名古屋芸大　西洋美術史研究室（でした） : 風景画

2012年03月29日21:00

カテゴリ: 本、研究; 風景画

辻佐保子先生の知られざる？小さな記事

3月25日に「辻佐保子先生とのお別れ会」が東京會館で行われ、出席してきました。

その際に「辻佐保子先生（1930-2011）　略歴・業績目録」が配布されましたが、漏れている？原稿がありましたのでご紹介しておきます。名古屋の新聞でしたので確認できなかったのか、小さな記事なので割愛されたのか？？？

その小論とは、1997年3月26日付の『中日新聞』夕刊に掲載されたもので、小生が担当したボナール展に関するものです。小生が高輪のご自宅まで参上してお願いし、頂戴した玉稿で、個人的には宝物です。

「風景織り込む無限の階調（生きる悦び　ボナール展から①）」

コピー～辻佐保子　中日　1997-3-26　夕刊

2011年07月27日00:55

カテゴリ: 近代美術史研究; 風景画

風景画のその後

前期は今回が最終回で、19世紀以降の様々な風景表現を見ていきました。

コンスタブル

バルビゾン派　山梨県立美術館
　テオドール・ルソー
　ジュール・デュプレ
　ナルシス・ディアズ・ド・ラ・ペーニャ
　ドービニー

ブーダン
モネ
 スーラ
セザンヌ

ロバート・スミッソン
リチャード・ロング

半期にわたって多彩な風景表現を見てきましたが、
人間と自然等の関係についてもまた目を向けてもらえればと思います。

明るい窓:風景表現の近代

2011年07月20日01:37

カテゴリ: 近代美術史研究; 風景画

崇高の風景

今回は崇高の風景について概観しました。

ピクチャレスク　bis
　クロード・グラス　bis
　庭園

サルヴァトール・ローザ

ジョセフ・ヴェルネ

ヴォレール　bis

ラウザーバーグ

ターナー

フリードリヒ
　バーネット・ニューマン　（リンクから日本語の音声解説が聞けます）

トマス・コール　bis

崇高の美学 (講談社選書メチエ)

崇高と美の観念の起原 (みすずライブラリー)

2011年07月12日22:26

カテゴリ: 近代美術史研究; 風景画

17世紀オランダの風景画

今回は17世紀のオランダの風景画の概略についてお話しました。

主な画家
Gillis van Coninxloo
Roelandt Savery
Hendrick Cornelisz. Vroom
David Vinckboons
Hendrick Avercamp
Esaias van de Velde
Hercules Seghers
Jan van Goyen 　bis　ter
Salomon van Ruysdael 　bis
Aert van der Neer 　bis
Rembrandt van Rijn
Willem va n de Velde the Elder
Philips Koninck
Philips Wouwerman bis
Allart van Everdingen
Jan van de Cappelle
Jacob van Ruisdael 　bis　ter　quater
Meindert Hobbema
Adriaen van de Velde bis

都市景観画
Jan Saenredam
Jan van der Heyden
Jan Vermeer

　フェルメールとカメラ・オブスクーラ　
　BBC,　Vermeer's Camera, Vermeer and The Camera Obscura
　フェルメールのカメラ・オブスクーラ利用説をめぐっての一考察

親イタリア派の風景
Frans Post

Cornelis van Poelenburgh
Bartholomeus Breenbergh 　bis
Jan Dirksz Both 　bis
Jan Asselyn
Nicolaes Berchem 　bis
Cornelis Vroom
Karel Dujardin
Adam Pynacker
Aelbert Cuyp 　bis

商品としての絵画、商人としての画家 : 17世紀オランダにおける絵画取引の諸相

17世紀オランダ風景画略史　 bis
''Masters of 17th-Century Dutch Landscape Painting,''

描写の芸術―一七世紀のオランダ絵画

日常礼讃―フェルメールの時代のオランダ風俗画

2011年07月06日14:52

カテゴリ: 近代美術史研究; 風景画

理想風景の系譜

今回は17世紀ローマにおける理想風景画の成立とその後の展開についてお話ししました。

主な作家
ジロラモ・ムツィアーノ

パウル・ブリル　ローマの北方の画家たち
アダム・エルスハイマー

アンニーバレ・カラッチ　 Paesaggio con la Fuga in Egitto

プッサン

英雄的風景と田園的風景→（Roger de Piles, Cours de peinture par principes, 1708）

風景画家が絵を描く際に用いる様々な様式のなかで、わたしはただ二種類だけを区別しよう。他のものはそれらの混合にすぎない。すなわち英雄的様式と、牧歌的様式あるいは田園的様式である。英雄的様式は、芸術や自然が生み出しうるあらゆる偉大なものや非凡なものから抽出したものによる構成である。そこでは風景は全く快く、かつ目を見張るものである。そこに描かれた建造物は、寺院、ピラミッド、古代墓地、神に捧げられた祭壇、規則的な形体の別荘などだけである。プッサンがこの様式において十全に表現したように、この様式は美しい才能、良き精神から発した時には、一つの快い幻想であり、一種の魔法である。（中略）田園的様式は、洗練されたというよりはむしろ、自然そのものの気紛れのままに委ねられたように見える風景を表したものである。そこでは自然は虚飾も技巧もなく全く素朴に見える。しかし、技巧によって無理に使われるより自然体にまかされた時、より良く見える装飾物は描き込まれているのである。（佐々木由里子訳）
ロジェ・ド・ピール(1635-1709)『絵画講義』(1708)

クロード・ロラン　西美　静岡　素描　 bis　

ガスパール・デュゲ

クロード＝ジョゼフ・ヴェルネ　 bis　ter　作品解説ツアー（NGA）

　ヴェルネとディドロ : 18世紀中葉のフランス風景画についての小考
　フラゴナールと風景表現 : その制作の論理

 ヴァランシエンヌ　
　
 ミシャロン　（ローマ大賞・歴史風景画）

コロー　 bis　　
　油彩スケッチと完成作

 The Transformation of Landscape Painting in France

理想風景は、国立西洋美術館や静岡県立美術館で何点か見られます。

＜参考文献＞
古川俊英「理想的風景画」『北海道教育大　紀要　第一部　A　人文科学編』44-2(1994)
ザンドラルト「風景画の制作」『西洋美術史研究』２
バリオーネ、ドメニキーノ伝（浦上訳）
藤田治彦『風景画の光』講談社、1989年
『イタリアの光　クロード・ロランと理想風景』国立西洋美術館、1998年

静岡県立美術館の小針さんのドメニキーノをめぐる小エッセイ

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