「ねぇパパ、ぼくね、パパにききたいことがあるんだ」
「お、いいぞ。なんでも聞きなさい」
「ぼくね、きのうパパのにっき、よんだんだけど、おおみそかにまぁじゃんはやめるってかいてあるのに、1がつ3にちにまぁじゃんやった、ってかいてあったんだ。なんか、ムジュンがしょうじてるよね」
「う、うーん…。そうだ、ア、アレだぞ。大晦日、パパは“麻雀をやめる”って言ったんじゃなくて“手を染める事はしない”って言ったんだ。だから、その…、“混一色とか、清一色とか、そういう染め手ではアガりませんよ”って事を誓っただけなんだ。うん。そうなんだ」
「……」
「……」
「きっと、こうやって、にほんこくけんぽうのだい9じょうがかいせいされたり、ぼくたちがおじいさんやおばあさんになったときに、しはらわれるべきねんきんが、はらわれなくなっていくんだね」
「そうだね。でもこれも、仕方がないことなんだ。大人というのはいつの時代も、自分達の都合がいいように物事を解釈してしまうものなんだ」
「ふーん。おとなって、ひきょうないきものなんだね」
「ははは。そうかもしれないな。でも坊やは、そういう汚い大人にはなっちゃダメだぞ。さぁ、夜も遅くなってきたから、今日はもう、おやすみ」
「うん。わかったよ。おやすみ。パパ。またね」
そして僕は、自分の息子をティッシュに包んでゴミ箱に捨てるのであった。