おやじ歳時記

四季を彷徨うジイジの日々好き勝手記

タグ:マルマタ醤油


青唐辛子がスーパーや道の駅などに出回り始めると食にも夏が来た思いがします。何も青唐辛子で夏到来を感じなくても他にも色々な夏の野菜や果物はあるのですが、何故だかこの青くさい、夏草の凝縮の匂いのような青唐辛子が店頭に並びはじめるのを確認したら「今年の夏も相変わらず来たか」と。
30歳代の頃にはマンションのベランダにプランターを置いて青唐辛子を植えていました。夏の盛りに豚汁を作ってそこに細く切った青唐辛子を入れて、熱いのと辛いのの二重苦と滝の汗かきに悶えながら食べる愉しみに没頭していました。ほぼ自虐の風習ですね。無謀というか、若かったなと遠くなった昔を懐かしく思い起こしたりしています。
いくらでも生る青唐辛子。ひと夏に使うナマのは数本。あとは赤くなったのをリースにしていた元嫁でした。わずかしか使わなのに夏の豚汁には青唐辛子!!と、信心というか心酔していた頃がおかしくもありです。知恵が働かなかったというか応用が利かなかったというか、毎年数本の愉しみだけの青唐辛子栽培でした。
離婚後、何やらの料理本で青唐辛子の醤油漬けがよろしいことを知って、以来買ってきては刻み漬け込みの我が家の夏の青唐辛子歳時記です。いろいろに使える和風激辛調味料として我が家にしっかり君臨しています。

さて、今年の冬にネットで見つけたのが「青唐辛子の三升漬け」という未開拓の境地にあったレシピでした。北海道や東北あたりでは各家庭でこしらえたりとかでメジャーなソウルフードのようです。
夏になったら必ずこしらえてみようと、冬の真っただ中から手ぐすね引いてワクワクしておりました。料理のチャレンジって結構性に合っているみたいな私です。
青唐辛子が出回るのはもう少し夏っぽくなってからのはず。ところが先日、産地直送の新鮮野菜をとりどりに扱っている道の駅で見つけました。今年の青唐辛子。初物です。本当はもう少し暑くなったほうが辛味も増すらしい青唐辛子ですが、待ってられるか!!の逸る気持ちが先走るばっかり。もし美味しかったら、夏は長いしで次々と作っていけばよろしいかと。


三升漬け1
〈ステップ1 木っ端微塵にした青唐辛子を真っ白な米麹にオン〉
三升漬け2
〈ステップ2 醤油も加えてよく混ぜてこれでおしまい〉
三升漬け3
〈容器にイン。しっかり寝かせつけております!!〉

こんなこともあろうかと春には米麹も早々に買っておりました。手回しの良さったら我ながら惚れ惚れしたりなんかして。早速ふた袋140gの青唐辛子を買って帰り、すぐに仕込みに取りかかりました。
レシピは青唐辛子200g、米麹200g、醤油200cc
小さじ何杯だ大さじいくつだと細かい指示なし。とっても簡単至極な
1::1の割合です。我が家は各140で帳尻合わせしました。
唐辛子をよく洗って刻んでフードプロセッサーで木っ端微塵に粉砕して、よくほぐした米麹と合わせて、万遍なく混ざり合ったところへ日田のマルマタ醤油をドバドバ。よくよくかき回して三位一体になったのをガラス瓶に。たったこれだけの作業で三升漬けと申す珍味の完成です。しかし製造中は唐辛子特有の辛い香りが鼻を突き抜けていき、危うくクシャミ連発の様相になりかけました。でも。
「ふふふ。珍味の完成ぢゃ」
初仕事にしては何ともお手軽過ぎたことでした。ひと月も寝かせれば熟成して美味しくなるとか。

ところで。


「ちょっとお待ちを。こんなのを作ったのはいいけれどこの三升漬けの使い道っちゃなんね」
冷静になってみて初めて気づくその先のこと。後先を考えない御仁ぢゃとよく親からもばあちゃんからも言われていましたが、人間の本性ってそう簡単に変わるものではありませんね。相変わらず、すぐに飛びついて悦に入って、程なくして冷静になる。
作ったその晩、ネットで食べ方を調べてみたら、鶏肉料理の隠し味や生のイカを漬けたりうどんにトッピングしたりと万能のようです。
使いよう次第ですが、これで我が家の夏らしい食べ物の風物がひとつ加わることには紛れがないようです。
「あぢぃぃ!! かれぇぇ!!」と自虐の復活になるかもです。

さても。 


バカな芸人が超ゲスなことして世の中が大騒ぎしています。頭悪すぎ。きれいな奥さんがいるのに、それでも足りなければひとりで慎んでおけばよかったのに。絶倫もここまできたら相手を処理の道具にしか思っていないのでしょうか。
しかも複数の女性と関係を持って、それも場所が多目的トイレとは。ゲスとドケチのどうしようもない男なんだと呆れています。
食通だ、グルメ王だとアピールしていましたが下手なコメントしか言えない人だったのに。数をこなして食い散らかすだけでグルメ王とは片腹痛いことです。グルメっていうのはしっかりとした人間性と、味を利きわける、味利きできる天性の舌を持った特別な人のはずです。浅知恵のうんちくだけでグルメ気取りのこの人、裏で女性相手のグルメ三昧だったとは。気持ち悪い!!
元々大したことない人間に業界がチヤホヤした結果でしょ。いつか復帰でもしようものなら芸能界って本当にクズ人間更生のレッテルだね。



 


戸山:せいろ蒸し
■戸山にて大王さまが注文したお初の「うなぎのせいろ蒸し」ね■

戸山:うな重
■私は一辺倒のうな重!! シンプルイズベストっすわ■

オフクロさまがデイケアに行っている水曜日と金曜日はまさしくオフ。リフレッシュ可能日であります。最近はこちらも要領を得て、水曜日と金曜日にはなるべく仕事を入れないようにして、自宅でこの暑さを堪えるか、お出かけするかのどちらかにしようと知恵が付きはじめております。

とは言うもののオフクロさまの不在時間は書面上では午前9時から夕方4時……、でも実際には9時15分お発ちの15時45分ご帰還までのわずかな時間。どうしてだか遅くお迎えに来て早く連れ帰らされています。帰宅時間の10分15分という短いながらも価値ある変動は本当にもったいないというか、何をするにも呪縛束縛であり、焦りの大きな原因にもなります。

しかし不在のタイミングを見計らって、これ幸いとばかりにのんびりさせてもらう至福の時。そう思うことって親不孝でしょうか。

 

「あぢぃぃぃぃぃっ!!」

昨日もとことん暑うございました。外に出るとまるでドライヤーの風でも浴びさせられてる感じ。すぐに着衣も熱くなって、すごいことです。38℃だ40℃だと聞けば聞くほど、恐ろしいことですが30℃ちょい超えなんてへっちゃらどころか涼しささえ感じる肌身になりました。平均して34℃や35℃の今日日、どないもこないもあきまへんのどす。

「あぢいで!! どうかなりそうなくらい今日もあぢいで!!」

オフクロさまを見送って、まるで八つ当たりするように愚痴ったり悪態ついたり。

「兄さんの誕生日も間近だし日田の戸山にうなぎでも食べに行きますか。ただしガソリンがうなぎ上り調に高くなっているので高速はなし!! 行きも帰りも一般道にするよ」

「あぢいのにもっとあぢい日田に行くの!? いくら精がつくうなぎって言いながらも、精を吸い尽くされそうな暑さのなかを……。でも1日が二の丑の日だったし買い置きの醤油もボチボチ切れそうだし、思い切って灼熱地獄へのドライブやってみますか」

ここのところうなぎと言えば湯平(ゆのひら)の嬉し乃食堂さんのが断然お気に入りです。大分市内のへなちょこうなぎや、筑後川沿いの御殿のような造りのうなぎ屋と比べようもないくらい立派なうなぎ姿で、そして何よりも美味なるお味のとりこにさせてもらっています。

その嬉し乃食堂さんを知る以前は、私にとっては今回の戸山さんがダントツ一番のうなぎ屋さんの上席に位置していました。悲しいかな大分市内から遠い。高速でぶっ飛ばして、あれこれ暗算するとちょっと贅沢な合計金額になってしまいます。それでも家族そろって大学生の昔から行っていたものでした。

湯平詣でばかりだったので何年ぶりの戸山さんになるのかしら。ちょっとごめんなさいの浮気です。

 

昨日も日田は大分市に比べて、それはそれは暑くて、もうまさしく獄暑でした。一気に我が身の焼き豚ができるみたいな。聞きしに勝る超過激なグリル風日田盆地でありました。

それでもうなぎが食えるという欲望が先行して、暑さに向かって愚痴も悪あがきも忘れてすぐさま入店を。時間は開店早々の11時30分にしてもはやほとんどの席にお客人が。

「僕は一度は食べてみたかったせいろ蒸しにします。兄さんはいつものうな重で??」

「うな重、うな重。浮気はせんよ。オレ、うなぎにも人にも一途なんだわ。それでさ、せっかくだから松にしてよ。高速代浮いたんで松竹梅の松にしてよ」

久しぶりながらいつもの日田美人のおばちゃんが対応してくれました。

「うな重とせいろ蒸しをそれぞれ松でお願いします」

「ごめんなさい。8月いっぱいは松のご注文受けないんです。お一人でも多くのお客さんにうなぎを食べてもらいたくて。その代りにご飯の大盛りだったらいくらでも……」

「じゃぁ、ふたつともご飯を大盛りでお願いします」

珍しく大王さまが仕切ってくれました。一人でも多くのお客さんに……、うなぎの量が足りないご時世にしても優しい心がけだなぁと思いました。

周りを見渡すとほとんどのお客さんが「ふーふー」言いながらせいろ蒸しを召し上がっておられる。うな重は……、私を入れて数人さんだけ。聞きしに勝る、ここはせいろ蒸しが良いということでしょうか。何回も来ているけどせいろ蒸しにまったく頓着しなかったので、その意識すらわいてこなかったのですが、昨日は改めて戸山さんの名物かもしれんと気付かされた思いがしました。

 

やっぱり美味しゅうございました。

戸山さんは戸山さんの水郷日田のうなぎならではの美味さがあります。嬉し乃食堂さんは侘びた温泉街湯平のうなぎの特段の美味しさがあります。どちらも大分が誇る素晴らしいうなぎ屋さんで、私は大好きです。

高い鼻をお持ちの大王さま、カタチよい鼻の頭に汗の小さな球が浮かぶくらいの熱さだったようですが、とっても美味しかったと大ご満悦でありました。しかし灼熱地獄に熱々のせいろ蒸しとは自虐もいいとこ。炭団に追い火みたいであたしゃ無理ですわ。

 


津江:せせらぎの郷
■深い緑と渓流と、そして蝉の一斉放吟(笑)

マルマタ醤油さんでいつものを5本買って、地獄釜だった日田市街地から脱兎の様相で小国の方に向かう道を走りました。避暑がてらにと寄り道したのが『道の駅せせらぎ郷かみつえ』。前回は偶然見つけてその清流の美しさに心奪われた大王さまでした。今回は残念ながら濁り気味の川でしたが、それでも美しい流れと山奥ゆえの涼しさに、文字通り一服の涼を得た思いがしました。渓流釣りをしていたのは女性のようで、川魚の女王でも釣っていたのでしょうか。盛夏に渓流と女性釣り人。プチ避暑体験にはなんとなくいい雰囲気でした。

自宅から日田市、大山町、上津江町、小国町から黒川温泉の淵を走って山も越えて久住町にある『ガンジーファーム』のチョコソフトでひと息。そして長湯温泉などを横目にスルーして大分の自宅に帰ってきたのが214.km走って16時20分でした。

もしかしたらと取り敢えずオフクロさまに家の鍵を持たせていて良かったと大いに胸を撫でおろしました。鍵を持たせていなかったらデイケアのバス降りておよそ30分、玄関の外でどんなことになっていたことやら。あな恐ろしや。



土曜日だった昨日、天気もそこそこだしと急に思い立って福岡の太宰府天満宮に行ってきました。12月だとは思えないうららな陽気。もう間もなく今年が暮れるなんていう気配など微塵も感じられないような妙な落ち着き加減の世間さまの動静。気忙しくさせられるのはスーパーマーケットのクリスマスソングでしょうか。年ごとに季節感が薄れていっているのは、人さまの様子を見ていてもその明らかさが滲んでいます。季節感、情緒の希薄。いつかはそんなことも希薄を通り越して消滅するのかもしれませんね。せめて我が息のかかっている家族だけは、四季折々の行事などを大切に扱ってくれる人たちであってもらいたいと、狂っていく季節感に身を置きながら感じています。


太宰府天満宮

太宰府天満宮
■なるべくチャイニーズの姿を写さぬよう撮りました笑■

気持ちが追いやられていく思いを太宰府でも感じました。それは中国人の多さ。ここはどこやろか!? もう驚きとうんざりです。きっと博多港に大型クルーズ船で乗り付けて、観光バスを連ねて日本の観光地の四方八方へと散らばっているのでしょうね。右を見ても左を見ても、前を見ても後ろを振り返っても中国人だらけ。日本の景気の一端を担っているというこんな爆買い族に、丁寧至極なもてなしに地域を上げて精を出しているのかと思うと悲しくなってしまいました。嫌いな国だと言いながらよくも来れたものだとその厚顔さに改めて民度の低さを感じます。
太宰府では境内であろうがスタバのコーヒー飲みながら大声張り上げて群れ行動。梅ケ枝餅を頬張りながら神門をくぐる不届き人たち。天神様のお供だと言われている牛の像を撫ぜるのに長い列。そしてあちらの国で流行っている新郎新婦の記念写真みたいな臆面のないポーズ。一番大切なお参りなどやっているのかやっていないのか分からないくらいの不心得の手短さ。余所の国、それも信仰の場所に来ているのなら、それ相応のわきまえ方くらい身に付けてやって来いと言いたいくらいでした。所詮この国をバカにしているのでしょう。極めつけは公衆トイレで左手に串刺しの焼き肉を持ったまま用を足す人の姿には息を飲む思いでした。それも串焼きを持ち上げるどころか、ほぼ自分のズボンのチャックの位置の高さにまで下ろしている!! 国を挙げてのミソクソ状態がこれで十分に理解できました。ことほどの小汚い風景を目の当たりにしてやりきれない思い、心が追い立てられていくような寂寞とした思いがしました。

これでは真剣に祈っている人の心の邪魔、祈りの弊害のひと言だとつくづく感じました。「ここではこうして下さい」やら「ここではこんなことはしないで下さい」など、縷々説明に忙しいツアコンの言うことを聞かないらしい中国人。いつまでも中国経済が順調なはずがありません。当て込んでいろいろ目論んだとしても、いつかはきっとこの爆買い族も鳴りを潜め、日本の観光施設などがとんでもなく路頭に迷わねば良いがと案じています。閑古鳥が鳴きはじめるのは申し訳ないことですが、やっと元の静寂さや神聖さが戻ってきて嬉しがるのは、我々日本人観光客やそれ相応の心構えを胸に抱いてやって来ている参拝者ではないでしょうか。何よりもご本殿の奥にまします天神様こそ、ゆっくりと参拝者の願いごとに耳を傾けて聞し召して下さるのではないかと思いますが。


マルマタ
■中国向けのマルマタの醤油とお酢■

福岡入りの前に日田のマルマタ醤油に寄って毎度の醤油の調達を。
社長夫妻もご自宅から出てきて下さって久しぶりにお目にかかることができました。もう20年以上にもなるお付き合い。それぞれ年を取りましたねと感慨深く話が弾みました。当時、あちらのお子たちは高校生と中学生。こちらはまだ若だんなだけという、時代も我々年齢も瑞々しい頃でした。それが今ではあちらの高校生だった息子さんは中国上海で企業家として大活躍中。大学もあちらだったので生粋の上海人でしょうか。そんなことで中国の入り組んだシステム、海千山千の中国人のことには精通し尽くしている様子です。家業の醤油を中国マーケットにと、あんな国の人々を相手にしっかりとビジネスチャンスをつかんでいるのですから立派と言えば立派です。中学生だった娘さんは二児の母になって家業を継いでいます。大分県公安委員長まで務めた素敵な奥さんも名実ともにおばあちゃん。
「貴方、いくつになったの??」
「60前になりました。あの頃、僕ははまだ30歳代でしたもんね」
「お互いに年を取ったけど元気が一番。今度ゆっくりいらっしゃい」
長い年月のよしみとともに変わらない頭脳明晰さ。こんな人との会話は本当に愉しいものです。

常と何ら変わり映えのしない毎日が繰られていっています。それでも歳末であることには変わりはなく、あと半月もすればゆく年くる年の狭間に立つことになります。あっという間の一年間。情緒のない年末ですがせめて整理整頓だけは済ませておくべきだろうと、重くなった腰をぼちぼち上げることにしようかなと思っています。


 



世間さまが7月の連休の最終日でお出かけ先から帰ってこようかとしていた時分。海の日だった昨日の午後3時くらい。我々オッサンズは何を血迷うたかとんでもない発案と行動に出てしまいました。

「ここのところ仕事もよう頑張ったし気分転換もしたいし、これからどっかにドライブでもしませんか??」

「どこかって言われてもどこに行きますか?? 行き当たりばったりは疲れるお年じゃなかったのでは??」

「そうさな。まず日田に行って毎度の醤油を調達。それからどこぞの温泉に浸かって美味しものでも食うて帰るちゅう案はどうよ」

「たったそれだけで日田往復っていうのももったいないね。そんなんだったら行かない方がまだ大人の分別だよ」

「よっしゃぁぁぁ。日田から一気に鳥栖のプレミアムアウトレットに行って帰りに久留米ラーメンコースでやっちみようか」

ということで余所さまが連休のお遊びから自宅へと向かっている時刻に、我々は逆流性食道炎よろしく流れに逆らってプチプチドライブへと向かいました。時計の針は3時55分。もよりのICのETCをくぐり抜けたのがちょうど4時。16時でありました。


鳥栖アウトレット

GODIVA

鳥栖アウトレット夕景
■夏の夜は暮れにくいとは言いながらも8時前にはうら寂しさが漂ってきてそそくさと退散しました■

わざわざ疲れに行くような真似をしてと思い始めたのが湯布院を過ぎたくらいでしたが、乗りかかった船から降りる訳などできませぬ。一気に日田まで行って日田ICそばのスーパーでマルマタ醤油を買い求めたのが17時。そこからまた一気に筑後小郡まで走りました。ここで降りたのには訳があってちょいと買い物をしました。終わって国道17号線を西に向かって鳥栖にあるアウトレットモールへと。ここは何年ぶりになることやら。
LEGOに没頭していた若さまを連れても来ましたし、父が亡くなった年の晩秋にはオフクロさまも連れて来たことがありました。随分とテナントの入れ替わりがあったようで、数年前とは異なった趣きになっていました。なんだか昔の記憶と現実とが頭の中でゆがんで行くような不思議な感覚にとらわれました。こんな所に来たらお決まりの雑貨さがし。Francfrancでオリーブオイル入れなどを買って、まずは衝動買い前章の気持ちを落ち着けることができました。

「今日はこれくらいにしとくわ!!」

「珍しいこともあるもんだね。これで本当にいいの??」

「うん。もうよかろう。ほれ、あっちを見てみ。GODIVAがあるで。ちょいと覗いてみん??」

「そうだね。大分にはないし何か食べてみるのもいいかも」

蒸し暑いし遠い大分までチョコレートを持って帰るのもリスクが高いことゆえ、その場にて消化することにしまして、ダブルチョコソフトとバナナとマンゴーの何やらのチョコソフトを買ってその場で賞味しました。驚くほど美味いものではないということに気付きました。きっともう少し若ければ「さすがに世界の銘菓だ」と褒めちぎることができるくらいの美味に感じていたでしょうが、もはやプチシニアの我が身にはコテコテのチョコレートがちょいとヘビーに感じました。それにしても見る見る溶けていくソフト。夕方とは言え気温の高さを身をもって感じました。

「ドロドロに溶けていくのって男と女の愛憎みたいやね。あ〜、いやだいやだ」

「何をバカなことを言ってるんだか。早く食べてしまわないとみっともないよ」
店を覗いたり買い漁ったりしていて気が付いたら8時前。アウトレットの内外はもうとっぷりと日が暮れておりました。



モヒカン

モヒカンラーメン
■少量に見えるでしょ。実はこの器、富士山をひっくり返したような底深さなのです。びっくり!!■

さて鳥栖を終えてここまで来たら初志貫徹。久留米ラーメンを食べて帰らずして本プチプチドライブの意味が為しません。まず久留米市に入って、大王さまが久留米に行くのであれば是非とも寄ってみたいと言ってきかなかった店に。
時計の針はとっくにおねむの時間の10時を過ぎる頃。私は車中にて人気久留米ラーメンはいずこやろとタブレットサクサクに没頭。『モヒカンラーメン』が非常に美味しいとの評判であることを知って、さてこの店はどこにおますのやろかと地図を見たらば私が車中でサクサクしている駐車場から目と鼻の先。首を伸ばしてそちらの方向を見てみたら確かにラーメン屋さん然とした灯りなどがチラチラと。車に戻ってきた大王さまにこれこれしかじかゆえ、すぐに突入しますでと喚起を促していざ出撃しました。探すとなると大変なのに奇縁ですね。

モヒカンラーメンなどと人をおちょくったような店名。きっと名前でお客を引き付ける不届きな店だろうとちょいと高飛車気分で入店しました。確かにモヒカン頭のお兄さんがいたのには驚きましたが。ところがまぁ、店のスタッフの人たちの気持ちの良い応対にびっくり。特に女性スタッフの素晴らしいこと。笑顔、ハキハキ、優しい。あの笑顔は営業スマイルではない彼女自身の天性に違いないと惚れ惚れするくらいでした。お仕着せがましくない自然さ。大王さまと「惚れたね。俺たち」と。

細麺でサッパリ豚骨風味のラーメンも、鶏のから揚げのモヒカラも美味しかったです。また行きたくなる店を大発見といった感じです。ラーメンの写真を撮ったり、気持ちの良い女性スタッフの動きに心奪われたりしながら完食。帰る時には店の外まで出てご挨拶してくれました。高飛車も吹っ飛んで、ほぼ平身低頭気味の参った参ったでありました。

「美味しかったね。何よりもあの子。あの子は本当にかわいかったね。あんな娘がいたら家じゅうが元気になるだろうね。あんな子だったらどこに出しても恥ずかしくはないでしょ」

「そうだよねぇ。なかなか可愛い子だった。モヒカンという名にちょっと心配もしたけれどアンタも満足で何よりじゃった」

「お客さ〜〜ん!! カメラをお忘れでしたよ」

暗闇の後ろからの声。蒸し暑い夜、店から数十メートルを走って追いかけてくれたのはあの娘さんでした。

「ありがとう。今、貴女の素敵さをオジサンふたり感心したねと話していたんですよ」

「ありがとうございます。これからどちらに行かれるのですか」

「大分に帰ります」

「え〜〜〜。遠くから。こんなお天気の夜ですがどうぞお気をつけて下さい」

洵にもって申し分もソツもないご挨拶をいただいて、久留米に寄った甲斐があったと大いに喜んだ我々でした。ちなみにカメラを忘れたのは私じゃありません。大王閣下でありました。日ごろはとっても口やかましい人なのに、たまに記憶の線が寸断される悪いクセがあるのがこのお方の最大の難点のようです。人のふり見て我がふり治しちくりいです。
法外な金を取って講釈を並べ立てて食事を供する頭の悪い店よりも、たかだかと思うかもしれませんがラーメン一杯で商売をしているこの店の精神の高さに感服しました。心がこもっていたもてなし上手に接して、なりふり構う人間ほど未成熟なんじゃないかなと勉強させてもらったような思いにもなりました。その証拠に帰路の大分自動車道ったら湯布院から別府まで霧のために通行止め。未成熟な我々への教えのような遠回りを余儀なくされました。家に帰り着いたのが午前0時30分。それでも気分が良かったのはやはりモヒカンのご一統さんと、あの娘さんの輝くばかりの素敵さに参ったからかも知れませんでした。思いもかけずに発作的行動だったプチプチドライブ。今回は食や買い物にも勝る素敵な人との出会いが大きな成果になりました。心遣いにご馳走さまでした。





日田市に行ってきました。

大分自動車道と国道210号線を走り分けながら1時間半。小雨がぱらついたり曇ったり、おちこちの山のつらなりには靄がかかっての、如何にも冬の鈍色の世界の中を車で走り抜けていっている感じがとても心地よかったです。

用件の前にまず腹ごしらえ。

「日田ちゅうたら戸山のうなぎしかあるまい!! 今年の〆はやっぱウナギじゃウナギじゃ」と、勇躍して駆けつけた先の戸山さんは本日定休日。よりによって木曜日が大不幸の当日であったとは。

「おぉ!! なんちゅう不運か!! まるで今年の〆にもってこいのようなアンラッキーな」

「あのね。この近くにみくま飯店っていう日田焼きそばの超美味しい店があるみたいだけど」

食べログでサクサクの大王さま。瞬時にして次の目的地を決めてくれました。

「豆田町にも鰻のひつまぶしの美味しい店があるらしいけどウナギは次回ってことにしようよ」

この人はきっと今日はウナギの日ではなかったに違いありません。あまりに淡泊に方向転換というか宗旨替えができたのですから。お若いのに精をつけたくないのでしょうか。惜しいことです。どうやらこの『みくま飯店』は日田焼きそばがどこよりも非常に美味しいと大評判であるとか。サクサク大王の言うところによればこの店は日田に行くたびに通っている毎度の道沿いにあるとか。これまで気付かなかったとはなんとまぁ視野の狭かったことでとふたりして苦笑いしました。

ランチの時間には人口の少ないはずの日田にもかかわらず大行列の満席になるとか。そんな窮屈な思いをしたくないので11時開店と同時に暖簾をくぐりました。早々と3組、10人ほどの先客さんがすでに着席しておいでました。



DSCF9548
■みくま飯店の日田焼きそばとチャーシュー飯■

さて我々が頼んだのはもちろん日田焼きそば。そしてチャーシュー飯でありました。炭水化物のダブル摂取かとあざ笑う大王さまはチャーシュー飯はパス。ひとまずパス。

鉄板の上で硬く押し付けられて半パリパリ状態の焼きそばにモヤシと豚肉と青ネギ。たったこれだけが日田焼きそばの姿ですが、こちらのも日田焼きそばの本分と器量をしっかりと踏襲していました。しかし味が素晴らしい。日田焼きそばのチェーン店のものよりも味が深い。雑ではないのです。きっとこれは作り手の心がこもっているからに相違ないものと見ました。確かにこちらの店の皆さんはきっとご家族のはず。優しくて笑顔が自然で接客に嫌味がなくて素敵な方ばかりでした。何て言うのかなぁ、家族経営風の生活感というのか、家での生臭い有りようが見え隠れしない店での徹し方が心地よかったです。

「ほれ。あんたもひと口食べてみるかね。食ってみ!!」」

チャーシュー飯をひと口でもとお勧め申し上げました。「ふん」と鼻を鳴らし、お先に失礼と礼儀は忘れずにまずひと口。そしてふた口。礼儀を忘れてさらに半分よりちょっと少な目をご自分の焼きそばの皿の隅っこに盛りました。麺類とご飯を食べるなんて、なんと節操のない人かといつも冷笑と苦言を呈している同一人物の仕業かしらと我が目を疑いました。

「美味しいよ。兄さん。これって叉焼を炊き込みご飯にしてるんだ。ご飯も炊きたてだよ」

食いもんの恨みは怖いで、半分も食いやがって。よい店を見つけてくれたご褒美だと思えば許せるか。

「ほらね。偉そうに炭水化物の候のと言わないこと。家ではまかり通してやるけど、そとで食う時は名物に敵うものは無しと心得てまず食ってみることです」


この近くのマルマタ醤油にも寄って若さまに送る分と正月に使う分の醤油の調達。これでしばらくはジャパニーズに不自由はしないとまずは安心。もう20数年にもなるこちらとのお付き合い。ここの醤油でなければどうにもこうにも作る料理の味が決まらないような私です。使い慣れているということは、舌も気持ちもすっかりとこちらの醤油に馴染んでしまったということでしょうね。海外旅行の時に持って行けないのが残念です。わざわざ小さな容器に移し替えさえすればことは済むのに。海外にはずっとキッコーマンの小さいのを携行しています。同席の人たちに勧めるには誰の口にも合って世界のブランドであるキッコーマンが無難かもとも。でも次回の個人旅行の時にはマルマタ醤油にします。しかし北大路魯山人ばりに海外に醤油、あちらの店に失礼のないようにそっと出すタイミングに気遣いながら、同行や同席の皆さんの喜ぶ顔が見たくてこればかりはこれからも続けたい旅の醍醐味のひとつです。



DSCF9552
■木の花ガルテン■

DSCF9568
■立派なメタセコイア(曙杉)。黄葉がとてもきれいでした■

食べることも用件も終って時計の針は13時。

「これからまっすぐ帰るのももったいないのでいつもの……、ほら、木の花ガルテンに寄ってみませんか」

「いいね。じゃあ大山の方に向かうことにしましょうか。ところで今回は何かお目当てでもあるんですか」

「う〜〜〜ん。ないッ!! なんにもないけど気分転換がてら行ってみたいだけ。そうそう桑の葉茶を買おうかな」

特段の目的もなくちょっとだけの寄り道もまた楽しいものです。老化の激しい私にとって美容と健康にはもってこいの桑の葉茶と、木の花ガルデンのなかにある田苑というパン工房で美味しそうなパンを買って帰りました。来た時と同じようなどんよりとした天気のまま夕方4時には大分に帰り着きました。


来週はまた一段と激しい寒波が襲ってくるとか。大分の私たちなんかよりも東京で初めての寒波を迎える若さまのことが気になってピーコートなどを急きょ送りました。どうやらひとり住まいの部屋もシンシンとした寒さが増してきているとか。エアコンやコタツでは事足りないのではないかと思ったりしています。案の定、鼻声になってしまっていました。あと2週間で帰省です。なんとか元気に羽田空港まで、そして大分まで辿り着いてもらいたいと願っています。





2012072911320001
<若い衆二人を見送るオフクロさまの後姿。慣れない携帯で撮ってみました>


仙台行きの若いふたりを福岡空港まで見送ってきました。11時55分発のANA、11時35分に無事に機中の人になり、あっという間に東北の人になったのが13時40分くらいでしたか。その間のおよそ2時間、オフクロさまと私のプチデートは都市高速をわざわざ外回りして福岡市内を一周のあとの大猛暑の日田の街行きでした。

盆地の日田、暑いの暑くないのったら筆舌に尽くしがたいものがありました。まさしく灼熱を生む猛暑と言ったところでした。熱気を口から吸いこんで更に熱い息を吐き出す感じでした。お年寄りや小さい子供さん、本当に気を付けなきゃこれは尋常な夏とは言えないですね。私たちが幼かった頃の夏と明らかに違いますもんね。穏やかさがない代わりに激しさだけが際立っている感じがします。

先の大水害の被災地など物見遊山で行くものではないので、なるべく現場を見ないようなルートで日田の街に入りましたが、目に飛び込んできた幾つかの大変な光景にオフクロさまも驚きを隠せない様子でした。

「こんなになってしまって……。確かこの辺りは水郷日田の名にふさわしい綺麗な風景がひろがっていたはずなのに。去年の仙台の被災現場とはまたまったく異なった自然の恐ろしさだわ」

ちょうど一年前は大地が揺れ海が押し寄せた後の跡形の無い東北の街を見ましたが、今度は天の雨の怒りでか川が暴れ、九州の街を無残にしたその爪あとに遭遇しました。


マルマタ本店に頼んであった我が家御用達のマルマタ醤油『あやめ』6本を、休日の今日は社長夫妻から直に受け取りちょっとご挨拶。若さまの高校の保証人をお願いしている奥様にはオフクロさまから特に懇ろに挨拶をしてもらいました。

「あら、Mさん。お母様にそっくりね」

「はい。どちら様からもそのように言われております」
オフクロさまもまさかのお目通りに喜んでおりましたが、いつもの私に向ける言葉などどこに隠したことやら、立派に老婦人の穏やかさとにこやかさでウケの良いお振る舞いに終始してくれました。

さて次なる目的は、これまた予約していた鰻の戸山で念願だったウナ様とのご対面を遂げ、思い残すことなく一気呵成とばかりに成敗してやりました。予約済だったので安心、意気込んで乗り込みましたが順番待ちのお客さんの多いこと。予約なんて何の突っ張りにもならないくらい平等にお待ち申し上げること小1時間かかりましたが……。

「ふふふ。これでこの夏を乗り切ってやる!! ふふふ。これで鰻への執着もいくらか薄らいで心が落ち着いたぞ」

やはり口福の結果は、例え待たされようとも腹立ちも我慢も吹き飛ぶほどでありました。これで暫くは鰻への恋慕も落ち着くことではと思ったりしています。


それにしてもあの暑さのなか復旧作業や家の片付けなど、ほとほと難儀していることだろうなと心底思いました。友人のツヨシさんは先週日曜日に竹田市にボランティアで片付け手伝いに出向いたとのことでした。お父さんの実家が気仙沼なので東北大震災のお礼かたがたとは言っていましたが、御年50と半ば後半で素晴らしいことだと思いました。それにしても大変な暑さと、尽きることのない泥などとの格闘は気持ちが折れそうになったと言っていました。

「あのね。驚いたんだけどみんな独りで来てるんだよね。団体でとか気の合った友達同士とかではなくて個でね。なんて言えばいいのかなぁ。志が崇高っていうのか真面目なんだよね。それに若い子だって頑張ってたよ。今日は竹田、明日は日田に行くって言ってた子もいたしね。達成感は味あわせてもらったけどオジサンはもう駄目だね」

そうでしょうとも。でも自信の無い夏ではなかったら私もお手伝いしたかったと思っています。

 

さてさて先ほどから若さまと大王さまから立て続けにメールやら電話をもらっています。

「まろやサクラは大丈夫?? あの子たち何してるの??」、大王さまからです。

「福島の相馬に行って美味しいお寿司をご馳走になったよ」、若さまからです。

一行も、ひと言も私のことなんて案じてくれもしません。それを察したのか大王さまから今宵の〆のメールが。

「明日の朝は早いのでもう寝ます。おやすみ」

明朝も早そうですが今夜はまだ9時なのに早すぎでしょうに。素っ気ないです。きっと私を遠ざけて息抜きしてるんだわ。見え見えの魂胆が見通せます。

そんなことを察してくれたガンダムパパから「大丈夫ですか??」と電話をもらいました。砂漠の中で出会ったオアシスのような優しい潤い加減。有難てぇことだとやっと落ち着いて過ごせています。

まろ坊とお嬢と私の3人になってしまった今夜。しかしこれからどうやって過ごせばいいのかなど思いながら、珍しく戸締り用心で家じゅうの見回りも早々に済ませました。何せ、最近この団地では空き巣が出没しているとかであります。持って行かれるものはありませんが恐ろしい思いだけは勘弁してもらいたいです。盗人はかの大王さまなんて比べものにならないくらいの悪人ですので。

久々にひとりで過ごす夜。何をしてみようかと頭の中はあれこれの方向に思い至っています。



 

歴史という時間のなかでゆったりと佇んでいる、物言わぬ建造物等への落書きはいけません 
建造物に限らずよそ様の物に悪戯なんて言語道断です。京産大の学生の次は高校の野球部監督ですか。きっとまだまだあっちこっちに日本語やらハートマークやら相合傘やら、バラエティ豊富に日本の恥の上塗り状態でしょうね
そういえばイタリアだったか、ギリシャだったか日本語の落書きを見たような。
「旅の恥は書き捨て」をまさしく地でいったようなもの。日本人として矜持がないのかな。
新幹線や錦帯橋にも渋谷の落書きみたいなのを書いた人間がいて、自己中というか自分勝手というか。スリル感を味わっているつもりか。一体全体脳みその中はどういう作りなんだろうか。
こういう人間、ある朝目覚めたら自分ちの塀や外壁に落書きされたらどうなるかな。こういうのに限って大ごとにパニックを起こして収拾つかないくらいの大騒ぎするかも。
いずれにしても公序良俗が通用しない世の中に堕ちてしまったという歴然とした事実。
逆の立場だったら……と常に考えなきゃ。そう考えるのってマナーの原点じゃないかな。

さあさあ文月、七月になっちまいました。
あと2週間もすれば息子ドノの夏休みになってしまう。13歳の誕生日やら部活やら友達との行き来やらで振り回されそうな気配
春休みから持ち越されていたご学友のおじいちゃん、おばあちゃんち<保戸島ステイ>も決行の気配プンプン。その前に学校で2泊3日の<少年自然の家>行きもある。お楽しみのスケジュールが目白押しで結構なことでございます。大人の僕らはこの3年間、どっこにも行かずに隠忍自重の暗〜い夏の世界 その分息子ドノにせっせせっせとつぎ込んでおりますわい。

日頃から良くしてくれているご近所の方から、2度目福岡大川の「ダイワ醤油」を熊本への帰路寄って下さり頂戴する  ご主人が長崎勤務だったのが昨秋から熊本勤務に変って、月イチの割合で奥さんだけ留守宅の大分との往復  さっぱりとした爽やかな醤油で、常日頃使っている日田のマルマタ醤油とはまた異なった味わい。用途に合わせて使い分けながら楽しませてもらっている  あとこれも頂き物、豊後高田市の「カネオト」という未開封の醤油もあるのでそろそろ使い始めなきゃ。

ご当地によって様々な味の醤油たち。小豆島のも美味しいし和歌山のも美味しい。もちろん九州のだっていいものいくらでもあるんだよね。ただあまり頂けないのが、ご当地九州のドロドロ甘めの刺身醤油 口の中いっぱいに甘みがまとわりつくみたいで……。それも南下するごとにドロドロさと甘みが増すようで昔からどうも苦手

東京では刺身の「むらさき」といえばサラサラと麗しい醤油。いい色した洵に高貴な面持ちは粋だね。これじゃなきゃ、素材の味がびしっと決まって尚且つ生きてくれませんやね。山葵を醤油に溶かし込んで刺身を召し上がるお方もいらっしゃるが、いらぬお世話ながらも「おやめなさい、邪道ですよ」って随分ご指南申し上げた。
魚、醤油、山葵が渾然と三位一体となって初めて真の美味しさが際立つってもんです。
ついでながら朝食の定番。炊きたてご飯と焼き海苔もそう。まずご飯を海苔でくるんでからやおら醤油を付ける。握り寿司や鉄火巻きなんぞと理屈は同じ。なぜって逆だったらまず、真っ白のご飯がややもするとまだら醤油色になるでしょ。これってあまりきれいじゃないもんね。
もうひとつ、炊きたてご飯におろしたて生山葵を適量のせて鰹節(花削り)をほんの少し。上質の醤油を数滴。そして海苔でくるんでパクリ。静岡修善寺で初体験 以来、生山葵が手に入ったらよくやっている。鼻にツーンときて、でも美味しくてクセになる逸品。

これから夏本番 夏の魚におろしたての山葵をツンと乗っけて、秋田の地酒なんぞを冷蔵庫から取り出して納涼気分でオツに頂く 子育てに家事に仕事にと、優先順位もバラバラに翻弄している身としてはせめてもの慰みに……、こんな贅沢もあっていいんじゃないかしらと。
痛風さえなければ……のオチが付いているけども。

世の中はどういう訳か毎月初めの値上げに右往左往。おやじも値上がりのたびに四苦八苦。
早速ガソリンが182円になっておった。生山葵などとほざかずにチューブで十分、それが厭なら暫く食うなの心意気で。
「辛抱我慢、節約倹約」ひたすら華美なことは慎まねば。やんぬるかな。

このページのトップヘ