッハが一番好きになりました。
昨日の番組では、バッハの作品を解剖しておりまして、もしかすると私の曲作りやアレンジは、知らず知らずのうちに、バッハの影響を受けていたのかも、と思いました。
三味線は、和音を出せないことはないけれど、基本的には単音で演奏する楽器。尺八も篠笛も単音ですから、OH!ジーンズのアレンジは単音の組み合わせです。
エスニックキッチンも、篠笛とサックスとパーカッションの三人だけで、ベースもコード楽器も使わない編成です。
もう随分長いこと、コード楽器を使わない単音楽器だけの世界に身を置いているわけですが、和音でジャーンとできない編成のアレンジって、どの声部も全部、メロディーになる。そこが面白いのです。
これは確かに、バッハの影響なのかも。

さて、話がそれましたが、テネシーワルツの編曲でした。
ピアノで三声部同時に弾いて音を確かめながらの作業です。
出来上がったものを笛で吹いて、メロディーとしての流れを確認。
どっちにしようか決めかねる場所も残りましたが、とりあえず譜面を仕上げたら夕方6時を過ぎていました。

急いで晩御飯の支度をして稽古へ。

はじめは大畠さん(尺八)にメロディーを吹いてもらい、私が篠笛で尺八パートを重ねてみました。
まあ、悪くはない。
そこに三味線も入れてもらうとサウンドにグッと厚みが出ました。
この状態で10分ほどリピートで練習。その間に、迷っていた部分を修正。

さて、ここから尺八のパートを大畠さんに耳うつしです。
大畠さんは目が全く見えませんので、洋楽系の新曲は独特の覚え方をします。
私が尺八パートをドレミで歌って、それを即座に尺八で吹いていきます。最初はゆっくり、次第にインテンポに。
大畠さんの個人練習用に、私が一人でドレミで歌ったものを録音にもとります。

少し慣れてきたら、インテンポで三味線を入れて、私はドレミで歌い、それをガイドにして大畠さんが吹きます。
半音の連続が多いアレンジですが、指穴の操作はなんなくクリア。さすがです。
あとは練習用に吹き込んだものを聞きながら、定着させてもらえばOK。

今回は、器楽アンサンブルと歌でやりますが、将来的には四声部を全部、アカペラコーラスでやっても面白いかも。一年後か二年後か、そんな風に変身するかもしれません。

練習後半は、からめ節。調子のよい曲です。
歌は飯田さん、私はジャンベをたたきます。

3月のいずみ春の祭典は、プログラム作成のために、曲目を11月13日までに出さなくてはなりません。
テネシーワルツはいずみ春の祭典でもやろうということに。
からめ節も確定です。
あと2曲は、りんご追分、俵積み唄、新相馬節、淡海節などが候補にあがっています。
11/11の稽古の時までに曲目4曲を決定します。

というわけで、今日の稽古はめっぽう密度が濃かったです。
とりあえず、テネシーワルツに目鼻がついてきてやれやれ。
アレンジは楽しいけれど、長時間集中するので、きょうはもうグッタリであります。

一杯やって寝ましょうかね。


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アメイジング・グレイスのオリジナル歌詞 

英語の歌詞の訳ではなく、オリジナルの歌詞を作ったのは随分前ですが、これまで歌う機会はなく、今回、エスニック・キッチンと合同でOH!ジ-ンズが歌付きでアメイジング・グレイスを演奏することになったので、先日の稽古の時に歌詞を持っていったのですが・・・。

まあ、英語のほうがよいということになれば、この歌詞はまたお蔵入りさせて、どこか別の機会を待つことになるのでしょう。

アメイジング・グレイス~ともに響きあう歌を
作詞:畑中久美子

天に繋がる一筋の 光を仰ぐ我に
惜しむことなく降り注ぐ 愛が闇夜を溶かす

晴れた心で暖かき 森を歩みし我ら
耳に聞こえる友の声 我を励ます歌

遠きあまたの星々に いつか帰り行く我ら
命ある限り忘るまじ ともに響きあう歌を
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オリジナル組曲「武蔵まほろば」2009年12月CD版

エスニック・キッチンのオリジナル組曲「武蔵まほろば」のデモンストレーション用CDができました。(2009年12月版)

武蔵まほろばCDジャケット画像

エスニック・キッチン、稽古場での録音から

 

2004年ごろ、夫の転勤先の大阪で国分寺を思いながら書きためた一連のオリジナル曲を、しの笛、サックス、パーカッションのアンサンブルで演奏するグループとして立ち上げたのが「エスニック・キッチン」です。大阪から国分寺に戻って2年後、20078月のことでした。

もともとは笛のソロ曲として書いたものをアンサンブル用に編曲しながら、ひとつひとつバンドのレパートリーに加えて行き、2年がかりでようやく10曲にまでたどりついたところで、これまで時折、稽古場でとっていた録音をCDにまとめてみました。

曲によって録音環境も録音器具も録音レベルもまちまち、演奏技術も未熟ですが、この2年間のその時々の音を1枚のディスクに集めてみたものです。まだラフなスケッチを寄せ集めたような段階ですが、いつか一枚の音楽絵巻として磨きがかかる日を夢見て、稽古に励んでいます。 


<曲解説>

組曲「武蔵まほろば」 (作曲:畑中久美子 編曲:エスニック・キッチン)
泉湧く豊かな森に育まれた縄文時代。
遥かなるシルクロードをたどって様々な異国文化が押し寄せた天平時代。
武蔵国分寺いにしえの風を音楽にのせて・・・。


01.万葉の風

シルクロードを通って世界の文化が嵐のように押し寄せた天平という時代の香りを運んで、武蔵国分寺の遺跡には、今も同じ風が吹いています・・・・。


02.Uki-Uki水汲みウォーク
国分寺の泉湧く崖の上は古代遺跡の宝庫。水辺に降りてきて水を運ぶ旧石器人や縄文人たちのウキウキとした足取りをイメージして作った曲です。

03.朝もや
ハケ下の湧き水は年中、温度がほぼ一定で、冬の寒い日には水が温かく感じられるほどです。気温が下がった冬の早朝、冷たい外気に触れた湧き水が霧となり、水源地の森に朝霧がたちこめることがあります。その幻想的な風景をボサノバ仕立てで曲にしてみました。

04.時の回廊
今は礎石しか残っていない史跡に立って往年の伽藍の荘厳な様子を思い浮かべると、朱塗りの柱の陰にピョコピョコと見え隠れする小さな妖精に導かれるように、ひとつ、またひとつと時の扉が開かれます・・・。

05.泉に来たりて(しの笛ソロ曲)
午後の穏やかな水辺に一人来て、なにやら物憂げにたたずむ女人。あれは小町か尼さんか。それぞれの心を映す真姿の泉にちなんだ曲。

06.蓮花

現・国分寺の境内の奥に毎年咲く、見事な大賀蓮からイメージした曲。泥田の中でも美しい花を咲かせる蓮。硬いつぼみは夏の早朝、ポンと音をたてるように開くと聞きます。釈尊の誕生の際、蓮の花が開いてその瞬間の到来を告げたそうです。お香がたちこめる御堂の中の世界をイメージした曲です。


07.十三夜 → ~月下の舞 → ~十三夜(しの笛ソロ曲)
満つる日を待てど悲しき十三夜 風に砕けし水底の月~
やがて、月下の森に精霊たちが目覚めます・・・。

08.異国風の踊り
天平寺院の法会で奉奏されたという幻の伎楽。正倉院に残る伎楽面や楽器から、往時の歌舞音曲がシルクロードのかなたからもたらされたものだと想像がつきます。武蔵国分寺でも法会の日、異国調の芸能集団がこんな踊りを踊っていたかも・・・。

09.まほろば

悠久の時という名の大きな足の巨人が、武蔵野の原野をはるばると渡って行くイメージを曲にしました。


10.武蔵まほろば(陽氣作詞)

今年9月に満86歳で亡くなった畑中の父・阿部陽氣が生前に書き遺した歌に曲をつけたもの。


むらさきの 武蔵の国のまほろばは まほろばは
七重の里ぞうるわし 七重の里ぞうるわし

風渡る 武蔵の国のまほろばは まほろばは
北へ一路の大道に 紫匂う武蔵路

東(ひんがし)を背中(せな)にお山は筑波山 筑波山
西の空遠く 玉かぎる 夕日の落つる富士の峰

南(みんなみ)に多摩の横山 越え行きて 越え行きて
遥かに見ゆる海原は 渺茫(びょうぼう)たるや太平洋

むらさき野 武蔵の国のまほろばは まほろばは
太古の森に泉湧く 七重の里ぞ美わし 七重の里ぞ美わし

(2009年12月 畑中久美子記)

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父のまほろば

闘病中の父は既にせん妄の症状もあらわれている状態ですが、病院のベッドの上で突然思い出しました。
今回の入院前、武蔵の国のまほろばをテ-マとして作った歌はどうしたか、と。
これに曲をつけてくれという父の頼みでしたが、その後は様々な所用に追われ、そしてついに今は毎日介護に追われ、父が歌詞を書いた紙を私は楽譜綴りの中に入れたまま、まだ何も手つかずの状態でした。
万葉集のような古文調の歌詞に見合う曲となると、曲調はどうしたものか、なかなか思い浮かぶこともなく、そのままになっていました。

私自身は宿題がまだなことが気になりながらも、父はもう歌のことなど思い出すことはないだろうと思っていたら、突然、あれはどうしたかと問われました。そして、さてどうしたものかと思案しながら病院内を少しばかりブラブラしていると、出だしのメロディが一節、どこからか降りてきました。降ってくる時というのはこんなものです。

とりあえず出だしだけ紙ぺらに書きつけ、家に戻ってから一気に曲全体を作りました。譜面を書き、歌の練習をして、翌朝録音。
伴奏もなにもないアカペラですが、録音したものを病院にもってゆき、父に聞かせました。
父は「そうか、出来たか!!よかった!!」と叫び、両手で顔をおおいました。そして、続きを作ると言い出しました。
父はもう、昔のようにスラスラと言葉は出てきませんが、二人でいろいろ言葉をさがしながら、それを書き留めてゆきました。


父が作った歌詞を少し収まりよく整理し、抜けているだろうところを私がかわりに加筆したのが下の歌です。

 

 

風渡る 武蔵の国のまほろばは まほろばは

北へ一路の大道に 紫匂う武蔵路(むさしみち)

 

東(ひんがし)の背中(せな)にお山は筑波山 筑波山

西の空遠く 玉かぎる 夕日の落つる富士の峰

 

南(みんなみ)に多摩の横山 越え行きて 越え行きて

遥かに見ゆる海原は 渺茫(びょうぼう)たるや太平洋

 

むらさき野 武蔵の国のまほろばは まほろばは

太古の森に泉湧く 七重の里ぞ美(うる)わし

 

2009.8.21


「むらさきの」が「武蔵」の枕詞ではないらしいことを父は少し気にしているようでしたが、武蔵国はその昔、紫色に染める染料になる「紫根」が特産で都にも送られていたようなので、「むらさきの武蔵の国」と続くことに全く問題はないと、私の考えを父に伝えました。
この部分、歌詞の上では「むらさき野 武蔵の国・・」としてみました。

曲のタイトル、候補はいくつかありますが、私は「むらさき野」としたいと思っています。
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創作活動

■オリジナル組曲「武蔵まほろば」
(エスニック・キッチン楽曲)

1.万葉の風 試聴する

2.Uki-Uki水汲みウォ-ク 
試聴する

3.朝もや 
試聴する

4.時の回廊  試聴する

5.泉に来たりて (篠笛ソロ曲) 
試聴する

6.蓮花  試聴する

7.異国風の踊り

8.かがりの舞 (アンサンブル用にアレンジ中)

9.十三夜~月下の舞 (篠笛ソロ曲)
十三夜-1  月下の舞 十三夜-2
(3部ひとまとまりの曲を、音声ファイルの容量の関係で3つにわけてあります。続けてクリックしてお聞きください。)

10.武蔵まほろば
 試聴する

曲ごとの解説はエスニック・キッチンのブログをご覧ください:
曲ごとの解説・・オリジナル曲


■編曲
(民謡&和楽器アンサンブル「OH!ジ-ンズ」にて編曲担当)
・アメイジング・グレイス
・大きな古時計
・翼をください
・花
・ジングルベル
・ホワイトクリスマス 
・りんご追分
・秋田大黒舞
・こきりこ
・刈干切唄  他
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お知らせ&作品紹介

▼1/30(日)に自主コンサートを開催。曲解説付きプログラム掲載。 詳細

▼新曲: NIGHT DANCE(2010.10.24初演 木村草彦作曲)

▼エスニック・キッチンLive&Talk(2010.5.16)
写真と録音CD紹介
ジャケット4JPEG

▼オリジナル組曲「武蔵まほろば」09年12月版CD解説
万葉の風
Uki-Uki水汲みウォーク
朝もや時の回廊
泉に来たりて(しの笛ソロ
蓮花
十三夜 ~月下の舞 ~十三夜
異国風の踊りまほろば
武蔵まほろば
武蔵まほろばCDジャケット画像

▼OH!ジーンズ ライブ
(多摩市 長寿を共に祝う会ライブ盤)
コンサートの模様と音源、CD紹介
OH!ジーンズライブCDレーベル
 

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