町田市議会第2定例会最終日の論議と紛糾(請願・意見書)について,2016.6.25記録です。

 告示日に提出された、一般の議案はさして論議になることもありませんでした。私が所属する総務常任委員会では、質疑・討論も一切ありませんでした。委員長の報告で深い内容があったものは、建設常任委員会の請願審査結果にあたるもの(下段に記載)でした。もとより、委員会で継続審査となった報告にみの請願があったことは服しておきます。

 また、今期の議会では前期より引き続いた「町田市交通政策特別委員会」の報告が藤田委員長よりあり、承認されました。前期佐藤特別委員長(現、議長)の時代に中間報告があり、今回で最終となったもので、お疲れ様でした。

 さて、請願第4号「搬入出車両等による安全確保を含めた地域住民の合意及び代替え地の合意迄東京都
との『町田市金森六丁目1406番1外の地下に設置する調節池に関する基本協定書』の凍結を求める」ですが、委員会では全会一致で「採択」となったという委員長報告(白川哲也委員長)でしたが、私はその結果に疑問を抱いていました。ちなみに、この請願に関して、保守連合は、署名を誰もしておらず、かつ、この建設常任委員会では白川委員長しかメンバーがいなく、意見も可否も明らかにする立場にありませんでした。
 以下、先に全議決結果(議会ホームページに掲載)の議員別の賛否表決結果を記載します。
平成28年(2016年)第2回定例会の議決結果及び議員別表決結果のお知らせ
 本会議の委員長発言後、討論の事前通告はなく、その場の挙手で、新井克尚議員(保守連合幹事長)が反対討論を行いました。趣旨は、恩田川に設置する調整池は東京都が進めるもので、その必要性は下流(神奈川県域)だけでなく、上流の洪水被害にも対応するものであることをまず指摘をしました。次いで、もし、工事を凍結を行って、その間に、水害被害が起きた場合に、だれが責任を負うものかの観点が重要だと述べました。

 もとより、工事進行の安全性は欠かせないものであり、スポーツ広場として利用されるエリアの代替え地を求めることに理解をするものですが、この調整池工事自体は、そのスポーツ広場を無くすものでなく、工事期間中の利用が制限されるものです。さらに、多摩都市モノレール町田延伸を東京都に強く要請している立場にあり、かつ、これまで協調してきた、同じ部門が進めるこの河川改修調整池の凍結を町田市側から要求することはとてもできるものではないものです。また、町田市議会議員は、全員が東京河川改修促進連盟にかかわり、その総会にほぼ全員の議員が毎年参加し、国や東京都に治水・被害対策の促進を強く求めてきている立場です。

 結果、請願は多数で採択(可決と同義)されました。この種の請願審議で思うことですが、議員が事の実効性をどのように考えているのか疑問です。多数派は住民に約したことを本気で守るのか、後は行政の判断だという態度なのか、それで議員の役目が果たせるかなどなどです。私は、請願審査では、それを最も大事な視点にしています。

 次いで、急きょ実施されることになった、東京都知事選挙に関して、補正予算が追加で提出され、総務常任委員会で審議しました。大勢を問う内容はありませんでしたが、私はポスター掲示に関して、それの横浜市のように現地案内図が、その後町田市で作成しているかを問いました。すると、ホームページに掲載していると答弁しました。詳細に聞くと、それは全体地図を掲載しているもので、現地案内図を載せているわけではないことが確認されました。役人は、個別のポスター貼りをやるわけでなく、それ実施するのは各選挙立候補陣営の仕事だとして、その現場苦労を知ろうともしていません。中には、その作業中に交通違反になることもあります。以前に、その横浜市の資料まで渡して改善を求めているのに、その存在さえ知らない選挙管理委員会の在り方に激怒した次第です。今後の都議選、市長・市議選までに改善を図らせたいと思いました。補正予算の議案には賛成しました。委員会も、本会議も全会一致で可決しました。

 次いで、人事案件が提案され、異議なしで可決しました。町田市行政不服審査会委員に、三木由希子さん(特定非営利活動法人理事長)が新任されました。三木由希子さんは、情報公開・個人情報保護分野の優れた人物で、情報公開法の制定に専門家としてかかわってきている人物です。その三木さんが学生時代からお付き合いをしていますが、その成長ぶりには遠くから敬服していますし、さらに、その真価を発揮されることでしょう。

 次いで、議員提出議案が4件が提出されました。通常、会派や一部議員から提出される議案では、提案理由説明と委員会審査が省かれ、本会議質疑、討論して、採決となります。この日もそのスケジュールでした。
第5号 原発事故避難者への住宅支援の継続を求める意見書
第6号 食品ロス削減に向けての取り組みを進める意見書
第7号 次期介護保険制度改正における福祉用具、住宅改修の見直しに関する意見書
第8号 元海兵隊員による女性死体遺棄事件に関する意見書

 上から3件は、質疑討論は無く、全員が賛成して可決でした。
 最後の議案には、私が、質疑を行いました。
 4項目の意見書案でありましたが、他の内容は理解したとした上で、最初の1項目のみを尋ねました。「日米両政府は、遺族に対して改めて謝罪し完全な補償を行うこと。」とする部分ですが、日本政府と米国に求めるものが同じ訳を問いました。
 提出者の一人の渡場議員が答弁しました。米軍の補償で足りない場合は、日本政府がそれを実施するように定められているとの説明で、その部分は了解しましたが、日本政府に謝罪を求める点の説明が不十分であり、再質疑を行いました。安倍総理が謝罪をしているというものであるかのような説明でよりわからなくなりましたが、提出者の池川議員が補充の説明を行いました。途中で、議場から、ざわつきがありました。議場内に、提案者の説明不足の感があることに、別の提案者の補充説明は当然なことです。結果的に、その説明が聞き取りにくいものありましたが、再質疑の回数が決められており、それにて質疑は収束しました。

 討論では、松岡議員より反対討論がありました。提出議案に即していないい独自の主張が目立ちました。日本の自主防衛派の立場の主張展開に見えました。そこで、池川議員から賛成討論がありました。その発言に対して、提案者による賛成討論は認められないとするものでした。(戸塚議員より、当初、動議としてその池川議員の発言の在り方を問う内容で、発言途中で、議事進行上の発言となりました)会議が中断して、議会運営委員会が開かれました。聞くところによりますと、過去に提案者による賛成討論があったとして、今後の在り方を議論することで収束したとのことでした。

 私の理解では、提案者が賛成討論をすることはなじまず、事前に討論要員を確保することが町田市議会では一般的でした。議員提出議案は3名で提出可能であり、今回そうした対応を取ることは可能であったはずですが、所属の副議長を除いた全議員(4名)で議案を提出したことで問題発生があったと理解しています。とは言え、私は議運メンバーから離れること久しく、自分の知識(自分ではそれなりに自負心がある)が会議の連続性が優先される時代とは違ったように思っています。

 なお、この議案には、私は沖縄に少しでも寄り添う気持ちで賛成しました。採決結果は、多数で否決となりました。思うところ、日本の安全のために、沖縄の処遇は致し方ないというのが本土側の理解であるようでした。イギリスでEU離脱を求める立場が勝利を収めたニュースをを目にし、日本と日本人が一体とする発想がそもそも現状にそぐわない虚妄と言うかすかに視点が頭によぎり、私はそうした傾向に日本は進まざるを得ないのでないかと理解し始めています。

 この日は、インターン生の藤澤美彩子さんが、朝から終了まで会議を傍聴しました。
 追記:本会議終了後、永年勤続議員の表彰が本会議場でありました。谷沢和夫議員(30年)、大西宣也議員(25年)や在任10年議員の表彰が行われました。それぞれ、おめでとうございました。昔のような記念品は無くなったようでした。

 記:町田市議会議員 吉田つとむ 保守連合