伊豆高原の自然と森を守るブログ

私たちは伊豆高原の山林を大規模に伐採して計画されるメガソーラー計画に反対しています。
伊豆高原メガソーラー建設反対運動の記録を綴るブログです。

宅造変更許可取消請求訴訟、宅造許可無効確認訴訟【行政裁判】


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猛暑の中、静岡地方裁判所にて伊東市が伊豆メガソーラーパーク合同会社に対して許可を下した宅造変更許可の取消請求訴訟、宅造許可の無効確認訴訟の公判が行われました。

新型コロナ感染症の影響もあってなかなか裁判が前進しませんが、今回は一旦、原告適格についての主張を双方出し切って、次回は中間判決という進行になりました。

原告適格とは、取消訴訟を提起した原告が「その判決を求めるにあたって法律上の利益を有する者」であるかどうか?ということ、原告としての資格があるか、という判断のことです。

「法律上の利益を有する者」とは、判例によれば「処分により自己の権利もしくは法律上保護された利益を侵害されるおそれのある者」とされています。


今回の訴訟の場合、原告となっている住民が「伊東市の伊豆高原メガソーラーパーク発電所への宅造法許可によって命の危険に晒されたり、家や財産などが失われるおそれがある人かどうか」
=裁判の原告としての資格があるかどうか、という判断が次回、裁判の途中で一旦「中間判決」として出されます。


市民側原告からは第6準備書面が提出されました。
今回は熱海 伊豆山の土石流災害にも触れ、原告の住民が伊豆山地区に同じく土石流危険渓流に近接した地域に居住することや、熱海伊豆山で流出したとされる盛り土の量が約5万立米と言われていますが、伊豆高原メガソーラーパークの計画では、山の尾根を削り取り、その土砂で谷筋や沢を埋め立てるその土砂の量は約126万立米という膨大な量であることも盛り込まれました。

伊東市側からは既に追加の証拠が提出されており、裁判官から原告適格の主張に対して、双方これ以上の書類が出ないことを確認し、次回 10月の日程が言い渡されて今回は終了です。


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公判後は弁護士会館へ移り、弁護団の先生方と今回の公判の総括、今後の裁判の方針や揃える必要のある証拠の有無などを確認しました。

次回の中間判決でその先の行政裁判の進行状況も見えてくるように思います。


山の上に巨大なメガソーラーが建設される計画を抱える私たちにとって、熱海伊豆山の土石流災害の映像は本当にショッキングでとても他人事とは思えないものでした。
この建設計画を必ず白紙撤回する、という決意を新たに、今後の裁判も気を引き締めて臨んでいきたいと思います。




伊東市小野市長が伊豆メガソーラーパーク合同会社と交わした「確約書」とは【その1】

6月29日付け地元伊豆新聞の紙面に
「小野市長、係争中に確約書」
「メガソーラー事業者と独断で」 の文字が躍りました。

いったい伊東市に何が起きたのでしょうか。

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~ 伊東市八幡野区の大規模太陽光発電施設(メガソーラー)建設計画で、小野達也市長は28日、事業者との間に「控訴棄却となった場合は河川占用を許可した上で事業に協力する」旨の確約書が存在する事実を認め、謝罪した 


メガソーラーを作る為に必要な許可の1つに
【河川占用許可】 があります。
その名の通り「河川」を「占用」する為の許可です。
(※占用とは
① 独占して用いること。占有して使用すること。
② 法律で、河川・道路・水面などを占拠して使用すること。)


伊豆高原のメガソーラー事業を進める上では
※八幡野川に橋を架ける(工事車両の通行)
※仮設沈砂池からの排水管を八幡野川へ接続する(川へ排水)    
この2つの河川占用許可が必要です。

事業者である伊豆メガソーラーパーク合同会社はその許可を2018年の11月に伊東市へ申請。

そして2019年2月、紆余曲折の末に伊東市がこの河川占用申請に対して不許可処分を出します。

理由は「社会経済上(許可が)やむを得ないと認めるに至らない」というものでした。

河川占用が不許可になったことで新しい橋を架けて重機を搬入することも、排水を川に接続することも出来なくなり、実質的にメガソーラーの工事はストップします。
→詳細: メガソーラー通信第7号

2019年8月、伊東市の不許可処分を不服として伊豆メガソーラーパーク合同会社は不許可の取消を求めて静岡地方裁判所へ提訴。
2020年5月、1審の静岡地方裁判所の判決で伊東市側は全面的に敗訴、東京高裁への控訴を決定。

東京高裁での裁判は2020年11月に結審。判決を待ちます。

★ココで問題の確約書が書かれる★
※確約書は2月9日の日付けで「控訴棄却となった場合(裁判に負けた時)は河川占用申請を許可してメガソーラー事業に協力する」という内容で小野市長が独断でサインをします。
報道によれば、担当の建設部の「それなりの立場の者」から直接文書の話が小野市長にあった、とされています。


当初、判決言い渡しは3月17の予定でしたがそこから更に判決が1ヶ月伸びます。
控訴審判決が出たのは4月21日です。

控訴判決は、不許可に理由をつけなかった(社会経済上「何が」やむを得ないと認めるに至らないのかが説明されていない)という伊東市の行政手続き上のミスを取り返すことは出来ず「控訴棄却」。
ですがそれ以外の中身については全面的に伊東市の主張が認められるという判決内容が出ます。


控訴は棄却(裁判には負けた)が中身では主張が認められた →「実質勝訴」が報道されます。


裁判に負けたけれども中身で勝ったってどういうこと? という点ですが

判決は「今回の不許可処分は認めません」ということで「許可された」のではない、という部分がポイントです。ややこしいですが、不許可が取り消された=許可された というわけではなく、不許可が取り消された=申請が出た時点まで手続きが巻き戻った ということになります。

この部分は、事前に専門家の先生に確認済みで住民へは周知が進んでいました。
つまり、不許可が取り消されても、判決を踏まえた理由を付けて伊東市はもう一度不許可にすればいい ということについては、判決が出る前に既に多くの住民が知るところとなっていました。

(この2つの事情が、物事をフクザツにしました)


「控訴が棄却になったら許可を出して事業に協力する」という約束が、既に2月に文書で交わされていることなど私たちはまったく想像すらしていません。
ですから「実質勝訴」の控訴審の判決が出たその日から、私たちは伊東市の再度の河川占用不許可処分に向けて鋭意活動を続けます。

かねてから住民側の意を汲んで経産省へ働きかけを続けてくれていた 衆議院議員の勝俣孝明議員と県会議員の中田次城議員が伊東市小野市長からの「親書」を携えて経産省を訪問します。
5月14日のことです。


市長から経産大臣への親書にははっきりと
◆控訴は棄却になったものの、市長の裁量権は認められ、条例が事業に適用されるという伊東市側の主張が全面的に認められたこと
◆(このような内容から)控訴は棄却されたが最高裁判所への控訴の必要は無いと伊東市では判断して判決が確定したこと
◆(手続きには重大なミスがあったが)伊東市の不許可処分の判断には違法性はなく、判決を踏まえた理由を付けて再度改めて河川占用を不許可処分をすること

が書かれています。


経済産業省への親書_page001

経済産業省への親書_page004
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その上で経産省に対しては「FIT法に基づいて適切に対応されるよう要請いたします」と〆くくられています。
裁判は河川占用不許可の是非を問うものでしたがその中で、伊東市の条例がこの事業に適用されるかされないか(事業者側は条例の施行前に工事に着手していて適用されないと主張)が争点になりました。1審では伊東市の主張が認められず「条例は適用とは言えない」という判決となりましたが、高裁判決では「条例は適用」として伊東市の主張が通っています。

経産省へは伊豆高原メガソーラー事業が「伊東市の条例違反事業」として報告され、伊豆メガソーラーパーク合同会社には経産省から「改善命令」が出ています。改善命令の終点はFIT法による売電資格の取消です。
その終点に向けて経産省へ「適切な対処」を求めた要請と現状報告が親書の内容でした。

・・この時の親書の中身は「控訴が棄却になったら許可を出して事業に協力する」という2月に結ばれた確約書とはまったく真逆の内容になっています。(とはいっても、この時点では私たちも勝俣孝明議員、中田次城議員もそんなことは知るよしもありません)

小野市長の名前で、まったく真逆の内容の「確約書」と「親書」が同時に存在していた。

そのことが明るみに出たのは、事業者である伊豆メガソーラーパーク合同会社の代理人弁護士が勝俣孝明議員と中田次城議員へ送った内容証明郵便でした。

事業者側は勝俣議員と中田議員が、伊東市が再度河川占用を不許可にするということ、経産省に対して伊東市の条例違反事業としてこの事業にFIT法上での「適切な対応を要請する」ということを記した親書を手渡したことに対して抗議・警告する内容の文書を送りつけてきたのです。

そこには2021年2月9日付けで小野市長が「控訴が棄却になったら河川占用を許可して事業に協力する」という内容の確約書を結んでいるので親書の内容は伊東市の義務に反するものだ、という驚くような内容が記されていました。

・・・確約書を結んだのも親書を書いたのも小野市長ですから、託されて要請に行った両議員にこのような不躾な通知を送ってくること自体が言いがかりですが、しかしこの確約書が本当に存在することがその後判明し事態はあらぬ方向へと進んでいきます。


市長の確約書 R3.2.9

※小野市長が伊豆メガソーラーパーク合同会社と交わした「確約書」


そもそも

裁判をしている最中に、裁判をしている相手と、自分の弁護士や周囲に内緒で
「負けたら○○します」という約束をして確約書を書く 
など

前代未聞 です。

書かせるほうも書いたほうも、破格の常識外れです。

いったい何でまたそんな内容の約束をして確約書にサインをしたのか。
小野市長自身が伊東市議会6月定例会でこう理由を語りました。

↓ クリックすると発言に飛びます




・・この話には、実はまだまだ続きがあります。

何故、このような確約書を小野市長が書いたのか、については【その2】にて記してみたいと思います。



【伊東市×事業者】河川占用不許可処分取消請求事件:控訴審 その1

1審で伊東市が事業者側に敗訴した「河川占用不許可処分取消請求事件」控訴審が東京高等裁判所にて開かれました。

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この裁判は、伊豆メガソーラーパーク合同会社(事業者)が申請した「河川占用許可申請」を伊東市が不許可にしたことに対し、これを不服として事業者が取り消しを求めた裁判です。


静岡地裁で行われた第一審は伊東市側が敗訴。

こちらのサイトに判決の詳しい解説があります。↓ 
https://project.nikkeibp.co.jp/ms/atcl/19/feature/00005/070600014/?ST=msb


この結果に対して伊東市は控訴を決定しました。





11月25日(水)東京高等裁判所にて11時から開かれた控訴審。
伊東市側は1審からの顧問弁護士2名に 倉科直文先生 を迎えて裁判体制を強化。

事業者側からは特に追加の反論無しということで、提出書類の確認後、裁判長が結審を言い渡し

「難しい判断があるので少し時間をいただきたい」 という前置きをして

判決の日時を 令和3年3月17日、13時50分 としました。


行政裁判はほとんどが書面のやりとりで行われ、法廷での口頭弁論などはほぼありません。

ですので、進行そのものは外からは見えづらいのですが
裁判官が「難しい判断がある」「時間をかけて判決を出したい」という旨の発言をしたことは非常に注目です。

少なくとも、1審のようなストレート負け・完敗 という結果にはならないと予想します。



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新型コロナウィルスの第3波が報道を賑わすようになった為、伊豆高原からの移動はドア to ドアの車移動でした。車は経産省そばのビルに置きましたが、なんだかこの風景が懐かしく思えます。

伊豆高原の問題として、全国メガソーラー問題の代表として何度か訪れた経産省、環境省。
そして東京高等裁判所。
来年もまだまだ縁がありそうです。








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