春は名のみの風の強さよ 日没が遅くなり光の春を感じるようになったが吹く風はまだ冷たい 1532レは17時29分に熊崎を出発 C5717が軽快に加速しながら姿を現した 西日を真横から浴びて先頭のオハフがギラリと輝いた 

1枚必殺のシャッターは構図を決めていたため 臨機応変に対応してカメラを少し右に振ったらよかったのに、、、 そのまま所定位置で押している OMG! 融通の利かないG鉄である
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1971年2月 日豊本線 熊崎 C5717 1532レ


別の日 青さを増した麦畑で熊崎に到着する1532レを撮影した C5753が牽引 緑のカーペットを絶気運転で滑るようにやってきた 

この田圃は市街化調整区域のため 2025年現在もそのままである しかし背景の旧国道沿いは都市化が進展 建物が軒を連ねてしまった 背景の山は鎮南山 標高536m 旧臼杵市街地のどこからも見える ランドマークの山である 

1532レはオハ級客車6輌編成 下りの1523レは4輌編成 C57と客車 佐伯で昼寝して折り返す単純なスジであるが いつの間にか2輌増結となっている 大分に到着したらその2輌はまた別の運用に入ることになる

客車運用は実に変化に富んでいる 複雑怪奇といってもいいだろう その調査研究は鉄道趣味の醍醐味の一つだろう 

浅はかなG鉄の思考力のおよぶところではない ゴーギャンの代表作のタイトルをそのまま記述してお茶を濁しておく

「われわれはどこからきたのか われわれはなにものか われわれはどこへいくのか」 ポール・ゴーギャン
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1971年2月 日豊本線 熊崎 C5753 1532レ


下り佐伯行1523レが熊崎を出発 3月も近く青い麦も成長した もうすぐヒバリがさえずり始めたら春本番となる そして4月を待たずにC5753が若松機関区へ転出 大分運転所C57は17号機1輌のみの配属となってしまう 
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1971年2月 日豊本線 熊崎 C5717 1523レ


日豊本線と旧国道217号の間は 住宅や商店などが立ち並んで隔世の感がある 臼杵は醸造の町 分銅金の商標を持つ会社のTVCMが 1971年頃からしばらくの間放送された この写真とほぼ同一構図 この付近の田圃から撮影したことは間違いない