ぼんくら翻訳家の独り言

翻訳業界の隅っこで細々と食いつなぐ翻訳家が、時事や私事、映画やサッカーについて語ります。

NEXT GOAL WINS
(2023年、米、字幕:牧野琴子)
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 この映画に関しては、個人的に少々忸怩たる思いを抱かずにいられないことを告白しておかなければならない。
 というのも、事実に基づくこのドラマ作品には、先行するドキュメンタリー版があり、劇場公開もされたその2014年製作のドキュメンタリー『ネクスト・ゴール!/世界最弱のサッカー代表チーム 0対31からの挑戦』の字幕翻訳を担当したのは、他でもない、この私だったからだ。
 その後、私が映像翻訳家として順調に実績を伸ばしていれば、配給会社こそ違っても、「じゃあドラマ版も同じ翻訳者で」と、お声のかかる目もあったのかもしれない。そうならなかったのは、ひとえに私自身の不徳と営業下手の致すところであります。

 2002年W杯のオセアニア地区予選で、オーストラリアに0対31の惨敗を喫した米領サモア代表は、捲土重来を期してオランダ出身のロンゲン新監督を招聘する。しかし激しやすい監督と、何事にものんびりした島の文化は水と油で・・・。
 製作・監督・脚本のタイカ・ワイティティ(ニュージーランド出身)は、もちろん自らの出自であるポリネシア文化への愛があるから、上記のドキュメンタリーをドラマ化する気になったのだろう。それはわかる。
 わからないのは、サッカーに対する愛情がまるで欠けているように見えること。たしかにこれはコメディ映画であり、異文化摩擦映画にもなっているけど、サッカー映画にはなっていない。サッカーをろくに知らない作り手が、サッカーをろくに知らない地域(米国やオセアニア)の観客に向けて作ったのが見え見えだ。
 その分、ロンゲンの妻が米国サッカー協会の幹部だなんて架空の設定を入れていたり、エリザベス・キューブラー=ロスによる死の受容過程をギャグ化していたり、ワイティティ自身が珍妙な神父を怪演していたりと、「にぎやかし」は数多い。
 だが、ドキュメンタリー版をご覧いただければわかるとおり、元になった出来事や人物自体にそれなりに豊かな物語の鉱脈があるのだから、もっと事実に忠実に脚色してくれてもよかったんじゃないかな。
 ロンゲン役のマイケル・ファスベンダーはドイツと英国にルーツがあり、当然サッカーにはそれなりに詳しいはずだから、あきれてたんじゃないかしらん?

 まあ、ワタシ的には、ヘタに傑作を作られていたら、冒頭で述べた悔しさがより一層募っていたことだろうから、シニカルに見れば、この程度の作品で良かったと言えるのかもな。

<参考>
ドキュメンタリー版『ネクスト・ゴール!/世界最弱のサッカー代表チーム0対31からの挑戦』の感想はこちら
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特集記事「ベールを脱ぐ古代マヤ」の翻訳を担当させていただきました。
機上から地面にレーザー光を照射する技術により、肉眼では見つかっていなかった遺跡が次々に発見されているという現状が興味深いです。

 実は沖縄入りした途端に熱を出していた。
 極寒の北関東から着いたら、いきなり5月並みの気温(言っとくが栃木の5月ではなく、沖縄の5月だ)。あまりの暑さに不用意に薄着をしていたら、たちまち下痢ピーと発熱に見舞われた。何かを飲食するたびに激しく咳き込む事態ともなり、喉もひどく荒れた。こんなことでは歌手にはなれません。
 後から考えれば、部屋が暑ければ窓を開ければよかったのだが、極寒の北関東から着いたばかりの人間にとって、2月に部屋の窓を開けるなど、常識的には自殺行為に他ならない。人間は多かれ少なかれ、置かれた状況の奴隷なのです。

 そこで真っ先に考えたのは、もちろん「新型コロナだったらヤベエな」ということだったが、とりあえず市販の風邪薬とのど飴で様子見していたら、どうやら峠は越えたみたい。
 だもんで、今日は巨人軍がキャンプを張る那覇市内の沖縄セルラースタジアムに繰り出した。そこでヤクルトとのオープン戦が行われるんですね。宿泊先からは徒歩圏内にあるので、体力落ちてても楽ちんだ。
 私は別に巨人ファンではないし、野球ファンでさえないので所属選手の名前もろくに知らんのだが、旅に出たら、そこでしか見られないものをなるべく見ておきたいじゃないですか。
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 昨日までとは一転して、肌寒い一日に。最高気温は17度ぐらいあるんだけど、沖縄は風が強いので、曇っていると寒いんですね。ちょうど1週間前に浦添のヤクルトキャンプを訪ねた日とは、体感温度が全然違う。あるいは着衣3枚分違う。
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 結果はホームの巨人がわずか2安打に抑えこまれ、写真の通り1対2で敗れた。ファンたちはガッカリしただろう。
 中立の立場の私としては、ヘタな打撃戦にもつれこみ、無駄に時間を潰されなくてよかったけどね。
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 終了後にスタジアムから出てみると、隣接地ではさっそく徳光さんのトークショーが始まっている。この一角には公式グッズショップや何台ものキッチンカーも出店されていて、けっこうな賑わいだ。
 唐揚げが半額で投げ売りされていたので、私も夕飯のおかず用に買い求めた。
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 席種が何種類もある中から「指定席S」を選んだのは、Tシャツがオマケについてくると告知されていたから。
 旅先にはあえてくたびれた下着や靴下を持参し、道中で順次“自由契約”にする主義なので、何点かは出先で補充しなければならない。
 球団公式グッズのTシャツだったら、それだけで数千円することもあるわけだから、このシャツが付いて3000円の「指定席S」は割安ですよね。
 ただ、「フリーサイズ」ってやつなので、小柄な私にはちょっと大きすぎるのが難点ではあるのだけど。

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