2007年04月17日

第7回 ハイブリッド車の組立とテスト走行 (12/9 富士スピードウエイ)

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 今回の中学生ハイブリッド教室の会場は、富士山のすそ野近くにあるサーキット(レース場)、富士スピードウエイです。富士スピードウエイはトヨタ自動車が保有するサーキットで、2007年10月にはフォーミュラー1(F1)のレース、日本グランプリが開催されます。
 教室は、そんなサーキットの中にあるピット(レースに参加するクルマを整備する場所)で開催されました。F1レースの時にはF1カーが入るところです。

 今日の予定は、これまで生徒たちが組み立ててきたハイブリッド車の走行テストを中心に、クルマの素材を勉強するというもの。ところが当日の富士は大雨と風。加えてクルマの加工作業が間に合わず、テスト走行が中止になりました。
「作ってた人たちは一週間、寝てません」という日本EVクラブ舘内代表のお詫びの挨拶に、生徒たちは少しがっかりした様子。
 でも、カタチができてきた現物のクルマを目にすると、少し元気がでてきたようでした。

 ということで予定を変更して、教室で製作するハイブリッド車「世田谷1号」のナンバー取得のための検査内容(車両性能の基準)を確認しつつ、クルマの特徴を学ぶことになりました。

 公道を走るために必要な車両性能にはいろいろあります。
 まずは車両安全性の検査内容を確認。たとえば空車状態で左右に35度傾けても転倒しないなどが条件です。
 車両性能の最低基準も決まっています。加速性能は、平坦な舗装路で、0→10mを4秒以内、30mを7秒以内で走れることが必要です。
 またクルマ車両規格では、タイヤは空気入りで、破損や車体からのはみ出しがないことや、操縦装置(ステアリング)から左右500mm以内にライトやウインカーなどのスイッチ類を設置することなどが条件です。制動装置(ブレーキ)は、前輪と後輪が別々の系統になっていること(これにより安全性を二重に担保します)、速度が50km/hの時に22m以内で停止できることなどが決まっています。

 そのほか、運転席の椅子の幅、パーキングブレーキの性能など、実に多くの決まり事があるのがわかります。これでも世田谷1号はミニカーなので、まだ条件が少ないのです。普通のクルマにはさらに多くの決まりがあります。こうした条件をクリアしようとすると複雑な仕組み、計算が必要で、クルマの価格もそのたびに上がっていくのです。

 次は、世田谷1号に使っている素材について、製作担当の江利川さんから説明がありました。
 世田谷1号は自然素材を多様しています。
 植物からできた自然素材は、二酸化炭素の排出量削減を目指した京都議定書の中で、カーボンニュートラル、つまりCO2を出さない素材だと規定されています。
 植物は光合成により、空気中のCO2を吸収します。そのため、これを燃やした時に出てくるCO2は吸収量と同量で、空気中の総量としては増加しません。これがカーボンニュートラルということです。

 世田谷1号のシートはインドネシアの籐でできています。籐は植物なので燃やせますし、職人さんがいれば修理もできます。
 床はケヤキのフローリング材です。住宅の部屋に使っているのと同じです。ケヤキは世田谷区の区の木でもあります。
 ハンドルの握る部分は、ラタンに色つきのニスを塗っています。ハンドルの中心部分は和紙を樹脂で固めています。和紙は繊維が多くて丈夫だそうです。紙粘土とちょっと似ています。
 日本には昔から和紙を使った細工物があるので、職人さんも多いのです。
 タイヤを覆っているフェンダーは、麻を樹脂で固めています。
 それにしても部品の数が多いです。

 クルマには、自然素材だけでなく、エンジンにバッテリー、電子機器など、実に多くの部品、材料が必要です。将来、地球環境問題が深刻になってくると、それに対処するためにさらに多くの対策(排ガス低減、燃費向上のための対策等)、そのための部品が必要になるでしょう。だからクルマは、どんどん複雑に、高価になっていく傾向にあります。
 自然素材だけで対処できればいいのですが、そうもいきません。クルマがいかにたいへんな乗り物か、生徒たちも理解できたようでした。
(リポート:木野龍逸)

ev_2006 at 17:10│Comments(0)TrackBack(0)clip!

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