アメリカの友人

小説と詩を書くブログ。

2009年06月

 ある晴れた日の海岸に、白い骨と白い流木が横たわっていた。
「われわれは似たもの同志ですね」
「ほんま」
「今でもじゅうぶん見分けがつかないのに」
「つきまへん」
「そのうち波にもまれ、バラバラになり、粉々になって混ざり合ったりしたら」
「したら」
「われわれはどうなってしまうんでしょうね」
「さあな……。なるようにしかならんわ」
「そうですね」

私はあなたの秘密に触れていた

永遠じゃなく今のあなたに触れていた

あなたは人差し指を私の唇に押し当てた

私が何かをいう前に

すべてを台無しにしてしまう前に

私には秘密など無かった

私は単純な人間だった

それでもいいとあなたはいった

私はもう一人のあなたなのだと

だからいいのだと

ただ触れて欲しいのだと

神話の中であなたは言った
決して後ろを振り返ってはならないと

あなたは常に正しくて
私は常に間違っている
それが神話というものですよね

だから私は後ろを振り返ったのでした

そのあと私がどうなったのか
説明するまでもないでしょう

あなたは神話の世界を生き
私は現実の世界を生きています

私はなんとかやってます

また夢の中で会いましょう

おやすみ

その小さな塊に
まだ名前は無い

なぜなら誰も
それを必要とせず
それに気付かなかったからだ

いつか誰かと出会う
その日まで
じっと息をひそめ
じっと秘密を守ってる
その
小さな塊に
私は名付けたい

君の名前は



この世で一番
自由な生き物の
名前だよ

死人に口無し
死者は喋ることが出来ないというが

それは
少し違う

彼(彼女)にはきっと
語るべきことなど
もう何も無いのだろう

彼(彼女)は言葉で伝えることを
やめてしまっただけなのだ

彼(彼女)は「死」という
いちばん最後の
いちばん特別な言語で

すべてを
語り尽くしたのだ

この世に生きる
我々の言語など
単なるゲームに過ぎないことを思い知る

死者の
沈黙の前では

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