2007年06月04日
CINEMA●STARR「スパイダーマン3」
- 監督 サム・ライミ
- 出演 トビー・マグワイヤ、キルステン・ダンスト、他
順風満帆なスパイダーマンに襲い掛かる新たなる敵と因縁の対決!
「この映画ではスパイダーマンは死ぬべきだったと思う」
1.2も見たけど、ちょっともういいかなって思ったけど、見てみました。
話がどれも中途半端で蜘蛛の巣状態に広がって、話がまとまらない。
まず言っておかないといけないのは、これはスパイダーマン3であって、スパイダーマンの続編です。つまり1,2を見ておかないと、出だしでつまづくと思います。僕はこういう「前作を見ておかないと辛い」という映画は基本的に嫌いです。
しかもこの映画、3だけ見てもいまいち盛り上がりに欠けるんです。
映画初登場の新キャラは良いとして、因縁の対決もあるのですが、それを「この映画を観ている人は前作も当然みてるでしょ」的な作りで、話が走る走る。そのせいで大まかに分けて3つある話が、どれも中途半端な感じがします。
一番伝えたい事を、他にいいたい事が多すぎてぼやけてしまう。
この映画、完全に反戦映画だと思います。更にいえばブッシュ政権批判が強いと思います。
スパイダーマンはアメリカ(アメリカ国旗の前で構えるスパイダーマンのシーンもあるし)サンドマンはイラク、寄生虫は石油会社でしょうか?(見た目も石油っぽい)
壊しても壊しても壊れない、サンドマン。泥沼化しているイラク戦争に置き換えるのは強引ですかね?スパイダーマン自身が招いた戦争ってのもそれっぽいですし。
この映画最大のテーマである、キリスト教の教え「許し」。
そんな事されちゃ許せないってって思う事も、隣人を愛せの通り、みんな許していくんですよね。そして、それぞれ事情があるんです。少々傲慢な表現って感じですが、イラクにも事情があったんですよ。それを無視して自己の利益の為に戦争しましたモンね、アメリカは。
宗教的テーマの映画で、説教くさくなってしまうし(そんな簡単に許せないって、そんだけされてるのに)、終盤の盛り上がらなければならない所が、ドラマの積み重ねが弱い為にいまいちもりあがらない、エンターテイメント作品としては弱い感じで終わってしまいました。
でも、こんな事をスパイダーマンっていう一大娯楽作品に取り込んだことは、興行的には1,2で作った実績を3でランクを下げてしまうかもしれませんが、ヒーローなのに悩みに悩むというこのシリーズならではの特徴を掘り下げた結果なのかもしれません。
でも、こんな難しいテーマをこの映画に入れた事に感心するし、相変わらずCGは凄かった!!
しかし、「許し」と「反戦」(しかもアメリカが悪い的な)とするならば、スパイダーマンが誰かをかばって死んだ方が一番伝わる気がします。アメリカを表すスパイダーマンが死んでこそ、戦争の無意味さが伝わるような気がしますが。
それでも、これを見終わって4はないなって思いました。
3でサム・ライミは、大体好きなことしちゃったんじゃないでしょうか?それは4が実質無理って事??
最後に映画館のマナーどうにかなりませんかね?
映画は最後の「END」なり「終」なりが出たら終わりでしょう。
エンドロールで帰るのは勝手ですが、どたどた足音立てて帰ったり、連れ合いと話し出したりするのはマナー違反、お前らがそんなんしたいんかしらんけど、俺も金払って、最後までちゃんと堪能したいねん!!
マナーを大切に。
#21
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この記事へのコメント
「1」「2」を観てなかったら意味不明です。
というか、以前に観てる人でも思い出せないことが多いようです。
「4」は作られるんでしょうかね〜
ファンとしては作ってもらいたい気もするのですが。
映画館のマナーといえば、あたしは席運が悪い事が多くて、後ろの席にめっちゃ喋る人がいたり、後ろの子供がおならしたり。。。 最悪です!!
TB&コメントありがとうございました。
深い考察力ですね。
興味深く記事を読ませていただきました。
どの映画においても、完結編と称されるものは詰め込みすぎな印象になりますよね。
でも、個人的には単純にエンターテインメントとして楽しめたので良かったと思っています!