エフィムの記事を作成するにあたり、「悠久の谷」についていくつか思うところがあったので記しておく。
2014/12/10、ラファエルが初代の長という事に初めて気がついたので記事を若干修正。

・悠久の谷とは?
火の時代から存在する、人とドラゴンが共存する場所。

「ドラゴンと人間が共存するこの谷には、各地から身寄りのない子供や、害意の無いドラゴンが集められ暮らしている。」
(ラファエル・マルス)

※クロマが一時身を寄せていたのもここかもしれない。 

「その後、彼女の様な身の上の子供たちが寄り集まり暮らす土地からも~」
(クロマ)


・通常、ドラゴンは討伐するべき対象である。それと暮らす事など谷の外の人間には理解されがたく、故に谷の存在は秘密である。谷の人間は細心の注意を以って行動していた。 


・虹の時代、竜人族の住む「光の谷」。そこはかつて、人とドラゴンが共存していたという伝説がある。恐らくは、その場所こそが「悠久の谷」である。

「その谷には遥か昔、人とドラゴンとが共存していたとの言い伝えがあり~」
(シェルクス)


・しかし、虹の時代において、「悠久の谷」という名前は残っていない。それは、一度「悠久の谷」が滅んだからである。まず、光の時代に谷の存在が外界に漏れた。そこで、谷の人々はその地を捨て去っている。

「谷の存在は各地に知れ渡り、(中略)各軍が動き出している。」
([封龍士]マクシミリアン)

・ここでいくつかの疑問が生じる。
1.なぜ、一度捨てた土地にまた人が居るのか。
2.悠久の谷が完全に滅びたのは闇の時代である。捨てられた土地がなぜもう一度滅びるのか。
3.「光りの谷」が「悠久の谷」であったなら、同じ竜人族の住む「火の谷」「水の谷」は何なのか。
4.3に関連して、なぜ「闇の谷」は言及されないのか。
5.そもそも竜人族とは何なのか。

以上の疑問点に仮説を立てながら、谷の歴史を組み立ててみたいと思う。

火の時代
 上述したように、外界に行き場の無い人、ドラゴンが集まりながら谷は発展していった。ラファエルが最初の長である事から、彼女とドラゴンの出会いからこの谷の歴史が始まった可能性が高い。この頃まだは秘密が守られていた。

水の時代 
外界は すこしキナ臭くなってくる。谷に直接の影響は無いが、戦火が近付いているのを感じている。

「近頃は戦火が谷の近くまで及び、僅かな不安を感じている。」
(セリム)

光の時代 
谷に住むある女性が、王国に人と竜の共存を訴える。争いを無くそうという想いからの行動であったが、 ある王国騎士団長(恐らくミハエル)に利用されただけであった。彼に谷の場所を突き止められ、秘密にする代わりにドラゴンを狩ることを強制されたのである。ミハエルは飛竜を操る戦士という強力な手駒を手に入れ、手柄を立てる。更にミハエルは危険な芽をつぶす為か、敵国の戦力を分散させる為か、谷の情報を他国に流す。もはや「悠久の谷」は秘密の場所では無くなり、各国の様々な思惑に晒されることとなった。詳しくはマクシミリアンの各ストーリーを参照されたし。長くなるので抜粋はしない。
最終的に人々は、谷を捨てる決断を下す。ここで疑問2に対する仮説。この時、全ての人がこの地を去ったとは考えにくい。生まれ育った場所に拘り、ここに残った者もいたであろう。

闇の時代 
「悠久の谷」に残った人々と各国がどのように関わったのか詳細は明らかではないが、しばらくはそのまま存続したようである。が、 賞金稼ぎをしていたイザークが帝国でドラゴン部隊隊長を務めるようになり、部隊の戦力として谷の竜は捕獲、谷の人間は「排除」された。ここで「悠久の谷」としての歴史は終わる。この谷が虹の時代まで続いていれば、「闇の谷」と呼ばれていたのかもしれない。これが疑問4に対する仮説である。

「故郷に住む人間を一人残らず排除し、残されたドラゴンを全てその手中に収めた~」
([轟虎の残影]イザーク)

空白の時代 
まつえ が調査し、エフィムが探し求めた「悠久の谷」。まつえの手記によれば、その谷は一度滅んだが、その谷の人間は別の場所に移り住んだ。エフィムが滞在した「街」がその場所であるという。しかし、エフィムはまつえの調査が無ければその事に気が付かなかった。おそらく、普通の街と何ら変わりが無かったのではないだろうか?
「悠久の谷」から去った人々はそれまでの歴史をすべて捨て去り、外界の中に完全に溶け込み、普通の暮らしをする。そういった選択をした人々が住んだのが、その「街」だったのではないだろうか。そうだとすれば、まつえもエフィムも、およそワノクニに行く方法に結びつかない場所を探し当てたことになる。 詳しくはエフィム各ストーリーを参照。

虹の時代 
上述 したが、「悠久の谷」は「光りの谷」と名前を変え、そこには竜人族が住んでいる。同じ人種が水の谷と火の谷にもいるが、そもそも彼らが何なのか分からない。闇の時代にその地は完全に滅んでいるから、虹の時代にそこに住む人々は後からそこに移り住んだ人々のはずだ。
「水の谷」には世界の歴史の大きく関わる伝説が残されており、歴史が変わる際に現れる「祖龍」を観測する役目のマクスウェルは竜人族の祖であり、水の時代の人物である。 
この記事をまとめる前、筆者は「悠久の谷」の人々が後の竜人族へと変化し、各地へ散らばりそれぞれの谷の集落を形成 したのかと考えていたが、どうやら違うようだ。
水の時代には既に、悠久の谷とは別に、後に「水の谷」と呼ばれる集落が存在し、そこにうまれたマクスウェルが竜人族の最初である。彼がなぜ竜人族となったのかは分からない。疑問5は仮説すら立てられない。
その後竜人族は寿命の長さゆえに人口が増え続け、他の土地に移り住む者が出始める。それが「火の谷」「光りの谷」に住む者たちであり、「光りの谷」は依然「悠久の谷」と呼ばれていた土地であった。そこに以前の住人の遺した物から、人とドラゴンの共存の歴史が今に伝わる。これが疑問1に対する仮説である。

恐らくこういう事ではないかと思う。これらの情報は非常に細かく分散しており、少なからず拾い損ねたものがあると思われる。気が付いた点があればご指摘いただきたい。何かあれば、この記事は随時修正していくつもりである。