おやじ歳時記

四季を彷徨うジイジの日々好き勝手記

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出雲大社では３日から一週間にわたって「神在祭」が執り行われています。ボクの挙式でお世話になったしで、神さまが全員集合のこの有り難い期間に一度は行きたいと思いつつ、なかなかご縁に恵まれず機を逸して人生いろいろな起伏を歩んでいます。
38年前の秋の盛りだった11月に出雲大社で結婚式を挙げたのに離婚してしまって、大国主命の御神威より、新興宗教にすべてを傾けた元嫁の狂気の馬力のほうが勝っていたのでしょうか。無事に過ごせていますと、夫婦揃ってお礼参りも叶わぬままに幕切れしてしまいとっても悔しいですが。
離婚以来、オフクロさまや若さま、関白さまとの４人で瀬戸内と山陰の旅の途中に立ち寄ったり、40歳代の頃、当日の朝の思いつきで「これから日本海沿いに行ってみよか！！」と関白さまとふたりだったり。若かったなぁのエネルギーの賜物で遠くをものともせず三度ほどお詣りに行っています。その都度、「ここで挙式をしたのに」という、隔世の苦い思いと大きく変わってしまった人生への感慨に浸ったことをとても覚えています。


神在祭

さて、今年の神在祭は昨年末に縁あって我が家にやって来てくださった大国主命のご神像を床の間に置いておろがみまつっています。真似ごとではありますが。ご神像の訪い、神さまと少なからずご縁が残っているのかもしれません。
棚は父の実家の解体時に「もういらない。捨てるわッ！！」と、従姉さんたちが無慈悲にも破棄しようとしていた間一髪のいろいろのうちのひとつ、「案」であります。これを我が家なりのお祀りのしつらえに使うことにしました。今年は晴れ舞台になりましたが、こんな古道具など一年に一度どころか、数年に一度使うか使わないかのレア物。使用価値と存在が希薄な物です。関白さまが憤慨する「無用の長物」に他ならない、でもボクにとってはお宝なのですが。
ご神像には庭にある榊を手折った小枝ひと枝、御神酒と酒肴、お赤飯、お菓子などを神饌代わりに供えました。それに加えて若さまの東京土産も。掛け軸は鳥居風景図です。我が家なりの、ふむ、万端であります。一週間、毎日とはいきませんがお供えを替えていくつもりです。

ところがふと思ったのです。大国主命は出雲に居て八百万の神さまたちを招集している真っ盛りの一週間。八百万の神さまも世間にある神社では一斉にお留守。ましてやホストの大国主命は出雲でお忙しいみぎり。こんな一般人がこの期間に御霊の抜けたご神像に向かってお祈りもおかしなことではと。篤と考えてみたら「仏つくって魂入れず」みたいなことで、ほとほと浅慮でありました。出雲は神在りで我が家はまさしく神無し。これではただいま出雲で行われている神議りにボクは愚か者として漏れるでしょう。後先を考えずにご利益頂戴などという浅ましい限りでした。虻蜂取らずという如何にもボクらしい行いだったようです。

しかし、神さまの代わりに若さまが降臨してくれた我が家の神在祭になりました。やっぱり神さまがしっかりと神恩を示してくださったと、そう思いたいです。
突然の出現だった今回の帰省。元気な姿に安堵しました。昨日は由布市にある「ゆの杜竹泉」で温泉に。大分休日はこれでじゅうぶんだと喜んでいました。
入社から２年と７ヶ月。いろいろ思うところがあるようですが、この厳しいご時世で無事にサラリーマンを続けられている幸せを無下にしないようにと釘を刺しておきました。暮らしが安堵できている有り難さは、未来がある若者にはまだ漠然とした感覚のようです。

■夜の便で無事に帰京していきました。次はいつ会えるんだろう■
見送り
空港の遠い大分県。今のところリムジンバスか自家用車。23年度にはホバークラフトが再度就航しますが、お隣りの福岡や宮崎と比べるのもおこがましいくらいにアクセス最悪です。今回の若さまも夕方４時半にリムジンバスで大分市を出て、飛行機の出発時間は19時35分。別れを惜しむにはもったいないロスタイムです。
1971年に大分市から今の新しい空港を遠く離れた国東につくらなければいけなかった理由は、立地条件や用地問題だったからでしょうが、全国屈指の不便極まりない空港でビジネスマンにも旅行者にも不評です。
ま、アジア初の水平型宇宙港になる大分空港ですが、利便性の悪い空港のいくらかは汚名払拭になるかもです。



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昨日も今朝もググンと冷えて、去年の初ストーブが１１月２６日だったのを大きく塗り替えそうな今冬のストーブ登場になりました。３週間も早いお出ましですが、よくよく思い出してみたら子どもの頃にはもう暖房器具に頼っていた１１月であったようにも。それに３２年前の１１月１８日、出雲大社での結婚式に向かう時にはコートを羽織っていましたもん。いかに季節がおかしくなってしまっているかということをひしひしと感じていた近年にあって、ここ数日の冷え込みこそ当たり前の秋の巡りと冬支度の楽しみではなかろうかと思っています。

灯油を買って給油して用意万端、火入れ式も済ませましたが、数日後にはすぐに平年の気温に戻りそうとも。しかし三寒四温ならぬ三温四寒の移ろいざまに、晩秋と冬好きの私にとっては洵に好季到来の思いのする今の日々です。

 

冬に追いつこうと暖房器具のセッティングやらお試しをしながら今日は朝からバタバタなスケジュールになりました。

年契約しているいつもの農家から新米が届いたので若さまにさっそく宅急便にて献米を。２１歳の身の程知らずの酒飲みに変じつつあって、親としては我が子に酒を勧めるのもいかがなものかと思いながらも、晩秋の夜長にと月桂冠２リットルのデカパックとサングリア１本を同梱。あとは大王さまのお見立てのチョコやらバームクーヘンやら柿の種やらお菓子三昧。年末年始の帰省なしゆえ１２月中旬以降にまた送るとして今回は急いで新米をという親心でした。若さまに新米の用意をしながら、『そうだった。生きているご先祖様であるオフクロにも持って行って喜ばせねば』と５�圓曚鼻�

 

一袋３０�圓涼歸諜彌算左縞討鬚い弔癸饗淒磴辰討い襪里任垢�、若さまが大分を離れてからの一昨年も去年も米余り状態になって、そして今年もまだ３０�坩貘泙�残留の憂き目になっています。さらに現在消費中のが米びつ、ライスストッカーにも満タンで唸っていますし。

毎年この新米の季節になると余ったお米の処遇に往生しています。で今年から一気に減らして４袋にしてみました。それでもやっぱり新旧合わせて手つかずが５袋３００�圓糧�蓄の計算です。ひとり暮らしの若さまだって毎日食べるわけでもなさそうだし、人さまにおすそ分けしたこともありましたが大して感動やら感謝も無くて肩透かしを。友達から言われました。

「Ｍちゃん。お米は人にあげるもんじゃないよ。家それぞれにお米の好みもあるし、第一自分で賄わなきゃ罰があたるよ」と。確かに一粒だって無駄にするなと言われて育っておりました。京都人ではありませんが、『冥加に悪い』ということですね。

以来、強欲爺さんのように家うちで消費することにしています。一食１００ｇの減量作戦続行中なのでなかなか減りませぬ。しかし元嫁がよく言っていたのですが、「お米が家に十分にあるって幸せで安心よね」。そんな言葉を思い出してはそうだなと納得しています。いいこと言っていたもんだと懐かしく思い出されます。菜がなくとも米がある！！　心強いことです。

Ｉちゃんのおかげでここ数年間というもの美味しいお米を安い値段で融通してもらって、お米にだけは不自由な思いをしていません。よくよく考えてみたら、幸せで安心な毎日の暮らしのなかにいさせてもらっていることになっています。
 


虫干し

去年からヤフオクで落札しまくっている掛軸が一年半で２０本になりました。日本の美やら風流にまったく無頓着な大王さまからは猫に小判の豚に真珠だと言われ続けております。猫になったり豚に化けたりと不名誉このうえない仕打ちの言葉であります。

花鳥風月、春夏秋冬、祝儀不祝儀、用途に合わせて何でもござれになってしまいました。前からあったのと合わせて３０本のお宝持ちの分限者にと成長しました。掛軸道楽というやつでしょうか。

季節や行事、来客に相応して床の間のしつらいを変える。その時々に気持ちに余裕がなければとてもとてもです。現にバッドでネガティブで鬱々な気分の時など、掛軸を変えて愉しもうなんていう風雅な気持ちなどさらさらのまっぴらです。やっぱり猫に小判、豚に真珠の宝の持ち腐れは当たっているかもということもしばしばです。

とは言いながらもあくせくしてため込んだ掛軸を粗末になど出来ようはずがありません。先日、京都の店に注文した防虫香が届いたので、当分は裏切りのない晴天続きの本日より掛軸の虫干ししています。巻いたままとは言いながらも３０本とその箱を一挙に陳列して並べているさまはなかなかのものどした。

本来であれば物干し竿を家に入れ、長押辺りにまたがせて干したふんどしを風になびかせるみたいに掛軸をぶら下げて風通しをすればよいのですが、あいにく当家には物干し竿も無ければ和室に長押も無くて。しばらく優しい秋の日差しを浴びさせてお香の包みをそれぞれの箱に入れていきます。一年に一度の恒例行事になりそうな掛軸の虫干し。掛軸にとっては安息のお日和ということですね。
せっかくです。この私も虫干ししてリセットしたいものです。まぁ最近は虫も寄り付かなくなりましたが（爆）



 

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ついさっきまで知らなかったというか詳しく分からなかったポケモンＧＯの正体。
ポケモンがどこかに行くのかと思っておりましたら、夜のニュースでその何者かが分かりました。何やら位置情報のＧＰＳを駆使して現実世界そのものを舞台にしてポケモンを捕まえたりできる体験型のスマホのゲームであるとか。街中どころか世界中のあっちこっちにポケモンが出現して大捕り物に興じる世界中の若者がニュースに出ておりました。もちろん配信初日だった今日の大分駅前でも。そうなると家の近辺や、もしかしたら玄関前でもうろちょろか。ポケモンがどこかに行くどころか、ポケモンがいよいよ身近にやって来て現実とバーチャルの狭間に人々を所かまわず迷い込ませるようです。さぞかし楽しいことでしょうが。


歩きスマホやら自転車に乗ってスマホやらして人の命を奪うような大きな事故も起きて社会的問題になっているというのに、今度は街のいたる所で脇目もふらずにポケモンゲットに徘徊する人々が増えるというのでしょうか。真っ直ぐと前を向いて歩かない人類が生まれてくるみたいですね。いつかは生身の人間どうしの会話にも目を見て話すことのできない人間ばかりになるかもしれません。もちろん人の話にも耳を傾けなくなる人間だって増えることでしょう。
「家でこもっているよりも、こうやってそとに出て活動できることは良いことだと思います」、大分駅前で若い女の子がこんなふうにインタビューに答えていました。違うでしょ！！　根本的に違うでしょうが！！　
『まかり通る』、今ではねじ曲げてでも『まかり通す』撮りテツやらさまざまな趣味に走った人々が、世の中の冷たい視線もものともせずに我が趣味道を大手を振って歩いていますが、今度もまたこんなゲームが流行って良くも悪くも非常識の上に胡坐をかくような人々だらけになることには違いなさそうです。さっそく関係者以外が入ってはならない事務所に無断に侵入したり、熊本の被災地に立ち入ったりとほとんど不法侵入の犯罪者もどきの輩も出てきているとか。人の迷惑も常識非常識も分からないとは。人間が、人間らしくならなくなる。そんなゾッとする思いです。
自分だけならまだしも、人さまを巻き込むような事故など起こさないようにくれぐれも気を付けてもらいたいものです。それと日本にも世界中にも大切な文化や文化財が数多く点在していますが、それらを傷つけないようにしてもらいたいものです。新参の文化とそれに興じる人々から悠久の歴史ある文化を壊されたくないです。


コラボしているマクドナルドがポケモノミクス効果で、今日一日でこれまでのマイナスを払しょくしそうな勢いに乗ったとか。それはそれで良しとしますが、でもやっぱりしょせん心通じない遊びで人類の得になる何をもたらせるのか未来が見ものです。
ポケモンＧＯどころか、バケモンＧＯだらけの先々の世の中が見えてきたような思いがしています。




 

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気付いたら。本当に今年ばかりは気付いたら１２月１日の今日になっていました。神在月だった１１月も、毎年であれば出雲の神様のご神幅を床の間に飾り御稜威を弥増したもうと祈っているのに、今年はとんと手薄のままになってしまいました。神様を雑にすると罰が当たります。いつものことを変わらずに行わなければどこかしら心の所在が不安定にもなります。昨夜は大急ぎで出雲の神様にとんだ無礼を致しましてと、お詫びかたがた献酒などを勧めてお許しを請いました。それでも今日がもはや師走のお朔日とはと、時間に取り残されたような茫然さの中に立っている思いの今朝でした。


大絵馬除幕式

９時から神社で師走の月次祭。その後、大絵馬の除幕祭が行われ撮影に出向きました。凍えるような寒さを感じていた師走の風景は昭和５０年の半ばくらいまで。今日など汗ばむような陽気で、あとひと月で正月だなんてと信じられない思いが増幅するばかりでした。３８年前の１２月などは寒くて寒くて。大阪の淡路の商店街で、歳末の福引きのバイトをした時など寒さの中で遅々として進まない時間に凍えそうな思いをしたことが懐かしく思い出されます。細身だった体に寒風が突き刺さる思いがしたものでした。もうきっとあんな雑然としたなかでも何となく愉しかった日本の歳末の風景など望んでもやってこないだろうなと思っています。やはり心に沁みていついつまでも残る季節感には、その時に遭遇した気温も大きく影響するみたいです。
そんな最近のトンチンカンな師走でありながらも、神社で行われる迎春の準備には、ささやかながらも暮れゆく年と迎える年の感覚が呼び戻されるような思いがしました。
仕事と体調不良と考え事のトリプル三昧に右往左往のまだまだですが、早く落ち着いて大王さまとふたりっきりの忘年会を何処ぞに一泊でもしてしんみりと開催したいものです。それにお世話になっている人たちへのお歳暮の手配も。右に左にとはてさてと思いを動かしながら思案することの多いのも仕舞いの月１２月ならではのことでしょうね。

新しい月は一年の締めくくりの月。皆さんもどうかこの忙しいひと月を体調万全でお過ごし下さい。ブログの更新もしばらくは間遠くなろうかと思います。ご海容下さい。


 

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金木犀


神無月のついたち。今朝は取材抜きで神社の月次祭にお参りしてきました。ひと月前の９月の月次祭には若さまと大王さまは連れ立ってお参りしました。あれからもう一か月が巡ってきたのかと思うと驚愕の時間の経過の速さです。生きること、暮らすことにおちおちしてはおれませんね。

若さまも８月中旬からだった夏休みが終わって今日から後期が始まりました。新しい生活のスタートです。

神無月のいわれの諸説のなかのひとつに、昔、酒造りに若い女性が生米を口の中で砕いて発酵させていたことが由来して、噛み成し……、かみなし……、神無月となったと説もあるとか。新米を酒造りに生かすこの季節ならではかもしれません。噛み成すが更に長じて「醸す」にもなったとか。日本の美しい言葉で空想がさらに広がり、言葉自体にも受け手の我々の心にも情緒が奥深くなっていきますね。いずれにしても実りの秋ならではの日本の豊かな由緒だと言えるのかもしれません。


今日から日本中の神様が出雲大社にお集まりです。そちらではさまざまな神様方によるさまざまな会議が催されるとか。それを神議（かむはかり）と言うそうなです。人々の運勢の決め事や縁結び、善行や悪行を見極めてこれからの一年間の評価を下されるとも言われています。まさしく神様に量られるということでしょうか。心当たりのある方にはそれぞれに悲喜こもごもの神無月。実はもっとも神様の存在を知ることのできる月、神の月ということにほかならないと思うのが妥当かもしれませんね。

昔は無垢な乙女たちがこしらえたというお酒。製法や幾代も世の中が変わろうとも神様に奉献してご機嫌を取り持つ大切なお酒であることには変わりがありません。出雲に集っていらっしゃる神様方に大社あげて今年の美味い酒を進めていることではないでしょうか。

神人和楽の賑わいの季節、秋祭りの季節の到来に心弾む思いがしています。ところでほとんどの神様が出雲にいらっしゃるなかで、ご近所の神社での神様不在の秋祭り開催とはいささか腑に落ちませんが、そこのところは上手く融通して下さっているのではと推察しています。


近所の街路樹の金木犀が満開を迎えています。秋の深まりを感じる香りに心が落ち着いていくような安らぎを感じる毎年の花です。

咲き始めの頃に比べて香りの強さは随分と優しくなりましたが、小さな花がたわわに生っている姿はまさしく黄金色に輝く秋の樹木の面目躍如といった感じです。金木犀に負けじと我が家のヒマラヤヒイラギ、銀木犀も花がほころび始め香りが立ってきました。まるで精米したての米粒のような白さが銀木犀の濃い緑の葉っぱに映えて精彩を放っています。

有難いことに日ごとに朝夕の涼しさが際立ってきています。昨晩はたまりかねて毛布をかぶって寝ました。そう言えば衣替えのシーズンでもあるのですね。ぼちぼち着る物も厚手へと替えていかねばならないようです。台風１８号も来週明けには日本列島に近付いてきそうだとか。野分のシーズンであったということをすっかり忘れておりました。大きな災害をもたらさねば良いがと祈る思いです。

御嶽山の噴火で大勢の人たちの命が奪われています。戦後最悪の山の犠牲者の数であるとか。今回のような水蒸気爆発は予測がつきにくいということです。大きな天災の犠牲になってしまった人たちのことを思うと、山も、そして海も川も人の力ではどうしようもできない秘めたる力が、いつ表沙汰になってもおかしくないということに気付かされています。奥ゆかしい暮らしに徹していた昔の日本人は山海川にも神様がいると信じて畏怖の念でそれぞれでお祀りしていました。御嶽山の神様はよりによってどうして大勢の人が行き来している時間に怒ったのかと残念でなりません。
季節が大きく変わりつつ今日この頃です。皆さんお大事にお過ごし下さい。



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天津神である天照大神の子孫の高円宮典子さまと国津神である大国主命の子孫である千家さんが婚約というニュースが飛び込んできました。アマテラスに国を譲ったオオクニヌシでしたが子孫はしっかりと嫁を譲り受けることになったのですから面白い因果です。

譲った譲られたとは言いながらも古事記などでは天照大神と大国主命は親戚関係であるようにも記されていますので、神代の時代から幾代も経て生身の人間であるおふたりが結ばれるなんて壮大なロマンを感じてしまいます。

出雲大社の遷宮が行われた翌年の発表という遠慮がちさも、それどれおふたりの後ろに見え隠れしている神様を大切にしている証拠のような気がします。

縁結びの神様で有名な出雲大社。皇族がお相手の大きな婚礼にそのご利益の真骨頂というか面目躍如のような思いがしています。これでますます若い女性のパワースポットとして注目を集めることでしょう。

ひとつだけ残念だったことはお父上の高円宮さまがご存命であればということです。お母上の久子妃殿下にとってさまざまな思いにかられるご婚儀ではないでしょうか。


神代の時代から幾代も連綿と続いている名家とは裏腹ではありますが当家だって、当家だってもう間もなく長男の華燭の典が行われんだい！！　

まだまだ先のこととタカを括っていましたが、秋冬春を見送り結婚式まであっという間に残り僅かとなりました。先方のおばあさまと縁のある場所、六本木の式場でさてさてどのようなご披露宴になるのか楽しみにしているところです。

長男は大分を離れてこの春で７年が過ぎました。俳優になるのが夢で数年前まで頑張っていましたが、良き人と巡り会え結婚を意識し始めたのを機に俳優業からすっぱりと足を洗いました。あとから聞いた話でしたが経済的にも精神的にも随分と苦労した数年間のようでした。百数十万もの詐欺にも遭ったということで親である私に心配かけまいとギリギリまで隠してくれていました。そんななかでもいつも側で見守り支え続けてくれていたのが彼女でした。気長に付き合ってくれたものだと感心し、そんな危なげないふたりを変わることなく常に温かく応援して下さっていた横浜のご両親に感謝しています。

先日、他用で大分市役所で戸籍謄本をとりました。そこにはしっかりと港区役所で受理されたこととお嫁さんになった人の名前が記されていました。公的な書類を目の当たりにして「我が家に新しい家族ができたんだ」と感慨深いものを感じました。嫁がせる横浜のお父さんと嫁いでいく娘さんのツーショットを肌身に感じて若夫婦には、『決してひとりで大きくなったんじゃないこと』を終生忘れないようにと伝えるつもりでいます。

これからはふたりして責任のある家庭人として、そして東京に居る者として先方のご両親や若さまに対してあり余るほど心配りできるように大きく育ってもらいたいと祈っています。もう子供ではないんです。しっかりと大人としての分別、惜しみのない気遣いをしてもいらいたいものです。


さて若だんなたちの結婚式に成城の文さんも出席してくれます。

彼女は私たちの結婚式にもわざわざ東京から駆けつけてくれました。まるで大きな力で時間が合致するかのようにちょうど３０年前になります。３０年の時を経て親から子へ代替わりするような思いがします。二代のそれを立ち合い見届けてくれるのが文さんではないかと思っています。そして今では次男である若さまの母親代わり。不思議な縁を持ち続けている文さんと私の関係です。元嫁のこれだけは有難い置き土産になりました。

そう言えば我々夫婦が挙式をしたのが今日話題になっている出雲大社でした。残念なことに我々は挫折してしまった夫婦になりましたが、こんな夫婦があるからこそ余所さまには大きなご利益が回るんじゃないかと善いように考えています。神様だってあまねくすべての人たちにお力を出し切れるはずがありませんもの。それに我々夫婦には添い遂げるという縁も夫婦は二世のパワーも無かったのかもしれません。

今日はやんごとなき方の婚約発表。出雲大社。当家の結婚式とおめでたい話のまま、久々に毒つかず穏やかにこのまんまお開きにしましょう。ではかしこみかしこみであります。




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「これが１０月の気温ですか！！」と腹が立ってくるくらいの高温の昨日今日でした。台風２４号が南から湿った暖かい空気を運んで来たためとかいう理屈らしゅうございますがいい迷惑です。１０月に汗を拭き拭きキッチンに立つなんてどこの大所帯の仕込みかと思うくらいです。大人数のお客さんをさばいていた昔日のやもめ食堂フル操業のような活躍ぶりの私に見えました。

有難いことに明日からは大陸から寒気が流れ込むと同時に秋めいてくるらしいです。秋のお彼岸を越したらきっと涼しくなると待ちわびていたのがズルズルと長引いてしまった秋の夏もどき。春もなければ秋もないような日本になってしまうことだけは勘弁してくれと願っています。程よい季節が無くなると人間の心の塩梅も狂うのがどうやら自然の掟のようですね。現にあっちでもこっちでも常軌を逸した輩が。

先月の末から酒井雄哉師を偲んで師が書いて下さった書を床の間に掛けておりました。成城のバアバの訃報とも重なって１０月に入っても尚その書のままでした。大王さまから「朝っぱらから線香の匂いがきつい！！」と無粋なクレームが来ようが、ここしばらくは先日買ったばかりの春日卓の上に置いてある香炉に抹香ひとつまみを焚いて朝の礼拝の代わりにして過ごしていました。月が変わろうとも目の前に下がっている仏様の掛け軸にほとんど頓着なく過ぎていました。

昨日、ふと気付いたのでした。１０月……、１０月と言えば神無月。こちらの世界では神さんがおいでにならない洵に心もとないひと月であることに。

今年６０年ぶりの遷宮を終えた出雲大社にお集まりの八百万の神さんたち。リノベーションを終えた木の香も香るお社でさぞや快適にお過ごしのはず。毎年、我が家ではこの月に大国主命の掛け軸を掛けています。それはまるで出雲へ出雲へとお還りになる大国主命の裾を引っ張るような見苦しさというか女々しさです。せめてお姿だけでも我が家にお留まり頂きたくて神さんがそこらじゅうにいないという１０月に限って掛けているというお軸です。

遷宮だった今年は特に神さんのお気持ちも逸って新しいお社にお還りでこの世はスッカラカンのはずです。案の定、娑婆ではタガが外れたようにあれこれと事件事故が頻発しています。

大慌てで大国主命のご神像にお出まし頂いてやっと我が家の１０月の床が整いました。これでいつもと異なることのない例年通りの和室になって気持ちが落ち着きました。

やはり年単位や月単位でいつもと異なることをすべきではありませんね。不吉な思いにもなりますし。

四季に応じて細々ながらも踏襲というか変わらずにその移ろいを表現する心とカタチは日本人ならではの大切なアイデンティティーだと思う私です。真似する私は別にしてそれを和の繊細さとも言いますが。

その折々の部屋の設えや心の余裕というのは、四季を招き季節を寿ぐ喜びにも通じるのではないでしょうか。大過なく脈々と過ぎゆく明け暮れを感じることこそ今の私たちにとっては最も有難い時間ではないかと思います。

それは一歩一歩一段一段、階段を上るような地味な行動かもしれませんが、日本の文化や伝統を我が家に取り入れて次代へと受け継がせていく親の責任でもあるように思っています。日本人独特の情緒の育成かと思っています。


最近とても気になっているのですが、心がざわめいている人間にいくら上等な着物を着せても見栄えのしないのと同じことの多さ。心が着物に沿うような生き方や暮らしぶりをするべきです。揚げ句の果てに最近は和服にレースやら奇妙なものを付けていたり着物のミニスカート版に悦に入っている女の子が増えました。着こなし以前の問題で和服文化の崩壊の手伝いでもしているかのようなおぞましい格好です。まるで日光猿軍団のメス猿に着物を着せているのと同じ出で立ちです。そんなことをしていたら日本の和服文化は１００年も持たずして消え去るかもしれません。小さい時から日本人としての身だしなみくらいはきっちりと心と体に沁み込ませないとどうなりますことやらです。


三鷹市の女子高生ではありませんが、その年頃に見合ったように踏みしめて上がらねばならなかったはずの階段を一気に上ろうとするから人生の大階段を踏み外し大ケガをするのです。年不相応のその不安定さや危うさは這い這いの赤ちゃんが階段を上ることが出来ないのと同じです。ヨチヨチ歩きのベビーに階段の一段とばしが出来ないのと同じです。ましてや親ならばそんな危険なことはさせないのが当然です。ことほどに生き方にしても日々の暮らしのひとつひとつにしても、丁寧さや慎重さというのには無駄がないということだと思います。

子供の躾は難しいものです。いつのまにやら手元から離れていっている子供の心。親離れとして当然のプロセスですが、ブラックホールにも似てそれまで育てた結果が如実に現れはじめる扱い難さも出てきます。気が付けば親の目を盗んで派手な遊びにうつつを抜かしている子供もいます。それでもたしなめる親でなければならないはずです。
社会に出すまでは子供は大切な預かりもの。そう思えば子供に対する接し方も変わってくるのではないでしょうか。今回の三鷹市の事件のその後を見聞きするたびに親と子のあり方って何なんだろうかと考えさせられています。虚飾に覆われることのない素顔のままの家、家族でありたいものだと思っています。




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ゴンズイ
＜ゴンズイの実であります。一つ目小僧が一斉にこっち見てる感じ＞ 


早々と今日から１０月であります。今月もどうぞ宜しくお付き合い下さいませ。

今月はさまざまな行事が目白押しであります。１０日からは若さまの中間考査、そして駆け足のような豪州修学旅行は２３日から。大王さまの一筋縄ではいかないようなお企みも匂ってきました。そんな企みがあるのであれば目には目をのような画策ごともやってみようかとも。大王さま月初、東京息子中旬の誕生日も続いております。息子は２６歳、大王さまのは言うなと書くなと窒息しそうなくらいきつく厳命されておりますゆえ伏せておきます。それから私の祖母の十七回忌が９日でまたお寺さん。仕事もあれこれが流入しております。蛇足ながらお金もあれこれに流出甚だしきことになっております。脆弱なおやじダムも決壊間近かもしれません。残された活路はもはや神頼みのみ。折悪しく神無月など仰らずに出雲大社に行きそびれた神様だけでも、どうぞ拙宅にお寄り頂いて我が身に降臨遊ばしますようにと一心不乱にお祈りしながら月の初めの神棚の設えを致しましたよ。

暑い暑いと身悶えしていたのが急転直下に涼しくなってまだ日にちはそんなに経っていません。それなのにところどころにある彼岸花は満開、金木犀もしっかりと香り始めました。昨夜の護國神社の観月祭でもご本殿そばにあるはずの大木の金木犀が香ってきて、雑味の無い夜のとばりゆえに昼とは全く異なったような十分な芳香に酔いそうになりました。笙や横笛の音色、東の空には満月が今宵が盛りとばかりに輝き、そして地上では甘い香りが闇を包んでいく。自然が演出する世界に人の手が音として加えただけで洵にもって妙なる世界が生まれるものだと驚嘆しました。神様や仏様がいらっしゃる世界とは、すべてに透明感があって嫌味の無いきっとこんな感じじゃなかろうかと思いました。生きていながらにして現世から浮遊した思いがしました。

今朝は今朝で若さまをお送るする道すがらの土手で彼岸花の満開を見ました。土曜日には見かけなかったのに僅か二日で土手を飾るようにニョキニョキですからこれもまた驚きです。

しかし彼岸花は少量だと小さな血痕に、群生だと血しぶきに見えてどうも苦手です。名前もなんだかあの世に手招きされているようで恐ろしくもありです。曼珠沙華という各々の４つの漢字は好きですが、manjushageという呼び方になるとやはりこの世のものではないように感じてしまいます。由来など考えようによっては有難い花ではあるはずなのですが。


大王さまのウォーキングの道は日によって、そして当日のご気分によって異なっているようです。食事もコースを変えた方が美味しいし価値だって高まりますわねぇ。同じ目的で歩いている人と行き交う大きな道だったり、ひとり静かにあらぬことを考えながら歩くにちょうど良い道だったり数コースあるようです。ウォーキングにくたびれてしまった私もそろそろ秋の逍遥を楽しみたくなりました。

さて今日はどちらかのコースで見つけた「ゴンズイ」の実を撮ってきてくれました。あまり美しいとか可愛いとか言えない……、血眼のような実ですね。赤と黒のコントラストが良いと仰る向きもいらっしゃるようですが。

「見て見て！！　気持ち悪いね、これって何の実だろう。何か変だから写真を撮って来た」

ゴンズイとはドジョウに似たのもおりましたね。あれは毒を持っているから気を付けてと言われたことがありました。毒を持っていなくても触るのはご免蒙りたいヌルヌル生物ですが。

実の方のゴンズイは初夏に真っ白な釣鐘状の花を咲かせるミツバウツギ科のあの花であったのかと知ったのはネットで調べてからでした。この木はドジョウ紛いのゴンズイ同様に役立たずであるから同じ名前にさせられたとか。可哀そうに役立たずだなんて。そんなことを言われ続けたから泣き腫らした目のように実も真っ赤になったのでしょうか。

ゴンズイの充血した目ではありませんが、ビックリして一気に血圧が上昇、搭乗口で憮然としていた大王さまの姿を見たのが１０年前の羽田空港だったと思います。

それは搭乗前の身体チェックで若い女性。それも少々無骨さの加わったＡＬＳＯＫの……、レスリングの吉田沙保里選手に似たような係員から、いきなり急所を掴まれてグリグリされた日のことを思い出しました。開いた口が塞がらないまま呆然と立ちすくんでいた大王さまのあのマヌケな顔はいまだに忘れられません。人間の放心状態とはかくの如きかと得心したものでした。職務遂行の係員とされるがままのイケメンの特権か悲劇かの真骨頂のぶつかり合いのような出来事でした。

飛行機が東京湾の上空で水平飛行になったくらいに気分も水平になったのでしょうか。

「なんなんだぁぁぁあ！！　オレのを触ったぜあの人。オレのをグイって引っ張って揉んだんだぜあの人！！　なんで赤の他人からあんなことをされなきゃいけないの？？」

「勃ててみせりゃぁ良かったのに」

「そんなことは出来ないよ」　

いきなり犯されて童貞を奪われた少年のような可愛らしさと恥じらい、遠慮がちが１０年前には満ち満ちておりました。あれから１０年、可愛げも恥じらいもとっくの昔に卒業してしまいました。もし今あのような椿事に遭遇したら、厚かましくもなった大王さまはきっと「責任者を呼んで下さい」と言えるほど付帯のゴンズイともども成長していることと思っています。

さてこの身体チェックが今日から成田や羽田などの国際線に限って無作為で行われるようになったらしいです。係員が検査をやりやすくて好き嫌いの区別をつけやすいという無作為なのでしょうか。テロ防止らしいですが、無作為の対象者に選ばれた人こそいきなりテロに遭ったようなものかもしれません。お好きな方にはたまらない職務になるでしょうし、妙な期待をお持ちになる搭乗者もおいでるかもしれんません。相互の思いが通じ合えばスムーズなことで良いのですが……。
「なんであの人には触って僕にはしてくれないのぉぉぉ！！」とか、「あの人に触ってもらいたぁぁい」とか、「あの人のを一発触ってみようかなぁ」など下心も見え隠れしたりして。残念ながら基本的にはオトコ×オトコ、オンナ×オンナなどなど同性同士らしいですが、思惑やらご趣味やらが交錯しそうな華やかな国際線搭乗口になるかもしれませんなぁ。関係の無い私なんて、早くあのドキドキもののゲートから無傷無音で出たいだけであります。





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毎月末に同じようなフレーズでありますが、９月も今日で終わりであります。

８月の盛夏よりも暑かったような９月でした。本当に秋がやってきてくれるのだろうかと怪訝に思いつつも、なんとか朝夕が涼しくなってやれやれと思っています。

今朝なんて東の空の美しかったこと！！　グラデーションの青い空をバックに白い雲の片方角だけの端々に日の出の光が当たって、青と白とそして金の見事なコントラストに「神降りる」みたいな、すくみそうになるくらい神々しいドラマが始まっていました。もたもた弁当を作ってなんていられないやと菜箸を投げ捨てて大急ぎで写真を撮りました。季節がこれで変わるぞといういうな美しい前触れに思えました。

 

趣のある景色や情緒を随所に醸してくれる大好きな秋は四季のなかで一番短いような印象です。異性に思う気持ちと同じで、もっと側にいたいのに好きだから尚のことアッという間に思えるのかもしれないですね。この狭間の季節は衣食住と世の中の移り変わりが顕著だからそう感じるのでしょうか。特に冬枯れていく秋の後押しの哀れさがなんとも言いようのない風情を感じます。

春の桜、冬の雪、どれも日本人のＤＮＡが疼きますが取り分けても奥山の秋の紅葉は格別に侘び寂びとして心に沁みます。

庭の桜も早々に落葉が始まりました。遠くではまだ蝉が行く夏を惜しむどころか秋の到来を告げてるように声を枯らして鳴いています。落葉や萩花のなかで可哀そうに夏に出遅れたのでしょうね。

どうやら明日からはグンと気温が下がるとか。蝉には申し訳ないことですが足早に私の大好きな本物の、正真正銘の秋が訪れようとしています。

 

テレビも秋の番組改編で大きく様変わりを始めています。

２０年間、オフクロにとっては代弁者であり実生活の投影であり、日々の生活の息遣いであり、そして何もかも仰せごもっともの頷きドラマであった「渡る世間は鬼ばかり」が昨日で終わりました。オフクロの５０代から７０代の激変の人生と共に歩んだ毎週木曜日がこれで完了になりました。ある時は勇気付けられたでしょうし、ある時は「私よりも大変なんだ」と溜飲を下げさせてもらったこともあったでしょうし。息子にとっては母サマをお慰めするには打ってつけの有難い番組のひとつでした。たまに同調し過ぎて百万の味方を付けたこともあった母サマでした。

昨夜は私もチラッと見ましたが、新郎役のえなりかずき君は感極まったようで本当に泣いていましたね。赤木春恵さんや京唄子さんの老けたこと。驚きました。看板役者さんたちの高齢化も幕引きの要因になったのかもしれないですね。

更に毎朝楽しみに見ているという「おひさま」も明日で終わりとか。オフクロにとっては一気に寂しいテレビになってしまうようです。きっと向井理君オンリーで暫くは若返ってくれていることではと思います。

 

言わずと知れていることながら明日から１０月、神無月であります。明日の朝には毎年のことながら、出雲大社でお授け頂いた「大国主命」のご神幅の掛軸に換えます。神様が出雲に集う１０月、世の中に神様がいらっしゃらなくなっては大変だと、ひとりで合点して大慌てで毎年我が家恒例の「大国主命様」のご出座であります。日本中の神様を迎えられているホストである出雲の神様を我が家にとは奇妙な理屈ですが。

あとは李朝の壺をロ―ボードに飾って秋の設えとします。

 


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さて今日は大分縣護國神社の「拝殿・中殿増床工事」の竣功清め祓い式が執り行われました。神職の方、神社役員の方、工事関係の方たちだけが参列して極々内輪で行われました。

祭典のなかのひとつ、宮司さんが「きりぬさ」で増床された中殿の四方を清めていらっしゃる写真です。私、紙吹雪かと思っていましたが切麻・切幣……、きりぬさという祓えの具のひとつだそうです。
朝は神々しい東の空に遭遇し、その後には神様近くに侍らせて頂くことが出来て少々お疲れだった９月もこれでなんとかめでたく終了の思いです。
どちら様もお健やかに、そしてドラマチックな１０月をお迎え下さい。


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＜飾り気のない素朴さがまた美味しい。人情たっぷりの別府の味は健在じゃった＞

 

今日で１１月も終わりです。あっという間、瞬きする間、この高速じみた時間の流れって茫然自失の趣きですね。

ひと月の間、床の間に鎮座願っていた出雲大社のおさがり「大国主命」のご神幅も今宵限りでお函に還御頂いた。また来年、出雲の国が神在月の折に我が家にお出まし願おう。

「お目が行き届かないお休みの間でも我が家が何とぞ平穏に暮らせますよう。何とぞ良きことがありますよう。お守り下さいませ」

さて年末のしつらえは何にしようか。明日にはなんとかせねば。

こうやって一年を順序よく巡らせているのが我が家流。例え世の中が荒ぼうが狂おうが、自分のアイデンティティだけは譲るもんか……、です。

 

バカな政治家がまたひとり。

昨日は両陛下が臨席なさって、議会開設120年記念式典が参院本会議場で行われた。その厳粛な式典の真っ最中に自民党の逢沢一郎という議員の携帯が鳴った。アホやで、この代議士。バカ丸出しやで、大の大人が。56歳にもなって弁えもクソもないのかね。呆れ果ててしまう。笑っちゃいましたよ。どんな顔して慌てふためいたことやら。しかし、あろうことか大きな記念式典で、それも両陛下がおいでる席でとはね。

道徳もマナーもないね。自分のことを特権階級の人間だとでも思い上がってるに違いない。こんなつまらない人種や、あの三宅とかいう奇妙奇天烈、無能極まりない女が国会議員だなんて、我々が選び、我々の代表だなんて恥ずかしくて情けなくて……、やぱり笑いよりも憤懣やるかたない。こんなマヌケな大人にならないように子ども達にはしっかりと教えなきゃ。しかし何ですね。負の教材って結構、こういったご身分の高い人から頂いてるってのも腑に落ちませんが。

大分弁でこういう人間を指して、

「こん、たえなしがッ！！」と言いますんです。

 

先の日曜日の朝、高速をぶっ飛ばして朝９時に別府で行き打ち合わせ。

別府レストラン「フィオーレ」の梯さんの自由を頂ける、唯一の時間は朝しかないので大慌てで急行、いや彼にとっては急襲かも。開店前の仕込みの直前まで打ち合わせのお付き合いを頂いて、終わったとたんに尻に帆を掛けるねずみ小僧みたいにして辞去した。ミーティングと打ち合わせとＨは早い方がイイ！！

別府Ｉ.Ｃが近いので帰りも高速をと思いながら進んだけど、やっぱりちょいと寄ってみようかと方向転換して別府駅まで下った。

逸る気持ちのその訳は、別府駅の高架下にある市場。そのなかにある『野田』という総菜屋さんに行きたくなって。

ここは別府市民の台所みたいな店で、揚げ物、煮物、炊き物、それに巻き寿司なんかのご飯ものが豊富なので有名。

長男がまだまだ幼稚園児、小学低学年の頃、アナウンサーだった元嫁の別府の仕事の迎えのついでよく寄っていた。だから２０年近くご無沙汰だった。

鳥ももの唐揚げや巻き寿司なんかをよく買っていた。

どうしても食べたくなって気持ちが止まらなくなり、当時のままの惣菜をチョイスして買った。

鳥ももの唐揚げ、巻き寿司、コロッケ、それに高菜の油炒め。こんなに買っても全部で2,050円。まだ10時前だというのに結構な数のお客さんがショーケース越しにお目当てを指差していた。行ったり来たりの会話がホコホコしているのできっとご常連さんもいるに違いない。いいなぁ下町風情があって、人が温かそうで、笑顔が光ってる。

 

海老さまをボコボコにしたのが、Ｊリーグ選手になり損ねたサッカー人間の仕業だったとか。頭悪いね。玉ころがしで発散できなくなったので人にたかって酒飲んで、気に入らなければ手も足も出して怪我させる。単細胞というか、見境がなくてほんとこれもバカだわ。

海老さまとて同じようなもの。慇懃な姿勢であれば素晴らしいお血筋ゆえのなせるお方と褒めも出来ようが、彼はふてぶてしいというか傲慢というか上から目線でふんぞり返っている。それがたまらなく嫌だという人だっているはず。

だらしのない獅童と同じで遊び人だな。彼らの今の生き方は芸を磨くためじゃないね。派手な遊びの糧に仕事をしているみたいな感じだもの。芝居バカなら役者として価値もあるけれど、これじゃぁただのアル中と女狂いのバカだな。

度を越しすぎて遊び人の風体とひとつも変わらない。だから同じような遊び人が近寄ってくる。というか、そういう人しかお友達がいなかったのかなぁ。

 

私が思うに今回だって海老さまの方が先にちょっかい出して相手を怒らせたんじゃないだろうか。どうであるにしてもやっぱり親、団十郎の躾が悪い。

それに京都の南座では顔見世が始まるっていうのにザマがないね。

辛うじて歌舞伎の世界の人間だからいいようなものの、そんな家の子じゃなかったらただの放蕩息子と変わらないね。

昔の芸人は粋だったとよく耳にする。要するに酒にも女にも道楽にも、生き方がきれいだったのかもしれない。

近寄りがたい存在だったのかもしれないが、今の海老さまなんてチンピラ風の睨みを利かせてて逆に怖くて近寄りがたい。そこが自覚、品格の差よね。

 

海老さまにとっては商売道具の大切なお顔、成田屋のお家芸「にらみ」が当分難しいとか。キツくて痛すぎるお灸だったね。

人間は顔が異なるほど心も千差万別、偉そうな態度では世の中にまかり通らないってことも分かったでしょう。

これをバネに人間的にも大きくなってもらって、それを芸に役立ててもらえばいい。
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どんよりとした日曜日。我が家の庭はもちろん、大分市内もまだまだ紅葉にはちと早い。それでもこんなくもった日って、深まっていく秋にとても似合ってる気がする。これに鮮やかな紅葉の木々を充ててみたら「ふむ、日本の秋ここに極めり」となる訳よね。湯布院や京都には遅れをとるけどそれまでもうちょっと。

 

知人から「11月になったら出雲大社に行こうぜ」と誘われてて、随分と迷った揚げ句に今回はご遠慮することにした。

目的地が「八雲立つ、八雲八重垣……」の大国主命がいらっしゃる出雲大社。何よりも旧暦の「神在月」なので霊験もいや増し定めし有難いだろうと一旦は心が向きかけたけど、まず若様のテストが11月は10日ごとに３回。これは親として側にいてやった方がよかろう。車は当然のことながらマイ・エリシオン。これは良しとして運転手のお役は一手に私。
大分から出雲の往復全行程、運転しっぱなしとは初老の身には些か酷ではあるまいかと自愛の念。それと去年の春にオフクロを連れて行ってるし。

さらにさらに11月は我が人生の『ハレ』と『ケ』の混合の月。つまり出雲大社で結婚し15年後に離婚した禍々しい月。ゆえに敢えてこのような時にお参りせずともと。

神様のご神威を頂きに上がりたいのは重々なんだけれど、励む息子の手前と自らの体力の減退、思い出したくもないちょうど26年前のことに我ながら自信がないのでパスということにした。

不思議なもので結婚記念日が11月18日、離婚届の提出が11月2日。で、今回のお参りは11月11日。良くも悪くもなんとなくご縁はあるんだけど。

 

雨が降ったり止んだりの朝は日曜日なのに打ち合わせのお出かけ。

もっと具体的に決めたかったんだけど、先方がまだ原稿の整理をしていないのでザックリと話して、
「では火曜日にすべての原稿を頂きにきますのでお宜しく」、お終い。

やれやれ息せき切って行かんでも良かったのにと帰路、デパートに寄ってあれこれ買ってしまう。単細胞は金使いも粗いですわ。

午後、ガンダムパパさんの来訪のあと、もうひと組のお客さん。

急なお越しゆえお構いなしでお迎えし小1時間ほどして帰って行った。ツヨシさん、近くまで来てるとメールを頂いたけど「ごめん、お客が来るんで」とお断りの返信。単細胞にはハードな日曜日になったやんか。やれやれなことですわ。

 

雨が降るとさすがに気温も下がって肌寒さが身に沁みはじめた。

7年前に買った石油ファンヒーターが3年前、いきなり黒煙を吐き散らし悶絶の末あえなくお釈迦様に。

「新築の家が煤だらけになるなんて許せないッ」と、三行半をくっつけて廃品業者に更に500円のお代も付けて引き取ってもらった。

今年は千年に一度の大寒波が襲ってくるらしいと聞いて、受験生の親としてはテラコッタのリビングで「頭寒足熱じゃ」と、鷹揚に構えてられなくなったので新品のファンヒーターを買うことにした。

こうなると俄然お力を発揮するのが従弟氏。パソさん相手に何やら検索に検索を重ねていよいよ掘り当てたか炭鉱夫、

「兄さぁぁん、ちょっと来て」

CORONAのファンヒーターがお手頃価格で出ている。20畳仕様でこんなに廉くていいのかしらと思いながら、比較検討材料もないしこれに決めようと思った矢先にまたぞろ従弟氏、

「電気屋に行ってリサーチしようぜぇぇぇ」

 

ありました、ありました。全く同じなのがネットに比べてこっちは10,000円もお高い。当家の経済状態を鑑み即決です。

「家に帰ってちゃちゃっとクリッククリックで買っとくれ」

そそくさと帰るつもりだったのに、電気マッサージチェアに座って10人くらいのお客さんがズラッと気持ち良さそうにしているのを見かけた。中には衆人環視も忘れて大口開けて寝ているおばちゃんもいる。

言わずもがな。ふたり揃って座りました。従弟氏、

「うほっ！！　うほほっ！！　足もぎゅっと締めつけられて……、兄さん気持ちいいね」と大喜び。

私のチェアは動きもせずに止まったまんま。ひとつも慰めてもくれもせん。

家事も子育ても、仕事も頑張っている私にこんなカタチでもご褒美なしか。大口開けて寝てるおばちゃんの方が運がいいってことか。

気持ちがへこんだけどふと思ったね。
大口開けて爆睡中、奥歯まで丸見えの醜態を誰が見てるか分からない。
タダより怖いものはない。


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＜爪切りすぎて、あたし泣いちゃうからね！！　みたいな涙目のお嬢＞

 

中国嫌いが中国の話題ばかりを続けてしまって、せっかくのたけなわの秋ゆえに狂暴な中国から今宵なりとも逸れてみようかしらと。

 

ガンダムパパとここのところ緊密に仕事をさせてもらっている。

向学心と好奇心が旺盛なガンダムさん。今回はペーパーメディアのデザインを「やってみようかな、やってみましょう」と、いうことになってしまった。

で、ものの1日もかけずにメールで送られてきたラフ案。これが上手に出来てて言うことなし。

「あんさん、ホンマに素人さんでおますのかえ」

器用のご様子にて殆どなんでもやっちまう腕前の若いご仁である。

ついでながら、へいへい私には到底マネできっこない羨望のイケメンです。

 

この『器用』という言葉。わたし……生まれてこの方、頂戴したこともない栄えあるフレーズです。

何をやるにも「わっ！！　どんくさっ！！」と、大阪の女に言われてた。

「フンだ。あんたになんか言われとうないわいや」

言い返そうものなら大阪弁の洪水が襲ってくる感じだった。

でも、ほのぼのとした独特な時代でもあったなぁと思う。今は方言が薄れていって国民総標準語か宇宙語みたいになってしまって地域の特徴や個性、品性が無くなってしまった。そう、飛び交っていた地方の言葉文化が死んでる感じ。

 

昭和の50年代に18歳の九州人が親元を離れた大阪で、いちばん最初に耳に飛び込んできた言葉が小学生1年生くらいの子の発したショックなひと言。先月まで紅顔の高校生だったこの18歳のお兄ちゃんをつかまえて。

「おっちゃん、何してん？？」

聞き慣れない『おっちゃん』という言葉が全身くまなく駆け巡ったね。たかが6歳7歳の子が松竹新喜劇の役者のようなセリフをはいた。そのこましゃくれにも驚いた。何よりもオレがおっちゃんかよって。

おっちゃんから暫く経って、次の洗礼はちょっと馴染んできた茨木オンナから、

「わっ！！　自分どんくさっ！！」

『どんくさっ』て言葉、まるでドブが……臭い。ドブ板を踏み外して悪臭が立ち込めているような強烈な言葉に聞こえた。

それに、なんで相手に対して『自分』やねんな。

 

なんだか史上最悪にして最低の軽蔑というか……。

そんなことない、日常的によく使うということを知ったのは間もなくしてその彼女の家に呼ばれた時だった。

家族中が『どんくさぁぁぁ』と言い合っては笑ってた。こりゃ、かけ声、気合い水みたいなもんかと。

「なんやお姉ちゃん、どんくっさい服着てからに」、「この犬、どんくさいやろ」、「はよ、食べや。どんくさいことしてたら片付けられるでぇ」

隣保班がこぞって朝からドブさらいみたいなご盛況ぶりだったけど、なんだぁ、下町風の親近感ある言葉なんだと知った。

さすがにHの真っ盛りにでも言われたら最悪やったやろうなと、徒然に思ったりしております。

混沌とした今の世の中で、外交だけは『わっ！！　どんくさっ！！！』で済まされませんで。

 

話が飛びましたが、このガンダムさんの器用さはこだわりにも通じているようで、それは一筋縄ではいかない頑固さかもしれない。

こんな殺伐とした世の中で、彼のような『いっこつ者』がいてもいいじゃないかと思うね。優しい顔してキツイ、どこか従弟氏にも似てる。

 

おやじ歳時記をご贔屓にして下さってる湯布院在住のねえや☆さんから、『今朝の湯布院は、4.8℃でしたよ〜〜。炬燵を出しましたよ』とコメントを頂き、ハタと気付きました。湯布院の冬を初めて越そうとしている友人夫婦のことを。まるで雪山に置いてきたような罪悪感にとらわれてしまったのは何故でしょう。

さっそくメールして安否の程を確かめた。返信メールどころか、ものの1分もしないうちに電話がかかってきた。

「寒いですよ。夫婦ふたりなのでなおさら寒いんですよ」と。

大分市内にある家に冬の間だけでも帰ったら如何なのと言うと、もう湯布院生活に慣れてしまって大分に出ると疲れてすぐにこっちに戻ってきてしまうと言っていた。なんとまぁ、弱気なことを元気出して越冬して下さいねとハッパをかけて進ぜたら、では11月に出雲大社に行きませんかと、因幡の白ウサギよろしくいきなり話がぴょんぴょん飛躍してきた。

どうやら『なおさら寒い夫婦ふたり』が殊のほか身に堪えるようで、我々と気分転換したいみたい。

「R君も連れて行こうよ。会いたいなぁ」

残念なことに若様の11月は隔週ごとにテスト漬け！！　たとえ神様の元に上がれようとも学校休んでこればっかりは。かと言って置いて行く訳にもいかないし。

それに11月は、27歳のみぎりに彼の地で結婚式を挙げた月でもありましてね……。
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＜別府の老舗、なべさんラーメン＞

 

10月、神無月ですな。

旧暦ではあるけれど、この月に八百万の神様が集う出雲では逆に神在月といいまして、それはそれは大変な祭典とおもてなしが催されると聞く。こちら側に『無し』で、あちらが『在り』なんて、考えらだけでちょっと不可思議なというか『あの世』を連想してしまう。
それもそのはず。天照大神様はこの世、つまり『陽』を。大国主命様はあの世、つまり『陰』を守り司っているらしい。

参集なさった神様たち、『誰それと誰それを結び合わせましょうぞ』、『来年、こやつの方向性は』など評定なさるらしい。

私は秋の盛りに出雲大社で挙式したけど、ちょうどまるっと15年目の秋に別れた。いや、14年と349日であった

泊まったのが神社前の竹野屋という旅館で、これがあの竹内まりやさんのご実家だと宿に着いて聞いて驚いた。まりやファンだった元嫁の喜ぶことったらありませんでした。なんだか幸先がよさそうだったのになぁ。

残念ながら、達郎とまりあのラブラブカップルにあやかりも出来なかったし、大国主命さまのご神威も届かず別れてしまった。きっと縁結び評定の俎上にものらなかったのでしょう。
惚れた腫れたのと大騒ぎした結婚だったけど、彼女とは縁がなかったという、ただそれだけのことだったのかもしれない。

離婚して12年目の秋が間もなくやってくる。結婚生活の15年ともう少しでタイだな。

 

出雲大社の超神秘的な『神迎行事』は稲佐浜で行われている。

『竜蛇さま』といって参集される八百万の神様たちのお使いが浜に浮かび上がってくるとか。

吹く風もピタッと止んで、なにやらサワサワと竜蛇さまがお着きになったおしるしが示されるとか。にわかに信じがたいことだけど、しかし神話の時代から連綿と続いている日本のお祭の素晴らしさかもしれない。

竜蛇さまならば有難いけど、その日本を我がものにしようと南では中国が騒ぎ立て、どうやら北は舌を噛みそうな名前のロシアの大統領が北方4島を視察にくるらしい。よくもそんなことが出来るものだと思う。きっと中国とロシア、ことに乗じてつるんでるな。

八百万の神様方、どうぞ日本をお守り下さいと祈りたくもなるくらいの無茶さ、蛮行さだと思う

 

別府に用があって時計を見るとお昼まであと30分。

然らばお久しぶりにあのラーメン  浜脇温泉にある『なべさんラーメン』を食そうではないかえと従弟氏と。はてさて何年ぶりじゃろか。

開店と同時くらいに入ったので席もまばらじゃと悠然と構えていたら、30席ほどがものの5分もせずに満席　相変わらずご繁盛ねと従弟氏と目配せした。

細麺にさっぱりとした豚骨スープは何年も変わらない味。ただちょっとコクが失せたというかスープ全体が水っぽくなってしまってた。これはどうしたことだろうね。きっと私が味の深追いが過ぎるのかもしれない。だったら反省しなきゃ。

それでもよそのに比べると断然と美味しいし10年、20年前、そして昭和の頃に行っていた若い頃が懐かしく思い出される。

 

厨房に立つ大将は昔の人のまんまだったけど、確か息子さんがいたはずだったのに見当たらなかった。その代りにその息子さんによく似た若い子が大将の傍らで手伝っていた。40年以上続く老舗ラーメン店のお世継ぎだろうか。
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＜大分縣護國神社、「師走大祓い」の風景＞

1年をふり返ってみました。
プライベートの第一等は次男の日々の成長のはやさ。
それにまつらう中学の諸行事での父としてのお役。運動会、体験学習、文化祭のたびに腕をまくって拙い弁当屋に。これも至らぬ父親にとっては有難い思い出になりました。
子どもというのは洵に有難い存在です。自分自身の姿を映す曇りのない鏡のような清らかさと、すべてを見通しているような魔力があります。我が身の常の対比の妙でしょうか。
この子は僕の宝です。だから本当は一日一日をもっと丁寧にゆっくりと日めくっていきたいんですが。彼の成長の速度と、僕の日々の速度は交わることのない線路のような。でも揃って停まることのできる駅は要所要所に用意されていると信じていますが。

ニ番目。
修学旅行に合わせて、オフクロと従弟と3人の関西旅行も大きな思い出のひとつになりました。ずっと専業主婦だった人を76歳にして初めて飛行機に乗せて、本山のお参りと錦秋の京都を堪能させることができました。
父を見送ってまるっとひととせ、元気に過ごしほのぼのとした日々を送っているオフクロのたおやかな姿に、今度は息子として有難い思いでいっぱいです。
そんなおやじの側にいつもいてくれている従弟氏。なくてはならない存在感ある「伴侶」として、忽せのない我が家の柱の巨大な一本になっています。

同じくニ番目。
東京の長男も元気にいよいよ年明けには初舞台。
バァバ共々に新宿の劇場に観に行くかと計画していたんだけど、息子の「もっと自分が確立できて自信がついたら来て」の言葉に、「何かしらの含み」を見て取り、上京と夢を遂げた観劇はいずれかまたに。
親バカちゃんりんの極み、東京の知り合いには声を掛けるだけ掛けまくりましたが。
元気に過ごしてくれて、自分の力であの東京という街を開拓している息子に心から敬意を表している父です。

三番目。
もう3週間も前になってしまったトルコとスペインの旅。７年ぶりの海外旅行は前触れが短くて、ほとんど「期待」という実感がないまま出発当日を迎えたようなものでした。だからそこに立っているのにトルコの風景もスペインの街もなんだか上の空、住み親しんだ東京の街に遊びに行ったような不思議な感覚は否めなかったなぁ。
海外旅行の重さというか、実は貴重な体験をしているはずなのにその実感が薄かったことはいまだに驚いているんです。
今でも「本当に行ったんだろうか」と訝しがっているふたりです。
でも、海外旅行というその効果は絶大なもので、体中に淀んでいた疲れや心のかさぶたが取れたような身軽さを感じているのも事実です。
バルセロナ空港で遅れたのを発端に、イスタンブールで11人の邦人に巡り会い、お互いに助け合ったあの場面は本当に忘れられない思い出になりました。
あの人たちの笑顔が時折ジーンとするくらい懐かしく思えてなりません。
〜飛んでイスタンブール、恨まないのがルール〜
あの不運を恨まずに、まさに「一期一会」の極みを体験させてもらったことを感謝しとうございます。

その留守をオフクロと息子のふたりが、久しぶりに12日間を共に出来たことは実はとても良かったことではなかったかと思っています。
特に「誰かの為に体を動かさなきゃならない」という、やり甲斐や目的のある生活が出来たオフクロにとっては、これからの自信にもつながったでしょうし、やれば出来るんだという生来の「勘」もよみがえったんじゃないかと。
父を見送ったあとのこの1年の諸行事を滞りなく済ませることができたのも、何はともあれまずオフクロが元気に采配を揮えたからでしょうか。
親不孝者の勝手な言い草かもしれないですね。

先日二夜続けて湯布院の「高日すくね」さんが当家に遊びに来て下さいました。
春のただ中に行った出雲大社で授かった大国主命の新しい掛け軸や、京都で求めた観世音菩薩様に「念」を入れて下さったことの心強さ。本当に有難かったなぁ。これで我が家の1年も無事に締めることが出来たような感じがしました。
成城のバァバは、12月23日に鹿児島から岩手に飛んで東京に戻ったらしく今回は大分はなかった。来れば来たで大変な準備が必要だから、ヨーロッパの余韻に浸るにはもってこいの不時着で、却って良かったのかもしれなかったなぁと従弟氏と。70を前にしてパワフルばあさんには違いないお方です。

外に目を向けると、政権が変わってしまったこと。
一時の賑わいや物珍しさが消えて最近ではマスコミが一番になって民主党の、鳩山さんのアラをほじっている。マスコミの無責任さは今さら言うに及ばないことだけど、民主党の張りぼては最初から思っていた通り。こんな政権に任せられるかって思うのはアマノジャクでしょうか。
下野した自民党が新しく生まれ変われるか……、それもどうだか分からないね。
中国に大差をつけられ、アメリカに見捨てられ、お呼びでない日本に成り下がらなきゃいいんだけど。

新型インフルエンザもいつまでもジクジクしてるのが気味悪いね。
潮が引くみたいに消滅してくれればいいんだけど、新型の次はまた凶悪な新型が出て、愈々人類が自然界からしっぺ返しをもらう時が近づいてるのかもしれない。
まさかの薬物のりピーや横着者のなれの果て押尾の逮捕、草なぎクンも鬱積爆発の末の逮捕。まるで沸騰したお湯のようにボコボコと次から次と芸能界も喧しい一年だった。

応援もむなしくトリニータがJ2に降格してしまって、去年のナビスコカップ優勝の勢いや精彩なんて微塵もなくなってしまった哀れな姿に、「飽きっぽさ」や「勝って兜の緒を締める」ことをついつい忘れがちな大分県人を如実に表してしまったような出来事だった。
指の間から砂がこぼれるような、本当にもったいないことなんだけどなぁ。
「有って当たり前」の奢った気持ちが、無くなって初めて気付くのも遅いんだけど。

夏休みに遊びに来てくれた11歳年下の東京の友人が「直腸ガン」になって入院、手術をしたという先日の報せにも驚いた。ちょうどスペインで太平楽を決め込んでいた頃に大手術だったと聞いて心が痛み通した。
太陽のように素敵な人だからこそ、何よりも早く元気になってもらいたいと。奥さん、心配しただろうなとこちらにも心が痛んだ。


皆様、この一年ようこそお越し下さってお付き合い頂きありがとうございました。
皆様のコメントや声なき貴重な訪問にどれだけ元気を頂戴したことやら。
春夏秋冬の一順は、殊の外早く感じる最近ですが、その慌ただしい明け暮れの中で皆様と巡り合え、「元気」を頂けるご縁の深さや煌めきに感慨ひとしおの毎日です。
まもなく今年も暮れようとしています。来る年は「庚寅」の年。
どうやらこの勇ましい干支には、「つつましさ」や「誓い」という意味も含まれていると聞きました。
新しい年に「新しい誓い」を立てて、人様の邪魔にならず恨まれず「つつましい」一年を過ごせたらと思っています。
「言霊のさきはう国」の民草として、折々に異なる趣の四季の中で、文字通り美しい日本語を織り交ぜていけたらと念じています。

さても皆様、どうか平らかで良いお年をお迎え下さいますように。
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切り絵の巨匠、藤城清治さんの作品みたいなコントラストと遭遇。
秋の紅葉からモノトーンの水墨画に近い世界が、ぼつぼつ繰り広げられるんだろか。

成城のバァバがやってきそうな気配　それも１２月のどんづまりあたりに。
このバァバの氏素性はさておき、料理の世界ではちょいと名の知れた人なんだけどざっくばらん過ぎて、天衣無縫というか、その器に対応しきれないことが多くって。
生業に反してあまりにサッパリなので、こっちの繊細さがチンケに感じてアホみたいですわ。
もしお成りならば、知人たちを呼んで取り巻き揃えて「酒盛り」でもしなくちゃ、我が家の要員だけでは場がもちそうにない。

京都の旅でお世話になった大阪の知人に写真を添えて礼状を出し、ついでに東京の息子にも。さらに月の初めに季節の便りをくれた仙台の親戚にも近況の報告がてら一筆
久しぶりに手書きのお文。日頃はケータイやＰ.Ｃの簡単メールで一発おしまいなんだけど、手紙ってやっぱり血が通っててイイもんですね。特に息子宛なんか「おやじの温かさ」が存分に演出される……みたいで。
おやじからの手紙、きっと３０年後くらいに読み返したらジーンとしてくれるかも。

かく言う……、先日クローゼットに押し入って大きな段ボール箱を移動させていたら３０数年前の大学生の頃、オフクロやばあちゃん、その時分に付き合っていた彼女、男友達からの手紙が仰山出てきて暫くしゃがみこんで見入ってしまった　懐かしさよりも人様から頂いたのに何故だか恥ずかしさがいっぱい。でもあの頃は誰から貰っても嬉しかった……そんな手紙ばかりだった。通信に時間がかかりながらも、心を伝える温かみのある素敵な手段だったなぁ。

今ではメールしてすぐさまの返信がないと腹を立て、「一体ぜんたい、こっちのことをどう思ってるのさ」と、独りで怒っている。
その１分、５分なんてまだまだぜ〜んぜん待てます。１時間、２時間……、先方だってお忙しいんでしょと、まだなんちゃあなくＯＫの範疇。
半日、そして１日、もうアウトですな
「たった１通をなぜこんな思いで待たなきゃいかんのか」と、シビレも存分に切らして待てるわけがない。
待つのが嫌いだから待たせるのなんて言語道断と思っているんだけど、従弟氏いわく「みんな、そんなに大ごとに受け取っていないって」。
「へ〜、人からの便りってそんな軽いもんかえっ　優しげな言葉なんか２度と送ってやるもんか」。
こっちは堪え性が薄れていき、その人とは疎遠になってくる。「まぁいいか」と相手もそこんところを良く分かってるみたい……。いや、はなから絶縁そのものが魂胆だったりして。
だから返信メールの速い遅いは「付き合いの強弱」だと、思わざるを得ない。

手段が簡潔でスピーディになると人間の心の側面がよ〜く見え隠れしはじめて……、「情に棹させば流される、智に働けば角が立つ」。
便利きわまりないけど、いやな時代になってしまったもんだとつくづく思う。一事が万事、今は余裕というか幅が無くなっていってる。ハイ、このおやじとて。

そうそう、今夜だったか出雲大社では超神秘的なお祭り、「神迎祭」が大社の側のイナサの浜で執り行われるとか。
明日からは八百万の神様方が集まって、縁結びやひとりひとりの功罪を見極めて来年１年の判断をお下しになるとか。
今年は春にお参りに上がったばかり、ホヤホヤの功罪にご判断も付けやすいだろう。「かしこみ、かしこみ」。12月3日までの「神在祭」、遥か大分でプンプンせずに大人しく息を殺して暮らしておきます。
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