手術入院前だったかなぁ。NHKの九州のニュースで紹介されていた福岡県八女市にある馬場水車場のお線香のこと。ご夫婦ふたりで地元上陽町の天然の杉とタブの葉っぱのみで手づくりしているという、優しげなお線香の情報をキャッチしてしまったら、「これは是非とも当家の仏さま方にも」と。
お線香は仏さまの食事とも言われています。ちょうど普段使いのお線香が終いかけていたので趣向を変えてみるのもたまにはいいかなと。仏さまも毎日同じ薫香では飽きるでしょうし。生きている人間だって毎食同じものばっかり食べていたら、飽きとともに怒りすら覚えることがありますもんね。
販売をしているうなぎの寝床にすぐに注文して翌日には届きました。さすが鰻だけあって取引のスピーディさにびっくりしました。手書きのメッセージまで添えてくれていて、こういったちょっとした心配りが次へと続くんだと改めて思いました。ここ数年は一刀両断のようにプツッと切る人や組織が増えました。まもなくやってくるお彼岸と祖母叔母の祥月命日に、ちょうど良いお供えになります。とは言え、その日までまだ日にちがあるので「ちょっとだけ」と一本ほど焚いてみました。
人工的な香料を使っていないのでほぼ自然の香り。まるで深山幽谷に紛れ込んだような静かな森の香りとともに、幽邃に立つ思いがしました。いつかどこかで嗅いだことのあるような懐かしさもありました。それはきっと今のようにさまざまな香りを愉しめるお線香がなかった昔の、本物というか素朴な香りとのこれは再会なのかもと思いました。もちろん白檀や沈香など、香りの高い珍なものは昔から別格な存在として用いられていましたが。
我が家の仏さまの特別の日には「微笑」を焚いていますが、毎日のお供えにはしばらくは、この馬場水車場のお線香で仏さまには満腹になってもらいます。
エリザベス女王が突然として崩御されました。前々日には新しい首相の任命まで行っていたのに。まさに卒去でした。亡くなる日本時間の前夜、医師団の監視下に置かれているというニュースがありました。「もしかしたら・・・かもよ」と大王さまと話しをしていましたが、翌朝のニュースで訃報を知りました。お年には不足がないし大往生とは言え、イギリスを問わず世界にとって偉大な存在だったので大きな喪失感は世界中にです。
2000年のヨーロッパの旅のはじめのロンドンでバッキンガム宮殿を見ました。屋上には女王在宅の女王旗が掲げてありましたが僕にとって人生で最初で最後。エリザベス女王に最も近づけた日になりました。まぁ無きに等しい気配だけでも有り難かったですが。
国葬には天皇陛下が雅子さまと参列されるようです。両陛下の参列は、ただいま節操なしの恥さらし噴出中の政治家たちのことや、利権がらみだった東京オリンピック事後の飽くなき醜聞などに溢れ返っている、汚濁まみれのような日本にとっては有り難いほどの面目躍如になると思います。
それにしてもその後に行われる予定の安倍さんの国葬。女王の国葬に、国民が心を寄せる国葬の価値と、弔問外交のお株をかっさわれるカタチになった岸田さんの安倍国葬の思惑はずれ。今の日本は何をしても思いどおりにことが運ばないようですね。
しかし義実家との軋轢や、兄弟の仲が悪いのは洋の東西を問わずですね。身近にもいますし、芸能人にだって不仲の話題がちらほら。
さて、偉大なおばあさまの存在があって、なんとか保てていたロイヤル家のバランスでした。こちらのお孫兄弟どうしの不仲はもう取り返しがつかないみたい。睨みを効かせる威厳にあふれた人がいなくなって、どうなっていくのでしょうね。次男王子の嫁がおかしいと衆目の一致するところです。あの女性が嫁に来てから次男がますますおかしくなり家族の歯車が狂いはじめました。ご難儀続きです。
生まれや育ちなど、あまりに差のある人とは縁組しないほうがいいと言われていますが、特に西のロイヤルファミリーや東の皇室など案の定なことになっています。
どこの家庭も嫁次第ということのようでもあります。嫁が賢ければという話しをよく耳にします。表向き亭主関白をさせながら、内内ではしっかりとダンナを操っている奥さんと、操られていることを知っていて上手くその場その時を取り成せるダンナ。両方の掌の中でお互いが上手に泳いでいるということでしょうか。それこそお互いに愛があって尊敬もできなきゃ成し得ない賢明な極ワザだと思います。まぁでも家が栄えるのも廃るのも良妻賢母の嫁次第説は確かなようです。
操れていること、気持ちよくそれを演じていることに幸せを感じることができるダンナも見上げたものです。果たして今のご時世、どのようなものでしょうか。
今宵は中秋の名月。イギリスも日本も天中には同じ月。どんな月が出てくるのやら。どんな思いでそれぞれが観るのでしょうか。世の中が平らでありますように。