おやじ歳時記

四季を彷徨うジイジの日々好き勝手記

タグ:ホワイトデー


足腰も脳みそも立派。スマホすら簡単に使いこなすオン歳
90歳になる叔母からバレンタインデーにチョコレートをいただいたので、律儀な僕はホワイトデーにとしっかりお返しを持って行きました。大王さまと連れ立って。ところがのお話しのはじまりぃはじまりぃです。

大分市街地のさらに中心にある叔父叔母の、老夫婦には持て余すくらいに大きな家。叔父叔母にはふたりの息子がいますが、揃いも揃ってふたりとも東京在住。まるで我が身と同じ心もとない境遇です。
「一生懸命に育てたのに時の間に合う子はいない」。最近は叔母がよく愚痴ります。
確かに、確かにと同情することしきりです。息子ふたり、アメリカに留学させたくらいに度量の大きな叔父叔母夫婦なのですが、果たしてその結果としての今が心安らかなのかどうかは・・・、推して知るべしです。親の心子知らず、息子たち自身も老いを感じるようになると老両親の切ない気持ちもわかってくると思いますが。今はまだ無理かなぁ。やっぱり、遠くにいるとその時々の変化が分からないのも事実ですし。なので近くにいる者の役目として時々やら、何かのイベントの好機をみては連絡したり、直接行ってみたりしています。年々喜んでくれる度合いが大きくなってきています。寂しいんだろうなと・・・やっぱり思います。

ホワイトデーとその余禄のお話しでありました。戻りましょう。
高齢なのでチョコレートやビスケットはやめておきましょうと思っていましが、やっぱり売り場に行くと世の中の流れに逆らえず定番のビスケット。ちょっと乙女チックにと、ラ・トリニテーヌマーベルルーシーのイラストの入ったティン缶入りビスケットをチョイスしました。
うららかな春に陽気に誘われて、春の暖かさに酔ってるみたいな好い天気の日でした。その数日後から狂ったように気温が上がりっぱなしになりました。

事前に電話をしていたので待ってましたとばかりに揃って翁と媼、玄関まで速攻でおでまし。かわいいティン缶に入ったブツを受け取りながら叔母が、
「これからお昼を一緒に食べに行かない?? 大王くんも遠慮せず。そうね。近くのうなぎ屋さんはどうでしょう。ねぇ、お父さん」
「うなぎでいいかい?? 洋食でもいいよ。いつも心にかけてくれていてほんのお礼がてらだけど」


鰻田屋
〈鰻田屋。まんだや・・・と言いますが美味しかったなぁ〉

これは大王さまとアイコンタクトバッチリ。してやったりの展開になりまして、我がハリアーちゃんに叔父叔母を乗せて大分市公設市場近くにある鰻田屋さんへ。
ここは一度来てみたかったうなぎ屋さんでした。もっけの幸いでありました。
90歳叔母、88歳叔父。面白い話しばかりでした。もちろん、うなぎも美味しかったです。
まるで海老で鯛を釣ってしまったような幸せなお昼になりました。


霾。黄砂を別名「霾(つちふる)」ということを初めて知りました。それも春の季語にもなっていて、そんなに風流な自然現象でもないのに随分と格上げなことだと思いました。でも空から土が降ってくるとはよく観察したものですね。その原因が遠く中国の西の果てなど、昔の人の誰が思い付いたでしょう。
黄砂にPM2.5にと昨今はロクでもないものばかりが飛んできていい迷惑です。中国が奄美大島沖の日本のEEZで海洋調査をしていた(らしい)と呑気なことを言って、取り敢えず抗議の態度だけは示した日本政府の体たらくさ。いつもの遺憾と抗議。まことにもって手ぬるいことです。海洋調査と銘打って、他国のどれだけの海を荒らし、そして我がものにしたか。それが侵攻の手段なのに、日本の政治家も官僚も過去の歴史、あの国の手口をまったく勉強していないことの歯痒さ。
喉元過ぎて熱さ忘れる・・・。忘れることを潔し、美意識としてきた日本人。他国にとってはとっても扱いやすく、脅しやすい薄っぺらな日本なのかもしれません。
しっかりせんですか!!


 


「ホワイトデーそのものみたいなお返しっていつまで経っても芸がないよね」

「何を言いたいのかね。あんたは」

「つまり焼き菓子とかありきたりのお返しよりももう少し頭を使うというか心を込めるというか」

確かに!!! 美味しいチョコレートを、それも男3人分の3セットを遠路はるばる送ってくださった東の国のお嬢さんにホワイトデーコーナーのあれこれよりも、気の利いたお返しをと考える大王さまの思いも当然と言えば当然のことです。

他愛もないというか突飛もない会話から始まったお返し企画。東の国のお嬢さんと地元大分のお姉さん方へのお返しの機転が難なく決まりました。定番のありきたりのチョコをメインにして、それぞれのレディたちのことを思い浮かべながらチョイスすることに。
だったらいよいよ気の利いたものはどうよと。つまりそのために先日熊本まで行ってきました。
珍しい物を付録にするというあんばいです。何だか最近は熊本に惹かれっぱなしに。

 

前後しますが、帰りに阿蘇ミルクロードという風光明媚、気分爽快な道を走ったのですが3月の雪降りに遭遇しました。まさしく名残り雪でありました。

ついついあの名曲を口ずさんでおりましたら「やめてくれませんか!!」と、思いもかけないクレームが。イルカさんカバーの「なごり雪」。流行っていた昭和51年の春に大分から旅立っていく私にぴったりの曲でした。まさしく音楽と我が身がオーバーラップ。映画かドラマの主役にでもなった気分でした。あと数日で大分を離れるという日に、免許取りたての友人が運転する車で県南までドライブした時にラジオから流れていたのもこの曲でした。人生や日々の暮らしのなかのドラマって奇縁や偶然と結びつくのですね。あのドライブ中に自分の心のうちを見透かされるような流行りの曲が流れたのですから。

 

さて、東の国のお嬢さんには九州の名産を。大分のお姉さんたちにはお孫にとか本人にとか、各々好みそうな小物などを熊本で見繕いました。特に遠方のお嬢さんには九州などさらさら縁がないからこそ喜んでもらいたいという腹づもりです。

「バレンタインデーやホワイトデーとか押しつけがましいイベントって本当に鬱陶しいけど、でもそれを承知でバレンタインデーにチョコレートをくれる人の気持ちって嬉しいよね。気持ちがあるから送ってくれる。気持ちのない人に比べたら天と地ほども人間性が違うよね」

「日本には舶来のイベントが増えて、逆にお中元やお歳暮の慣例が薄れていってることが良いことか悪いことか分からないけど、でも送り先の家族のことなどを考えて心を込めてくれる気持ちってホント嬉しいわ。このつくづくとした感謝の思いってね、嫁がいる人には分からないことなんだわ。お礼の電話のし合いこで生の声も聴けるしね。そんなささやかなやり取りも鬱陶しがる人が増えたと誰かも言っていたよ」

もらったら、存分以上のものを送ってお礼にしたい。過分すぎても華美でもおかしいと大王さまからちょくちょく指摘されますが、これが私流の、せめてもの思いです。嬉しさを含めてさまざまな心を贈り物というカタチに変えて何が悪いというのでしょう。

ストロークを遮断したら、気が付いたら心打ちとける人も場所もなくなっているということを知っている人間ゆえの私の思いかもしれません。



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■右の皿のが馬のたてがみ。奥のが特上馬刺し■

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■懐かし〜〜〜の連発だったベビーホタテの味噌汁。喜んでくれてよかったぁ■

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■お初の熊本空港。空港に行くとどこかに行きたくなるのは私だけではないはず■

そんな思い付き熊本ショッピング。いつもの『ふるさと市場』に寄って山海の食を物色していたら、大王さまが鮮魚売り場から喜色満面の顔して小走りで。

「魚屋にベビーホタテがあったよ。子どもの頃に秋田でお味噌汁にしたのをよく食べていた。懐かしいなぁ。それに筋子も!!」

「よっしゃ。買って帰って味噌汁つくってやろうじゃないの!!」

ひとパック380円なり。大分ではさらさらお目にかかることのできない殻付きベビーホタテ。これと筋子と金山味噌を買いました。このふるさと市場は本当に素敵です。熊本空港が近いからでしょうか東北や北海道の珍品が結構あって気が狂いそうになります。

ふるさと市場を終えて次は『古閑牧場』の馬刺し。こちらも安くて新鮮で品数豊富。地元の人たち御用達の名店だとか。馬刺しひとパックとたてがみ(こうね)を買いました。

お返しの品を買い、自分たちのお腹を満たすものも買い、そして名残り雪も見ることができたドライブになりました。



 


滝桜開花
<開花宣言に沸いた朝の滝桜でありまする>

私の体が開いた訳ではありません。私の運が開いた訳でもありません。


おぉ!! 三春の滝桜が咲きましたぞ。

まだ十数輪ほどですが、福岡に負けてはならじとこれで我が家の滝桜の開花宣言であります。それにしても昨年より二週間以上も早く咲くなんて嬉しいやら先々が恐ろしいやらです。

花数が増えそうな約束をしてくれている見事なツボミたちも次なる暖かな空気を待ちながら控えております。有難い。いつものように春が、桜の頃が巡って来てくれて本当に有難いことだと思っています。大過なく今年も我が家の桜を愛でることが出来るこの季節を過ごすことに胸を撫ぜ下ろすような思いがしています。一寸先が分からない世の中に在る私たち。無事に平穏のままに開花の佳き日を迎えることが今年も出来ました。

写真は大王さまのお手によるものであります。ここのところ私が撮影したピンボケ写真が続いておりましたが、これでおやじ歳時記の面目も大躍如の良い写真が撮れました。この人の微妙なセンスには平伏するのみであります。ちょっとしたアングルやタイミングの良さは平伏しながら反論も出来ないくらいであります。生まれ持った取り柄……、良いことですね。 

滝桜の開花に沸いた朝から一転し昼前あたりから温かな風が吹き始め、残念なことに雨も降り始めました。こんな日に限っていらぬお節介であります。せっかくの桜の色を落とすかのような意地の悪い春の雨になりました。それでも中国からやって来ている黄砂やPM2.5をこの雨で洗い流してくれるのであれば、咲いたばかりの桜も許してくれそうな思いもしています。汚れて淀んでいる空気や地上を洗い清めて、桜を一段と鮮やかに艶やかに映してくれるのであれば良しとしようと少々の降る雨に対して腹を括っております。


気まぐれな咲き方と思いながらも11日の三回忌にほんの少し遅くなった福島の滝桜。きっと自分のふるさとへの思いがあるのではないかと感じて仕方がありません。気候の異なる遠く離れた九州にやっと慣れたとは言え、あの日に合せるかのような咲き方に物言わぬまでも心があるものだと感心しています。それは思いを寄せる感応ということかもしれないですね。


有って無いような若さまの休日。結構なお日和どころではありません。15日の課題テストが終わってもいよいよ厳しさを増すであろうお勉強。ほとんど自己流の勉強方法に没頭しています。生まれてこの方、塾にも行かずに自宅でお勉強。中学卒業までは大王さまが各教科に目を通し道を開けてくれていましたが高校生になってからは英語だけは変わらずに大王さまが。あとの教科は手出しも口出しもしていません。ご学友たちはこぞって塾に通っています。学校が終わって塾に行き、何もかもやり終えて帰宅するのが11時や下手をしたら12時とか。そのほとんどのお子は東大やら京大に進むとかであります。

「あんたはこのままでいいの??」

「塾や家庭教師は性に合わないよ」

その代りこの人は家じゅうを勉強スペースにして渡り歩いています。自室にいたかと思えばリビングやダイニングで一式広げまくってお勉強。何処に行ったんだろうかと探したら和室でデンと構えてまるで大作家さんのようなことも。最近は親の睡眠を邪魔するかのように私の寝室に午前様までご滞在であります。どうやらそれで気分を変えながら頭に入れているようです。「英単語、英単語。単語を覚えなきゃ話にならぬ」と呪文のように耳元でささやいていた大王さま曰く。

「不思議なもんだね。最近はしっかりと単語の数や語彙力も付いてきてるみたい」

ブタではありませんがおだててその気になってくれれば有難いことです。でも私の寝室占領はちょいと。煌々と灯りを点けてシャープペンのカリカリ音やたまに聞こえる独り言に、こっちが高いびきなんぞしては失礼かとおちおち心安く眠ってはおれませんから。


そんな若さま、そしてオフクロさまを誘って昨日はお彼岸にはまだ早いお寺参りと別府のゆめタウンにドライブしてきました。オフクロさまの食料の買いだめは近くのスーパーでと思っていたのが気分転換がてら別府遠征となりました。ではついでにランチも済ませましょうと。そしてさらについでにホワイトデーのプレゼントをと大王さまが発案してくれました。

ゆめタウンに着いて店内をゆるゆる歩いていたオフクロさまが足を止めたのがバッグ売り場でありました。じっと見つめている先にあるバッグが気になったのか物言わぬまま見入っておりました。

「お母さん。このバッグいいねぇ。どう?? こんなの好き??」

大王さまが上手に心をくすぐり始めました。

「80のおばあさんにこの色は派手でしょう」

「そうかなぁ。だったらこっちのは??」

何気に見ればお値段は倍!! 危ういところで私が制止して最初のに気持ちを振り返らせました。そっと小声で大王さまに……。

「値段が倍、倍ですよ!! それ以上言うなッ!!」

「あらら」

大王さまを制してオフクロさまの胸元に押し付けるようにして、

「はい、これで決まり。これにしましょう」

お代を払って包装も何もしてもらわずそのまま頂いて即使わせました。

「悪いわねぇ。散財させてしまって」

「いいの。いいの」

「でも何となくSくんが勧めてくれたの方が良いと思わない??」

仕方がない。はっきり値段を言っておかねば!! 親子に遠慮がいるものか。

「あのね。あっちのはこれの倍以上なの!!」

「あら。そうだったの。それは失礼しました」

暫くして気が付けば献上したばかりのバッグは若さまの肩からぶら下がっておりました。バアサマ、結局気に入らなんだか。

せっかく買ってやったのにと、そんな尖り加減の気持ちでオフクロさまを見ていたらしみじみ思いました。

「老けたなぁ。こんなになってしまって」とその後ろ姿と買い回りの速度の遅さ。そしてあれだけコロコロとよく笑っていた人の表情が無になりはじめていることに。これは物を贈るよりもそこら辺にあるよもやま話をかき集めた笑い話の方がよほど良いかもしれません。

家で見慣れている姿のはずが外に出た時に随分と変わってしまっていることに気付きました。いつもの場所であればそのままに見えるものを、異なったシチュエーションでの負の発見なんて後々までも脳裏に焼き付いて離れることのない酷な残照でもありますね。

年々歳々、日々刻々と母は老いていってる。そう感じてしまった春の日でした。


 



昨日は昼と言わず夜中、夜更けと言わず大変な強風でした。時折、家がぎしっと軋むし屋根に吹き付ける風が家と言わず屋根と言わず我が家を全部をさらっていくような塊りにも感じました。もしかしたらつむじ風、竜巻でも起きるんじゃないだろうかと恐怖してしまった当家の面々でありました。

風神が駆け抜けるどころか一日中留まって大暴れした週末になってしまいました。

朝、庭に出て気になるのは三春の滝桜のピンクのツボミたち。そしてソメイヨシノにもびっちりと付いているいっぱいのツボミたちのことでした。お陰さまで桜には影響もなくて変わらずの姿で佇んでくれていました。さらにあの強かった風は随分と暖かい空気を含んでいたのでしょうか。昨日よりもツボミが大きく膨らんでいました。特に滝桜はもしかしたらあと数日で開花のはこびになるやもしれません。そんなに早くなるなんて桜に惚れこんでいる人生で初めての体験になるかもしれません。思わぬ季節のずれが思わぬ恩恵になったりしてと思っています。

それまで咲くことを知らなかった滝桜が東北大震災の春に初めて咲いてくれ、彼女のふるさとへの底知れない思いが花数輪に現れたのかもしれないと思ったものでした。あの可憐さと言うか儚げな数輪はようよう咲いてくれた。ここに辿り着いてくれたと思ったものでした。そして物言わぬ花であろうが、人を慰める花であるがゆえにしっかりと心があるものだと感じたものでした。

今年は三回忌になります。もしかしたら。もしかしたら、犠牲になった18549名(平成25年3月8日現在)もの人たちを思いながら、大分で今年は特に早急に滝桜は咲くのかもしれないのではと感じています。献花のつもりかもしれないですね。

あの日から明日で2年になります。復興どころか復旧もままならない状態が続いています。これ以上、何をここに書き記せばいいのか分かりません。明日は心から東北へと思いを寄せる一日にしたいと。それだけを思っています。

大風が吹きまくっていた昨夜、東京の若旦那から電話がありました。この人はこっちが忙しく家事か仕事をしている時に限って電話を寄越す奇妙なテレパシーを持っています。昨日もそんなバッドなタイミングでありました。しかし話の内容を聞いてみると、「今は忙しいからダメ!!」なんて素っ気にも無下にも出来ないような可愛げのあることでした。

「明日、横浜のお父さんとお母さんが三田に来るので夕飯を作ろうかと思ってるいるんだけどさ。父ちゃん、豚の角煮の作り方を教えて。おばあちゃんにも食べてもらいたいし」

「おぉ。それは素晴らしい心がけ。ではしっかりと教えるのでよ〜〜く聞いておいて頂戴」

縷々説明し終えて、そうだタコご飯の作り方もとついでに伝授しておきました。

ここのところ精神状態も安定しているのでしょう。若旦那が落ち着いていると電話を代わった彼女の声も明るくて伸びやかに澄みきっています。彼女びいきの私にとっては嬉しいことですね。

「あのね。あんたの心がけひとつで彼女が嬉しがったり寂しがったり、不安になったりするんだからね。これからは男の本分をしっかりと発揮しなさいよ!!」

「うん。分かったよ」

先月の私の上京を境にしていくらか父の言も効いているようで、ワタクシの威光もまだまだ衰えてはおりませんぞと胸を張っております。そして今夕、改めて成果のほどの連絡がありました。おおむね成功したようで何よりのおもてなしになったようです。

昨日は宅急便にあれこれを詰めて三田に送りましたが、そのなかにホワイトデーのチョコなどを入れておきました。昨日にも増して彼女の明るいお礼の声にこのまま善き道を歩み続けることの出来るふたりであってもらいたいと思いました。

ソメイヨシノの花のように華やかに艶やかに。そして山に咲く山桜のように凛とした気高さを持ったふたりであってもらいたいと思います。何よりも春の日差しに揺れる笑顔の桜花のようであってもらいたいものです。

桜は誰もが隔たりなく愛でる素敵な花です。春のたけなわに咲き競う桜のように誰からも愛され、誰にでも優しく接することの出来るふたりに成長してもらいたいと願ってやみません。




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式服が入らない。ウエストのボタンが届かない距離およそ6センチ。「ちょっとちょっと、どうしたことよ」と、茫然と……いや必死に距離を縮めようとするが無理は無理
腹を引っ込める分そのうち腰がつってきてギブアップ。おば様の気持ちがよー分かりました

これはおおごと、急場をしのぐにはジムで鍛えた従弟氏のボディにぴったりの式服を拝借するしかない。大慌てでクロゼットから引っ張り出してなんとか……。
マッチョの従弟氏とポニョおやじの筋肉と脂肪の違いはあるが、体型は似たようなものかと変に納得。硬いのと軟らかいの、多少出っぱてるのと締まってるくらいの違いじゃないかって
それにしても去年の夏には着ることが出来ていたのに、この急激な落ちぶれようは何とかせねば。
ちょっと待って ちょっと大きめサイズだった式服がダメってことは、ほとんどのスーツがダメってことじゃないの 試すのも恐ろしい
そういえば最近感じること、たまに腹で息してる……。土俵際で取り組み待ちの関取の息遣いみたいに「ふーふー」やってる


さておき、今日は父の納骨と我が家の新しい墓の開眼供養。
「何はともあれ、腹が立つことがあっても我慢してね」と、オフクロから諄々と口説かれ、まずは第一声からいたって平静に挨拶。それに花粉症と称してマスクしてるから表情の半分は布の下。アッカンベーも堂々とやれる
本末転倒、立場が逆だけどこれに勝るものはないとひたすら柳に風の心持ちで対応。すべてが丸く進んで良かった 
結局、長男のポジションって波風立てぬように、そして穏やかさを演出せにゃならんようで。「うつけ」のフリでやり過ごすにはもう少し修行してからかな。

良い天気、近くの山からはウグイスが啼き続けて……、ふと見ると冬の花が終わった木には新しい芽がふっくらといい表情で佇んでいる。春の暖かさと穏やかさが父の旅立ちを嘉しているんだろう。
「暖かなお日和でようございましたね」と、納まる場所に納まった父に手を合わせた。「まだまだ暫くは誰もお側に行きませんから、みんなを見守ってて下さいな。決して一人で寂しがらずにいてちょうだいよ」などと特に念押しして付け加えて。

今日のことにしても、ここのところ腹にため込まざるを得ないことが多いのでウエストも膨らんだか
何度も立ったり座ったりと今日はシンドイことったらありゃしません。春を告げる新芽の可憐さや、いのちの力強さの膨らみならいいけど中年の腹じゃねぇ。

供養に先立つ早朝、ちょいと実家に。昨日届いた「松尾陶器」の例のお湯呑みを持って行った。
「今日の記念とホワイトデーということで使って頂戴ね」と添えるとオフクロの目から涙がポロポロ。あちゃー、少しやり過ぎたか。
ここらでいつもの融通無碍、適当な息子に戻りましょうかね

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