2007年04月17日
第7回 ハイブリッド車の組立とテスト走行 (12/9 富士スピードウエイ)
今回の中学生ハイブリッド教室の会場は、富士山のすそ野近くにあるサーキット(レース場)、富士スピードウエイです。富士スピードウエイはトヨタ自動車が保有するサーキットで、2007年10月にはフォーミュラー1(F1)のレース、日本グランプリが開催されます。
教室は、そんなサーキットの中にあるピット(レースに参加するクルマを整備する場所)で開催されました。F1レースの時にはF1カーが入るところです。
今日の予定は、これまで生徒たちが組み立ててきたハイブリッド車の走行テストを中心に、クルマの素材を勉強するというもの。ところが当日の富士は大雨と風。加えてクルマの加工作業が間に合わず、テスト走行が中止になりました。
「作ってた人たちは一週間、寝てません」という日本EVクラブ舘内代表のお詫びの挨拶に、生徒たちは少しがっかりした様子。
でも、カタチができてきた現物のクルマを目にすると、少し元気がでてきたようでした。
ということで予定を変更して、教室で製作するハイブリッド車「世田谷1号」のナンバー取得のための検査内容(車両性能の基準)を確認しつつ、クルマの特徴を学ぶことになりました。
公道を走るために必要な車両性能にはいろいろあります。
まずは車両安全性の検査内容を確認。たとえば空車状態で左右に35度傾けても転倒しないなどが条件です。
車両性能の最低基準も決まっています。加速性能は、平坦な舗装路で、0→10mを4秒以内、30mを7秒以内で走れることが必要です。
またクルマ車両規格では、タイヤは空気入りで、破損や車体からのはみ出しがないことや、操縦装置(ステアリング)から左右500mm以内にライトやウインカーなどのスイッチ類を設置することなどが条件です。制動装置(ブレーキ)は、前輪と後輪が別々の系統になっていること(これにより安全性を二重に担保します)、速度が50km/hの時に22m以内で停止できることなどが決まっています。
そのほか、運転席の椅子の幅、パーキングブレーキの性能など、実に多くの決まり事があるのがわかります。これでも世田谷1号はミニカーなので、まだ条件が少ないのです。普通のクルマにはさらに多くの決まりがあります。こうした条件をクリアしようとすると複雑な仕組み、計算が必要で、クルマの価格もそのたびに上がっていくのです。
次は、世田谷1号に使っている素材について、製作担当の江利川さんから説明がありました。
世田谷1号は自然素材を多様しています。
植物からできた自然素材は、二酸化炭素の排出量削減を目指した京都議定書の中で、カーボンニュートラル、つまりCO2を出さない素材だと規定されています。
植物は光合成により、空気中のCO2を吸収します。そのため、これを燃やした時に出てくるCO2は吸収量と同量で、空気中の総量としては増加しません。これがカーボンニュートラルということです。
世田谷1号のシートはインドネシアの籐でできています。籐は植物なので燃やせますし、職人さんがいれば修理もできます。
床はケヤキのフローリング材です。住宅の部屋に使っているのと同じです。ケヤキは世田谷区の区の木でもあります。
ハンドルの握る部分は、ラタンに色つきのニスを塗っています。ハンドルの中心部分は和紙を樹脂で固めています。和紙は繊維が多くて丈夫だそうです。紙粘土とちょっと似ています。
日本には昔から和紙を使った細工物があるので、職人さんも多いのです。
タイヤを覆っているフェンダーは、麻を樹脂で固めています。
それにしても部品の数が多いです。
クルマには、自然素材だけでなく、エンジンにバッテリー、電子機器など、実に多くの部品、材料が必要です。将来、地球環境問題が深刻になってくると、それに対処するためにさらに多くの対策(排ガス低減、燃費向上のための対策等)、そのための部品が必要になるでしょう。だからクルマは、どんどん複雑に、高価になっていく傾向にあります。
自然素材だけで対処できればいいのですが、そうもいきません。クルマがいかにたいへんな乗り物か、生徒たちも理解できたようでした。
(リポート:木野龍逸)
2006年11月27日
第5回 ハイブリッド車を作る-2(10/21)
第5回 ハイブリッド車を作る-2
開催日:2006年10月21日(土)
今回は、車体のメインフレームにサスペンションやタイヤを組み付けるとともに、前回の教室で製作したハイブリッドユニット(動力システム:エンジンとモーターをサブフレームに組んだもの)を取り付けた後、実際に電気をつなぎ、エンジンをかけてシステムを動かしてみます。
まずはじめに、舘内代表から、各班の役割分担と、各パーツの説明です。
フロントサスペンションの位置、分担内容、動力システム調整の意味など、基本的な事柄を解説していきます。
パーツリストの内容についても解説がありました。
例えば、
・組立図の見方
・部品番号の意味=工場での部品整理や設計に使用
・FRONT LOWER ARM SUB-ASSY(フロントサスペンションのロワアームのサブアッセンブリー)などの用語解説と、組み立て図との対比
・左右の違い
・ブレーキと一口に言っても、数多くのパーツから成り立っていること
etc.
作業は、AからDグループが、四輪それぞれのサスペンションおよびタイヤの組み立てを、Eグループが動力システムの調整を担当します。
はじめは先生の説明を聞きながら組み立てて、時間があればその後で、一度分解してから、自分たちで組立図を見ながら組み立てます。
「これがロワアーム、これがアッパーアームで、ボディ側を軸にして上下に動く事で、道路の凸凹を吸収します。そうすると、乗っている側はあまり動かないので、乗り心地がよくなります」
「サスペンションは、バネだけだといつまでも車体の揺れが止まらないので、中に棒が入ってます。この棒はショックアブソーバーといいます。バネの動きを堅くして、バネが伸びようとしても簡単に伸びないようにするパーツです」
と先生がいうと、「やってみたい」という声。
生徒たちがサスペンションの上に乗っかって、力一杯押してみますが、サスペンションはほとんど動きません。
でも、少しだけ動かせた生徒が、「なんかわかる、わかる。急に動かない」。
見るだけではなく、自分で動かしてみることで、クルマの仕組みが少しずつ、体験的にわかるようです。
続けて、ボールジョイントや等速ジョイント、ブレーキキャリパー、ハブ、アップライトなど、耳慣れない言葉の部品に興味を持っている様子。
そうするうちに、次々に部品が組み上がっていきました。
次はいよいよ、メインフレームに部品を組み付けます。
まずはサブフレームに組み付けた動力システムを、メインフレームに組み付けます。
これが一番たいいへんな作業。
狭いところについたボルトを苦労しながら回し、モーター/デフのサブフレームをこじりながら、エンジン部分と併せてメインフレームに留めていきます。
エンジン部分を下からジャッキで持ち上げながら、ネジ穴を合わせつつ留めていくのですが、なかなかネジ穴が合わないようで、ちょっと苦労していました。
それでも30分ほどで、サブフレームがつきました。
サブフレームを取り付けたら、次はサスペンションとタイヤです。
各班が、順番にサスペンションを付けていきます。
それほど重たいものでもなく、精度も出ているので、作業は難しくはありません。
ただ、サスペンションアームは固定されていないので、少し持ち上げながらネジ止めしていかなければなりません。
それでも先生に手伝ってもらいながら、順調に作業は進み、30分ほどで四輪全部が付きました。
ここまでくると、だんだん全体が見えてきます。
メインフレームの上に椅子を置いて子供たちを座らせると、キャーキャーいいながらはしゃいでいます。
順番に椅子に座り、ハンドルを持った感じ、アクセルを踏んだ感じを楽しんでいます。
12月の第7回教室では、じっさいにクルマを動かし、試乗をする予定です。
最後は、エンジンをかけてモーターを動かしました。
モーターが回るのは発進の時と、エンジンが必要ない速度で走っている時です。
今回は、まだ電池を搭載していないので、コンセントから電気をとってモーターを回しました。
続けて、電磁クラッチを入れてモーターを回します。すると、発電機のプーリーが回りシステム全体が動きます。
次はエンジンをかけて、エンジンで電池を充電している状態を見ます。
発電機のプーリーの回る方向が、モーターを回している状態とは逆になるのがわかります。
それから、エンジンだけで走っている状態、続けてエンジンとモーターが回っている状態を見ます。
スタートから見ていくと、まずモーターで発進。
ここで、電池が十分にあればモーターだけで走る事もできます。
モーターの加速で足りない場合、エンジンがかかります。
さらに加速する場合、モーターもエンジンと一緒に回り、パワーを出します。
走行中、電池の余力がある場合はモーターだけで走る事もできます。
電気がなくなると、エンジンがかかって充電を始めます。
このときエンジンは、走行と充電、二役をこなしています。
これが、教室で製作するハイブリッド車です。
という解説をしたところで、今回の教室は終了。
次回は文化の日に行われる、日本EVクラブの「日本EVフェスティバル」です。
(リポート:木野龍逸)
第4回 ハイブリッド車を作る-1(9/23)
第4回 ハイブリッド車を作る-1
開催日:2006年9月23日(土)
ハイブリッド教室の第4回目は、いよいよ組み立てにかかります。
今回はハイブリッドの心臓部、エンジンとモーターを組み合わせて、推進力にしたり発電したりする機構の部分を組み立てます。
今日の生徒は25人、取材や見学の方は24人にもなりました。
まずは舘内代表が、各班が組み立てる部分が全体の中でどこにくるのか、組み立て図の内容などについて簡単に説明しました。
自動車のパーツリストなどにある、部品の組み付け図は、なかなか手強いようで、生徒の顔も、わかったようなわかんないような、微妙な感じです。
組み立てる順番は決まっているのですが、プラモデルのように説明書きはありません。図を見ながら、自分で考えて組み立てないといけないのです。
といっても、今回はスタッフの先生が教えていきます。
続いて、スタッフの岩淵が、各班の担当部について、パーツの役割を説明します。
デファレンシャルの意味、役割、エンジンからの動力分割、電磁クラッチの役割など、専門的な言葉や部品の名前が登場し、かなり難解。
それでも、ちょっと興味深げではありました。
ここから、各班に分かれて組み立てていきます。
エンジンに、車体組み付け用のブラケットや、出力を取り出すためのシャフトを組み付けるのはA班。
B班は、発電機と動力分割機構を組み合わせます。
C班、D班は発電機側と出力側の増速機構(a部分からb部分に動力を伝える間に、回転数を上げる機構)を担当します。
E班はモーターとデファレンシャルを、サブ・フレームに組み付けます。
プーリーを回しながら「なかなか回転が止まらないねえ」と誰かが感心すると、「それがベアリングの働きです」というスタッフの先生の声。
スナップリングやイモネジ、ナイロンナットなど珍しいパーツに「おーっ」と声を上げ、ちょっと緊張しながらインパクトレンチでナットを締め込み、スナップリングプライヤーの使い方に聞き耳をたてる生徒の姿を写真に撮っていた、ある新聞社のカメラマンは、「目が輝いてるのがいいですよねえ」と言いながら、シャッターを押していました。
そうこうしながら、どんどん作業が進み、予定時間よりかなり早く、組上がりました。
そこで、終わった班から、いちどバラバラに分解して、もう一度、組み立てる事にしました。
2回目は、生徒が自分たちで考えながら作業します。
「簡単だよ」という声も聞こえる中、どの組も、あっという間に組み立てていきます。
増速機構は、ギアの組み方によって左右2種類の組み合わせがあるのですが、きちっと組み分けています。
スタッフの先生の方が感心の体でした。
この後、各班で組み立てた部品を、実際に車体に組み付けるように仮組みしました。
これも、まずは須多夫の先生が組み立てた後で、生徒がバラして、また組み付けます。
各班、自分達のパーツがどうやって組み付けられるのか、小さな輪を作って見守っています。
実際に仮組みに入ると、一度見た作業を覚えるのは早いようで、意外にあっさりと組み立てることができました。
電池はつないでいませんが、モーター部分を手で軽く動かしてみると、ちゃんと動くことがわかります。
ここまでのパーツの働きなどを確認して、今回の講義は終了です。
次回は、ここまで組み立てたアッセンブリーを、実際のシャシーに組み付けるとともに、シャシーにステアリングやブレーキ、サスペンションなど、クルマに必需のパーツを取り付けていきます。
(リポート:木野龍逸)
2006年09月25日
2006年09月19日
第2回 ハイブリッド車を知ろう (2006.7.15)
第2回
ハイブリッド車を知ろう 開催レポート
日程:2006年7月15日(土)
まず「ハイブリッド車の原理と構造」と題した講義。
講師は、トヨタ自動車株式会社HVシステム開発部で主査を務める田上健氏にお願いしました。
96ページにもおよぶパワーポイントをご用意下さいました。
地球環境とエネルギー事情についての話しから講義がはじまります。
世界のエネルギー需要の見通し、原油生産量のシナリオ、温暖化による影響などの説明のあと、代替エネルギー車の重要性へと続きます。
そしてハイブリッド車とはなにか、そのメカニズムと構造を図式を用いて説明いただき、
最後は自動車の歴史から未来のクルマはどんなクルマになるかお話いただきました。
その後に、プリウスに搭載されているトランスミッション、インバーター、遊星ギアの模型で、その役割についてさらに詳しく説明いただきました。
途中、ハイブリッド車の目標販売台数の話なども飛び出し、大人も十分勉強になるお話でした。
生徒達の真剣な眼差しに混ざって、多数お越しになっていたメディアの方もとても熱心に耳を傾けていました。
次に、トランスミッションの模型を使って、デフ機構の役割と構造について学ぶ講義。
講師は、日本EVクラブの会員の森修一さんです。みんな実際に模型を手にとってその動きを確認。ディファレンシャルギアが何かは分かった様子でした。
教室での講義を終え、作業棟に移動。
これから実際に製作するハイブリッド車のパーツを見ながら、どの部品がどのような役割をして、どのように動くことになるのかを確認しました。
用意したパーツは、エンジン(ヤマハスクーターVOX49cc)、モーター(LEMCO48V)、発電機(トヨタクラウン・マイルドハイブリッド用)、動力分割機構(ダイハツビーゴ・デファレンシャルギア)、作動装置、バッテリー(パナソニックHV1255)、コントローラー(SEVCON)、DC-DCコンバーター(CURTIS)、充電器(ZIVAN)、サスペンション、タイヤ、ステアリング。
さすがに実際の部品を前にみんな目の色が変わっていました。
これから自分たちで作るものが見えてきて実感が沸いてきたようです。エンジンをかけた時、排気ガスに「臭い」と素直に反応する姿が嬉しかったです(一部の大人はいい匂いと感じるそうですが・・・)。
●第2回の感想文より
・パーツが多く奥深かったので驚いた。今日も講義を受けてハイブリッドの知識が増えたし、大人になってからではなく、今から環境などについて考えなきゃいけないと思った。
・田上さんの分かりやすい説明でどのようにハイブリッドは動くのか、メリットは何かなどが良く分かった。模型、実物を使っての説明は良く分かった。とてもハイブリッド車は効率が良いというのが印象的だった。
・ハイブリッド車の原理と言われて、そんなものは3分で終わるような簡単なものかと思っていたら、とても複雑で3時間で良く説明しきれたなぁと思いました。モーターとエンジンで動かして、さらに大きな力を生み出せるのに驚きました。
・色々と知らないことが多くてとても勉強になりました。環境のことを考えた部品がたくさんあるんだな、と思いました。
・ちょっと分からないところもあったけど、分かるところは分かりました。バッテリーがかなり重かったので、びっくりしました。
ハイブリッド車を知ろう 開催レポート
日程:2006年7月15日(土)
まず「ハイブリッド車の原理と構造」と題した講義。
講師は、トヨタ自動車株式会社HVシステム開発部で主査を務める田上健氏にお願いしました。
96ページにもおよぶパワーポイントをご用意下さいました。
地球環境とエネルギー事情についての話しから講義がはじまります。
世界のエネルギー需要の見通し、原油生産量のシナリオ、温暖化による影響などの説明のあと、代替エネルギー車の重要性へと続きます。
そしてハイブリッド車とはなにか、そのメカニズムと構造を図式を用いて説明いただき、
最後は自動車の歴史から未来のクルマはどんなクルマになるかお話いただきました。
その後に、プリウスに搭載されているトランスミッション、インバーター、遊星ギアの模型で、その役割についてさらに詳しく説明いただきました。
途中、ハイブリッド車の目標販売台数の話なども飛び出し、大人も十分勉強になるお話でした。
生徒達の真剣な眼差しに混ざって、多数お越しになっていたメディアの方もとても熱心に耳を傾けていました。
次に、トランスミッションの模型を使って、デフ機構の役割と構造について学ぶ講義。
講師は、日本EVクラブの会員の森修一さんです。みんな実際に模型を手にとってその動きを確認。ディファレンシャルギアが何かは分かった様子でした。
教室での講義を終え、作業棟に移動。
これから実際に製作するハイブリッド車のパーツを見ながら、どの部品がどのような役割をして、どのように動くことになるのかを確認しました。
用意したパーツは、エンジン(ヤマハスクーターVOX49cc)、モーター(LEMCO48V)、発電機(トヨタクラウン・マイルドハイブリッド用)、動力分割機構(ダイハツビーゴ・デファレンシャルギア)、作動装置、バッテリー(パナソニックHV1255)、コントローラー(SEVCON)、DC-DCコンバーター(CURTIS)、充電器(ZIVAN)、サスペンション、タイヤ、ステアリング。
さすがに実際の部品を前にみんな目の色が変わっていました。
これから自分たちで作るものが見えてきて実感が沸いてきたようです。エンジンをかけた時、排気ガスに「臭い」と素直に反応する姿が嬉しかったです(一部の大人はいい匂いと感じるそうですが・・・)。
●第2回の感想文より
・パーツが多く奥深かったので驚いた。今日も講義を受けてハイブリッドの知識が増えたし、大人になってからではなく、今から環境などについて考えなきゃいけないと思った。
・田上さんの分かりやすい説明でどのようにハイブリッドは動くのか、メリットは何かなどが良く分かった。模型、実物を使っての説明は良く分かった。とてもハイブリッド車は効率が良いというのが印象的だった。
・ハイブリッド車の原理と言われて、そんなものは3分で終わるような簡単なものかと思っていたら、とても複雑で3時間で良く説明しきれたなぁと思いました。モーターとエンジンで動かして、さらに大きな力を生み出せるのに驚きました。
・色々と知らないことが多くてとても勉強になりました。環境のことを考えた部品がたくさんあるんだな、と思いました。
・ちょっと分からないところもあったけど、分かるところは分かりました。バッテリーがかなり重かったので、びっくりしました。
第1回ハイブリッド車と地球環境・エネルギー(2006.6.10)
第1回
ハイブリッド車と地球環境・エネルギー 開催レポート
日程:2006年6月10日(土)
講義が始まる30分ほど前から、少しずつ教室に生徒達が集まり始めました。
各生徒には講義の資料のほか、協賛のトヨタ自動車提供のショルダーバッグが配られました。みんな資料とバッグを机に並べて、ちょっと不安気な顔、興味深げな顔、ぼーっとした顔、集中した顔、いろいろな顔で開始時間を待っています。
中学生の生徒に加え、第1回の教室は、会場を借りている総合工科高校高校の生徒たちも特別参加。日本EVクラブ・舘内端代表の話が聞けることに加え、話題のハイブリッド車をテーマにした教室とあって興味津々の様子です。
第1回目は、まず舘内代表が、教室のメインテーマを説明します。
「クルマに竹、紙、木など、自然に返るものを使ってクルマを作ってみます」と言いつつ、教室で作る「ハイブリッド・バギー」のイメージイラストをプロジェクターで紹介しました。
ハイブリッド・バギーのベース車両は、ヤマハ発動機製のATV「グリズリー660」の後輪と、「YFZ450」の前輪を組み合わせて使います。
続けて注目の動力源です。
エンジンはヤマハ発動機のオートバイのエンジン、モーターは外国製のものを使います。
そしてエンジンとモーターの動力を分割するためにパワーディファレンシャルを使うこと、バッテリー制御のためのコントローラーを使うことなど、システムの概略の説明が続きます。
さらに、教室の最後には世田谷区役所に行ってナンバーをもらう予定にもなっています。そのための書類は生徒達が自分で作ることになります。
5分の休憩をはさんで、講義の本番です。
舘内講師のテーマは「地球環境とエネルギーの現在」。
日頃からニュースなどで話題になることも多い、地球温暖化と二酸化炭素、そして自動車の関係を見ていきます。
二酸化炭素がどんな働きをして地球環境に影響を与えると考えられているのか、温暖化とはどういうことなのか、今、何が起きているのか、今後に何をしていけばいいのかなど、自分にできることも交えながら解説しました。
この辺は学校の授業と似ているので、なかなか起きているのも大変そうでした。
でも何人かの生徒達は、一所懸命にメモをとりながら話を聞いていました。
続いては、生徒達を6つのグループに分け、自分たちのグループに名前を付けました。
名前が決まったグループから、トヨタ・プリウスの試乗をしました。ハイブリッド車に初めて乗る子が多く、とても楽しそうでした。
試乗の後は、プリウスをジャッキアップして、クルマの下に何があるのかを見てみました。
プリウスに限らず、最近のクルマはカバーで覆っている部分が多く、エンジンルームなどはほとんど中身を見ることができません。
けれども、普通のクルマの下回りを見たことのある子も少なく、講師の人たちが説明するのを興味深げに聞き、時折質問も出ていました。
やっぱり、これから自分たちでハイブリッド車を作るとなると、プリウスの仕組みが気になるのかもしれません。
この時、すでに4時過ぎになっていて、予定時間を大幅に過ぎていました。
さて、第2回の教室では、いよいよハイブリッドのシステムの中身に迫ります。
講師は、トヨタでハイブリッドシステム開発をとりまとめている田上主査。
最新のハイブリッド情報を知ることができるはずです。
(レポート:木野龍逸)
ハイブリッド車と地球環境・エネルギー 開催レポート
日程:2006年6月10日(土)
講義が始まる30分ほど前から、少しずつ教室に生徒達が集まり始めました。
各生徒には講義の資料のほか、協賛のトヨタ自動車提供のショルダーバッグが配られました。みんな資料とバッグを机に並べて、ちょっと不安気な顔、興味深げな顔、ぼーっとした顔、集中した顔、いろいろな顔で開始時間を待っています。
中学生の生徒に加え、第1回の教室は、会場を借りている総合工科高校高校の生徒たちも特別参加。日本EVクラブ・舘内端代表の話が聞けることに加え、話題のハイブリッド車をテーマにした教室とあって興味津々の様子です。
第1回目は、まず舘内代表が、教室のメインテーマを説明します。
「クルマに竹、紙、木など、自然に返るものを使ってクルマを作ってみます」と言いつつ、教室で作る「ハイブリッド・バギー」のイメージイラストをプロジェクターで紹介しました。
ハイブリッド・バギーのベース車両は、ヤマハ発動機製のATV「グリズリー660」の後輪と、「YFZ450」の前輪を組み合わせて使います。
続けて注目の動力源です。
エンジンはヤマハ発動機のオートバイのエンジン、モーターは外国製のものを使います。
そしてエンジンとモーターの動力を分割するためにパワーディファレンシャルを使うこと、バッテリー制御のためのコントローラーを使うことなど、システムの概略の説明が続きます。
さらに、教室の最後には世田谷区役所に行ってナンバーをもらう予定にもなっています。そのための書類は生徒達が自分で作ることになります。
5分の休憩をはさんで、講義の本番です。
舘内講師のテーマは「地球環境とエネルギーの現在」。
日頃からニュースなどで話題になることも多い、地球温暖化と二酸化炭素、そして自動車の関係を見ていきます。
二酸化炭素がどんな働きをして地球環境に影響を与えると考えられているのか、温暖化とはどういうことなのか、今、何が起きているのか、今後に何をしていけばいいのかなど、自分にできることも交えながら解説しました。
この辺は学校の授業と似ているので、なかなか起きているのも大変そうでした。
でも何人かの生徒達は、一所懸命にメモをとりながら話を聞いていました。
続いては、生徒達を6つのグループに分け、自分たちのグループに名前を付けました。
名前が決まったグループから、トヨタ・プリウスの試乗をしました。ハイブリッド車に初めて乗る子が多く、とても楽しそうでした。
試乗の後は、プリウスをジャッキアップして、クルマの下に何があるのかを見てみました。
プリウスに限らず、最近のクルマはカバーで覆っている部分が多く、エンジンルームなどはほとんど中身を見ることができません。
けれども、普通のクルマの下回りを見たことのある子も少なく、講師の人たちが説明するのを興味深げに聞き、時折質問も出ていました。
やっぱり、これから自分たちでハイブリッド車を作るとなると、プリウスの仕組みが気になるのかもしれません。
この時、すでに4時過ぎになっていて、予定時間を大幅に過ぎていました。
さて、第2回の教室では、いよいよハイブリッドのシステムの中身に迫ります。
講師は、トヨタでハイブリッドシステム開発をとりまとめている田上主査。
最新のハイブリッド情報を知ることができるはずです。
(レポート:木野龍逸)
2006年09月17日
取材などのお問い合わせ先
この教室に関する取材などのお問い合わせは、
下記、日本EVクラブ事務局までお願いします。
日本EVクラブ事務局
〒156-0043
東京都世田谷区松原5-14-7-301
TEL 03-5376-8446
FAX 03-5376-5310
E-mail: admi@jevc.gr.jp
http://www.jevc.gr.jp
下記、日本EVクラブ事務局までお願いします。
日本EVクラブ事務局
〒156-0043
東京都世田谷区松原5-14-7-301
TEL 03-5376-8446
FAX 03-5376-5310
E-mail: admi@jevc.gr.jp
http://www.jevc.gr.jp
カリキュラムと開催予定
<第1回 ハイブリッド車と地球環境・エネルギー>
開催日:6月10日(土)
講義:ハイブリッド車と地球環境・エネルギー
講師:舘内 端(日本EVクラブ代表・自動車評論家)
実技:ハイブリッド車同乗試乗、ハイブリッド車の構造を調べる
<第2回 ハイブリッド車を知る>
開催日:7月15日(土)
講義:ハイブリッド車の原理と構造
講師:田上健氏(トヨタ自動車(株) HVシステム開発部 主査)
実技:ハイブリッド車のパーツを組み立てる
<第3回 自動車の歴史を学ぶ>
開催日:8月9日(水)
場所:トヨタ博物館(愛知県長久手町)
講師:トヨタ博物館キュレーター
<第4回 ハイブリッド車を作る‐1>
開催日:9月23日(土)
実技:ハイブリッド車の組み付け
<第5回 ハイブリッド車を作る‐2>
開催日:10月21日(土)
実技:パーツの組み付け
<第6回 EVとハイブリッド車を楽しむ >
日本EVフェスティバル参加・ハイブリッド車の展示
開催日:11月3日(文化の日・金)
実技 :ハイブリッド車の展示と説明。日本EVフェスティバルの見学
場所 :筑波サーキット
<第7回 ハイブリッド車の組み立てとテスト走行>
開催日:12月9日(土)
実技:ハイブリッド車の最終組み立て・テスト走行
場所:富士スピードウエイ
<第8回 ナンバーの交付を受ける 発表・試乗会を行う>
開催日:12月26日(火)
実技:ナンバーを申請・完成車のお披露目と試乗会
開催日:6月10日(土)
講義:ハイブリッド車と地球環境・エネルギー
講師:舘内 端(日本EVクラブ代表・自動車評論家)
実技:ハイブリッド車同乗試乗、ハイブリッド車の構造を調べる
<第2回 ハイブリッド車を知る>
開催日:7月15日(土)
講義:ハイブリッド車の原理と構造
講師:田上健氏(トヨタ自動車(株) HVシステム開発部 主査)
実技:ハイブリッド車のパーツを組み立てる
<第3回 自動車の歴史を学ぶ>
開催日:8月9日(水)
場所:トヨタ博物館(愛知県長久手町)
講師:トヨタ博物館キュレーター
<第4回 ハイブリッド車を作る‐1>
開催日:9月23日(土)
実技:ハイブリッド車の組み付け
<第5回 ハイブリッド車を作る‐2>
開催日:10月21日(土)
実技:パーツの組み付け
<第6回 EVとハイブリッド車を楽しむ >
日本EVフェスティバル参加・ハイブリッド車の展示
開催日:11月3日(文化の日・金)
実技 :ハイブリッド車の展示と説明。日本EVフェスティバルの見学
場所 :筑波サーキット
<第7回 ハイブリッド車の組み立てとテスト走行>
開催日:12月9日(土)
実技:ハイブリッド車の最終組み立て・テスト走行
場所:富士スピードウエイ
<第8回 ナンバーの交付を受ける 発表・試乗会を行う>
開催日:12月26日(火)
実技:ナンバーを申請・完成車のお披露目と試乗会