昨夜の湯布院は短時間とはいえ大変楽しく過ごしました。

「あら、○○○さん痩せた?? イケメンに磨きがかかっていいわねぇ。ホント素敵よ。あら、R君はまた一段と背が伸びて逞しくなったわねぇ。お母さんのお腹の中にいる時から知ってるから格別だわ」

先方の奥さん、玄関に入るや否ややにわのリップなサーヴィスを従弟氏と若さまに。取り残された私には結局何も仰せがなさそうだった。

「最近歩くのを再開して体重が面白いように落ちていってるんですよ」

「東京の兄ちゃんよりも背が伸びたかも。今度帰ってきたら背比べするつもりです。えへへ」

目を細めて聞き入っている奥さんに私とて負けてはおりませぬ。

「一緒に歩き、一緒のものを食っているのに面白くないように変化なしなんですぅ」

言わいでもよかろうについつい軽口を叩きのめす私。

「そりゃ一回りも年が違うと代謝がねぇ……、可哀そうに。ところでR君、お兄ちゃんの結婚が決まりそうなの??」

「可哀そうに」のひと言で私の話は可哀そうにブチ切られました。それにしても確かにここのところの従弟氏のスリムさには目を見張るものがあります。腹はへっこみ、顔はシャープに。プリプリと形の整ったケツの後姿なんぞはくたびれた中年ではありません。うっ、若い!!

これって私の12年前とは全く違うハリと輝きがある。襲いくる激しい羨望に飲み込まれ口惜しいったらありませんが、失ったものや過ぎた時間はもはや返りませんね。取り敢えず今あるものを大切にしていくつもりです。何せ今あるものも衰退と減少、消滅絶滅の危機に瀕しておりますゆえ。そうです。私の頭は絶滅危惧毛であります。よそに生えてる余分なのを持って来て植え替えなんか出来ないもんでしょうか。それと体重を落とすには従弟氏の3倍は歩かなければ追いつかないとか。日がな一日をかけて3時間も歩けますかってんだ!! ことほどに励まねばご褒美はもらえないという基本的なお決まりごとを遵守すれば良いことではありましょうが、気力と体力の減退と老いのスピードの諦めが『刻苦精励』の邪魔をするようであります。

「そんなことではいつまでたっても変わり映えがしませんよ」、らしゅうございます。


今日は若さま、いつもの時間に登校し『進研模試』に臨みました。来週は『学研模試』、再来週は佐賀大学で行われる研究発表会に出席と、3週連続の忙しい週末になっています。そんな若さまにとって4週後の週末がどれだけ楽しみか。それは以前からお騒がせの通り、東京のお兄様とお付き合いしている彼女とご両親が大分に来て下さることです。昨夜も湯布院の友人宅で若さまが「お兄ちゃんと彼女に会って下さい!!」と、きっぱりと言い、先方のご夫妻が「本当に成長して……」と目をウルウルさせていたく感動しておりました。

若さま同様に東京カップルに会えることを楽しみにしてくれる人たちが増えました。そんな楽しみを前に模試も研究発表会もなんのそのの意気込みで俄然燃えている若さまであります。もう御一方、それはバアサンであります。

バアサンは若いカップルと会える楽しみ以上に、先方のご両親に失礼のないようにお目にかかることの方が大切のようで、床飾りや掛け軸、応接間の片付けなどテキパキと……、私にお指図なさっております。電話がかかってくる頻度が日ごと夜ごとに増えていってるように感じます。季節の花の鉢植えも完成させました。まだあと3週間もあるのに掛け軸も家宝の超デカのに換えました。お仏壇はバアサンの手の届く範囲の軽作業ですので、

「母さん、ゆっくりと仏壇掃除やっときなよ」

「あんたこそ粗相のないようにしっかりと努めなさいよ」

みんながそれぞれに楽しみにしている2月です。お指図喧しいことですが、私もそろそろ詳しいあれこれを決めていかなきゃと従弟氏と話しております。まさにお迎えの心構え、おもてなしについての鳩首凝議が花盛りであります。


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<今日の骨董市はなんとご本殿前のご社頭でした>


方やお客さんを迎えるので取捨選択に忙しい片付け、方や古い物に心がうずく……。今日と明日は護國神社で骨董市が催されています。捨てたり拾ったり、このアンバランスな生活が実は私にとっては程よい心地よさなのであります。

年に4回、3ヶ月ごとですが巡り来るのが早いこと。前が秋たけなわだった11月、この次が春爛漫の4月ですから1年なんてあっという間の儚さです。透明感のある冬の景色の中で色とりどりの陶器や古布などが並ぶさまは暑苦しい夏の骨董市とは全く異なる趣が漂っています。朱夏は木陰で古い物を労り、玄冬は暖かな陽射しの中で古い物を憩わせている感じがします。どちらかといえばこういった鋭さのある冴えわたった季節の方が骨董市は似合っているように思います。それは冬という季節が幾年もの厳しい時代を生きてきた古い物たちのひそやかな息遣いにも似ているからでしょうか。そんな思いがします。

そのような目に見えない季節のいざないについつい負けてしまって、心も折れて今日もひと通りの巡回のあと買いました。鶴の取り分けの皿3枚と八角形の小鉢ひとつ。鶴のは大きいのを二年前に買っておめでたい宴の折に重宝しております。今日のはただカタチだけの真っ白のこていなお鶴さま!! 締めて信じられんくらいの安価にしてくれるものでついつい。大小のお鶴さまが揃って面白いテーブルセッティングになること間違いなしの大請け合いであります。

「Mさん、好きですね。今日は撮影よりも物色に目ヂカラがこもっていますよ」

神職さんから撮影という言葉を聞くまで今日の仕事を忘れておりました。何をやっていることやら。


おっとぉぉ、今思い出しました。

人間の旬の年に応じた季節を指す青春、朱夏、白秋、玄冬。高松塚古墳の壁画の青龍、朱雀、白虎、玄武。中華街の朱雀門、玄武門。どれもこれもこの4色で自然界を表していますね。え〜〜と、これを中華思想で五行思想とか言うんだっけ。待てよ、5つめの黄色は確か4色の真ん中で特に大切な色とか聞いたことがありました。黄色=皇帝、黄色=関帝廟だったか。そういえばもう間もなく旧正月で横浜中華街が大賑わいになるはず。あの雰囲気は立ち去り難い素敵な時間です。

ちなみに幼稚園では皇帝色の黄組の私でした。だからでしょうか、いまだに黄色が好きなんです。