ウラダッシュ

2005年02月13日

1月刊ちょっぴり感想

スーパーダッシュ1月刊「隣のドッペルさん」一読。再読しようと思いつつまだ読み切れてません。
綿密なレビューはまたとして、ふつーにおもしろかったです。ふつーってのが微妙なニュアンスを含んでて、爆発的に面白いってわけじゃないのね。所謂伝奇アクションホラー風味なんですが「どっかで読んだことあるなぁ」って感覚が残る。「あたし系」の一人称も苦手だったのでちょっと印象がしょっぱいんです。これは好き嫌いがあるから仕方がない。
 スーパーダッシュ文庫の特徴ってこの「及第点はあるんだけど余所のヒット作に及ばないパワー不足」なんじゃないでしょうか。作家さんはコミティアで見出した人みたいです。帯がさりげなく「ひよこ帯」でした(笑) だからってわけじゃないけど同人ぽいかな、筆致も話も。イラストはレイアウトがまんまゲームの「女神異聞録・ペルソナ1」ぽい。
わあおもしろかった、すぐに再読だ! と構えさせないのってやっぱりインパクト不足なんだよね。これね、あたし系一人称じゃなくてかっちり「私」もしくは「わたし」で語らせて、哲学を随所に忍ばせるとヒットしたかも。
伝奇ホラーはアイなんかの場合だと夢枕獏とか菊池秀行からスタートして、最近じゃ「月姫」とか「Fate」とかゲーム系でちょっと手垢が付いた感があるんだよね。わっと「月姫」で火がついて、同人業界もそっち系のノベルやゲームやコミックスが増えたでしょ。同じ舞台とネタで勝負するなら目新しさがほしいところ。
他社の例で申し訳が立たないんだけど「キノの旅」はあれをライトノベルにしてしまったところが新しい。「トリニティ・ブラッド」はヴァンパイヤのオーソドックスな設定とオーソドックスなストーリーをライトにアレンジしたもの。主人公は特殊な吸血鬼、宿命を背負ってる。ライトノベルらしく読者の感情移入しやすいキャラクターのエステルを仮主人公に置いて成長物語の側面も併せ持つ。ビジュアルと「ゴシックテイスト」をばっちり組み合わせて人気が出た。その差、たったそれだけの差なんです。でもおもしろさや魅力が格段に違う。
次はSFがくるね、多分!


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